60代でスキルなしでも起業は可能?起業のメリットや注意点について解説
60歳になると一般的な会社に勤務しているサラリーマンなどは定年退職となり、働くことからいったんリタイアしなければいけません。
再雇用され嘱託などで勤務することも可能なのですが、給与は下がってしまうケースがほとんどです。
そのため60歳からの起業を検討している方も多いのですが、スキルがない分野への起業は可能なのでしょうか。
この記事では、60代がスキルのない分野への起業について詳しく解説します。
目次
60代でもスキルなしで起業は可能?
60代でスキルなしで起業は可能なのでしょうか。
答えを先に言うと、スキル無しでも60代から起業は可能です。
まずは60代での起業について現状を解説します。
(1)60代からのシニア起業は増加傾向
60代からの起業は一般的にシニア起業と呼ばれており、現在増加傾向にあります。
60歳で定年退職を迎え現在の仕事に一段落した際、今までの会社に嘱託として働き続けることも可能です。
しかし、やりたかったことをやりたいと思う人が新たな分野で起業を検討するのもちょうど定年退職する60代前後といえます。
しかもやりたかった仕事ですので、今までやったことはなく当然スキルがありません。
人生の中でやりたかったことをやり遂げたいと、住宅ローンも子育ても一段落した60代で新たな分野への起業を検討するケースが多いといえるでしょう。
(2)健康な60代が増えてきており十分に働ける
昔の60代と最近の60代を比較すると、最近の60代はとても健康です。
人間の身体が年々解析されていることや医療技術の発達により健康年齢が延びています。
昔は60代で定年退職すると、家でのんびり過ごす人も多かったのですが、近年では60代だと次のステップとして新たな分野で働きだす人が多いのが現状です。
身体が健康なので働くことに対する意欲も強く、60代での起業が増加する要因のひとつといえるでしょう。
60代でもスキルなしで起業するメリット
ここからは、60代でスキルがない分野での起業におけるメリットについて詳しく解説します。
(1)老後のやりがいにつながる
老後のやりがいにつながります。
年齢を重ねるごとに定年退職が近づき、仕事などをやりがいと感じている方は、やりがいを失ってしまうかもしれません。
また、仕事を定年退職することにより、社会とつながっている感覚を失ったという人も多いといえます。
再雇用されて今までの会社で働くことも可能ですが、立場が変わってしまいますので、かつての部下が上司となるケースなども珍しくありません。
そこで、今までやりたかった分野にスキルなしでも起業することにより、新たなやりがいにつながります。
特にスキルなしから起業するわけですので、やりがいがないとその分野には飛び込むことは難しいでしょう。
大きなメリットのひとつです。
(2)自己資金に余裕がある状態で起業できる
60代で今まで勤めていた会社を定年退職する際、今までの働きに対して、定年退職金が支払われます。
定年退職金の額は会社によって異なりますが、ある程度まとまった金額が手に入ります。
つまり60代から起業する場合、40代や30代よりも自己資金に余裕がある人が多いといえるでしょう。
子育ても住宅ローンなども一段落している人なら、今後大きな足かせになるものも少なく、比較的起業もしやすい状態です。
自己資金に余裕があるので、スキルなしでも興味がある分野で起業するケースも多く、万が一失敗したとしても、借金が残るわけではありません。
自己資金に余裕がある状態からスタートできる点も60代の起業におけるメリットといえるでしょう。
(3)自分のペースが保てる
自分が起業するわけですので経営者として働くことになります。
今まで会社員として働いている人などは、基本的に働いている会社の指示に従った行動をとらなければいけません。
会社が指示する方向性によっては、自分にペースで働けないことも多いといえるでしょう。
しかし、経営者として起業すると、方針などを決定するのはすべて自分自身です。
自分のペースで働くことができるようになります。
特に健康で元気とはいえ60代での起業となると、若い時のように無理は利きません。
健康的に働くためには自分のペースを守って働く必要がありますのでシニア起業によって働き方を自分で決められるのも大きなメリットです。
(4)年齢を気にする必要がない
会社員で働いていた方は、定年退職により区切りがついた状態ですが、今のポジションなどでまだまだ働き続けたかった方も多いのではないでしょうか。
そのような考え方の方は年齢によって、今までの働き方を遮られたといえます。
しかし、起業するとなると経営者として働きますので、年齢を気にする必要がなくなります。
会社での再雇用や新しい職場で社員として雇用されると、再び年齢の壁に直面しかねません。
自分が働きたいだけ働ける点も60代で起業するメリットといえるでしょう。
60代からスキルなしで起業するデメリット
ここまでは、60代からの起業におけるメリットについて解説しました。
しかしメリットがあれば当然ながらデメリットもあります。
ここからは60代、スキルなしで起業するデメリットについて解説しましょう。
(1)慣れるまで時間がかかる
60代でスキルがない分野の起業となると、まずは仕事を覚えるなど、仕事自体に慣れないといけません。
しかし、今までの分野とは違う業種で起業するわけですので慣れるまで時間がかかってしまう場合があります。
特に若い時代とは違い、今までの働き方が身に染みていますので、ここから新しい分野でスタートするとなると思った以上に時間がかかるかもしれません。
慣れるまでに時間がかかってしまうと自分でも思ったように進まない状態にイライラしてしまい、さらに時間がかかるといった悪循環に陥ってしまうケースも考えられます。
大きなデメリットになりかねないでしょう。
(2)思ったような収入が得られない
スキルなしの分野で起業しますので、開業当初は想定していた収入が得られない可能性も考えられます。
今までは会社員として働いていると、大きな増減もなく安定した給与が得られている方が一般的ではないでしょうか。
しかし、経営者として起業するとなると、売上の増減が収入に対して大きく影響します。
売上が得られないと、収入が増えませんので、大きなストレスになってしまうかもしれません。
それでもまだ黒字ならいいですが、赤字経営が続いてしまうと、せっかく起業したとしても廃業の危機となってしまいます。
収入面を気にしなければいけない点と、思ったように収入が増えない場合のストレスなどもデメリットのひとつです。
(3)体力面の不安
健康年齢が延びたとはいえ、20代や30代のころよりも確実に体力は落ちています。
体力的にできていた無理が年々利かなくなってしまうでしょう。
体力が伴わなければ、気力にも影響しますので、スキルなしで慣れない環境下で働くことによるストレスが増大してしまい、早めにあきらめてしまうケースも考えられます。
また、体力面の不安は仕事量の減少にもつながってしまいますので、なかなか軌道に乗りにくい状態となってしまうかもしれません。
体力面に不安がある場合は、スキルなしでの起業をあきらめる必要があるくらいのデメリットといえるでしょう。
(4)失敗したらリスクが大きい
前章で自己資金が多いので、万が一失敗したとしても借金はないと解説しました。
しかし、これは自己資金の範囲内で起業した場合のケースです。
事業によっては多額の自己資金が必要な業種も多く、融資などを使って開業するケースも考えられます。
もし起業に失敗してしまうと、多くの負債を残しかねません。
60代からのスタートで失敗してしまうと、残りの人生を借金返済に費やしてしまう可能性も考えられます。
起業する規模によっては、失敗した場合のリスクが非常に大きくなる点もデメリットのひとつです。
60代スキルなしで起業する場合の注意点
60代スキルなしで起業した場合のメリットデメリットについて解説してきましたが、どのような点に注意して起業するといいのでしょうか。
ここからは、60代スキルなしで起業する場合の注意点について詳しく解説します。
(1)共同経営には注意が必要
スキルなしで起業となると不安も多くなってしまいますので、共同事業として友人や知人と一緒に起業することを検討する方も多いのではないでしょうか。
しかし、共同経営には注意しなければいけません。
共同経営者となると責任者がふたりいることになりますので、共同経営者とトラブルになってしまうケースがあるのが大きな問題点です。
方向性が共有できないと、さまざまなケースでぶつかってしまうことになるでしょう。
先ほど60代での起業はやりがいや自分にペースが保てるメリットがあると前述しました。
定年退職後に共同経営により起業すると、トラブルになった場合のストレスなどに悩みかねません。
なるべく自分の思う通りにできる単独経営がオススメです。
(2)計画的な起業を心がける
計画的に起業しましょう。
60代での起業はまだまだ元気とはいえ、体力的にも無理がききません。
スキルなしからの起業ともなると、経験もないわけですので計画して起業しなければまったく進まないといったことも考えられるでしょう。
計画的な起業が必須です。
(3)リスクを取り過ぎない
リスクを取り過ぎないように心がけましょう。
失敗した時のリスクについて前述しましたが、多額の借入した上で起業してしまうと失敗した場合、残りの人生を借金返済に費やさなければいけないかもしれません。
非常に苦しい老後を迎えることになってしまいます。
できれば自己資金でできる業種に絞った起業がオススメです。
(4)これまでの地位や実績をいったん忘れる
会社員時代には、ある程度の実績を出している方も多いのではないでしょうか。
また、会社員時代には高い地位にいた方も多いでしょう。
しかし、起業する場合はそれらの地位や実績な余計なプライドとなって起業の妨げになってしまうのがほとんどです。
特にスキルなしとなると未経験の分野となりますので今までの地位や実績はまったく意味がありません。
今までの地位や実績が余計なプライドとなって、起業の邪魔にならないように、今までの実績やスキルはいったん忘れましょう。
60代スキルなしからの起業にはフランチャイズがオススメ
60代スキルなしからの起業は、フランチャイズがオススメです。
フランチャイズとは特定の分野で成功した企業に加盟することで屋号や経営ノウハウを使って起業することができます。
ここからはフランチャイズがオススメの理由について解説します。
(1)未経験からでも起業しやすい
経営ノウハウなどをそのまま使用できますので、未経験からでも起業しやすい点が挙げられます。
また、研修制度なども充実していますのでスキルなしの起業が不安の場合はフランチャイズに加盟して知識を得た上で家の開業がオススメです。
(2)ノウハウや知名度が利用できる
本部の屋号やサービスがそのまま利用できます。
例えば飲食店のフランチャイズをスタートすると本部のメニューやデザイン、制服などを使用して本部と横並びの経営が必要です。
すでに知名度がある状態で起業できますので開業時には一定の集客も期待できるでしょう。
ノウハウや知名度が利用できる点もオススメの理由です。
(3)本部のサポートが充実している
よく経営者は孤独といわれます。
悩みを相談する相手もおらず、方向性が正しいかどうか自分でも判断できない状態でも最終的に自分自身が決めなければいけません。
フランチャイズに加盟すると、加盟店に対して本部担当者がつくのが一般的です。
今後の方向性や、従業員間のトラブル、お客様の対応に悩んだ場合も本部担当者に相談することができます。
本部サポートが充実している点もオススメの理由です。
まとめ
60代スキルなしで起業することについて解説しました。
60代からスキルなしでの起業は十分可能ですし、実際にシニア起業は伸びてきているのが現状です。
今後の少子高齢化による人口減少も影響し、60代でも働き続けることが望まれているといえるでしょう。
しかし起業となると資金も必要になりますので、あまり無理をし過ぎない範囲でのスタートを心がけなければいけません。
またスキルがない分野での起業は、ほとんど未経験の分野ですのでフランチャイズなどに加盟して蓄積されたノウハウを活用しながらの起業がオススメです。