定年後(老後)のフランチャイズについて解説!潤いのある生活を実現
定年退職後の収入確保や老後の事業のため、60代以降からフランチャイズオーナーとしての開業を検討する方がいらっしゃいます。
しかし、定年後にフランチャイズビジネスを始めるといっても「何をどのように進めていけばいいのか」「何から始めればよいのか」と思い悩むんでいることも方が少なくありません。
そこで今回は、定年後のフランチャイズ開業について、そのメリットやデメリット・適した業種などに触れながらを解説します。
目次
定年後にフランチャイズで開業するメリットとデメリット
定年後にフランチャイズオーナーとして開業することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
代表的なものを三点紹介します。
(1)定年後の収入を確保できる
定年退職した後の収入を確保できるのは、フランチャイズで事業を始める大きなメリットといえます。
老後の生活資金が不足している方や、年金だけでは生活できない場合、何らかの方法で収入を確保することが必要です。
定年後に再雇用してもらう方法もありますが、こちらは確実とはいえません。
老後に備えた収入の柱として事業を持っておくことは、将来的なリスクの減少に効果的です。
フランチャイズビジネスの場合は、集客や運営ノウハウに関してブランド本部のサポートを受けられるため、未経験の事業にも挑戦できます。
(2)初期費用をおさえて開業可能
貯金・退職金で初期費用を調達用意しやすいフランチャイズビジネスでの開業には、業種により違いはあれど、初期費用で100万円から程度・数百万円程度(中には1千万円近く)かかる場合があります。
50代中盤・60歳前後の方は、経済基盤が安定しており、貯金や退職金で初期費用を捻出しやすいという強みがあります。
(3)定年後の夢を実現できる
たとえば「定年後は地域の憩いの場になるような喫茶店をやりたい」といった具合に、定年後の夢を持っていた場合、フランチャイズのシステムを利用して実現できることがあります。
また、フランチャイズビジネスではブランド本部からノウハウの提供を受けられるため、事業が頓挫しにくい強みがあります。
細く長く事業を続けたい場合にもおすすめです。
定年後にフランチャイズで開業するデメリット
メリットの多いフランチャイズビジネスですが、定年後に開業する場合、特有の注意点もあります。
デメリットを見てみましょう。
(1)健康面の問題で廃業する可能性がある
60代以降というのは、なにかと健康面で不安の出やすい年代です。
事業運営自体には問題がなくても、病気の発症やケガなどで、廃業しなければならなくなる可能性があります。
ときには、初期投資の回収が完了していない段階で廃業してしまうこともあります。
(2)老後資金を失う可能性がある
メリットの面で「預貯金や退職金で初期費用を捻出しやすい」と解説しましたが、これは諸刃の剣でもあります。
というのも、多くの場合、退職金や預貯金は老後の生活資金でもあるからです。
初期費用としてこれらのお金を事業に投入し、失敗した場合は生活苦に陥る可能性もあります。
「老後の道楽」と軽く考えることなく、利益を出せる戦略や商品開発など、入念に準備をしたうえで開業に臨みたいところです。
定年後(老後)のフランチャイズ開業に向く業種
ひと口にフランチャイズビジネスといっても、業種は多種多様です。
参考までに、定年後の開業に向く業種をいくつか紹介します。
(1)ハウスクリーニング業
成長産業でかつ人手不足の業界です。
無店舗型の経営営業が可能なので、物件の取得・維持のコストをカットできます。
初期費用は加盟先によって異なりますが、おおむね250万円程度~300万円弱ほどが一般的です。
初めての事業を起こす場合でも、比較的ハードルの低い金額ではないでしょうか。
清掃スキルの面で不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、フランチャイズビジネスでは、多くの加盟先が開業前の研修を用意しています。
清掃業未経験の場合も安心です。
(2)コインランドリー
共働き世帯や高齢世帯の増加により、コインランドリーの需要が増加しています。
機械や薬剤のの改良によりなどで、仕上がりも高品質化しており、多くの方が利用しています。
洗濯機や乾燥機を導入することから、初期費用が2,000万円程度と高額なのがネック。
ただし、セルフサービスのため、店舗への常駐する必要がなく、が必要なく不労所得になるというメリットもあります。
(3)ネットショップ
今や多くの方が利用し、生活のインフラとしての地位を確立しているのがネット通販です。
商品とパソコン、インターネット設備があれば、自宅でも開業できるのがネットショップの大きな特徴です。
初期費用の安いところであれば、20万円程度から始められます。
コストが抑えられることから「年金の足しにしたい」など、小規模に事業をやりたい場合におすすめです。
(4)リペア業
リペア(修理)業も、近年需要を増している業種です。
修理の対象は、車・電化製品・家具など様々です。
ふすまや・障子などの修理ができれば、日本風民家が多い地方でも需要が見込めます。
定年後(老後)にフランチャイズで開業する段取り
では、定年後にフランチャイズオーナーとして開業するには、どのような準備が必要なのでしょうか。
開業時の流れを紹介します。
(1)黒字化の時期と収益の目標を設定する
いかにフランチャイズブランドのサポートを得られるといっても、開業初月から黒字化できないことも多いです。
また、どのくらいお金を稼ぎたいのかも、人によって異なります。
なるべく大きく稼ぎたいのか、プライベートを大切にしながらのんびり働きたいのかで、事業運営のスタイルが変わってきます。
まずは「いつまでに黒字にするのか」「月にいくら稼ぐか」を明確にしましょう。
この点は、フランチャイズ本部との面談の際に担当者と共有し、事業運営のアドバイスを受けてください。
(2)業種・フランチャイズブランドズ選定
「どのような働き方で、いくら稼ぎたいか」を簡単に整理したら、次にその内容に適した業種と、フランチャイズブランドを決めます。
ブランドを検討する際は、一社にこだわらず、類似のブランドを複数検討することをおすすめします。
というのも、ブランド本部と事業者の間には少なからず相性が存在するため、自分に適したブランドを選ぶ必要があるからです。
フランチャイズブランドとの相性しだいで、たとえば次のような問題が起こることがあります。
- 仕入れ先を一方的に指定される
- 自分が希望する以上の労働時間を求められる
- 本部担当者とそりが合わない
- 自分が希望する以上の売上や複数店舗の展開を執拗に要求される
業種もフランチャイズ会社も1つに絞らず、比較しながら自分に適した加盟先を見つけるのが大切です。
(3)加盟先候補への問い合わせ・詳細面談
資料の内容や説明会の情報をもとに、ある程度候補が絞れたら、本部を訪問し担当者と面談してみましょう。、
ここで、想定している事業計画や・現在の状況、希望する働き方や収入額を相談し、イメージとギャップがないか確認します。
問題がなければ、開業条件のすりあわせに入り、その後設備の導入や店舗の確保など開業準備に入ります。
定年後(老後)のフランチャイズ開業で利用できる制度・助成金
フランチャイズ事業を運営する場合、運転資金や初期投資などを、少なからず自己資金でまかなわなければなりません。
しかし、預貯金や退職金は老後の生活を支える柱でもあるため、可能な限り支出を抑えたい方もいらっしゃるでしょう。
こういったときは、公的機関や自治体の補助制度・助成金を利用するのも一つの方法です。
具体例を見てみましょう。
(1)日本政策金融公庫の女性、若者/シニア起業家支援資金
日本政策金融公庫には、「女性、若者/シニア起業家支援資金」という貸し付け制度があります。
シニアの場合は55歳以上の方を対象としており、で、新しく事業を始める方ないし事業を始めてから約7年以内の方が貸し付けを受けられます。
設備資金や長期の運転資金の借り入れが可能で、低利で最大7億2,000万円(運転資金は2憶5,000万円まで)まで借りることができます。
(2)一般社団法人日本シニア起業支援機構
経営管理や技術開発など多彩で豊富なビジネス経験を有するアドバイザーによって、起業希望者に次のような助言がなされます。
アドバイザーはいずれも各業種に知見の深いシニア層であり、依頼によってボランティアで派遣されてきます。
日本シニア企業支援機構では、たとえば次のような支援を受けられます。
- 技術指導(製品開発含む)
- 資金調達支援(公的資金・金融機関)
- 人材育成
- 経営改善
- 販売促進
- 市場調査など
(3)生涯現役起業支援助成金制度(厚生労働省)
事業運営のために必要となる、従業員を雇い入れる際に要した費用の一部を助成する制度です。
中高年などの従業員の雇用にかかった費用(募集広告の掲載や研修などの実施)の一部の助成を受けられます。
起業した40歳以上の方が対象のため、定年後の開業でも利用できます。
助成額は起業者の年齢によって異なり、2分の1から3分の2の割合で、最大200万円です。
定年後(老後)にフランチャイズで開業する際の注意点
フランチャイズ開業時は、いくつか注意が必要な点があります。
事前に確認してみましょう。
(1)周囲の意見も聞く
50代中盤・60歳前後の方は、豊富な人生経験やキャリアから、自分の仕事や判断力に自信を持っていることも多いです。
自信を持って事業運営にあたるのは良いことですが、周囲の意見を聞き入れずワンマン経営にならないよう注意してください。
強硬な態度で運営を行うと、従業員が定着しない原因になりますし、金融機関や取引先からの印象も悪化してしまいます。
リピーターの減少にも繋がりかねないため、事業運営では、周囲の意見や客観的な事実をもとに、状況を判断してください。
固定観念にとらわれず、柔軟な視点で経営判断ができるよう注意しましょう。
(2)開業を焦って加盟を即決しない
事業の具体的なイメージが持てると、加盟を即決してしまう方もいますが、加盟の可否は慎重に判断しなければなりません。
最低でも2~3社の候補をピックアップし、比較しながら検討したいところです。
また、フランチャイズビジネスの運営には家族の助けは不可欠です。
自分ひとりで判断せず、家族や知人に相談するようにしましょう。
また、契約締結の際も、提示された契約書にはしっかりと目を通すようにしましょう。
約束した内容がきちんと反映されているか、事前の打ち合わせにない内容が盛り込まれていないか、確認が必要です。
まとめ
定年後にフランチャイズオーナーとして開業する場合「どのように事業を運営したいか」「いくら稼げればよいのか」が非常に重要です。
プライベート重視で副業程度の収入があればよいのか、新たな人生の目標として大きく売上を伸ばしたいかなど、人によって考え方や目指す事業運営の形は異なるためです。
まずはこの点を整理し、その後に自分のスタイルに合った加盟先を探してみましょう。