冷凍食品の自動販売機を設置するメリットやデメリット・設置のコストも解説
コロナ禍により、飲食業界が大きなダメージを受けた中、宅配やデリバリー業が需要を伸ばしましたが、同様に設置数が伸びているのが冷凍食品の自動販売機です。
この記事では、冷凍食品の自動販売機を設置する場合のコストやメリット、デメリット、冷凍食品の種類などについて詳しく解説します。
冷凍食品の自動販売機を設置する場合に必要な資格やコストとは?
ここからは、冷凍食品の自動販売機を設置する際に必要な資格や設置に要するコストなどについて解説します。
(1)冷凍食品製造業の資格が必要
冷凍食品製造業の資格が必要です。
冷凍食品製造業の資格は自治体の保健所の許可で取得できます。
冷凍食品製造業の定義は「そうざい製造業に係る食品を製造し、その製造された食品の冷凍品を製造する営業」です。
食品や添加物として規格基準が定められているものを冷凍食品にして販売する場合にはこの資格が必要になります。
(2)食品衛生責任者の資格も必要
食品衛生責任者は、飲食業を開業する場合や、食品製造をする場合に必要な国家資格です。
取得方法としては、食品衛生責任者養成講習を受講しテストに合格すると取得できます。
難易度はそう高くはなく、1日の講習をしっかりと受講しておけば問題はないでしょう。
県庁の衛生課や保健所などで受講の申し込みをして受講できます。
月に数回実施されていますので、空いている時間へ申し込みしましょう。
また、栄養士や調理師、食衛生管理者などの資格を取得している方ならば、講習が免除されます。
受験料は、自治体によって若干異なりますが10,000円前後で取得が可能な資格です。
(3)冷凍食品の自動販売機にかかる初期費用
冷凍食品の自動販売機を設置する場合、どの程度の費用がかかるのかも気になる点です。
冷凍食品の自動販売機で売る商品によって若干異なりますが、一般的な導入費用は200万円前後となります。
前述したように種類の違いによる機種の違いや、オプション機能の設置などにより価格は増減しますので注意しておきましょう。
冷凍食品の自動販売機を設置する場合、購入だけではなくリースやレンタルなども可能です。
特に、リースによる設置は最も一般的な方法で、月々少額のコストで、冷凍食品の自動販売機を設置し、毎月の売上から返済ができます。
自己資金があまりないという方などはリースやレンタルを利用してはいかがでしょうか。
(4)冷凍食品の自動販売機にかかるランニングコスト
冷凍食品の自動販売機設置にあたり、設置の初期費用について解説しました。
しかし設置の費用だけではなく毎月のランニングコストもしっかりと把握しておかなければいけません。
ランニングコストとして一番に挙げられるのは電気代です。
季節によって費用は若干異なります。
真夏や真冬時期などは、少し電気代が高くなると考えておくといいでしょう。
一般的には毎月10,000円前後の費用がかかります。
しかし、冷凍食品の自動販売機のランニングコストは、電気代以外必要なコストがほとんどありません。
故障があった場合なども、修理サポートなどがついているケースも多いので、ランニングコストがあまりかからない事業といえるでしょう。
冷凍食品の自動販売機を設置するメリットとは?
ここからは、冷凍食品の自動販売機を設置するメリットについて解説します。
(1)現金以外の決済ができる
現金以外の決済が非常に多様な点が挙げられます。
近年、電子マネーやクレジットカード、QRコード決済など現金以外の購入が非常に多くなっています。
飲食業界だけでなく、さまざまな業種で多彩な決済方法に対して対応していますが、対応できていない企業も多く、売上や収益に大きな影響を及ぼしているといえるでしょう。
冷凍食品の自動販売機は多くの決済方法に対応が可能です。
スマホひとつで購入できますので、気軽に購入できる点が大きなメリットといえるでしょう。
(2)24時間年中無休での販売が可能
冷凍食品の自動販売機は24時間年中無休での稼働が可能です。
一日も休まずに稼働していますので、休日が多い月は売上が少ないといった心配がありません。
購入者も非対面で購入ができますので、いつでも人の目を気にすることなく購入できます。
また、設置期間が長ければ長くなるほど認知度が高まりますので、購入者がどんどん増えてくるでしょう。
例えば、同じ場所で飲食店を開業しており、同じ商品を販売していたとすると、営業時間外に売上が発生します。
自分が営業している飲食店の集客にも大きな役割を果たしますので、大きなメリットです。
(3)人件費や家賃がかからない
冷凍食品の自動販売機ビジネスは、24時間年中無休で稼働できますが、飲食店と異なり人件費がかかりません。
また、自己所有土地の空きスペースなどに機器を設置できれば、店舗取得費や家賃が不要です。
飲食店を経営している場合など、空きスペースを活用して冷凍食品の自動販売機を設置できると、コストはほとんどかかりません。
その上飲食店が休みの場合も、前述したように冷凍食品の自動販売機は稼働していますので、売上アップにつながります。
電気代だけをランニングコストとして計上するだけです。
ランニングコストをほとんど心配しないでいい点がメリットのひとつです。
(4)営業許可は必要ない
先ほど、冷凍食品の自動販売機を設置するにあたり必要な資格について解説しました。
一般的に飲食店の開業にあたり、必要な資格として真っ先に挙げられるのが営業許可ではないでしょうか。
しかし、冷凍食品の自動販売機を設置するにあたり、営業許可は必要ありません。
営業許可の取得には、保健所に申請し、保健所の審査を受けます。
保健所の審査に合格すると営業許可が取得できますが、時間や労力もかかってしまうでしょう。
営業許可を取得する手間が省かれる点もメリットといえます。
冷凍食品の自動販売機を設置するデメリット
ここからは、冷凍食品の自動販売機設置におけるデメリットについて詳しく解説します。
(1)初期費用がかかる
初期費用がかかる点がデメリットとして挙げられます。
前述しましたが、購入費用の相場としては200万円前後が一般的です。
台数を増やすと、単純に台数×設置費用が発生します。
つまり、2台なら400万円、3台なら600万円が必要です。
前述したようにリースやレンタルなども利用可能ですので、初期費用を抑えての開業もできます。
しかし、リースやレンタルを利用する場合、毎月のランニングコストにリース代やレンタル代がかかります。
そのため、購入と比較するとどうしても毎月の売上を余計に上げる必要があるでしょう。
初期費用がかかる点がデメリットのひとつです。
(2)盗難や破壊のリスクがある
冷凍食品の自動販売機設置において、人件費がかからない点は大きなメリットなのですが、その分注意しなければいけないのが、盗難などのリスクです。
人の目がほとんどない深夜でも、自動販売機は稼働しています。
また、誰もが気軽に購入できる場所に設置されていますが深夜ともなると、常に誰かがいるわけではないので盗難や破壊といったリスクを負ってしまうのです。
基本的に、自動販売機が破壊されたとしても保険などの対応が可能ですので、交換費用や修理費用を負担する必要はありません。
しかし、機器が修理されている間、自動販売機は稼働しませんので、売上に影響してしまいます。
これらのリスクも大きなデメリットです。
(3)電気代がかかる
冷凍食品の自動販売機はランニングコストがほとんどかかりませんが、唯一発生するコストが電気代です。
そこまで大きな負担ではありません。
しかし、真夏日や真冬日などには通常の月よりも高額な電気代となりますので、コスト面の発生として必ず押さえておく必要があるでしょう。
(4)商品の補充や管理が必要
人を配置しなくていいので人件費は必要ありませんが、商品の補充が必要になります。
特に、売り切れが多い販売機だと認識されてしまうと、商品を補充しても誰も購入しないといったことにもなりかねません。
そのため、まめに商品を補充しておく必要があるでしょう。
自動販売機を遠方に設置している場合などは、定期的な補充において少し負担に感じてしまうかもしれません。
ここでおすすめなのはフランチャイズに加盟して冷凍食品の自動販売機の設置です。
フランチャイズに加盟していると、本部が補充までするケースが多いので、加盟者は補充の負担がありません。
しかし、自分たちで冷凍食品の自動販売機を設置するとしたら補充や管理の手間がデメリットとなるでしょう。
冷凍食品の自動販売機の種類
冷凍食品の自動販売機にはどのような種類があるのかも気になるところです。
ここからは、冷凍食品の種類について解説します。
(1)ラーメン
冷凍ラーメンの自動販売機が挙げられます。
冷凍ラーメンの販売機の中には、月間利益が50万円近くにもなる販売機などもあり、非常に人気の食品といえるでしょう。
冷凍ラーメンの特徴はメニューの多さです。
特徴のあるメニューをいくつも販売できますので、安定した売り上げが期待できる点や、商品の中でも人気の品がでると、集中して販売もできます。
ラーメン自体が人気のメニューですので、大きな売り上げの可能性も高くなる商品といえるでしょう。
(2)餃子
近年、冷凍食品の自動販売機で代表的な食品というと餃子を思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
餃子は自宅でも簡単に調理ができますので、自動販売機などで気軽に購入しやすいタイプの商品といえるでしょう。
ちょっと小腹がすいたときなどにも、自動販売機で餃子が販売されていると簡単に購入できますので、軽食としても楽しめます。
自動販売機の利用に際し、ニーズに合った商品といえるでしょう。
(3)パン
近年は、冷凍パンの自動販売機なども需要が増えています。
パンの問題点として挙げられるのが廃棄率の高さです。
平均して5%前後の廃棄率と他の飲食と比較しても廃棄率が高く収益にマイナス要因となっています。
冷凍パンの販売だと、日数が持ち廃棄率の減少につながります。
また、夕方近くにパン屋を訪れても、すでにパンが無くなってしまっているケースも多く、朝食用にパンを購入できなかった場合も冷凍パンが購入できると非常に便利です。
自動販売機に導入しやすい商品といえるでしょう。
まとめ
冷凍食品の自動販売機はコロナ禍以降急速に需要を伸ばしている業種のひとつです。
当初需要が伸びていたのが、冷凍餃子でしたが、冷凍餃子の販売が順調に推移して売るのを受け、さまざまな商品での販売が目立っています。
メリットも多いのですが、反面商品補充のデメリットなども考えらなければいけません。
フランチャイズに加盟して自動販売機を設置すると、商品メニューの開発だけではなく、商品の補充や管理、売れ筋商品の分析などさまざまなサポートが期待できます。
空きスペースをお持ちの方などはぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。