フランチャイズの健康食品業の初期費用・許可や関係法令も解説
今60歳や65歳、そして70歳を過ぎた多くの人がまだまだ元気でいたいと考えます。
生活のために、何らかのアルバイトなどをする必要性の要因もあります。
そして趣味やおいしい食事を、まだまだ満喫したい意向もあります。
この健康志向があるなかで健康食品には需要があり、健康食品取扱業を目指す人も増加傾向にあります。
健康食品には、免疫力増加の効果があるともいわれます。
一方で健康食品取扱業は、許可や法令と関係するなど、運営に複雑な点があり容易でない業種です。
ですがフランチャイズ本部の力を活用すると、法令に沿った商品が準備されているなど、販売に着手できやすい方法もあります。
今回はフランチャイズと健康食品業について、必要な許可や関係する法令と、フランチャイズで開業するメリットなどに触れながら解説します。
目次
フランチャイズの健康食品業の収益と将来性
フランチャイズの健康食品業では、総売上63万円に対し粗利益が22万円の数値もあります。
つまり、粗利益率が35%ほどということです。
小売業平均で粗利益率27.6%の数値情報もあるので、フランチャイズ健康食品業は比較的高収益率といえます。
そして健康食品には、次のような存在意義もあります。
- 新型コロナに対し免疫力を高める必要性がある中の、有効なサプリ的役割
- 高齢化が進む中、認知症予防や健康寿命を伸ばすために効果的な手段
高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。
- 販売や製造に自信のある、健康食品会社を選択する
- 随時商品と販売方法について、法令と相違点がないか照合と確認をする
- 医療機関などの法人に、営業をかける
- 複数名で、販売に取り組む
- 仕入量の希望を聞いてくれる、本部を選択する
- 正当な製品と示せる、根拠を準備しておく
- 摂取方法を複数考えるなど、販売セールス術を複数準備しておく
- クレーム対応策を準備しておく など
初期費用とランニングコスト項目
(1)初期費用
初期費用として標準的に、50万円程度要する傾向にあります。
そして高いケースでは、150万円程度かかるところもあります。
ドラッグストアやネットショップのような、既存店舗を有しているケースでは、初期費用がなかったり10万円程度で収まったりする時もあります。
【初期費用内訳】
- 加盟費
- 保証費
- 研修費
- 開業サポート費
- 初期販売品仕入費 など
(2)ランニングコスト項目
- 仕入費
- 通信費
- 店舗家賃
- チラシ作成費 など
ロイヤリティは、ないところもあります。
必要な許可や関係する法令
健康食品を取り扱う際には、次のような複数の法令や許可と届出を考慮しておく必要もあります。
(1)法令
①食品衛生法
食品の加工と調理基準や、食品添加物などについて規定があります。
健康被害を引き起こすと懸念されるケースでは、厚生労働大臣が専門家からの意見を聴いて、対象の食品販売を禁止にする可能性もあります。
②食品表示法
食品衛生法やJAS法、そして健康増進法の3つの法律を、一元化した法律となっています。
加工食品と生鮮食品、そして添加物について名称や原材料名など、表示義務のある内容や表示形式などについて規定してあります。
③健康増進法
国民の健康促進のために栄養表示が義務付けられていますが、任意のものもあります。
食品には、一般用と業務用があります。
加工食品と添加物の一般用は義務であるものの、他は任意となっています。
④医薬品医療機器等法
健康食品に医薬品と同等のものを配合したり、医薬品と混同するような効果があると表示したりすると、医薬品医療機器等法とみなされる可能性もあります。
原材料や想定の効果を基準として、医薬品か食品かを区別します。
⑤景品表示法
何らかの広告などで「この商品ならきつい食事制限なしに、1か月間で〇〇kgの減量が見込めます」のような、表示広告をみかけたことのある人は少なくないでしょう。
このような期待をあおるような表示広告や景品提供によって、購入者が実際は高品質でない商品を、購入してしまう懸念があります。
そこで購入者が正しい判断で購入をできるように、商品の価格や表示などを規制する法律となっています。
⑥特定商取引法
特定商取引法は訪問販売や電話勧誘販売による、消費者の被害を防ぐことが目的の法律となっています。
仮に言葉巧みなセールスで購入に至っても、クーリング・オフなどの対抗措置もあります。
(2)許可と届出
①許可
- 乳製品製造業
- 清涼飲料水製造業
- 乳酸菌飲料製造業 など
食品の製造と販売には、上記のような許可や食品衛生責任者の資格取得を考慮する必要もあります。
②厚生労働大臣(検疫所への届出)
健康食品を輸入する際には、食品等輸入届出や原材料に関する説明書などの関係書類も添えて、管轄の検疫所に届け出ます。
そして必要なケースでは、検疫所で審査があります。
審査には、検疫所による検査や登録検査機関による検査があります。
審査で承認されると、食品等輸入届出済証発行があります。
取扱商品例
健康食品取扱商品には、次のような物品例があります。
(1)プロポリス系
- プロポリス原液
- はち蜜
- のど飴
- ローヤルゼリー
- 錠剤
- 清涼飲料水 など
プロポリス:ミツバチが生み出す天然の抗菌性物質
(2)オーガニック野菜
- 玉ねぎ
- アスパラガス
- ほうれんそう
- 水菜
- トマト
- じゃがいも など
(3)飲料系
- 牛乳
- ヨーグルト
- もろみ黒酢
- 野菜ジュース
- 高品質水 など
(4)その他
- 高い抗酸化作用のある、天然植物オイル
- 海洋深層水
- カニ殻を原料とした、栄養補助剤
- ブルーベリー製剤
- 黒酢ソフトカプセル製剤
- クルクミン
- 化学調味料無添加のみそ汁
- 青パパイア発酵食品 など
フランチャイズによる健康食品業の開業手順
(1)問合せ
まず本部へ問い合わせをして、資料請求や説明会予約などをします。
(2)説明会
説明会へ出席します。説明会では商品説明に加え、営業方法や加盟店の成功事例などを説明します。
(3)面談
現状生活状況や、販売戦術などについて話し合います。そして、加盟申込と審査となります。
(4)契約締結
審査を経て、契約締結となります。契約書について内容を熟読し、慎重に署名捺印する必要もあります。
(5)研修
研修をするところもあります。商品についての知識はもちろん販売方法も、基礎的な内容を身につけておきたいものです。
(6)開業
(1)~(5)のプロセスを経て、健康食品販売業務開始となります。
フランチャイズで健康食品業を開業するメリット
フランチャイズの健康食品業開業には、次のようなメリットがあります。
(1)オリジナル成分で差異化
物販では、同業他社にいかに差異をつけられるかも重要です。
差異をつける商品と成分開発のためには、数年10年20年に及ぶ期間や研究技術を要します。
ですがフランチャイズでは、既にオリジナル成分や商品を開発済の傾向もあります。
最初から差異のある商品を扱えると、集客できやすいです。
(2)特許を取得済
製法や物質そのものに、特許を取得済のところもあります。
そして、学術誌に開発内容が掲載されたケースもあります。
よって、よりブランド力と説得力が高まります。
(3)既存ビジネスを活かせる
仮に今ドラッグストアやネットショップなどで、何らかの食品を販売しているとします。
このようなケースでは、新商品として導入できる時もあります。
チラシやカタログは、本部が作成済の傾向もあります。
よって、既存ビジネスを活かすことができやすいです。
(4)小ロットでの進行も可能
物販においては、在庫リスクを懸念する人が少なくありません。
ですがフランチャイズでは、小ロットの在庫で取り組めるところもあります。
月々の予算における仕入費を、割くことができやすいです。
(5)リーズナブルな初期費用
ビジネスにおいては、初期費用リスクもあります。
ですがフランチャイズの健康食品業では、加盟金と保証金がなく、初期仕入費の40万円程度や初期費10万円程度の時もあります。
よって参入しやすい額の、初期費用といえます。
(6)複数名での販売も可能
ドラッグストアやネットショップなどのように、正式に小売業として営んでいる必要はないところもあります。
どなたかが代表で加盟申込をして、実際には数名で販売する形も可能です。
在庫を抱えても、複数名いると販売できやすいです。
(7)オーガニックブームを活かせる
健康食品の中でも、オーガニック食品は特に注目を集めている種類の1つです。
そしてオーガニックと一言でいっても、野菜だけでなく食品全般を取り扱っているところもあります。
よってオーガニック食品を求めている人に対して、集客できやすいといえます。
(8)水素水で定期収入
今、水素水も話題です。
水素水は、人体細胞の酸化を防ぐ効果があるともいわれています。
そして水は、皆が毎日飲用や料理用として必要とします。
また代理店には、レンタル価格のうちの一定額である800円程度が、インセンティブとして入ってくるシステムのところもあります。
よって、定期収入も見込めます。
(9)開業と運営サポート
本格的に店舗をもち販売していきたいけど、ノウハウにあまり精通していない人もいるでしょう。
ですがフランチャイズでは店舗作りやホームページ作りなど、開店から販売についてサポートをするところもあります。
フランチャイズで健康食品業を開業するデメリット
フランチャイズの健康食品業には、次のようなデメリットもあります。
(1)自社名を認められない
本部によっては、本部の名前を名刺などで使用可能なところもあります。
一方で加盟者によっては販売エリアで有名などの理由にて、本部の名前はあまり出さずに、あえて自社名を大きく使いたいとします。
ですが本部よりこの旨を承認されないと、デメリットとなります。
(2)組み合わせ販売を認められない
加盟者によっては自社製品とセットで、別のセット商品名をつけて販売したい可能性もあります。
一方で本部方針に合わないとして、この方法を認められないとします。
これではせっかく販売力に自信があっても、不便点となります。
健康食品業の難点と失敗を避けるコツ
健康食品業には、次のような難点もあります。
(1)錠剤やカプセル状商品の取扱
健康食品に関する、許可や法令は上記で触れています。
そして錠剤やカプセル状の商品を取り扱う際には、製造工程管理面にも注意点があります。
錠剤やカプセル状の商品には、原材料の成分が濃縮される特性があるためです。
例えば「作業プロセス各々に責任者を定め、責任体制がわかりやすいようにする」など、複数の規定もあります。
よって錠剤やカプセル状の商品を取り扱う際には、高精度な製造工程管理も必要です。
(2)高齢者に合った味選択
健康食品業にとっては、高齢者も大きなターゲットとなります。
一方で高齢者がある健康食品の消費を止める理由として、食感を含めおいしく食べられないこともあります。
よって自分たち自身や知り合いなども含め、おいしく食べ続けられそうか否か、実際高齢者の試食で食感や味の確認も大切です。
(3)常備薬との副作用
高齢者の中には血糖値を下げる薬のように、常備薬を服用している人もいます。
取扱健康食品が、常備薬に対して副作用があっては不都合です。
例えば、アレルギーなどの可能性もあります。
よって自分が取り扱いを目指す健康食品に含まれる成分と、常備薬になる傾向のある薬との相性確認も大切です。
(4)違法製品との差異
健康食品市場には、違法製品が紛れ込んでいる可能性もあります。
自社製品はあくまで合法製品としても、「違法製品では?」と疑問視される懸念もあります。
よって本部や士業家などとも相談し、合法製品と解釈してもらえるための措置も必要です。
(5)医療機関での販売
政府の閣議決定により、医療機関でサプリメントなどの健康食品販売が可能になりました。
病院などの法人が固定顧客になると、大きな売上につながります。
一方で何かトラブルがあり最悪のケースで、業務上過失により損害賠償金支払いや裁判で病院と争うとなると、会社存続の危機に発展する可能性もあります。
よって医師や管理栄養士などの専門家にも相談しながら、より慎重に進める必要もあります。
(6)摂取方法を研究する
健康食品といえども、いくらでも摂取すればよいというわけではありません。
体調や持病などを鑑み、摂取量や食事との組み合わせなども含み、複数の摂取方法内容を考えておくこともポイントといえます。
(7)画像準備
健康食品といえども含有成分や特許取得済など、理屈の優位点のみを説明するだけでは、なかなか購入者の購買意欲は促進できない可能性もあります。
よって実際に調理した状況や、美味しく摂取している状況などの写真や映像も用意できたいものです。
(8)悪質な商品レビュー投稿は禁物
インターネット販売では、購入者からの評価や感想を掲載できるサイトもあります。
一方でライバル会社に差異をつけるために、故意にライバル会社に低評価やクレームコメントを記すことは、要注意です。
実際に仕事仲介サイトで見つけた人に依頼し、悪質低評価をつけてもらい、裁判で罰金刑になった事例もあります。
(9)クレーム対策
購入者の中には、想定した効果を得られずにクレームをする人がいる可能性もあります。
このようなケースでは、ソフトで時間をかけた対応も大切です。
法律などの知識を使って、一言二言で済ませようとするような対応は禁物です。
まずは話を聞いて、憤りの軽減を図ります。
そして別の提案をすることによって、リピーターになる可能性もあります。
まとめ
ここまで、フランチャイズと健康食品業について考察してきました。
押さえておきたい点は、必要な許可や関係する法令に加え、健康食品業の難点と失敗を避けるコツです。
そして特許を取得済など、フランチャイズで開業するメリットもポイントといえます。
60歳や65歳を過ぎて健康的に生活するために、健康食品は効果的と想定できます。
適切な健康食品を見極め、病院などの法人にも営業をかけ、健康志向者の常備薬倉庫とも称せられる健康食品店に発展させてください。