フランチャイズのロイヤリティ
会社員から独立するためにフランチャイズに加盟することを検討している人もいるはず。
フランチャイズに加盟するには手数料を支払う必要があり、ロイヤリティは毎月本部に支払う手数料です。
ロイヤリティを支払うことでフランチャイズ本部の商標やノウハウをオーナーは利用でき、自店舗の売上を伸ばしやすくなります。
本部によってロイヤリティは異なり、手数料が高いフランチャイズもあるため注意が必要です。
フランチャイズに加盟することで発生する手数料を知りたい人のために、ロイヤリティの特徴や相場、計算方法を解説します。
オーナーが支払うロイヤリティとは?
フランチャイズに加盟してお店を経営する場合、毎月決まった金額のロイヤリティを本部に支払うことが必要です。
ロイヤリティは本部のブランドやノウハウを利用する対価として設定されています。
例えばテイクアウト型飲食店である、ほっともっとのロイヤリティは2019年4月時点で月8万円です。
ロイヤリティを支払うことで研修や開業サポートなどを提供する本部もあります。
より売上を増やすためにサポートする代わりに、ロイヤリティを支払うことがオーナーには求められるのです。
フランチャイズを検討する際は必要経費であるロイヤリティを考慮しましょう。
(1)ロイヤリティがある理由
本部がフランチャイズ加盟店に対してロイヤリティを設定する理由は事業規模を広げて収益を上げるため。
ロイヤリティがあることで本部は利益を得やすくなり、オーナーはサポートを受けられます。
もしロイヤリティがないと本部は加盟店から利益を受け取りにくくなり、ブランドやノウハウを提供するメリットが少なくなります。
サポートを減らせば加盟店が売上を伸ばしにくくなるデメリットもあるのです。
本部がブランドイメージやサポートを向上させて加盟店の売上を伸ばすためにも、オーナーはロイヤリティを支払う必要があります。
(2)ロイヤリティの相場
ロイヤリティは業界によって相場が異なるものであり、本部の規模やサポートの質などで変わります。
例えば加盟店の売上から割合でロイヤリティを支払うフランチャイズの場合、相場は以下の通りです。
毎月決められたロイヤリティを支払うフランチャイズの場合、業界における相場はそれぞれ以下の通りです。
- 飲食店:毎月3万円から8万円
- リサイクルショップ:毎月10万円から20万円
- パソコン教室:3万円から10万円
- 教育スクール:3万円から12万円
フランチャイズで有名なコンビニエンスストアの場合、ロイヤリティは加盟店の粗利益によって変動します。
オーナーは加盟店における粗利益の40%から70%をロイヤリティとして支払うことが必要です。
業界によってロイヤリティは変動するものであり、本部のブランドやサポートなどで支払う手数料が変わることを知っておきましょう。
(3)ロイヤリティの適切な割合
「本部に対して支払うロイヤリティの適切な割合を知りたい」と考える人もいるはず。
フランチャイズによって適切な割合は変わるため、データや実績からロイヤリティが適切であるか判断することが重要です。
例えばコンビニエンスストアのロイヤリティは他の業界よりも高額ですが、ブランドやサポートが良いため高い売上を期待できます。
売上が大きければロイヤリティが高くても問題は少ないです。たとえロイヤリティが低額であったとしても、売上が低ければ経営は厳しくなります。
毎月の売上が15万円の場合、3万円のロイヤリティでも資金練りが難しくなるのです。
フランチャイズに加盟することで得られる売上を想定して、ロイヤリティを支払っても問題ないかオーナー自身で判断しましょう。
(4)ロイヤリティが高いと廃業する?
「ロイヤリティが高額だと経営が厳しくなって失敗する」と考える人もいるはず。
確かに毎月支払うロイヤリティが高いと、オーナーが資金を用意するのは難しいことです。
しかしロイヤリティが高いからといって、必ずしも廃業しやすいとは限りません。
加盟したフランチャイズの本部からロイヤリティ分のサポートを受けることで、より良い経営を実現することも可能です。
本部のブランドがあれば集客しやすいですし、加盟店は本部の商品によって売上を伸ばせます。
逆にフランチャイズの魅力がなければ、売上が伸びずに独立で失敗する可能性もあるのです。
フランチャイズを検討するときはロイヤリティだけでなく、サポートやブランド力なども考慮することを勧めます。
(5)ロイヤリティが0円のFCもある
フランチャイズの中にはロイヤリティ0円でオーナーを募集している本部もあります。
毎月の売上から手数料が引かれないメリットがありますが、ロイヤリティ0円には注意も必要です。
本部は加盟店から利益を得るために、ロイヤリティ以外の項目でオーナーの負担を増やします。
例えばロイヤリティがない分、商品の仕入れ価格を高額にしている場合があるのです。
他にも会員費用や管理手数料といった名目で、加盟店が本部に手数料を支払うことが必要な場合もあります。
ロイヤリティ0円だからといって手数料が安いとは限らないことを知っておきましょう。
ロイヤリティの種類とは?
フランチャイズによってロイヤリティの金額を決める方式は違います。
一般的には歩合制と定額制の2種類あり、歩合制度では粗利益や売上の割合で支払額を決定するのです。
定額制の場合は毎月決められた支払額をオーナーは本部に支払う必要があります。
ロイヤリティの具体的な種類は次の3つです。
- 売上歩合方式
- 粗利分配方式
- 定額方式
それぞれの方式における特徴を詳しく解説します。
(1)売上で変動する売上歩合方式
売上歩合方式では加盟店が獲得した売上から割合でロイヤリティを本部に支払う仕組みです。
さまざまな業界で活用される方式であり、売上が増えればロイヤリティも高額になります。
例えばロイヤリティが20%で加盟店の売上が100万円の場合、オーナーが支払うロイヤリティの金額は20万円です。
売上が300万円に増えればロイヤリティは60万円まで増えます。
加盟店の売上によってロイヤリティが上下するのが売上歩合方式の特徴です。
売上が高額になるとロイヤリティが高くなってしまうことを理解しましょう。
(2)粗利益で変動する粗利分配方式
加盟店の粗利益から割合でロイヤリティの金額を決定するのが「粗利分配方式」です。
コンビニエンスストアで活用される方式であり、他の方式に比べてあまり使われていません。
例えば粗利の20%をロイヤリティとして支払う場合、加盟店の粗利益が50万円であればロイヤリティは10万円です。
割合が同じであれば、粗利分配方式のほうが売上歩合方式よりもロイヤリティは少なくなります。
本部が最適なロイヤリティを設定するために、売上歩合方式に比べて粗利分配方式では割合が高めです。
コンビニを検討している人はロイヤリティの割合が高いことを知っておきましょう。
(3)決められた金額を支払う定額方式
契約時に決められた金額を毎月支払うのが定額方式です。
売上や粗利益によってロイヤリティが変動しないため、オーナーが資金を管理しやすいメリットが定額方式にはあります。
例えば毎月のロイヤリティが10万円の場合、売上が100万円でも300万円でも月に支払う手数料は10万円です。
他の方式に比べて売上を増やすことで利益を増やしやすいのが魅力。
売上が少なくてもロイヤリティが変わらないデメリットもありますが、低額なロイヤリティであれば問題は少ないです。
できるだけ多額の利益を儲けたい人に定額方式はオススメ。
ロイヤリティを支払うメリット
オーナーは本部にロイヤリティを支払うことで、本部からさまざまなサポートを受けられます。
ロイヤリティを支払う加盟店には以下の5つのメリットを活用できるのです。
- 独立支援制度を利用できる
- 教育や研修を受けられる
- 経営のアドバイスを貰える
- 事業に最適なシステムや設備を利用できる
- 営業を代行してくれる
それぞれのメリットを簡単に紹介します。
(1)独立支援制度を利用できる
加盟店が成功するためにフランチャイズ本部が独立支援制度を提供している場合があります。
例えば大手コンビニチェーンではオーナー向けにインターン制度を提供しているのです。
給料を貰いながらノウハウを学び、最終的には加盟店オーナーとして独立できるのがメリット。
条件を満たすことでフランチャイズへの加盟金が0円になる支援制度も活用できます。
(2)教育や研修を受けられる
ロイヤリティがあることでオーナーは開業前に教育や研修を受けられます。
例えばコンビニチェーンではオーナーとしての開業前研修として、1週間のトレーニングを提供しているのです。
店舗の経営方法やノウハウを身につけることで、開業した後に失敗することを防げます。
売上を伸ばすために本部から教育を受けられるのは、加盟店オーナーとして魅力ですね。
(3)経営のアドバイスを貰える
開業前だけでなく、開業した後もフランチャイズ本部からサポートを受けられます。
スーパーバイザーから商品の仕入れや経営戦略を聞くことで、店舗を改善して売上を伸ばすことが可能です。
(4)事業に最適なシステムや設備を利用できる
フランチャイズを提供する学習塾にはシステムにより教育をサポートするところもあります。
学習システムがあるから講師を雇う必要がなく、コストを削減できるのがメリットです。
(5)営業を代行してくれる
フランチャイズには開業後に本部が店舗の営業や経営を担当してくれるところもあります。
オーナーが利用客に対応する必要がないため、手軽に不労所得を得られるのがメリットですね。
まとめ
フランチャイズに加盟すると毎月ロイヤリティを支払う必要があり、本部によってロイヤリティの金額は変動します。
歩合方式と固定方式があり、適切な割合は業界やブランド力などで変わるものです。
ロイヤリティが0円のフランチャイズもありますが、仕入れ価格や手数料で損する場合もあるため注意しましょう。
コストを総合的に考慮してフランチャイズを検討することがオススメです。