フランチャイズの訪問マッサージ開業の将来性や注意点を解説
誰もが長い間、健康で元気に毎日を過ごしたいと感じているはずです。
しかし年齢を重ねてしまうと、身体のさまざまな個所に不具合が出てしまい、至る所をメンテナンスする必要が出てきます。
そこで、良く利用されているのが訪問マッサージです。
特に高齢者の増加に伴い今後、訪問医療マッサージの需要は高まってくるとも想定されています。
では、この訪問医療マッサージ店をフランチャイズに加盟して開業する場合、どの程度の収益が期待できるのでしょうか?
また開業にかかるコストなども気になるところです。
この記事ではフランチャイズに加盟して、訪問医療マッサージ業を開業した場合の収益やコスト、本部のサポート内容や必要な資格などについて詳しく解説します。
目次
訪問マッサージ業の将来性や市場規模は?
まずは事業を行おうとする場合、その事業における市場規模や将来性をきちんと分析した上で事業参入しなければいけません。
ここからは、訪問マッサージ業の将来性や事業規模といった点について詳しく解説します。
(1)介護認定者の急増によりニーズが非常に高い
訪問医療マッサージ業とは、国家資格を有する資格者が自宅などに訪問し、痛みや不具合の解消を目的としたマッサージを行います。
わざわざ通うのは身体に負担がかかるような人には非常にありがたいサービスで、実は以前からあるサービスですが高齢者の増加とともにニーズが高まっている事業です。
介護認定者の数がここ数年急激に増えており、2000年から2015年にかけて約3倍も増えています。
想定では2025年までに約30万床のベッドが不足する想定から、訪問医療マッサージの需要は今後もニーズが非常に高まっていくと想定されているのです。
(2)地域包括ケアシステムの構築により需要はさらに高まる
2014年に施行された「医療介護総合確保推進法」により「地域包括ケアシステム」が発表されました。
地域包括ケアシステムとは、地域で高齢者を支えていくシステムのことです。
やはり高齢者にとっても住み慣れた地域において生活を続けたいと考えています。
このような高齢者の想いを満たすために、地域包括ケアシステムにより高齢者に対する住まいや介護、医療面においてさまざまなサービスを提供できるシステムです。
このシステムの中で訪問医療マッサージサービスは非常に重要な位置づけとなりますので、需要はさらに高まるといえるでしょう。
(3)保険の改定が大きな強みとなる
医療保険や介護保険は定期的に改定が行われます。
高齢者が増加している我が国において介護保険料の改訂はマイナス要因になることが多く、高齢者にとっては厳しい状態が続いているといえるでしょう。
しかし、マッサージ医療に関してはこの改訂がメリットとなる場合が多いのです。
医療保険の改訂が地域包括ケアシステムの後押しとなって、さらに訪問医療マッサージの需要を推し進める要因となっています。
保険の改訂が更に訪問医療マッサージ業の追い風となっているといえるでしょう。
フランチャイズによる訪問マッサージ業の収益は?
上記のような理由により訪問マッサージ業は将来性において、非常に期待が持てるサービスだということが分かります。
では、実際に訪問医療マッサージをフランチャイズに加盟して開業する場合、どの程度の収益を得ることができるのでしょうか?
ここからは、フランチャイズに加盟して訪問医療マッサージ業を開業する場合の収益面について解説します。
(1)健康保険が利用できるのでお客様は低価格で利用できる
訪問医療マッサージのメリットは、医療保険が適用できるという点が挙げられます。
保険適用が可能なので、顧客の負担は400円程度でこのサービスを受けることができるのです。
ケースによっては無料でこのサービスを受けることもできますので、顧客の負担はほとんどありません。
集客さえできるとリピーターが期待できます。
非常に有望な業種といえるでしょう。
(2)複数店舗の経営も可能
複数の店舗経営も可能です。
しかし、気になるのがフランチャイズに加盟しての経営となると、開業にかかるコストが再度かかるのではないかといった点が挙げられます。
もちろん、2店舗目の店舗開業ごとに加盟店料や保証金などを請求する本部もあるでしょう。
しかしこのビジネスにおいては1店舗だけの加盟店料と保証金だけで次の店舗を開業することを認めている本部もあります。
このようなフランチャイズ本部に加盟することで最初の店舗ほどコストをかけずに2店舗目を開業することが可能です。
それだけ収益性が高まりますので更なる収益アップが行いやすいといえるでしょう。
(3)収益のモデルケース
あるフランチャイズ本部が収益のモデルケースとして売上高を記載していますので表にまとめました。
一般的な顧客単価は4,000円前後で月10日間利用するといったのが平均的なモデルケースとして売上高を見てみましょう。
オーナー数 | マッサージ師数 | 顧客数 | 月間売り上げ | オーナー収益 |
1名 | 3名 | 60名 | 250万円 | 125万円 |
1名 | 6名 | 120名 | 500万円 |
240万円 |
利益率も高く、自らが施術を行うことなく収益を上げることが可能なことが分かります。
非常に利益率も高いビジネスといえるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
訪問マッサージ店を開業するにあたり、収益面が分かると次に気になるのがコスト面です。
開業にはどの程度の費用が必要なのでしょうか?
またフランチャイズに加盟することによる別途かかるコストにはどのようなものがあるのでしょうか?
開業にかかる費用やランニングコストなどについて解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
訪問医療マッサージは、在庫を持つビジネスではありません。
更に、訪問してサービスを行うビジネススタイルですので、店舗を構える必要がないのです。
起業において大きくかかるコストとして物件取得費が挙げられます。
しかし訪問医療マッサージ店開業では、場合によっては店舗を構える必要がありませんので他の事業と比べると比較的安価に取り組むことが可能です。
200万円程度での開業も可能ですので、取り組みやすいビジネスといえるでしょう。
(2)加盟店料やロイヤリティは?
フランチャイズに加盟して事業を行う場合、自主独立と違い余計にかかるコストがあります。
加盟店料とロイヤリティです。
加盟店料もロイヤリティもフランチャイズ本部によって異なりますので一概にはいえませんが、加盟店料は100万円から200万円程度が一般的といえます。
ロイヤリティは売り上げの3%~10%が一般的です。
しかし、前述したようにフランチャイズ本部によって異なりますので本部選びの比較材料としても良いでしょう。
フランチャイズ本部による加盟店へのサポート内容
フランチャイズに加盟しての起業には本部のさまざまなサポートが期待できます。
ではフランチャイズに加盟しての開業にはどのようなサポートがあるのでしょうか?
ここからは本部が行う可能性があるサポート内容について解説しますが、ここに記載するサポートを全て行うかどうかは本部によって異なります。
その点は注意しておきましょう。
(1)施術者に対する研修
施術者に対する研修を定期的に行います。
マッサージの技術も医学的な見解などにより日進月歩で進化していきますので、常に最新の技術を身につけておきたいものです。
本部の定期的な研修により最先端の技術を常に提供できるといったサポートを受けることができます。
(2)顧客獲得に関する営業研修
技術面だけではなく集客面に対する営業も経営には欠かせません。
営業に関する研修なども定期的に行い、加盟店が集客面で不安にならないようにサポートを行います。
(3)開院のサポート
開院においては、サポートが無ければ非常に複雑で特に経験が浅い場合は難しいと感じるかもしれません。
本部は当然、開院においてたくさんのケースを経験していますので、経験を生かして開院におけるサポートを行います。
必要な提出書類や届け出に関するアドバイス、スケジュールリングなどのサポートを行いますので心強いサポートといえるでしょう。
(4)PPC広告を利用したネット広告
訪問マッサージを希望する場合、今の時代インターネットでの募集広告は欠かせません。
いかにインターネットの上位に検索されるのかといった点が重要ですが、PPC広告などを利用することにより、つねに上位表示させることできます。
本部が常に上位表示されるような広告を行うことにより自然と加盟店の集客が増えることになるでしょう。
(5)定期的な勉強会
医療保険などが利用できますので社会的な情勢の変化や保険料の改定などが経営に影響を及ぼします。
本部は加盟店と定期的に勉強会を行うことで、常に最新の情報を掴んだ経営戦略を立てることができ、加盟店と情報を共有することが可能です。
これも大きなサポートといえるでしょう。
フランチャイズでマッサージ店を開業する場合、どのような資格者が必要?
訪問医療マッサージは、国家資格取得者が訪問しマッサージを行うサービスと前述しました。
では開業にあたりどのような資格が必要なのでしょうか?
ここからは開業にあたり必要な資格について解説します。
(1)オーナーが資格を持っておく必要はない
まず、開業にあたりオーナーであるあなた自身がマッサージに関する国家資格を持っておく必要はありません。
国家資格を持っているマッサージ師を雇用し、派遣することで事業を行うことができます。
オーナーは経営に集中することができる事業です。
(2)国家資格となる施術者資格が必要
施術者に関しては国家資格を有していなければいけません。
主な国家資格には、あん摩マッサージ指圧師などが挙げられます。
このような資格保有者を事業規模に応じて複数人雇用することで成り立たせる事業です。
(3)経理に関する資格があると経営に便利
保険適用を伴うサービスになりますので、できれば経理に強い人を雇用するかあなたが経理に強くなる必要があります。
簿記資格などを保有していると経営において非常に便利でしょう。
特に規模が大きくなればなるほど経理に関する資格保有者を配置しておく必要が高まります。
フランチャイズによるマッサージ店 開業の強みはなに
訪問マッサージ業のさまざまな面について解説してきました。
では最終的にどのような点がマッサージ店 開業の強みといえるのでしょうか?
ここからはフランチャイズによるマッサージ店 開業の強みについて解説します。
(1)ニーズが非常に高まっている
ニーズが非常に高いという点です。
前述したように、介護認定者が急激に増加している点や地域包括ケアシステムが構築されたことにより、訪問医療マッサージのニーズは非常に高まっています。
(2)保険が適用されるので価格競争がない
同業他社との価格競争がない点も挙げられます。
医療保険が適用されますので、顧客は500円程度の負担でサービスを受けることが可能です。
価格競争で疲弊するリスクがほとんどないというのも強みといえます。
(3)リピーター率が高い
一度利用されるとリピーターとなる人が非常に多い点も挙げられます。
もちろん満足できるサービスを提供することが前提となりますが、定期的なマッサージを希望される人も非常に多いのでリピーターを獲得しやすい業種です。
(4)在庫を持つ必要がなく、店舗の必要もない場合もある
訪問マッサージはサービス上、在庫を持つ必要が無く、技術を提供するものです。
また、直接お客様のもとへ訪問しますので、来店型のサービスではありません。
つまり店舗を構える必要がないのです。
店舗のコストは企業において大きな負担となる場合があります。
店舗の取得や維持コストがかからないという点もこのビジネスの強みといえるでしょう。
まとめ
訪問医療マッサージは社会的な貢献度合いも非常に高い業種といえますので、働く事により社会貢献しているといった喜びも感じることができます。
まだまだ参入者は多くはないので、供給より需要が多い事業といえるでしょう。
開業にはいいタイミングともいえますので是非この記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか?