フランチャイズの家事代行業の初期費用・業界の特徴や業務内容も解説
今社会における、女性の役割はますます大きくなってきています。正社員はもちろん、役職をもつ女性も増えてきています。
そして、家事はまだまだ女性頼みの現状もあります。
この女性が家の内外で忙しくなってきている状況で、家事代行業の需要は増えてきています。
また家事代行業をこなしたい人や、類似業務経験を活かしたい男女も増加傾向にあります。
一方で家事代行業は、なかなか自力のみでは集客できにくいなど、仕事1つ取ることも容易でない業種です。
ですがフランチャイズ本部の力を借りて、業務そのものに集中できやすいなど、運営しやすい方法もあります。
今回はフランチャイズと家事代行について、初期費用とロイヤリティなどの費用や、家事代行業界の特徴などに触れながら解説します。
目次
フランチャイズの家事代行業の年収
フランチャイズの家事代行業について、一般的に年収400~450万円程度ともいわれます。
時給制で働くこともあり、一般的な時給は1,200円程度で、高時給のところは時給1,400円程度のところもあります。
本部によっては、さらなる時給アップの可能性もあります。
高単価レギュラー顧客を複数もてると、年収500万円以上を目指すことも可能です。
高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。
- こなしやすい業務内容を多くこなし、本部の方針や需要の高い仕事に慣れる
- 顧客への連絡や対応を、迅速に丁寧に行う
- 営業担当者と、密に連絡や確認を行う
- できれば初めての訪問先では、事前下見を行う
- 本部を複数検討し、相性がよさそうなところを選択する
- 支払金額について、特に顧客と誤認識がないようにする
- 特殊な業務内容もこなせるよう、研修などに参加する
- 自身も営業をこなせるように、説明の練習をする など
初期費用とロイヤリティなどの費用
(1)初期費用
初期費用として標準的に、150~200万円程度要する傾向にあります。
そして高いケースでは、250万円程度の時もあります。
高いケースでは本部方針により、新店舗が必要になるところもあります。
一方で安いケースでは、50万円程度やほとんどかからない時もあります。
【初期費用内訳】
- 加盟費
- 保証費
- 研修費
- 初期道具費
- 初期広告費
- 店舗準備費 など
加盟費がゼロ円のところもあります。
(2)ロイヤリティ
変動型:5~20%程となっています。
月額定額制:2~5万円程度となっています。
ロイヤリティが、ないところもあります。
そして月々定額会費2万円程度に、売上高の5%ほどが加算されるところもあります。
またロイヤリティに加え、広告分担金や損害賠償保険料がかかるケースもあります。
家事代行業界の特徴
家事代行業には、次のような特徴があります。
(1)市場特徴
女性の社会進出傾向は、今ますます大きくなってきています。
そして、家事代行業は以前にも増して利用されるようになってきています。
また経済的にゆとりのある高齢者の人が、コンビニ弁当でなく、糖尿向けの料理を必要とするなどの機運もあります。
以上のような事情で、年間640億円ほどの市場規模を記録した時もあります。
さらに市場成長率としては、前年比102%の数値を残した年もあります。
このように、実際のデータにも需要の大きさは表れています。
一方で参入数も大きくなっていて、競争も激しくなってきています。
代行業者には、安全性や高品質が求められます。
(2)ハウスクリーニングとの違い
ハウスクリーニングでは、高品質な洗浄剤や高圧洗浄機なども使い、エアコンの内部洗浄など難しい洗浄もします。
家事代行では基本的に、市販の洗剤や掃除道具で、一般的な掃除をします。
そして料金に関してハウスクリーニングでは、作業内容そのものに対して単価を設定してある傾向です。
家事代行業では、時間単価×時間数の傾向もあります。
(3)政府の方針
国も、安心な家事代行サービスがなされるよう、環境整備を図ろうと目指しました。
そして「家事支援サービス事業者ガイドライン」を策定しました。
ガイドラインには、サービス内容の明確化や適正な契約の締結などの項目が、盛り込まれています。
また「家事代行サービス認証」も設立されました。この認証制度では、業者のサービス品質を書類と現地審査で評価します。
このような動きや取り組みで、より高品質サービスを提供できる家事代行業者が、仕事をできやすくなるようにとも考えられています。
家事代行サービス認証や家事支援サービス事業者のガイドラインについて詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。
(4)家事代行業のメリット
家事代行業利用によって、次のような利用者にとってのメリットもあります。
- 時間にゆとりができる
- 部屋が基本的に、常時片付いている
- 常に家族へ、栄養面が考慮された食事を提供できる
- 1人ではなかなか買物に行けないながらも、買物に不自由しない
- より快適な単身生活になる など
家事代行業の業務内容と例
家事代行業には、次のような業務内容があります。
(1)内容
- 料理の準備と作り置き
- 部屋や水回りなど、家の一般的な掃除全般
- 洗濯と洗濯ものの後片付け
- 子供の世話
- 外出同行
- ゴミ出しの準備とゴミ出し
- 日用品の買い物
- 高齢者の人への生活支援 など
(2)業務内容例と利用者の感想
①糖尿病対応食
妻に先立たれ、一応再婚を望んではいるものの、なかなか良い縁がありません。
糖尿をもっているので、コンビニ弁当やお弁当屋さんの弁当ばかりは、健康によくありません。
この状況で、家事代行業のことを知りました。
管理栄養士資格をもった人による、料理を提供頂いています。
栄養に気が配られていて、味もおいしく助かっています。
②忙しい母親の味方
私旦那共に仕事が忙しく、なかなかすべての料理を手料理するまで、手が回りません。
一方で栄養面や健康面も考えて子供ためにも、スーパーの惣菜をあまり多くは利用したくありません。
そこで、家事代行業に頼みました。
短時間で栄養バランスよく、美味しい料理を複数品準備頂けるので助かっています。
私の料理よりも家事代行業の料理の方がおいしいといわれ、微妙な心境ながら、私自身もおいしいなと感じています。
③単身者の味方
30代後半、独身サラリーマンをしています。
掃除や洗濯などは、確かにそう難しくないながらも、毎日しようとすると1~2時間程度要します。
特に平日仕事後は、ジム通いやリラックスタイムに時間を確保したいので、この1~2時間程度は意外と貴重です。
家事代行業さんに頼んでからは、仕事後の時間を有効活用できています。
単身サラリーマンにとっては、有難い存在です。
(3)パーティープラン
10~20名程度のパーティを対象として、料理を承ることもあります。週末や連休中などの空いた時間で、業務をこなしたい人にもおすすめの業務内容といえます。
フランチャイズによる家事代行業の開業手順
(1)問い合わせ
メールや電話で問い合わせて、事業説明会に出席します。そして家事代行業務内容や、フランチャイズビジネスシステムなどを理解します。
(2)面談
開業希望エリアの市場調査や事業計画などを、詳しく話し合います。需要見込みやどの程度収益の可能性があるかなどの内容は、非常に大切です。
(3)加盟手続
本部加盟希望者共に面談で納得できれば、加盟手続きに入ります。フランチャイズ契約を締結し、初期費用の納金があるところもあります。
(4)研修
研修をするところもあります。家事代行業としての技術研修はもちろん、部下を抱えた際の、人材育成研修をするところもあります。
(5)開業準備
業務開始準備をします。業務そのもののための道具準備はもちろん、パソコンなど仕事管理のための道具準備です。
(6)開業
(1)~(5)のプロセスを経て開業し、家事代行業業務開始となります。
※開業に伴い、整理収納アドバイザー1級を取得するところもあります。
フランチャイズで家事代行業を開業するメリット
フランチャイズの家事代行業には、次のようなメリットがあります。
(1)顧客紹介
実際に仕事を取れるか否か、懸念を抱く人も少なくないでしょう。
ですがフランチャイズでは、本部が顧客を得て加盟者に紹介するところもあります。
幾分かでも集客にかかる手間が省けると、助けになります。
(2)電話対応代行
家事代行業務は、料金が時間単価×時間数のところもあります。
そして、1分1秒が貴重といっても過言でないです。
この条件下で、新規問合せなどの電話対応を本部が代行するところもあります。
よって業務そのものや、顧客とのコミュニケーションに集中できやすいです。
(3)類似業務経験を活かせる
過去に調理業経験やハウスクリーニング業経験、そして類似したような業務経験があるとします。
このようなケースでは、今までの業務経験を活かせやすい可能性もあります。
子育て経験を、活かせる時もあります。
(4)顧客がアッパークラス
顧客がアッパークラスのところもあり、単価が高いところもあります。
よって定期的な業務で、まとまった収入を見込める可能性もあります。
アッパークラス:比較的経済力が高く、高価格費用を払える顧客層のこと
(5)補充要因派遣
訪問顧客先や業務内容によっては、自身1人やいつものメンバーだけでは不足する時もあります。
このようなケースでは、本部が別メンバーを補充派遣できるところもあります。
(6)大手警備会社などと提携
大手警備会社など、さまざまな業種の大企業と業務提携をしているところもあります。
よって大規模に集客広告をかけられるだけでなく、業務を進める上での課題も解決できやすいです。
例えば何らかのアクシデントがあった時も、物品調達などをしやすいです。
(7)支払いが前払い制
料金支払いを、前払い制にしているところもあります。
5万円以上の現金を持ち歩いたり、支払いのことでもめごとを避けたりしたい人にとっては、仕事をしやすいといえます。
(8)事務業務を簡潔なシステム化
顧客が多くなってきたり、業務が複雑になってきたりすると、意外と事務業務をなかなかスムーズに正確にこなしにくくもなります。
事務業務は、請求書発行や顧客に関する記録作成など、多岐にわたります。
ですがフランチャイズではオリジナルのシステムにより、事務業務をパソコンや携帯電話で簡素化しているところもあります。
(9)引っ越し先でも仕事がある可能性
全国展開をしているところもあります。
よって配偶者の転勤などの都合で、他府県へ行っても同一本部の仕事を得られる可能性もあります。
業務内容や要領に慣れていて、好都合といえます。
次の内容は、家事代行業一般についてもいえます。
(10)フィリピン人が仕事を得られるチャンス
今日本で暮らす外国人は増加傾向にあり、フィリピン人も多いです。
そして在住外国人中のフィリピン人の割合は、全体の10%程度の数値もあります。
一方で日本にて、外国人はなかなか仕事を得られない傾向もあります。
ですがフランチャイズでは、フィリピン人が働きやすい家事代行会社もあります。
フランチャイズで家事代行業を開業するデメリット
フランチャイズの家事代行業には、次のようなデメリットもあります
(1)異性と協業の可能性
家事代行業には、男性スタッフもいます。
そして業務内容によっては、男性スタッフと協業になる可能性もあります。
一方で男性スタッフとの家事代行協業を、感覚的に苦手と感じる人にとっては不便点となります。
(2)駐車場代
自家用車で移動して、民間コインパークを利用する時もあるでしょう。
一方で、駐車場代は自己負担になるところもあります。
仮に本部の紹介仕事であっても、納得できない追加経費に感じる可能性はあります。
(3)本部のオーダープランに応えられない
レギュラーの顧客から追加作業リクエストがあり、本部から別のオーダープランを依頼されるとします。
一方で時間などの都合が合わず、他スタッフに仕事が振り分けられるとします。
こうなるとせっかく要領も得て、慣れ親しんだ顧客の仕事をこなせなくなり、デメリットになる可能性もあります。
家事代行業の難点と失敗を避けるコツ
家事代行業には、次のような難点もあります。
(1)担当者と入念な打合せ
本部によっては営業担当者が、先に顧客のところへ伺い、話を聞くところもあります。
そして、必ずしも営業担当者と実際の代行担当者が、一緒に顧客のところへ行けるとは限りません。
このようなケースでは、顧客の認識と実際の代行担当者の認識が違うミスがありがちです。
この事態を避けられるように、営業担当者と実際の代行担当者は、細かな部分も含めて連絡と確認を二重三重にしておく必要もあります。
(2)原則法人のみ加盟
加盟条件として、原則法人のみとしているところもあります。
そして法人と一言でいっても設立費用など、段取が非常に複雑です。
そして、税金も難しいです。
よって、原則法人加盟のところへ加盟を目指すケースでは、前もった法人設立計画や税金策を考える必要もあります。
(3)再実施の可能性
クリーニング作業でクレームがあれば、本部の方針により、再作業が必要な可能性もあります。
そして再作業にかかる経費は、加盟者負担のところもあります。
よってトラブルが起きぬよう、打ち合わせや施工を注意深くすることはもちろん大切です。
そして再作業にかかる費用を、予め経費として計上しておくこともおすすめといえます。
(4)エアコンクリーニングを学ぶ
加盟時は、お掃除機能付きエアコンクリーニングをできなくても大丈夫なところもあります。
一方で今は、お掃除機能付きエアコンクリーニングの依頼も増えてきています。
よって加盟後本部の研修に参加して、お掃除機能付きエアコンクリーニングの技術習得も大切です。
(5)代金集金
基本的に規定通りに、代金を支払う利用者が多い傾向にあります。
一方で中には、規定通りに代金を支払わない利用者がいる懸念もあります。
このようなケースで、代金請求は容易ではありません。
確かに、規定通りに代金を支払わない利用者に非があるようにも思えます。
ですがやむを得ない事情で、支払いが遅れている可能性もあります。
代金請求の際の言葉選び一つで、さらなるトラブルが起きるリスクもあります。
よって代金集金代行をする本部選択も、要考慮事項といえます。
(6)料理宅配と営業許可
顧客に「うち今キッチンが使えないので、料理してもってきてもらえませんか?」とリクエストされるとします。
料理が苦手でなければ、特段難しさはないリクエストのようにも感じます。
一方でこの行為は総菜宅配サービスと考えられ、法律が関係する行為になる可能性もあります。
よってこのようなケースでは本部とも相談し前もって、食品衛生法で定められた営業許可段取も要考慮事項です。
(7)作業の段取説明
作業内容が複数あるケースでは、最初にある程度細かな時間配分と、作業の段取説明をしておくこともポイントといえます。
顧客としては、作業の直前に注意事項を伝えたいと考える可能性もあります。
そして細かな要望をその都度伺うことも、トラブル防止につながります。
(8)セキュリティや信用に関わる行為
顧客とのやり取りで次のような内容があった際は、容易に「承知致しました」と快諾し行動することは避けたいものです。
- 「ここら辺は治安大丈夫だから」といわれ、ポストを使ったカギの受け渡しをする行為
- 「あなたのことは信じているから」といわれ、通帳の記帳を承る行為
- 「ちょっとだけだし、費用はこちらでもつから」といわれ、本部に何の連絡や説明もなしに顧客と業務時間外で、外で接点をもつ行為
- 「ネットワークビジネスへの参加」など、本部に何の連絡や相談もなしに、別のビジネスに参加したり関わったりする行為
- 医療や介護行為に当たるのではと懸念がある行為 など
上記のようなリクエストがあれば、なるべく早く本部への相談が大切です。
まとめ
ここまで、フランチャイズと家事代行業について考察してきました。
押さえておきたい点は、初期費用とロイヤリティなどの費用や、フランチャイズで開業するメリットです。
そして、家事代行業の難点と失敗を避けるコツもポイントといえます。
家事代行業は、今後も需要が増え続けるでしょう。
自身も営業技術を磨き、トラブルを未然に防ぐ措置も徹底して、顧客と本部双方から必要不可欠とされる家事代行業で大成なさってください。