無店舗で開業できるフランチャイズビジネスは?種類やメリット・デメリットを解説

フランチャイズビジネスには、コンビニやファミリーレストランなどの店舗型のビジネスだけではなく、無店舗型のビジネスもあります。
無店舗型は店舗を構える必要がないため、初期費用を抑えられるなどメリットも多く、人気のフランチャイズビジネスです。
さまざまな業種で無店舗型フランチャイズビジネスが展開されていますが、具体的にどのようなビジネスがあるのでしょうか?
この記事では、無店舗型フランチャイズビジネスの種類やメリット・デメリット、自分に合った業種選びの方法などを解説します。
目次
無店舗で開業できるフランチャイズビジネスとは
開業する場合、有店舗型ビジネスと無店舗型ビジネスの2種類があります。
無店舗型フランチャイズビジネスとは、店舗を持たずに運営するフランチャイズビジネスのことです。
まずは、無店舗で開業できるフランチャイズビジネスの種類や、有店舗型ビジネスとの違いからご紹介します。
(1)無店舗型ビジネスの種類
無店舗型ビジネスでは店舗を持たずに事業の運営をしますが、運営方法は多様です。
主な運営方法は出張型ビジネスと在宅ビジネスの2種類があり、それぞれの運営方法は以下の通りです。
①出張型ビジネス
出張型ビジネスは、顧客の自宅や事務所に出張して商品やサービスを提供するビジネス方法です。
出張型ビジネスならば、出張先でサービスを提供できるので店舗を持つことなくビジネスが成立します。
代表的な業種は、顧客の家に出向する習い事の講師、、家事代行サービスなどが挙げられます。
在庫の保管が必要なビジネスでは倉庫や事務所として店舗が必要になるケースもありますが、形のない商品やサービスを提供する業種であれば無店舗型ビジネスに対応しやすいです。
②在宅ビジネス
自宅での作業がメインとなるビジネスの場合、在宅ビジネスとしての開業が可能です。
代表的な業種は、ホームページ制作やECサイトの運営など、インターネットを利用したビジネスが挙げられます。
在宅ビジネスは、新型コロナウィルスの影響でテレワークなど在宅での仕事が定着化したことで、急激に伸びているビジネス様式だといえます。
インターネットの普及も加速しているため、とくにインターネット関連の在宅ビジネスは増加しています。
(2)無店舗型と有店舗型の違い
有店舗型と無店舗型の違いは、店舗を構えるか否かという点だけではありません。
まず、大きな違いとして挙げられるのは、開業資金の金額です。
有店舗型は、店舗を借りるために敷金・礼金など初期費用が必要になるため、開業資金は高額になります。
一方で、無店舗型は店舗を用意するための資金が不要なため、開業資金を抑えることが可能です。
さらに店舗を構えれば、家賃や光熱費も毎月発生するため、固定費も発生します。
また、有店舗型では店舗を基準にビジネスを行うため、営業エリアが店舗周辺のみに限定されます。
一方で、無店舗型ならば有店舗型よりも営業エリアを広げられます。
インターネット関連のビジネスならば、全国に営業範囲を拡大できるでしょう。
その他にも、開業までの速度の違いもあります。
有店舗型では店舗を構えるための準備が必要になるため開業まで時間がかかりますが、無店舗型はすぐにでも開業できる点がメリットです。
ただし、有店舗型のように在庫を抱えにくいため、無店舗型ビジネスは在庫を抱えない無在庫販売の業種が多くなります。
いずれにしても、このように、資金面では有店舗型にもよりも無店舗型にもそれぞれメリットとデメリットあります。
資金だけでフランチャイズビジネスの業種を選ぶのではなく、自分に合った業種を選ぶことが大切です。
無店舗でフランチャイズビジネスを始められる業種
無店舗でフランチャイズビジネスを始められる業種は、多種多様に存在します。
ここでは、当サイトで実際にオーナーを募集している業種を具体例として紹介します。
無店舗型での開業を考えている方は、ぜひここでイメージを膨らませてみてください。
(1)中古品の買取・販売
中古品の買い取り・販売業は、無店舗でも開業が可能です。
店舗型の質店やリサイクルショップなどもありますが、インターネット上に店舗を構えれば実店舗がなくても開業できます。
近年はインターネットで買い物をする人も多く、店舗を持たなくても顧客を得やすいです。
ただし、中古品の取り扱いには古物商の許可が必要です。
また、在庫を置くための倉庫として賃貸住宅の一室を登録するのであれば、貸主の許可が必要なので注意してください。
中古品を取り扱う場合は、販売前に商品のリペアを行う必要があるため、リペア研修などを開業前に受けることになるでしょう。
中古品の買い取り・販売のフランチャイズオーナー募集を見てみる
(2)家事代行
家事代行サービスは、顧客の家に出向いて掃除などの家事を行うため、出張型の無店舗ビジネスに該当します。
場合によっては家の掃除だけではなく、犬の世話や日常で必要な物の買い物を行うこともあります。
共働き夫婦の増加や高齢化が進んでいるため、子育て世帯や共働き世帯・高齢者世帯などからの需要が高く、今後も市場拡大が見込まれている業界です。
清掃に使用する道具や洗剤などを置いておくスペースは必要ですが、自宅の一室や車内などに保管できれば店舗や倉庫を用意する必要はありません。
無店舗型ですが、顧客の自宅に訪問して作業するため「お客様の顔が見える仕事がしたい」という人に向いているでしょう。
日頃から家事をしているという人であれば、難しい作業は少ない業種ともいえます。
(3)ネットショップ(ECサイト)運営
ネットショップ(ECサイト)の運営は、パソコンでの作業が多いので自宅で開業できる業種です。
スマホやパソコンさえあれば開業できる手軽さが魅力といえるでしょう。
商品在庫を置くスペースが必要になるネットショップもありますが、輸入代行など在庫の保管が必要ないフランチャイズ本部もあります。
こうした販売方法は無在庫販売と呼ばれ、在庫を抱えるリスクを回避できる点が大きなメリットです。
商材は加盟先のブランドによって異なり、アパレルグッズや医薬品、書籍など多様に存在します。
加盟先選びでは、自分の好きな商材を扱っていることを基準にしても良いでしょう。
インターネット環境があればどこででも作業することができるため、スキマ時間を利用して副業で挑戦している人も多いです。
ネットショップ(ECサイト)運営のフランチャイズオーナー募集を見てみる
(4)訪問マッサージ
訪問マッサージでは、依頼者の自宅に出張して施術を行うため、出張型の無店舗型ビジネスとして開業することができます。
出張先が仕事場になるため、事務所や店舗は必要ないケースも多いです。
保険適用の医療マッサージの場合は資格が必要となりますが、加盟先によっては資格者を紹介してくれることもあります。
この場合は、オーナーとして経営することになるため、資格や経験は必要ありません。
日本は高齢化が進んでいるため、訪問マッサージのような高齢者向けサービスの需要はさらに増大することが見込まれます。
参考:みんなの笑顔治療院
(5)探偵業
依頼主の相談を受け、調査を行う探偵業も無店舗での開業が可能です。
依頼主の相談を受ける際に事務所が必要になるのではないかと考える方もいますが、近年ではオンラインやカフェなどで相談を受けることもできるため、無店舗で開業するケースも増えています。
また、基本的に調査する場合はスマホやパソコン、または外出して調査することになる点も、ため、店舗を構える必要性がないことの理由になります。
依頼内容は浮気調査や素行調査が多く、高単価を狙える業種です。
探偵になるには国家資格などの資格は必要ありませんが、公安委員会へ探偵業界紙届出書の提出が必要になります。
未経験でもフランチャイズならば本部のサポートを受けられるため、リタイヤ後に始める方も多いです。
探偵業運営のフランチャイズオーナー募集を見てみる
(6)オリジナル絵本製作販売
変わり種の無店舗フランチャイズビジネスとして、オリジナル絵本の製作販売があります。
自宅で製作ができるため、店舗を構える必要がありません。
有限会社クリエイト・ア・ブック ジャパンの絵本販売ビジネスでは、絵本自体のフォーマットが本部から提供されます。
そこへ顧客の依頼に合わせて登場人物や町の名前などを設定して製作するため、未経験でも開業が可能です。
固定費がかからず、ロイヤリティ―の支払いが発生しないため、資金不足に陥りにくい点も魅力でしょう。
無店舗型フランチャイズのメリット

無店舗型フランチャイズは、有店舗型フランチャイズと比べるとさまざまなメリットがあります。
無店舗型フランチャイズだからこそといえるメリットは、以下の通りです。
(1)開業資金を抑えられる
有店舗型との違いでも説明した通り、無店舗型フランチャイズでは店舗を構える必要性がないため、開業費用を大幅に抑えられます。
開業費用で大きな割合を占めるのは、店舗の準備資金といえます。
有店舗型では、店舗を借りるための初期費用や改装費用、設備の用意など多くの費用がかかります。
開業費用を抑えたい場合や、資金が少ないという場合には、店舗を必要としない点が大きなメリットになります。
(2)毎月の経費を抑えやすい
店舗を構えた場合、家賃や光熱費など毎月の固定費が必ず発生します。
特に家賃は大きな負担になりやすく、開業して間もないうちは利益が思うように伸びない中で固定費の支払いがあり、赤字になることも多いです。
一方で、無店舗の場合は店にかかる固定費が発生しないため、その分利益が出やすくなります。
また、無店舗型は在庫を抱えない無在庫販売の業種が多いため、仕入れなどの費用が少ない点も毎月の経費を抑えられる要因のひとつです。
(3)営業エリアに縛られない
有店舗型の場合、店舗の近辺が営業エリアになることが多く、商圏が限られてしまいます。
なぜなら、有店舗型では顧客の来店が前提となり、足を運べる範囲の顧客がターゲットになるからです。
一方で、無店舗型は出張するのは顧客ではなく運営側です。
そのため、好きなだけエリアを広げて営業することができます。
インターネットを利用したフランチャイズビジネスならば直接顧客の元へ行く必要もないため、さらに商圏は広がります。
(4)開業までのハードルが低い
何かビジネスを開業したいと考えていても、資金や店舗・設備準備などを考えると開業はハードルが高いものです。
また、未経験ではどのように開業すればいいのか分からない場合や、スキルやノウハウの身に付け方で苦戦する場合もあり、開業ハードルが高まります。
しかし、無店舗型のフランチャイズビジネスならば開業までのハードルが低くなります。
まず、店舗や設備などの必要がないので資金は少なくても始めることができます。
準備期間も短縮されるため、有店舗に比べるとすぐに開業までがスムーズです。
次に、フランチャイズの無店舗型ならば、本部が開業までサポートをしっかり行うため、未経験でも研修を受けてスキルやノウハウを身に付けられます。
無店舗型のフランチャイズビジネスならば開業までのハードルが低くいため、副業として始めることも可能です。
無店舗型フランチャイズビジネスのデメリット
無店舗型フランチャイズビジネスのメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットについても知り、有店舗型と無店舗型のどちらが自分自身に向いているのか検討しましょう。
(1)業種が限定される
無店舗型フランチャイズビジネスは、在庫が必要な販売業や、来客が前提のビジネスには不向きです。
インターネットで完結できるビジネスや、出張や無在庫販売でのビジネス展開ができるサービスなど業種に限定されます。
自分が開業したいと考える業種では無店舗での経営が難しい可能性もあるでしょう。
業種に縛りがあるという点は無店舗型のデメリットといえます。
在庫保管のための場所が必要になる業種の場合、事業が軌道に乗って在庫を多く抱えなければならない状況になってから事務所を借りるという手段もあります。
(2)顧客の購買行動が制約される
店舗型ビジネスは、顧客が来店して実際に商品やサービスを体験できます。
そのため、その場で顧客が購入を決めることができますし、営業力やディスプレイ力によって購入が決まることやセット買いによる客単価アップも狙えます。
また、道路沿いの店舗ならば顧客が店内にいることで、つられて来店する人も増える可能性があります。
一方で、無店舗型では顧客が商品やサービスを実際に体験できるのは、手元に商品が届いたり出張型でのサービスを受けたりした後になります。
実際の商品やサービスを事前に確認できないため、顧客の購買行動は制限されてしまいます。
また、インターネットやSNSなどでの広告・宣伝活動なくては認知度を高めることは難しいでしょう。
(3)顧客や取引先との信頼構築が難しい
実際に店舗があれば従業員や商品を目で確認できるため、顧客や取引先の信頼は得やすいです。
一方で、無店舗型は従業員や商品・サービスを先に目で確認できないため、最初は不安に思う顧客や取引先も少なくありません。
信頼構築ができていなければ、顧客の購買につながらないことや、取引先が不安に感じて仕入れを断るようなケースもあります。
信頼を得るためには、実績や経験を積むことが大切です。
フランチャイズならば本部の認知度を利用できるため、顧客や取引先との信頼関係は築きやすいでしょう。
自分に合った無店舗型フランチャイズビジネスの選び方
フランチャイズビジネスを成功させるには、自分に合った加盟先を選ぶことが一つの大きなポイントになります。
無店舗型フランチャイズビジネスを始めるには、どのように自分に合ったフランチャイズ本部を選べばいいのでしょうか。
(1)資金をしっかり把握する
無店舗・有店舗に限ったことではありませんが、ビジネスを始めるのであれば、開業資金をどれくらい集められるのか把握しておくことが大切です。
開業資金に余裕があるのならば、ある程度在庫リスクのあるビジネスや、一定の設備等が必要になるビジネスも視野に入ってきます。
一方で、資金が少ない場合は、リスクを抑えてコンパクトに開業する必要があります。
開業後に資金不足になってしまうケースもあるため、開業後にも資金に余裕を持たせられるように考え、業種選びを行いましょう。
(2)興味の持てる分野を選ぶ
無店舗型のフランチャイズビジネスにはさまざまな業種がありますが、自分が興味を持てる分野の業種を選びましょう。
「儲かりそう」「簡単だから自分にもできそう」という理由だけで選び、実際には興味のない分野だった場合、ビジネスとして長続きしない可能性があります。
自分が興味を持てる分野であれば、新しい技術や知識を身に付けることも楽しいですし、長く仕事を続けやすいです。
より自分の知識や技術を高めようという努力も苦にならず、知識や技術が高まれば売上向上にもつながります。
長く仕事を続けながら売上向上を目指すためにも、ある程度は自分が興味を持てる分野のビジネスを選ぶべきといえます。
(3)加盟先を比較し、じっくり検討する
加盟先を検討する場合、同じ業種のフランチャイズ本部を2社~3社ほど比較することをおすすめします。
安易に加盟金が安いなどの理由で複数社を比較せずに決めてしまえば、後悔する原因になります。
また、複数社を比較することで加盟店ごとの特徴や問題点なども見えてきます。
本部ごとに経営方針に違いがありますし、サポート内容も異なります。
資料請求や説明会への参加などで不明点や疑問点が明確にならない場合は、直接質問してみてもよいでしょう。
都合の悪い質問に答えない場合や返答を濁す場合は、警戒すべきです。
まとめ
無店舗型フランチャイズビジネスは、開店資金を抑えられることや、手軽に開業しやすいなどさまざまなメリットがあります。
一方で、店舗を構えないので無在庫販売などの業種に限られるというデメリットがあるため、開業資金の低さだけを見て開業を決めることは避けるべきです。
無店舗型ビジネスのメリット・デメリットをしっかりと理解し、自分に合った業種とフランチャイズ本部を選びましょう。
まずは気になる業種からフランチャイズ本部を複数ピックアップし、資料請求や説明会へ参加することから始めてみてください。