価格革命を起こした海鮮丼のパイオニアはフランチャイズの常識も覆す!

投稿者・コラム執筆者

丼というスピード感がワンコインを実現する

東京の下町で40年以上愛されてきた老舗寿司屋が展開するお持ち帰りの海鮮丼専門店、『丼丸』。2007年に『海鮮丼専門店 丼の丼丸』としてスタートしたが、2014年には100店舗を超え、現在は400店舗にまで迫ろうとしている。

これだけ人気になった理由は簡単。その価格だ。たったワンコイン(500円)で贅沢で美味しい海鮮丼が食べられるというのだから、人気になるのも当然だと言える。

ワンコインという低価格を実現できている理由を、『丼丸』を運営する株式会社ササフネの会長・大島純二氏に伺うと、「やっぱり仕入れ価格。

あとは食材の選び方だよね。見た目のインパクトとコストパフォーマンスは重要だから、どうしても原価率は高くなってしまうけど、1人前作るのに20~30秒でできちゃう。

スピードが他のものに比べて全然違う。しかも、盛るだけだから誰でもできる(笑)」。

ワンコインという価格革命を起こした『丼丸』だが、フランチャイズ経営についても、独特な路線で人気を博している。

それは、オーナーの裁量について。もちろん、本部から仕入先や業者の紹介はするものの、それを使うか使わないかもオーナーに任されている。

「丼丸をスタートさせて3年で26店舗になった頃かな、いろんなところからフランチャイズに関する問い合わせが来たの。だったら、フランチャイズ展開するのもいいかなと思って。試しに他のフランチャイズ店舗の資料を取り寄せてみたら、内容が本部ありきでフランチャイズオーナーをいじめるんだよね。自由度はまったくないし。そんなんじゃオーナーさんも面白くないじゃない? だから、うちは暖簾代だけでいいですよと。仕入先や業者を紹介しても、そこからマージンを取るなんてことはしない。だから、この小さな事務所でもできちゃう」と大島氏。

これまでのフランチャイズの常識を捨てた理由

『丼丸』は、これまでのフランチャイズの常識を捨てた。フランチャイズ店舗として、一定のクオリティを保つことは重要だ。しかし、それよりも、オーナーが商売を楽しめるかどうか、そこに重きを置いている。

「お米にしろ、お醤油にしろ、地域によって味も好みも全然違う。それは現地の人がそれにあった食材を使えばいい。また、自分で自分のお店をオープンするんだから、思い入れのある屋号ってあるじゃない? 当然その屋号を付けたいと思うでしょ。だから、『丼丸』は看板の片隅にでも入っていればいい。もちろん、丼丸を全面に出してくれてもいいし。今までいろんな経験をしてきたことを生かすためにも、やっぱり自分のやりたいビジネスをやって欲しいというのがオレの考えだから」。

大島氏は、自身でも様々な仕事を渡り歩き、このビジネスにたどり着いたという経験を持つ。

『お客様、仲間同士と喜びを共有すること』という『丼丸』が掲げるモットーは、そんな大島氏自身の経験から生まれた言葉だ。

お客様の喜びは商売として当然追求しなければいけないが、商売をしている本人の喜びがなければ、そもそも商売を続けていくことはできない。

フランチャイズのルールをきっちり決めないことの理由のひとつとして、自分のためでもあると大島氏は言う。

「もし、フランチャイズのルールをがんじがらめに決めてしまったら、自分もそのルールにのらなければいけなくなる。人を制約すると、自分もそれに制約されちゃうわけから。 自分だってその時その時でくるくる考え方は変わるし、変われないのも嫌でしょ?」。

コロナ禍でも求められるテイクアウトビジネス

コロナ禍の今、外食産業は特に大きな打撃を受けている。そんな中、注目されているのがテイクアウトビジネスという形態。『丼丸』も都心の大学付近やビジネス街のお店は厳しい状況だが、下町や住宅街のお店にはほとんど影響がなく、むしろ追い風となっているほどだ。たまたまテイクアウトにシフトしたことをラッキーだったと振り返る大島氏は、この商売を成功させる要因に『立地』を挙げるが、もっと大切なのは「人」だと言う。

「その人がどんな理念を持っているかで全然違う。たしかに、丼に具材を盛るだけだから誰でもできるし、熱を使わないから厨房もシンプルで済む。初期投資はかなりおさえられることは間違いない。そういう意味ではレストランやラーメン屋さんとは全然違う。でも、結局お客さんに喜んでもらおうと思ったら、原価率をある程度かけて、蓋を開けた瞬間、スゴイ!と思わせること。これが一番。繰り返し、繰り返し商品を買ってもらうことが大切なんだから」。

たまに、常連のお客さんから感謝の手紙をもらうこともある。嬉しいから取っておいてある、と言う大島氏だが、お客様目線と同時にオーナー目線も忘れてはいない。

これまでオーナー研修で、包丁の扱い方は教えてこなかったが、今後はそれも必要なのではないかと、研修内容の変更を考えている。

カットした具材を仕入れることで、包丁を使わずに海鮮丼を提供することはできるが、スライスされたサーモンやマグロはやはり高くつく。それなら自分でカットできた方がオーナーさんのためにもなるという理由からだ。

変わっていくことをおそれない、変わる必要があれば柔軟に変わっていく『丼丸』だが、『お客様、仲間同士と喜びを共有すること』というモットーだけはずっと変わらない。

今回インタビューさせていただいたのは、株式会社ササフネ/丼丸 会長 大島純二氏


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