地方移住で飲食店を開業したい!地方で開業するメリットや注意点を解説
近年では、都心からの地方移住への関心が高まっています。新型コロナウイルス感染拡大以降はテレワークが根付いたことや、地方の自然が多い場所で住みたいと考える人が増えたことが理由として考えられます。
中には、地方移住して飲食店を独立開業したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、地方移住で飲食店を開業するメリットや注意点、成功のためのポイントなどを解説します。
目次
地方移住で飲食店を開業する人は増加している?
新型コロナウイルスの感染拡大で人口の少ない地方への移住が注目されるようになり、アフターコロナで働き方が多様化したことも相まって地方移住する人が増加しています。
地方移住による飲食店は売上を上げられるのかという不安要素もありますが、都心で飲食店を独立開業するよりも大幅に初期費用を押さえて開業することが可能です。
自然が豊かな土地で自分自身も過ごすことができ、地域の人々と密着した生活と事業運営の両立が期待できます。
こうした背景から地方移住で飲食店を開業する人は増加傾向にあり、人気が高まっている事業分野だといえます。
地方移住で飲食店を開業するメリット
地方移住で飲食店を独立開業することは、都心で独立開業するよりもさまざまなメリットがあります。
地方移住で飲食店を開業する主なメリットを紹介します。
(1)開業資金を抑えられる
飲食店の独立開業には、高額な開業資金が必要になります。飲食店の開業資金では、お店の取得にかかる費用や改装工事の費用が多くを占めることになります。
地方は都心よりも賃貸料が安い不動産が多く、敷金・礼金などの初期費用も安く抑えられます。
また、自治体によっては町おこしの一環として空き家を無料や格安で購入・賃貸できるような制度を導入しているケースもあり、大幅に開業資金を抑えられる可能性もあります。
都心では資金面で開業が難しい方でも、地方なら開業しやすいかもしれません。
(2)運転資金を抑えやすい
地方移住で飲食店を開業する金銭的なメリットとして、運転資金を抑えやすいという点も挙げられます。
毎月のお店の賃料も安く抑えることができ、物価も安いので食材なども都心より安く仕入れやすいでしょう。また、人件費も都心より安く抑えられます。
開業当初はすぐに利益を出せるほど成功するとは限らないため、運転資金を抑えられる点は大きなメリットといえます。
(3)競合店が少ない
周辺に競合店が多いほど顧客の奪い合いが激しく、事業継続の難易度が高まります。
都心で駅から近いなど立地が良い場合でも、周囲に競合店が多数あれば、「価格」「お店の雰囲気」「品質」「宣伝」など何らかの理由で他店よりも秀でるものがなければ存続が難しく、開業から間もなくして閉店へ追い込まれるようなケースも珍しくありません。
地方なら周囲に競合店が少なく、顧客を独占できる可能性があります。
地元の人の口コミも広がりやすく、あっという間にビジネスを軌道に乗せられる可能性もあるでしょう。
(4)補助金や助成金制度が充実している
国や自治体は、地方移住者に対してさまざまな補助金や助成金制度を設けています。
補助金や助成金制度を利用すれば、自己資金が少なくても飲食店の開業ができる可能性があります。
また、自身の地方移住も少ない資金で実現できます。補助金や助成金制度は自治体ごとに内容が異なるため、事前に移住する地域の自治体へ確認するようにしましょう。
(5)ワークライフバランスが充実する
地方移住すれば、近くに海や山などの自然があふれています。
家族との時間や趣味の時間を楽しむことができ、仕事とプライベートのバランスが充実しやすくなります。
都心では職場の近くに家を借りることが資金面で難しい場合でも、地方なら安い家賃で職場の近くに家を借りられる可能性が高まります。
仕事が終わった後の時間も有意義に過ごせるでしょう。
地方移住で飲食店を開業する際の注意点
地方移住で飲食店を開業することにはメリットが多数ありますが、注意すべき点も複数あります。
地方移住での開業を決断する前に、注意点についても理解しておきましょう。
(1)売上が都心に比べると低くなる
地方では都心ほどの集客が見込めないため、売上は少なくなりやすい傾向にあります。
とくに過疎化が進んでいる田舎の方では集客に苦戦する可能性もあります。
また、客単価も都心に比べると低くなる点も売上が低くなりやすい原因です。
都心と同じ価格でサービスを提供しても地域の人は足を運んでくれないため、リーズナブルな価格に設定する必要があります。
(2)集客の工夫が必要になる
都心に比べると人口自体が少ないため、顧客数に限りがあります。
競合他社が少ないという点はメリットですが、集客を得るには工夫しなければなりません。
例えば、地域の需要に合った商品やサービスの提供や、地域住民の金銭感覚に合わせた価格設定などが必要になる可能性があります。
また、田舎にいくほどインターネットやSNSを利用しない高齢者が多く住んでいるため、チラシなど違った方法での宣伝が必要になるでしょう。
(3)人材確保に苦戦しやすい
1人でお店を運営することが難しい場合、従業員を募集することになります。
飲食店では学生のアルバイトを雇用することが多いですが、地域によっては近隣に学校がないため、アルバイトを募集しても人が集まらない可能性があります。
正社員を募集する場合も、地方では都心に比べると転職が少ない傾向にあるため、人材確保に苦戦することが予想されます。
人材が必要な場合は、早めに募集を開始するようにしましょう。
(4)交通手段に不便が生じやすい
地方移住で飲食店を開業すれば資金面やワークライフバランスの面でメリットがある反面、交通手段に関するデメリットが生じやすいです。
田舎へいくほど公共の交通手段は限られてしまい、車移動が必須になります。
車を所有すれば、車検や駐車場、ガソリンなど維持費や経費が発生します。
事業の初期費用や運転資金を抑えることができたとしても、交通手段での出費がかさむ可能性があります。
地方移住して飲食店開業を成功させるためのポイント
地方移住を決めて飲食店を独立開業させるのであれば、成功させたいと考えることは当然です。
地方移住の飲食店開業を成功させるためのポイントについて紹介します。
(1)事前に地域の特徴や需要を調査する
飲食店を開業させたい地域が決まっている場合、その地域の特徴や需要をしっかり調査しておきましょう。
地方では都心とは異なる価値観やニーズがあるため、把握することでビジネスの方向性を決めていくことができます。
例えば、高齢者が多くて交通の便が悪い地域の場合、配色サービスや買い物代行などが重宝される可能性があります。
また、家族世帯が多い地域ならば、ファミリーレストランや焼き肉店など家族で利用しやすい飲食店の需要が高いと考えられます。
事前調査をしっかり行うことが、事業を成功へ導くカギとなるでしょう。
(2)地域住民とのコミュニケーションを大切にする
都心では飲食店が多いため、顧客は多くのお店の中から行きたいお店を選ぶことになります。
一方で、地方では飲食店が少なく、顧客の選択肢は多くありません。
地方移住で飲食店を成功させるには、まず地域住民に受け入れてもらうことが重要です。
地域住民とのコミュニケーションを大切にしていれば、リピーターになる顧客を増やすことや、口コミで顧客を増やせることにつながります。
地域に馴染めるように、まずは地域でのイベントや行事には積極的に参加することをおすすめします。
(3)ターゲット層を広く設定する
都心部では、お店の周辺環境や客層に応じた戦略を練ることで集客を得やすくなります。
オフィス街であればサラリーマンにターゲット層を設定し、若者の多い街では客単価を下げたりSNS映えするような商品を用意したりします。
一方で、田舎では人口が少ないため、ターゲット層を幅広く設定しなければ集客を得られません。
高齢者が好むものから子度向けのメニューまで取り入れれば、幅広い客層の指示が得やすくなります。
都心とは異なる戦略が必要になることを認識しておきましょう。
地方移住で飲食店を開業する方法
地方移住で飲食店を開業する方法として、「独自開業」と「フランチャイズ加盟」という2つの種類が挙げられます。
地方移住で飲食店を開業するための方法について紹介します。
(1)独自開業
独自開業とは、自身の力だけで飲食店の開業を行うことです。
地方移住の場合、まずはお店を開きたい地域を決めて不動産を調べることや、自分が開きたいお店の需要と地域の需要が合っているのか検討する必要があります。
開業に向けた準備やメニュー開発、調理器具や食材の調達など全てを自分で行わなければならないため、時間と手間がかかります。
一から全て自分の自由にできるというメリットがある反面、必ずしも成功できるとは限らないのでリスクは大きいといえます。
(2)フランチャイズに加盟する
もう一つの方法として、フランチャイズに加盟して開業するという方法があります。
フランチャイズ本部のブランド力や経営ノウハウを利用できるだけではなく、本部によっては出店場所のマーケティングや宣伝、営業などの活動をサポートしてもらえます。
食材のルートも確保されており、メニューも決まっているので開店の手間は大幅に軽減されます。
開業のリスクが軽減されるため、地方でリスクを抑えて飲食店を開業するには向いているといえるでしょう。
まとめ
地方移住が注目されている中、地方での飲食店の開業は新しいビジネスチャンスになり得ます。
自分が田舎暮らしや地方での生活に憧れているという人にとって、地方移住で飲食店を開業することはワークライフバランスの充実につながります。
近年では地方にフランチャイズを広げたいと考えるフランチャイズ本部も多いため、地方移住で飲食店開業を目指す方は、地方で開業できるフランチャイズ本部を探して話を聞いてみてはいかがでしょうか。