無店舗で開業できるフランチャイズビジネスの種類・メリットやリスクは?
フランチャイズという言葉を一度は聞いたことがあるが、具体的にはどのようなものを指すのかわからないという方も多いでしょう。
フランチャイズとは元請け企業と加盟店がフランチャイズ契約を締結し、元請け企業のノウハウを得て経営を行う方式です。
元請け企業の知名度や広告を、毎月のロイヤリティを支払いながら活用できるというメリットがあります。
フランチャイズ方式のビジネスは、有店舗経営だけではありません。
無店舗でのフランチャイズ経営も可能です。
では、無店舗でのフランチャイズはどのような形態があるのでしょうか。
また、無店舗のフランチャイズ経営にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
この記事では、無店舗でのフランチャイズ経営について解説します。
無店舗で開業できるフランチャイズビジネスとは
フランチャイズ経営は無店舗ビジネスが可能だと前述しました。
では、どのような形式で無店舗開業ができるのでしょうか?
ここからは無店舗でのフランチャイズ経営のビジネス手法について解説します。
(1)出向いてサービスを行うビジネス
直接顧客の自宅などに出向きサービスを提供することが可能です。
有店舗でもサービスが受けられるのですが、顧客がリラックスできる場所でサービスが提供できる点や、わざわざ顧客が出向く必要がない点がメリットとして挙げられます。
また、直接出向かなければサービスができないビジネスもありますので、このような場合は、わざわざ店舗を構える必要がありません。
しかし、出向いてサービスを行うビジネスにおいても、大型の機器や在庫が必要なビジネスもあり、直接出向くサービス全般において店舗がいらないというわけではありません。
直接出向きサービスの提供者がレッスンする、自分の身体を使ってサービスを提供するといったビジネスならば無店舗フランチャイズに対応しやすいといえるでしょう。
(2)自宅でできるビジネス
2020年はコロナウイルスの大流行により、テレワークやweb上でのビジネスといった新しいビジネス展開が可能となりました。
つまり、自宅でできるようなビジネスが増えていったといえるでしょう。
自宅から、webカメラで対面しサービスを提供することも広く認知され、自宅でできるビジネスの幅が広がった年になったといえます。
わざわざ店舗を構えるほどのスケールがなくても、自宅でネット回線を整えるだけでビジネス展開が可能ですので、無店舗フランチャイズでのビジネスがやりやすくなりました。
無店舗でできるビジネスもwebシステムの向上やテレワークによってより広まったといえるでしょう。
(3)有店舗との違い
有店舗と無店舗にはさまざまな違いが見受けられます。
最も顕著な違いとしては、当初の開業資金が無店舗と有店舗では大きく異なる点が挙げられるでしょう。
無店舗は比較的当初の資金が少なくても開業できますので、開業資金に不安がある人には無店舗フランチャイズにメリットを感じる人が多いといえます。
しかし、有店舗も無店舗もそれぞれメリットやデメリットがあるので、どちらがいいとは一概には言えません。
それぞれの特色や注意点のポイントとなるべき点に着目し、無店舗か有店舗のどちらで経営を行うのかを選ぶ必要があります。
また、フランチャイズ経営を行おうとする人の経験値や、資金力の大小によっても異なりますので、さまざまな判断が必要となるでしょう。
無店舗のフランチャイズビジネスの具体例
先ほどまで、無店舗でできるフランチャイズ経営の形態について解説しました。
では、実際に無店舗フランチャイズとしてどのようなビジネス形態があるのでしょうか?
ここからは無店舗フランチャイズの具体例を解説します。
(1)メール営業
メール送付のみでビジネス展開する無店舗フランチャイズがあります。
例えば、動画制作をメールにて営業を行い、仕事を受注するスタイルです。
主にメール営業を行い、商品は、製作が請け負うので、自宅にパソコン一つあるだけで作業を行うことができます。
メール自体もきちんとフォーマットがあるので、わざわざ文面を考える必要もありません。
在庫を抱えるリスクもありませんので無店舗でのフランチャイズビジネスとして展開が可能です。
参考:https://fc-kamei.net/brand/0904/
(2)家具等のリペア
家具などのリペアサービスも無店舗フランチャイズビジネスの主な事例として挙げられます。
作業台が必要になりますが、そう大きなものでもありませんので、自宅でビジネス展開が可能です。
他にもタイヤホイールなどのアルミ製品や、レザーソファなどの革製品、家具の中でも木材である家具のリペアなどがあります。
自宅でリペアとなると、音が気になるかもしれませんが、静音の機材が準備されていますので、夜中でも作業が可能です。
経験を重ねることで技術力が身につき、リペア技術のノウハウもあるので、未経験でも経営可能なビジネスといえるでしょう。
参考:ワールドリペア
(3)エアコンクリーニング
自ら出向いてサービスを提供する無店舗フランチャイズ経営としてエアコンクリーニングが挙げられます。
エアコンの需要は年々増加しており、現在の市場規模は1兆円超となっています。
エアコンの需要増に伴い、エアコンクリーニングの需要も右肩上がりです。
エアコン自体を動かすわけではありませんので、女性でもできるビジネスとして認知されています。
大きな機器を使用することがない点や、クリーニングに関するノウハウが得られる点などから無店舗でのフランチャイズ経営が可能です。
参考:PHLOX(フロックス)
(4)海外医薬品など個人輸入代行
自宅で開業できるビジネスとして輸入代行業があります。特に国内では取得できない海外医薬品の取り扱いなどを行います。
行う仕事はホームページの製作が必要ですが、ホームページ制作のスキルがなければ費用は掛かりますが代行依頼も可能です。
また、在庫を抱える必要もありません。
代理店として集客とサポートに専念するだけですので有店舗である必要性もないのです。
参考:IMG Pharmacy
(5)オリジナル絵本製作販売
ちょっと異色な無店舗フランチャイズビジネスとしてオリジナル絵本の製作販売があります。
こちらも自宅で製作が可能で店舗を構える必要性がありません。
絵本自体はすでにフォーマットが数種類あるので、登場人物や町の名前などをお客様の要望にお応えし、製作するだけです。
固定費が少なく、ロイヤリティがないケースもあるので、気軽に取り組むことができます。
無店舗フランチャイズ経営のメリット
無店舗フランチャイズ経営について、ビジネスの具体例などを挙げましたが、主にどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、無店舗フランチャイズのメリットについて解説します。
(1)開業資金が少なくすむ
店舗を構える必要性がありませんので、開業費用が少なく済みます。
有店舗でフランチャイズ経営を行う場合、最初に加盟費がかかる上に店舗の取得や賃貸に費用が発生します。
特に、店舗の開店費用は、設備の設置や内装費用など金額が非常に高くなりがちです。
無店舗でのフランチャイズ経営は、店舗取得の開店費用が全くかかりませんので大きなメリットです。
フランチャイズ経営において最初の壁となるのが開業資金です。
この開業資金を少なく抑えることで最初のスタートをスムーズに切ることができます。
(2)毎月の経費を抑えることができる
店舗を構えてしまうとどうしても毎月の固定費が発生します。
家賃、水道光熱費などのランニングコストが必要です。
特に家賃は毎月の支出の中で大きな負担になりやすく家賃分を稼ぐだけでも精神的な負担にもなりがちといえるでしょう。
しかし、無店舗ならばこれらの経費が掛かりません。
つまり、毎月の支出が低いので損益分岐点が低くなり利益が出やすくなります。
これも無店舗でフランチャイズ経営を行う際の大きなメリットといえるでしょう。
(3)営業に関する自由度が高い
営業に関する自由度が高い点もメリットといえます。
自由度が高いというのはエリアにとらわれることなく営業活動ができる点を指します。
有店舗フランチャイズとなるとある程度商圏が限られるケースが見受けられます。
しかし、無店舗なので自分たちで営業に出向く場合は、エリアを広げての営業が可能です。
また、インターネットを利用するフランチャイズビジネスならばさらに商圏は広がります。
営業スタイルはある程度フランチャイズのスタイルがありますので無店舗でも有店舗でも大きな違いはありません。
しかし、エリア自由度が高い点は無店舗フランチャイズの大きなメリットです。
無店舗フランチャイズ経営のデメリット
無店舗フランチャイズ経営にはいくつものメリットが挙げられますが、逆にデメリットはないのでしょうか?
メリットばかりではなく無店舗フランチャイズ経営にもいくつかのデメリットが考えられます。
ここからは、無店舗フランチャイズ経営のデメリットについて解説します。
(1)業種が限られる
無店舗フランチャイズは、在庫を抱える場合やお客様が出向くことでサービスを提供できるビジネスには不向きです。
あくまでも、在庫を抱えずにインターネットで完結できるビジネスや、直接出向くことでビジネス展開ができるサービスに限定されてしまいます。
どの業種でも無店舗でできるというわけではなく、業種に縛りがあるという点はデメリットといえるでしょう。
(2)地域密着型のサービスを展開しづらい
店舗を構えていると、その地域において店舗があるという認知効果があります。
つまりその地域に行けば自分の求めるサービスが受けられるということが認知されるのです。
しかし、無店舗フランチャイズの場合は、店舗がないため認知度がいまいち欠けてしまう点がデメリットとして挙げられます。
また、地域にこだわらず、色々な場所に自分で出向くことによってサービスが提供できる点が無店舗フランチャイズ経営の大きなメリットと前述しました。
しかしこのメリットが逆に地域に密着しにくいといったデメリットにもなります。
地域密着で経営した方が、メリットがある場合は無店舗よりも有店舗で経営した方が良いでしょう。
(3)営業力が求められる
店舗を構えて営業することは店舗の存在が広告の役割を果たします。
無店舗フランチャイズは、店舗がない分、広告に力を入れなければお客様は増えません。
さらに店舗がある場合は、比較的安心感がありリピーターが増えやすいといえるでしょう。
無店舗の場合は、有店舗よりもリピーターが獲得しにくい点もデメリットとなり無店舗フランチャイズは、有店舗よりも営業力が求められます。
まとめ
無店舗フランチャイズは、開店費用の初期費用がかからない。
営業に関する自由度が高いなどさまざまなメリットがあり、特に資金面で不安がある場合は無店舗フランチャイズが非常にメリットとなるでしょう。
しかし、無店舗サービスは直接訪問してサービスを提供するビジネススタイルである必要がありますので業種が限られてしまいます。
有店舗の経営よりも広告などに力を入れるといったことに注意しなければいけません。
自分が行いたい業種が無店舗に向いているのか有店舗に向いているのかを判断して、ビジネスする必要があります。