フランチャイズでエステ業を開業する手順・施術メニューや失敗を避けるコツも解説
女性の社会進出傾向がますます高まる中、さらに美を意識する女性が増えてきました。
そして女性だけでなく男性も、美意識は以前よりも高まってきています。
「人は見た目が9割」の言葉も有名になるほどです。
このような状況下で、エステに行く人が増加傾向にあります。
同時にエステ業での独立開業を目指して頑張る人も増えています。
しかし、エステ業での独立開業は、開業段取りだけでも容易ではありません。
エステ業開業をフランチャイズで目指すのであれば、独立開業するよりは上手くいきやすい方法があります。
今回はフランチャイズとエステについて、エステの業態と種類やメニューと施術方法などに触れながら解説します。
目次
フランチャイズのエステ業の年収
フランチャイズエステ業の年収は、一般的に400~500万円程度といわれています。
そして繁盛してきて、うまく複数店舗経営できれば、1,000万円を超えている人もいます。
【繁盛のコツ】
- 技量を上げること
- 付加価値を工夫すること
- 開業初期のターゲットを明確にすること
- 小規模から初めて、徐々に発展させること
- カウンセリングを綿密にして、施術後のミスマッチを防ぐこと など
初期費用とロイヤリティなどの費用
(1)初期費用
初期費用として標準的に、700~1,500万円程度はかかる傾向があります。
一方で安価なケースでは、150~200万円程度に収まる可能性もあります。
安価なケースになるのは、出張型で店舗取得が不要なケースなどです。
そして初期自己費用として必要な額は100万円~300万円程度かかる場合や、ほとんどかからず済む可能性もあります。
【初期費用内訳】
- 加盟費
- 保証費
- 初期店舗取得費
- 研修費
- 店舗内装費
- 機器や道具調達費
(2)ロイヤリティ
変動制:売上の5~10%程度で、最低限月額50,000円必要なところもあります。
定額制:月額会費35,000円に、システム使用料30,000円程度のところもあります。
一方で、黒字化するまではロイヤリティ無しのところもあります。
エステの業態や種類
(1)業態
エステには、次のような業態があります。
①店舗型
従来の店舗型エステです。店内に各種機器などが複数準備されていて、様々な希望に対して迅速に対応出来やすい傾向があります。
②Spaエステ
高級リゾート施設や、ホテルに併設されています。集客できやすい分、施術力や接客力などにより高レベルのものが必要です。
③訪問エステ
忙しくてなかなか来店できない顧客向けの、形態となっています。
機器などをすぐに準備できにくいので、顧客との前もった綿密な打ち合わせが必要です。
④セルフエステ
セルフエステとは、まず利用者がお店へ行きます。
そして大手エステ店と同じもしくは、同じような機器を使い、自分で施術するシステムのことです。
料金は月額定額制で、使い放題のケースもあります。
(2)種類
エステには、次のような種類があります。
①痩身エステ
痩せることが主な目的のエステで、女性からの人気が高いです。
ダイエットでも痩せることができますが、部分的に痩せたいケースでは、痩身エステの方が効果的な人もいます。
②フェイシャルエステ
顔から鎖骨あたりにかけて、顔を中心に行います。
しわ消しや美白など、美肌のためのエステを行います。
③ボディエステ
顔を含む、全身エステのことです。リラクゼーション効果や美白の他に、血行促進やむくみ解消効果も期待できます。
④脱毛エステ
顧客が希望する部分の脱毛をします。脱毛には、光脱毛やレーザー脱毛とニードル脱毛があります。
⑤ブライダルエステ
結婚式を控えた女性向けのエステです。ウェディングドレス姿がより綺麗で似合ってみえるように、短期間でより美しくできる技量が必要です。
⑥デトックスエステ
リンパマッサージを行うことによって、体内の老廃物を排出させます。美はもちろん、代謝促進による健康効果も期待できます。
⑦メンズエステ
字のごとく、男性を対象としたエステです。エステ内容としては、ボディエステやフェイシャルエステがあります。
エステのメニューや施術方法
(1)メニュー
エステメニューには、次のような内容があります。
①フェイシャルと美顔
顔周辺について、パックや美容鍼などのエステがあり、次のようなメニューがあります。
- パックで肌を健やかにする
- 濃度の高い酸素や美容液を、肌に補給する
- 美容材を、肌の奥深くまで浸透させる
- 肌の弾力を整える
- 皮膚をリフレッシュさせる
- 顔の筋肉をもみほぐしていく
- 頭皮を若返らせる
②痩身
痩せることをベースに考え、次のようなメニューがあります。
- 脂肪分解
- コリやむくみの解消
- 脂肪を溶かす
- 筋肉の運動を促進する
- 老廃物排出
- リラクゼーション
他にも、骨格矯正や脱毛もあります。そしてこれらのメニューは、エステメニューの一部です。
(2)施術方法
施術方法には、次のような商材や方法があります。
①商材や道具
次のような、商材や道具があります。
- パック
- 高濃度酸素
- ゴマージュ
- クリーム
- ヘッドスパ
- トリートメント
- 炭酸泉
- 美容鍼
- 高周波音熱機器
- 美容用竹
- カッピング(吸い玉)
- 温めた美容用の石など
②方法
次のような方法があります。
- ハンドマッサージともみほぐし
- フェイシャルエステ用の光照射
- イオン補給
- 超音波照射
- 筋肉への電気刺激
- 遠赤外線照射
- 足場浴
- ゲルマニウム温浴
- 足つぼマッサージ
- 骨格矯正
- 筋膜を伸ばして、前身のバランス調整
- ワックスで脱毛
フランチャイズによるエステ業開業の手順
フランチャイズでは、次のような手順でエステ業を開業します。
(1)問い合わせと説明会出席
まず興味があったり加盟を希望したりする、フランチャイズ本部へ連絡をします。
そして資料をみたり、説明会へ出席したりしてフランチャイズ事業の内容を理解します。
(2)詳細話し合い
開業エリアやエステ事業方針など、フランチャイズ事業について話し合いをします。
この段階で店舗が必要なケースでは、物件探しを始めるところもあります。
(3)条件合意と加盟
開業エリアなど事業方針が合致し、フランチャイズ本部の審査を通過すると、契約締結と加盟となります。
(4)物件決定と取得
開業エリアと営業店舗を決定します。物件取得は、開業準備のなかでも難しい段取りの一つです。
(5)外装と内装話し合い
どのような看板を設置するか、またどのような店舗内デザインにするかなど外装と内装について話し合います。
(6)外装と内装工事
(5)で話し合った外装内装計画について、施工します。
(7)機器など搬入
施術台やエステ機械などの機器や、電気設備などを準備して、店の物理的準備は完了します。
(8)スタッフ段取り
最初から何らかのスタッフを雇うケースでは、この段階で募集や採用などの段取りがあります。
(9)研修
自分自身はもちろん、スタッフも含めた、施術内容や接客方法などについて研修があるところもあります。
(10)最終確認
完成した店舗にて、実際に開業した営業状況を想定して、実践訓練があるところもあります。
(11)開業
(1)~(10)の段取りを経て、ついに開業となります。
エステ開業には、何か資格や免許が必須なイメージがあるかもしれませんが、必須な資格や免許はありません。
一方で他店への差別化や、信用性につなげるために、次のような民間認定資格もあります。
- 認定エステティシャン
- AEA認定エステティシャン
- 認定美容ライト脱毛エステティシャン
次のような業務も取り入れる際には、保健所への届も必要なので注意が必要です。
- まつエク
- 眉毛カット
フランチャイズでエステ業を開業するメリット
フランチャイズ開業で、次のようなメリットがあります。
(1)ブランド性
エステではエステティシャンの腕はもちろん、有名な機械や使用商材も集客には重要です。
フランチャイズではブランド化した屋号や商材を、営業上の随所で使えるので便利です。
屋号などが、商標登録してあれば尚助けになります。
(2)運営ノウハウ提供
仮に雇われでエステティシャン経験があり、エステ業務そのものにはそれなりに自信があるとします。
一方で、自ら営業するとなると、エステ業務そのもの以外にも複雑な段取りが幾つもあります。
例えば、理想では自分が希望するタイミングで商材を仕入れて、それを計画的に消費していきたいものです。
ですが現実にはなかなか、思った通りには進まないこともあります。
思ったように商材を仕入れられなかったり、顧客が利用してくれなかったりする事態が少なくありません。
そして、税金面も難しいです。想定以上の税金請求がきて、期日までに支払えない状況は避けたいものです。
フランチャイズでは、このような悲惨な状況をなるべく避けられるよう、アドバイスがもらえます。
(3)スタッフ手配
順調な運営には、スタッフの力量も重要です。
スタッフ段取りは容易ではありません。まず応募者を募る時点で、一苦労が少なくありません。
そしてやっと求めていた人材が面接に来たものの、応募者の方から辞退の状況もあります。
ですがフランチャイズでは、本部が雇用段取りをしてくれるところもあります。
また、エステティシャン専門の人材派遣会社から人材をあっせんする、強力なサポートがあるところもあります。
(4)未経験からも可能なケースもあり
自社オリジナルのエステティシャン養成スクールをもっていて、エステ業未経者も参入のチャンスはあります。
(5)IT宣伝戦略
今はITスキルを使った、宣伝が効果的な傾向があります。
なかでも大きなSEO施策をしてある本部のホームページに、加盟店として掲載されることもメリットです。
(6)立地アドバイス
顧客が来店するタイプの業種なので、立地は重要です。適切な立地の見極めは、難しいです。
ですがフランチャイズでは、立地や物件についてもアドバイスするところがあります。
エステ業の難点と失敗を避けるコツ
(1)料金を抑えることと採算性の兼ね合い
エステ料金は高いイメージがあるかもしれませんが、今は低価格になってきています。
最初は顧客獲得の為に、なるべく低価格で臨もうと考える人もいます。
一方でビジネス一般に、初期費用回収も重要です。そして顧客獲得が軌道に乗ってきたからといって、いきなり単価は上げにくいです。
単価を上げた途端に、顧客が去っていくことも少なくありません。
注目を引くための低価格は、確かに必要な時はあります。
ですがオープンセールなど、一時的である名目も重要です。また、いずれは自然な流れでの値上げができるように、付加価値や高度なメニューも考えておきたいものです。
(2)初期費用
早期の黒字化実現のためには、初期費用をいかに抑えるかも重要です。
初期費用については、物件取得費も大きな割合をしめます。
一方で物件が居ぬき物件のケースでは、初期費用低減にもつながります。
本部も居ぬき物件探しにアドバイスするところもありますが、自分でも早くから探しておくことがおすすめといえます。
(3)宣伝文言
宣伝文言には、自分のお店の優れている点を目立つ表現方法で盛り込みたいものです。
エステサロンの宣伝には、違法もしくは違法になる可能性のある表現方法もあります。
違法もしくは違法になる可能性のある表現は、次のような事柄です。
- 著しい効果をアピールするために、写真を加工すること
- 根拠のない「ナンバー1」などの表記
- どの程度、割引になるのかが不明なキャンペーンチラシ表記 など
上記は、違法もしくは違法になる可能性のある表現の一部です。
そして、違法性が発覚すると、国からの指導や懲役刑と罰金刑の可能性まであります。
宣伝文言作成の際には、本部や士業家にチェックしてもらいたいものです。
(4)機器選択
エステ業では、必要機械が100万円や200万円など、高額になるケースもあります。
初期費用として、この機器代は負担が大きいです。
避けたいことは購入した美容機械が、想定した効果がなかったり顧客の評判がよくなかったりすることです。
よって機器選択には、本部の人の意見も聞きながら慎重に行うことが重要です。
(5)保険
エステ業では、いつ何のトラブルが起きるかわかりません。
例えば想定外であっても、施術によって火傷を負わしてしまう可能性を否定できません。
そして店舗火災で、大きな被害が起きる可能性もあります。
このようなケースで、次のような保険に入っておけば、大金の支払いは避けられる可能性があります。
- 施設賠償責任保険
- 受託者賠償責任保険
- 生産物賠償責任保険
- 火災保険
- 事業活動総合保険
- 地震保険など
まとめ
ここまで、フランチャイズとエステについて考察してきました。
押さえておきたい点は、エステの業態と種類やフランチャイズで開業するメリットです。
そして、エステ業の難点と失敗を避けるコツもポイントといえます。
オリジナリティのあるエステサロンは、繁盛する傾向があります。
適切な立地の見極めと、自身の得意分野を活かした施術内容で、ご自身のエステサロンを繁盛させてください。