フランチャイズでコインランドリーを開業した場合の収入は?失敗しないコツも解説
街中で、コインランドリーが増えてきたなと感じる人も多いのではないでしょうか。
働く女性がますます増え、帰宅前に洗濯を済ませたいと考えるママが増えてきている背景があります。
この風潮の中で、コインランドリー起業を目指す人も増えてきています。
一方でコインランドリービジネスには、開業や運営について容易には進みにくい部分があります。
ですが、フランチャイズ起業という効果的な方法があります。本部規定があったり加盟金などといった別費用がかかったりもしますが、自身の力で一から開業するのと比較すると、開業しやすい方法です。
今回はフランチャイズとコインランドリーについて、コインランドリーに適する立地や開業に要する費用などに触れながら解説します。
目次
フランチャイズコインランドリーの年収と開業事例
(1)年収
フランチャイズコインランドリーの年収は、一般的に300~360万円程度が見込めます。
もちろん多店舗経営をしてうまくいけば、この金額以上も期待可能です。
コインランドリーは常駐の必要性がないにも関わらず、このような収入が可能なのは魅力的です。
そしてコインランドリー業は節税策としても効果が見込めるので、その点が注目といえます。
(2)開業事例
ある男性Tさんのケース
Tさんは以前よりコンビニを営んでいましたが、年を重ねだんだん体力的にきつくなっていて現役引退も検討していました。
このような状況で、常駐の必要性がないコインランドリーの話を聞きました。
まだまだ商売の需要が見込めるエリアということで、Tさんは「引退」に対して、もったいないという気持ちとためらいの気持ちがありました。
そして、フランチャイズ本部担当者の熱心で親切詳細な提案を決め手に、コインランドリー事業へ切り替えました。
開業してからはもちろん、開業後も本部のサポートが厚く、順調な事業運営を進められています。
また想定した収入も得られています。それなりにゆとりをもった、事前費用を準備できたのもポイントでした。
開業の手順と費用
(1)開業手順
次のような開業手順となります。
①フランチャイズ本部選び
まず最重要ポイントの一つといえる、フランチャイズ本部の選択です。
選択基準の一つとして、どれほど裁量を認めてくれるか否かという点があります。
コインランドリー業において、お客様の希望した仕上がり具合になるか否かが当然重要です。
これには洗剤などの、使用商材による部分も大きいです。この部分について自身でも研究して、自分の考えや判断もフランチャイズ本部に認めてもらいたいところです。
そして、お客様の要望に応じて、契約期間中に設備や道具などを変える必要が生じる可能性もあります。
また開業と運営について、どの程度サポートをしてくれるのかもポイントです。
②エリア選定と詳細な話し合い
できれば自分でも市場調査を行った上で、エリア選定をしたいものです。
そして開業へ向けて、希望開業時期や売上面についてのシミュレーションなどといった具体的な話を進めていきます。
投資者探しをしている本部のケースでは、エリア選定も含めた提案を本部の方からする時もあります。
③物件準備と内装
居抜き物件や建物の取得段取りの後に、内装工事となります。
④機器準備
洗濯機や乾燥機などの機器を搬入し、設置します。機器準備には、購入やリースの手段があります。
⑤保健所へ開設届提出と検査済証
開業エリアの保健所の担当部署へ「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」の提出が必要です。
指定用紙は、保健所やインターネットからのダウンロードで入手可能です。そして保健所職員が店舗を訪れ、検査を行い「検査済証」を交付します。
⑥開業
①~⑤の段取りを経て、遂に開業です。
(2)費用
加盟金:50~100万円
保証金:100万円
ロイヤリティ:売上の5%程
加盟金と保証金やロイヤリティも、全く無しというところもあります。
本部によっては、運営委託費や各種サポート料がかかります。
最低自己資金目安:500万円程
開業費用:店舗面積が10~15坪では1,000~2,000万円程度で、50坪では3,000万円程度かかる傾向です。
開業初年度は想定した売上に届かないことが少なくないので、運転資金にも余裕をみておくのがおすすめです。
フランチャイズでコインランドリーを開業するメリット
(1)WEB集客
大規模なSEO施策を施したホームページをもっている、フランチャイズ本部があります。ホームページの店舗ページに掲載してもらうと、大きなWEB集客効果が期待できます。
(2)屋号を使える
ビジネス一般に、自社名や店名がターゲットエリアに知られ、ブランド化するのが繁盛のためには非常に重要です。
一方でこの自社名や店名の、ブランド化は容易ではありません。フランチャイズ開業すると、有名になった本部の屋号を使えるのでブランド化に効果的です。
そして屋号だけでなくコインランドリーのケースでは、ブランド化している洗剤などを自社製品として使えるのも便利な点です。
(3)投資ビジネスにもなる
上記していますが、加盟者が常駐する必要がありません。つまり副業にもなり、かつ投資ビジネスにもなるというわけです。
「銀行に預金しても大した金利はつかないし、かといって株やFXは危なさそうだし」と考える人にもおすすめといえます。
(4)開業提案
一般的にフランチャイズビジネス加盟には、加盟希望者が収益などに関する難しい事業計画書を作成する必要があります。
一方でフランチャイズコインランドリーのケースでは、上記のように、フランチャイズ本部側が店舗経営などといった事業計画について提案をしてくれるところがあります。
そしてこの提案は、加盟希望者と資金などの観点から検討しつつ進める時もあって良心的です。
(5)コールセンター対応
「コインランドリーで何か不具合やトラブルがあったら、すぐ自分に連絡があってコインランドリーへ行く必要があるのでは」と懸念を抱く人もいるでしょう。
ですが24時間365日稼働の、コールセンターを設置しているフランチャイズ本部もあります。よって、加盟者の負担が大きく軽減されるのが想定されます。
(6)居抜き物件を使える
元々自営業やビル所持で、自宅の横や自社ビルに今は誰も何にも使っていない店舗用建物や物件があるとします。
このようなケースでは居抜き物件として、物件取得の手間や費用を省いた、開業も見込めます。コインランドリー開業において、物件取得にかかる手間や費用は大きいです。
コインランドリーに適する立地
次のような立地特徴が、コインランドリーには適します。
(1)大規模商業施設の敷地内
まず大型商業施設の敷地内は、大勢の人が集まりやすいです。家族連れのユーザーが休日などの際に、買い物や食事をしている間に「帰宅前に洗濯は済ませておこう」と考え、利用するでしょう。
(2)街中の小売店敷地内
街中のスーパーやコンビニが併設する敷地内も、ユーザーには使いやすいです。
このような場所では、休日だけでなく平日でも「買い物の間に洗濯は済ませておこう」と考えている仕事帰りの人にも便利です。
(3)アパートやマンションの近く
単身世帯が多い、アパートやマンション近くもユーザーを引き付けられる可能性があります。
単身向けアパートのケースでは、入居前に洗濯機が備わっていない時が少なくありません。
洗濯機を買って自分で洗濯して干すよりも、3日に1回位500~1,000円程度払って、短時間で洗濯を済ませようと考える単身者もお客層に入ります。
上記(1)~(3)のケースでは、使いやすい駐車場や駐車スペースが確保できていることもポイントといえます。
(4)駅の近く
都心部では電車通勤の人が、地方と比較して多い傾向があります。よって駅の近くも仕事帰りのユーザーにとって利用に便利です。
移動式コインランドリーとは
移動式コインランドリーとは、お店ごとトレーラーに乗せて目的の場所へ運ぶ方法です。
(1)設置方法
まずトレーラーで運んだお店を、目的の場所にてクレーンで持ち上げ、所定の位置に下ろします。
そしてボルトで固定し、電気と水道をつなげ看板を掲げたらお店完成というわけです。
(2)移動式コインランドリーのメリット
①立地選択のやり直しが可能
想定より利用者が集まらなかったり、開業当初より客足が減ったりして収益面でよくない状況になったとします。
通常なら悪いケースでは、閉店や店舗撤去段取りなどを検討する必要も生じます。
一方で移動式コインランドリーのケースでは、ボルトなどを外し店ごと次の候補地へ運ぶ方法もあります。
②開業が早い
一般的なフランチャイズコインランドリーでは開業まで、居抜き物件で2か月程度、標準的には3~6か月程度を要します。
一方で移動式コインランドリーのケースでは、最短で2週間の短期間開業も可能です。
③既存店へ併設しやすい
例えば現状レストランやカフェなどを経営していて、敷地内に「駐車スペース以外でもうちょっと何かに有効活用できないかな」というスペースがあるとします。
このスペースに移動式コインランドリーを設置すると「レストランで食事の間に洗濯」というように、相乗効果の可能性も出てきます。
④店舗ごと転売も可能
いろいろな事情で、店舗を抱えることすら厳しくなり事業を終わらせる必要が生じたとします。このようなケースでは、店舗ごと転売する方法も可能な本部があります。
コインランドリーの運営代行業者
開業のために資金と物件についてはめどがつき、開店のために大まかな見通しはついたとします。
一方で店舗の管理そのものを信頼して任せられる人が、複数の措置を講じたものの見つけられていないとします。
コインランドリーの店舗管理には、複数の専門的な知識と技量も重要です。このようなケースでは、運営を総合的に委託できる代行業者の活用も効果的です。
代行業者のサービスは、次のような内容です。
(1)安全対策
お店には夜中に無人状態で、多額の現金が存在する状況もあるでしょう。この現金を守るために、防犯措置は非常に重要です。
監視室を設け、バイトを雇い監視してもらうのも一つの方法です。
一方で独自にバイトを雇うと「体調を崩し今日いけません」「突然ですみませんが今週で辞めさせてください」といった、加盟者にとってのトラブルや不都合が生じる可能性が否定できません。
ですが代行業者に依頼すると、遠隔ながら24時間監視で、緊急時にはすぐに措置を講じます。
(2)店舗ケア
店のメンテナンスには高精度な店内清掃はもちろん、乾燥機のフィルター清掃などといった機械への手入れも重要です。時には劣化した機械の、修繕作業も必要です。
そしてこれらに加え、洗剤と備品補充や追加発注も生じます。このようなお店のケアを、細部までします。
(3)現金管理
売上金の集金業務はもちろん、両替機の現金管理もします。
(4)報告業務
売上状況をはじめとした、お店のことを加盟者や本部へ書面や写真などを用いて報告します。
上記で記している、コールセンター対応業務もあります。
コインランドリー経営の難点と失敗を避けるコツ
(1)競合店への警戒
好ましい特徴の土地を見つけ、自分なりの市場調査で需要もそれなりに見込めそうだと分かったとします。
一方でこの段階で、立地を決めるのは時期尚早な可能性があります。近隣で他にもよい特徴の土地があれば、競合店がそこへ出店する懸念があります。
開業場所を最終的に決める前に、半径2km程度以内は、他にもよい特徴の土地があるか否かチェックしておくのがおすすめです。
(2)加盟と契約を急ぎ過ぎない
本業をもっていて、コインランドリー業をサイドビジネスや投資と考えるとします。
このようなケースでは注意が本業へより向く傾向にあり、コインランドリービジネスの方の加盟や契約を急ぎたくなる心境にもなり得ます。
ですが加盟や契約が近くなっても、慌てずに事業の中身や契約条件などを念入りにチェックしたいものです。
(3)女性客をリピーターにできるか否か
コインランドリー業を繁盛させるカギの一つは、いかに子育て女性客をリピーターにできるかです。
このためにはフランチャイズ本部が行う広告宣伝以外にも、自らの販売戦略も重要です。
例えば店舗外観や入り口を、女性が好むような感じにするのも効果的です。
他にも子育ての参考になる雑誌を置いたり、今流行りのタピオカを飲めるようにしたりするなどといった経営戦略も考えられます。
まとめ
フランチャイズとコインランドリーについて考察してきました。
押さえておきたい点は、コインランドリーに適する立地や開業の手順と費用です。
そして、移動式コインランドリーや運営代行業者もポイントといえます。
高い洞察力によるエリア選定と、不測の事態も想定した資金準備にて、コインランドリーで成功し権利収入を勝ち取ってください。