フランチャイズのチケット・金券ショップの開業手順と注意点
フランチャイズ経営といわれて思い浮かぶのは、コンビニや飲食店などではないでしょうか?
フランチャイズビジネスはさまざまな分野に進出しており、チケット金券ショップもフランチャイズビジネスとして活用されています。
この記事では、チケット金券ショップをフランチャイズで開業する場合の需要や年収、開業費用などについて詳しく解説します。
目次
フランチャイズのチケット金券ショップ業の需要
チケット金券ショップの需要として、どのような顧客層があるのでしょうか?
また、今後掘り起こせるような顧客層はあるのでしょうか?
チケット金券ショップの需要について解説します。
(1)安定性があり需要が高い
チケット金券ショップでは、ギフト券や新幹線のチケットなどを定価よりも安い価格で販売しています。
通常で購入するよりも安い金額でチケットが取得できるので、需要は非常に高く、安定した収益が見込める事業です。
中には1兆円を超える規模の企業などもあります。
基本的には、買取と販売を両方行っていますが、買取る場合の価格も低いわけではありません。
例えば新幹線の回数券ならば定価の85%から90%。
大手百貨店のギフトカードなら額面の93%から95%などで買取、定価以下の金額で販売しますので利益率自体はそう高くはありません。
しかし、買取価格が低くはないことからも使わなくなったチケットなどを、売却にくる顧客は非常に多いので、薄利多売のスタイルで着実に収益を見込めるビジネスであるといえるでしょう。
(2)潜在的な需要がまだ眠っていて成長が見込める
チケット金券ショップの利用者として最も多い顧客層として、30代~40代女性のおよそ6割が積極的に利用したいと述べています。
また40代までの男性、女性とも5割以上が積極的に利用したいと述べていることからも多くの年代に認知されていることがわかります。
しかし、50代以上の男性、女性は積極的利用をしたいのは4割程度とそこまで多いというわけではありません。
つまり今後、高年齢層を顧客に取り込むことによりさらなる成長が見込める事業だということがわかります。
チケット金券ショップは、まだまだ潜在的な需要を秘めている事業といえるでしょう。
フランチャイズのチケット金券ショップの平均年収
フランチャイズでチケット金券ショップを行う場合、どの程度の年収が見込めるのでしょうか?
店舗の規模や、場所などによっても異なりますが、ここからは年収について解説します。
(1)経営次第では月収100万円も可能
先ほど、前述しましたが、チケット金券ショップの利益率はそう高いものではなく、薄利多売で収益を挙げていくビジネスモデルです。
しかし、安定性があり一般的なビジネスモデルとしては月々3,000万円程度の収益が挙げられるとオーナーの月収は100万円程度となるといわれています。
つまり、売り上げの4%程度がサラリーとなるのです。
売上を上げれば上げるほど、収益は上がるのでそれだけ年収が上がるといった計算になります。
前述しましたが、そう利益率が上がるビジネススタイルではないため、いかに顧客の人数を増やしていくのかといった点がポイントとなるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
チケット金券ショップ経営に限らず、フランチャイズに加盟してビジネス展開する場合、最も気になるのは初期費用とロイヤリティです。
では実際にチケット金券ショップを開業しようとした場合、初期費用とロイヤリティはどれくらいかかるのでしょうか?
まずは、2つのフランチャイズ募集しているチケット金券ショップから比較してみましょう。
A店 | B店 | |
加盟条件 | 特になし | 特になし |
開業資金 | 4,125,000円(税抜き) | 3,700,000円(税抜き) |
ロイヤリティ | 21,000円(税抜き) | 20,000円(税抜き) |
契約期間 | 3年 | 3年 |
保証制度 | 特になし | チケットが売れ残ったら再買取制度あり |
次に両社の開業資金について内訳を見てみましょう。
A店 | B店 | |
加盟金 | 1,575,000円(税抜き) | 1,200,000円(税抜き) |
設備 | 525,000円(税抜き) | 記載なし |
開店時商品代金 | 1,500,000円(税抜き) | 1,500,000円(税抜き) |
買取営業資金 | 記載なし | 500,000円(税抜き) |
諸経費、その他 | 525,000円(税抜き) | 500,000円(税抜き) |
双方とも引用:「儲かる小売業フランチャイズ比較ガイド」
双方を比較すると、さまざまな面で違いがあるので一概にどちらがいいとは言えませんが、
開業資金としては400万円前後がかかることがわかります。
また、ロイヤリティはおよそ月20,000円程度が相場といえるでしょう。
また、店舗の賃貸における敷金や礼金、仲介手数料、前家賃といった費用も考えておかなければいけません。
店舗の規模にもよるので一概には言えませんが店舗賃料が20万円、敷金5か月とすると150万円程度の資金が上乗せして必要になるでしょう。
店舗の改装費用なども考えておかなければいけませんので、当初の開業資金としては運転資金も踏まえ1,000万円程度の資金が必要といえます。
フランチャイズによるチケット金券ショップの開業手順
開業資金やロイヤリティがわかると次に知りたいのが開業までの手順ですね。
ここからは開店の手順について解説します。
(1)開店するテナントの調査
営業しようと思う物件を探すことから始まります。
立地が良く集客が見込める物件選びが、経営に大きく影響するといえるでしょう。
単純に、場所がいいだけではなく、商圏として成り立つのかといった点まで調査する必要があります。
(2)契約と開店の準備
めぼしい物件が見つかると店舗と契約となります。
この時期から店舗にかかる費用が発生し、契約後は店舗の内装や設備の設置を行わなければいけません。
開店までの時間をスムーズに行うためにも前もってのスケジューリングが非常に大切なポイントです。
(3)古物商の申請
チケット金券ショップを開業する場合、必要な申請が古物商の許可申請です。
申請先は、チケット金券ショップを開業する管轄の警察署となります。
およそ1ヶ月から、遅くても2か月程度の期間が必要になりますので、早めの申請を行い、開店までの期間をなるべく空けないようにしておきましょう。
(4)宣伝
ここまでで、開店の準備はあらかた整いました。
しかし、営業してお客様を呼び込むには宣伝広告を行う必要があります。
まずは、お店がわかりやすいように看板を設置し、新聞の折り込みチラシに広告を入れるなどを行いましょう。
また、インターネットからお店を知るケースも近年は非常に多いので、HPを充実させておく必要もあります。
当初は赤字経営になるかもしれませんが、早めに黒字転換できるように視認性を高めることが大切です。
必要な資格や技術
先ほど、チケット金券ショップを行う場合は古物商の許可申請が必要だと述べました。
では、申請のほかに、資格などが必要なのでしょうか?
ここからは、チケット金券ショップを開業するにあたり必要な資格などについて解説します。
(1)古物商以外に資格が必要ない
基本的に、チケット金券ショップを開業するにあたり、必要な資格はありません。
フランチャイズを募集している元請けの企業も、未経験でも歓迎としています。
確かにチケットを取り扱うにあたり、そこまで専門的な知識は必要ないでしょう。
もちろん経験があるに越したことはありませんが、未経験でも飛び込める点もチケット金券ショップを開業するにあたる特徴の一つといえるでしょう。
対象の顧客層(または業界事情、向き不向き等でもOK)
潜在的な顧客層があり、将来の需要も見込めると前述しましたが、チケット金券ショップにおける現在の顧客層は、どのような層が対象になっているのでしょうか?
ここからは対象となる顧客層について解説します。
(1)繁華街では主婦が商品券の売買で利用する
チケット金券ショップの特徴として、立地により顧客層が偏るケースがあることが挙げられます。
先ほど、20代~40代の女性が良く利用していると述べましたが、特に繁華街にあるチケット金券ショップには、20代から40代の主婦層が商品券の売買で利用しているケースが多いといえるでしょう。
(2)駅近では航空券や乗車券を求めるサラリーマン
駅に近い場所にチケット金券ショップを構えた場合は、最も多い顧客層としては乗車券を求めるサラリーマンが対象となります。
また、空港近くにもチケット金券ショップが見受けられますが、航空券の需要が非常に多いといえるでしょう。
このように、立地によって取り扱うチケットの種類は異なりますが、一定の顧客層が見込めますのでどこに店舗を構えるのか?
どのような顧客層を狙うのかといった点は前もって絞っておく必要があります。
フランチャイズでチケット金券ショップを開業するメリット
チケット金券ショップを開業するにあたり、フランチャイズで行うのか自主独立して行うのかといった点も大きな選択となりますが、実際にフランチャイズでチケット金券ショップを行う場合にはさまざまなメリットを受けることができます。
ここからは、フランチャイズ経営でチケット金券ショップを行うメリットについて解説します。
(1)仕入れに関する安心感
チケット金券ショップは、大前提としてチケットや金券がなければビジネスが成立しません。
買取だけで仕入れる場合、それだけではとても足りなくなることも多く、一定の販路を確保しておく必要があります。
自主独立してしまうと、この入手販路が開拓しにくく、せっかく需要があるのに販売ができないということにもなりかねません。
また、入手金額が高くなると、ただでさえ利益率が低いのにさらに低くなってしまう可能性だってあるのです。
フランチャイズ加盟していると、元請けから販路が確保でき仕入れの心配がありません。
場合によっては買取保証を付けている元請け企業もあります。
仕入れに対する安心感は大きなメリットといえるでしょう。
(2)有名なお店であるとの信頼性
名前もよく知らない買取センターからチケットを購入すると本当に使えるのかといった不安感が付きまといます。
安い金額で金券を購入する場合、やはり安心して購入したいから名前の知れている有名企業などで取引きしたいと考えるのが顧客心理といえるでしょう。
フランチャイズに加盟すると有名な企業の名前が利用できます。
知名度が高いというのは何よりの宣伝広告になるので、広告費用の抑制にもつながるのです。
信頼性は非常に大きなメリットです。
(3)営業ノウハウを得て開店できる
未経験でも地検と金券ショップは開業できると述べましたが、やはり経験がなければ不安です。
特に、自主独立で未経験からチケット金券ショップを行うのは非常に大きなリスクがあります。
全くの素人が経営してもうまくいく確率は非常に低いといえるでしょう。
しかしフランチャイズに加盟して経営するならば、営業のノウハウを提供してくれますので、未経験でも十分に経営できます。
営業ノウハウを得ることができる点もフランチャイズの特色で、成功例をそのまま引き継ぐことができるので未経験の場合は特にフランチャイズに加盟したほうがいいでしょう。
フランチャイズでチケット金券ショップを開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズに加盟して開業する場合、メリットでだけではなく注意しておかなければいけない点があります。
しっかりと注意点を認識し、失敗を避ける対策を考えておくことも成功への道となります。
ここからは、フランチャイズ経営の注意点を解説します。
(1)毎月の経費にロイヤリティがかかる
毎月の支出の中にロイヤリティが発生するので自主独立する場合と比較するとロイヤルティにかかる費用が支出となります。
とはいえ、先ほどフランチャイズのロイヤルティのところで述べましたが毎月20,000円程度とそこまで費用負担が多くはありません。
しかし、経費として必ず毎月かかりますので注意しておきましょう。
(2)自由に取引ができない
元請け企業の名前を付けて開業していますので、基本的にはフランチャイズ契約に沿った経営を行わなければいけません。
他の業者と取引することや、チケットの種類によっては制限を受けている場合もあり自由に取引ができない部分があります。
フランチャイズであるがために不自由さを感じる点があるかもしれません。
(3)独立に一定の期間を取られる
フランチャイズに加盟して開業しようと思うと、元請け側の研修を受けないといけない場合や、加盟するための審査が必要になります。
そのため、フランチャイズに加盟するためのさまざまな諸手続きの為、自主独立するよりは時間がかかります。
問い合わせからオープンまで、企業によって異なりますが、審査や面接などもありますので、2ヶ月程度の期間を見ておきましょう。
自主独立だと、場所を見つけるとすぐにオープンの準備ができますのでフランチャイズの場合、独立に一定の期間がとられる点を認識しておきましょう。
まとめ
チケット金券ショップは、買い取ったチケットや金券を定価以下で販売し収益を得るビジネススタイルです。
チケット金券ショップは、安定性があり需要も多いことからフランチャイズで経営しているところも多いといえるでしょう。
ロイヤリティもあまり高くないですが、一定の販路が確保できるなどさまざまなメリットを受けることができます。
開業資金は、一般的には400万円程度です。
当初の運転資金などを入れると1,000万円程度は必要になりますが、非常に安定性がある業種ではあるので、早期の黒字化も決して困難ではありません。
未経験でもフランチャイズに加盟することにより営業ノウハウを得た状態で開業できますので、非常にメリットは多いといえるでしょう。