フランチャイズに加盟してゴーストレストランを開業するメリットとデメリット
新型コロナウイルスの影響により外食産業のダメージは大きかった一方、需要を伸ばしたのがデリバリーやテイクアウト事業といえます。
密になる環境を避けるため、自宅などで飲食を楽しむ需要が増えたためですが、同じような理由で需要が増えているのがゴーストレストランです。
この記事では、ゴーストレストランをフランチャイズに加盟して開業する場合のメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
目次
ゴーストレストランってどんなビジネススタイル?
まず、気になるのがゴーストレストランというビジネススタイルではないでしょうか。
ゴーストレストランの特徴などについて解説します。
(1)ゴーストレストランの特徴
ゴーストレストランとは、客席がないレストランのことを指します。
提供しているメニューは、デリバリーサービスを使ってお客様に届けるシステムです。
ネットなどで注文を受けて料理配達を代行するシステムですので、お客様と接触することなくサービスを提供できるシステムといえるでしょう。
ゴーストレストランは基本的にデリバリーが主体となるサービスですが、テイクアウトにも対応しているケースもあります。
コロナ禍において、密な環境を避けなければならず、さらに飲食店自体が緊急事態宣言などで休業を迫られる環境下で名前が知られてきたサービスです。
(2)近年、既存飲食店も併用しているため規模が拡大中
前述したように、新型コロナウイルスの猛威は外食産業に大きなダメージを与えました。
一般的な飲食店経営だけでは、とても事業を継続できない状況下で、ゴーストレストランとして経営するなど需要が増えています。
前述したように、デリバリーやテイクアウトの需要が大幅に増加した中でゴーストレストラン専門店自体が増えただけではなく、飲食店が兼用するスタイルも増加中です。
コロナウイルスが沈静化すれば、また飲食業も回復するでしょうが、家で飲食を楽しむ層が増えていますので、ゴーストレストランの需要も増えてくるといえるでしょう。
ゴーストレストランのフランチャイズ開業に向いている方の特徴
ゴーストレストランをフランチャイズに加盟して開業する場合、このスタイルで事業を行うのはどのような方が向いているかについて解説しましょう。
(1)開業の準備に時間をかけたくない
ゴーストレストランは、客席を持たないスタイルですので、開業時に接客スタッフを雇用、教育する必要がありません。
宅配に関しても、ウーバーイーツなど現在利用されているサービスを利用しますので、自らが宅配スタッフの雇用、教育や車両などを準備する必要がないことも挙げられます。
つまり、開業までの準備が一般的な飲食店開業よりも時間がかかりません。
現在飲食店経営を行っている方などは、既存の設備を使ってゴーストレストラン事業を行うことも可能です。
開業までの準備があまりかからず、すぐにでも開業したい方などに向いているシステムといえるでしょう。
(2)飲食店の経験が浅い
飲食店で働いた経験が浅い中で、飲食業を始めたいとなるとさまざまな面で不安でしょうし、経験が浅いので対処の仕方がわからないケースが多くなることが想定されます。
特に接客面など、自らがオーナーとして対処しなければいけない場面が増えますが、そもそも経験がないのでうまく対応できずストレスだけではなく経営にも悪影響です。
ゴーストレストラン事業だと、基本的に接客を行う必要がありません。
メニューを調理し、提供するだけですので、経営スタイルはいたってシンプルといえます。
飲食店の経験が浅くとも、料理ができれば開業が可能です。
(3)低コストで開業したい
ゴーストレストラン事業は、お客様が来店するわけではないので、広い店舗を借りる必要がありません。
場合によっては、店舗の間借りや自宅などを使って開業することが可能です。
前述したように客席をつくる必要もありませんので低コストでの開業ができる点も挙げられます。
テイクアウト専門なので、食器類を準備する必要もなく、当然ながら食器類を洗う必要もありません。
低コストで開業したい方にも向いている事業といえるでしょう。
ゴーストレストランのフランチャイズ開業におけるメリット
ここからは、ゴーストレストランをフランチャイズに加盟して開業するメリットについて解説します。
(1)本部のサポートが受けられる
フランチャイズに加盟して開業することで、本部のさまざまなサポートを受けることができます。
レシピを自分で開発する必要がありませんし、食材の仕入れなどもあらかじめ確保されたルートを使用可能です。
研修などにより、メニュー指導なども行われますので経験が浅い方や未経験からでも開業できます。
本部の担当者がいますので、悩みや相談事もやりやすい環境で経営することが可能です。
本部のサポートが受けられる点がメリットのひとつといえます。
(2)集客のサポートが受けられる
集客面のサポートも受けられます。
いくつかの加盟店を持つフランチャイズならば、集客面のノウハウも豊富です。
広告に関するチラシなども、本部がデザインしたチラシなどを使用することができますので、デザインを考える必要がありません。
本部のHPを使って開店の連絡を行うといったサポートもありますので、集客面のサポートも大きなメリットです。
(3)メニュー開発のコストが必要ない
フランチャイズに加盟することで本部が準備したメニューを使用することができます。
メニュー開発も飲食店経営には非常に重要で、定期的なメニュー変更などで、お客様を飽きさせない工夫が必要です。
しかし、メニュー開発には時間もかかるし労力もかかります。
フランチャイズに加盟するとメニューは本部が開発しますので、メニュー開発にかかる時間や費用を削減できます。
メニュー開発に関する時間や労力が必要ではない点も大きなメリットといえるでしょう。
(4)ブランドや知名度を持って開業ができる
フランチャイズに加盟することで、ブランドや知名度を持った状態での開業が可能です。
開業するときには本部の屋号が使用できますので、開業当初から名前が知られているのです。
独立開業する場合、まずは名前を知ってもらうことから始めなければいけませんので、広告宣伝費に多額な費用をかける必要があります。
しかし、フランチャイズに加盟することで、すでに一定の知名度を持っていますので、広告宣伝費の資金も、独立開業ほどかからないかもしれません。
知名度を持っての開業も大きなメリットといえるでしょう。
ゴーストレストランのフランチャイズ開業におけるデメリット
ゴーストレストランをフランチャイズに加盟して開業するのはメリットばかりではありません。
ここからは、ゴーストレストランをフランチャイズで開業する場合のデメリットについて解説します。
(1)開業当初に加盟金や保証金がかかる
開業当初にフランチャイズに加盟するために必要なのが加盟金や保証金です。
加盟金とはフランチャイズ本部に加盟するための入会金と考えるといいでしょう。
保証金は、フランチャイズ契約を締結し解除するまで本部が預かるお金で、フランチャイズ契約が満了すると基本的には一括返却されます。
加盟金や保証金の額は、フランチャイズ本部によってさまざまです。
場合によっては100万円単位での資金が必要となりますので、独立開業するよりも開業当初に費用がかかる点がデメリットのひとつといえます。
(2)毎月の経営においてロイヤリティなどコストがかかる
フランチャイズに加盟することにより、ブランドや知名度を持ったまま開業でき、本部の運営システムやメニューなどを使用して経営することができます。
ただし、毎月ロイヤリティの支払いが必要です。
ロイヤリティとは本部のシステムなどを使用する使用料のようなもので、月間売上の数%や月額定額など、フランチャイズ本部によって異なります。
しかし、独立開業ではかからないコストです。
ロイヤリティなどにかかるコストもデメリットといえます。
(3)オリジナルのメニューは提供できない
フランチャイズに加盟することで、本部から指示されたメニューをお客様に提供しなければいけません。
オリジナルのレシピを販売したくても、フランチャイズに加盟してゴーストレストランを経営している以上、販売できません。
フランチャイズの加盟店は横並びのサービスが本部から求められています。
勝手に加盟店が独自のメニューを提供することはできません。
自分の作ったメニューを提供したい方などには大きなデメリットとなるでしょう。
(4)廃業時に違約金がかかるケースがある
フランチャイズに加盟すれば必ずゴーストレストランが成功するとは限りません。
場合によっては、失敗し閉店してしまうケースも考えられます。
閉店する場合などは、フランチャイズ契約を解除しなければいけませんが、契約期間内の契約解除には違約金を求められる場合があります。
場合によっては非常に高額の違約金を設定されていることもあります。
閉店する場合にも制限がかかってしまう点もデメリットとして挙げられるでしょう。
フランチャイズでゴーストレストランを開業する流れ
実際にフランチャイズに加盟してゴーストレストランを開業する場合、開業までの流れについて詳しく解説します。
(1)フランチャイズ本部との契約
フランチャイズ本部との契約が必要です。
ゴーストレストラン形式の加盟店を募集している本部をいくつか比較し、自分に合ったサービスを提供している本部を選択しなければいけません。
フランチャイズ本部を決定し、契約を締結します。
(2)許認可申請
ゴーストレストランを開業するためにいくつかの許認可が必要です。
飲食業を行うための食品衛生者の資格や営業許可書などの取得が必要になります。
それぞれ資格の取得先や許可を受けるところは異なりますし、申請すればすぐに取得できるわけではありません。
開業までのスケジュールを逆算して、許認可申請を行います。
(3)内装工事
厨房設備などの内装工事が必要です。
一般的な飲食店の内装よりも時間も費用もかかりませんが、フランチャイズ本部と連携して内装のデザインや必要な設備を設置しなければいけません。
内装工事自体は前述したように、厨房部分のみですので数日から1週間程度で工事が完了します。
(4)プラットフォームの設置
デリバリープラットフォームとの契約が必要です。
お客様のもとへ届ける宅配システムは既存のサービスを利用しますので、デリバリーのプラットフォームと契約、登録してもらう必要があります。
プラットフォームとの契約から登録に関しては、審査などもありますので、最大2ヶ月程度の時間がかかります。
複数のプラットフォームと契約するケースもありますので、こちらも開業までの時間を逆算してスケジュールを組みましょう。
(5)開業
開業となります。
早めの黒字化を目指しましょう。
まとめ
ゴーストレストランはコロナ禍において需要が伸びてきたサービスで、お家での快適な生活を望む方が増えた昨今、将来性にも期待できる事業です。
客席がいらないので、低コストで開業が可能で、フランチャイズに加盟して開業することでさまざまなサポートが受けられます。
フランチャイズに加盟して開業することで知名度を持った状態で開業ができる点も集客面で安心です。
低コストで開業したい方などには向いている事業といえるでしょう。