飲食店開業は未経験からでも可能?成功のポイントや開業方法を解説
飲食店を開業する場合、まったくの未経験から開業するケースもあります。
例えば、自分が、子どものころから大好きなメニューでビジネスをしたいといった理由で開業するケースが考えられるでしょう。
また、飲食店に前から憧れがあり、未経験だが自分の飲食店を持って、夢を叶えたいといった理由なども挙げられます。
実際に未経験から飲食店を開業することは可能なのでしょうか。
この記事では、未経験から飲食店を開業する場合、おすすめの開業方法や、未経験からの飲食店開業を成功させるポイントなどについて詳しく解説します。
目次
未経験から飲食店経営を行う場合の開業方法
未経験から飲食店を開業する方法としていくつかの手段が考えられます。
ここからは、飲食店を開業する方法について詳しく解説しましょう。
(1)個人事業主として開業届を出す
個人事業主として開業する方法が挙げられます。
個人事業主としての届け出は、比較的難しい作業ではありません。
飲食店を開業してから1ヶ月以内に、管轄の税務署に開業届を提出することにより開業することが可能です。
一般的に開業当初は、個人事業主として開業するケースが多く、前述したように届け出も比較的簡単なのが理由のひとつとして挙げられます。
すぐにでも開業したい場合などは、個人事業主での開業だとハードルが低く、比較的早く開業できる可能性が高いといえるでしょう。
(2)法人を設立し、会社として経営する
法人を設立したうえで、会社として飲食店を経営することも可能です。
法人を設立して開業する場合は、多店舗展開を検討している場合や、開業当初から多くの収益が見込めるケースが挙げられます。
一定の収益を超えると、個人事業主として所得税を納めるよりも、法人化して法人税を納める方が、納める税金は安くなります。
節税効果を見込んで、法人として設立するケースも多いといえるでしょう。
一般的には個人事業主として開業し、一定以上の収益が上げられるようになると法人化するというケースが一般的で、開業当初から法人を設立するケースは多くありません。
(3)フランチャイズに加盟する
フランチャイズとは、飲食店経営などで実績がある企業が、自分たちの成功したお店の看板やメニューなどを使って経営することを認めるビジネススタイルです。
経営実績のある企業がフランチャイズ本部になり、本部の看板や経営ノウハウを使って開業したい方や企業がフランチャイズ加盟店となります。
加盟店は本部の経営スタイルで飲食店を開業することが可能です。
多店舗展開している飲食店の中でも、フランチャイズによって店舗展開しているケースは多いので、こちらも比較的開業時に利用されているケースが多いといえるでしょう。
(4)飲食店を買収する
飲食店を買収してすでに開業しているお店の新オーナーとなって、経営することも可能です。
もともと繁盛しているお店を引き継ぐケースや、閉店寸前のお店を立て直す目的で買収するケースなどが考えられます。
閉店寸前のお店を買収したとしても、基本的には未経験ですので立て直すスキルは持っていません。
あまり未経験での開業にはあてはまらないといえます。
買収するケースで多いのは、跡取りがいないお店で比較的固定客がついているお店の買収などが考えられます。
繁盛しているお店が資金枯渇しており、経営権を譲渡するといったケースもあるでしょう。
未経験から飲食店を開業する場合で資金的な余裕がある場合は、既に固定客や従業員がいるお店などを買収して開業すると、比較的経営しやすいかもしれません。
未経験から飲食店開業する場合、フランチャイズがオススメの理由
未経験から飲食店を開業する場合、おススメなのは、フランチャイズに加盟して飲食店を開業することです。
ここからは、未経験からの飲食店開業においてフランチャイズがおススメの理由を解説します。
(1)研修制度が充実しているため未経験からの開業も多い
フランチャイズによる飲食店の開業がおススメの理由のひとつとして、研修制度が充実している点が挙げられます。
未経験の場合は、飲食店を開業するといっても何をしていいかわかりません。
もちろんあらかじめ色々な勉強をしたうえで飲食店を開業するのでしょうが、開業や経営に関する重大な問題を理解していないまま開業することもあります。
フランチャイズに加盟することで、未経験者でも研修などにより経営に関するノウハウや商品の提供方法、調理に関する技術などを実践的に学ぶことが可能です。
さまざまな経営に関するノウハウなどを研修によって学べる点がおススメする理由のひとつです。
(2)すでに実績がある屋号やメニューが使えるため集客が見込める
未経験から飲食店を開業するとなると、開業当初は認知度が低いため、思ったようにお客様が集まらず、しばらくの間赤字経営となってしまいことも考えられます。
もちろん、すぐに集客できる場合もありますが、逆にいつまでたってもお客様が増えず、いつの間にか閉店してしまうこともあるでしょう。
飲食店にとっては多くのお客様に来店してもらうことが重要なポイントといえます。
フランチャイズに加盟すると、本部の屋号や看板が利用できます。
つまり、既に実績や知名度の高い名前で経営することが可能です。
お店の名前だけで一定の集客が見込めることが期待できます。
開業当初に苦労する集客が、フランチャイズだと比較的容易になる点がメリットといえるでしょう。
(3)本部一括で仕入れるので仕入れで悩む必要がない
飲食店を開業するにあたり大切なことのひとつに、メニューをきちんと提供できる体制を整えておくことが挙げられます。
例えば、材料の仕入れが安定しておらず、ときどきメニューが欠品になっていると、来店してメニューを注文したお客様をがっかりさせることになるでしょう。
また、仕入れ値の安定性も重要です。
未経験からの飲食店開業となると、そもそも仕入れ業者さんとのお付き合いがありません。
自分で仕入れ先を開拓しなければいけませんので、価格交渉などにより少しでも有利な条件で仕入れ先を見つける必要があります。
非常に大きな労力が必要になり、成果が必ず出るわけではありません。
フランチャイズに加盟すると、本部からメニューに関する仕入れは安定して供給されます。
しかも本部が一括購入して仕入れますので、価格も安くなっているケースが多いといえるでしょう。
仕入れ面の心配がいらない点もオススメする理由といえます。
(4)経営の悩みを担当者に相談できる
未経験での個人開業となると、経営に関する課題に直面した時、相談相手がいないかもしれません。
未経験での開業ですので飲食業に強い方とつながりがなく、自分一人で悩みを解消する必要があります。
フランチャイズに加盟すると、基本的には本部の担当者が加盟店につきますので、色々な相談を本部の担当者にすることができます。
本部の担当者は、他の加盟店も担当しているケースが多く、加盟店の悩みを解決するノウハウを持っているかもしれません。
経営に関する悩みを相談できる点もフランチャイズがおススメの理由といえます。
未経験から飲食店を開業する場合、必要な能力は?
飲食店の開業は未経験からでも可能ですが、スキルがなければ、徐々に経営に行き詰まり、閉店してしまう可能性も考えられます。
ここからは飲食店の開業や経営に対し、必要な能力について解説しましょう。
(1)経営に関する意識
経営に関する意識がしっかりとしている人は、経営に関する能力が高いといえます。
経営に関する意識とは、お金の管理や、売り上げなど数字に関する意識が高いことです。
経営に関する意識が薄ければ、お客様は多くても、利益が全く出ていないかもしれません。
また、人気のないメニューは、思い入れがあっても撤去する決断力やニーズを敏感に察知する力も経営に対する能力です。
売上だけではなく、利益率や原価率、人件費などを常に意識して取り組むような能力が求められるといえます。
(2)調理に関する技術や知識
飲食店に何を求めてお客様が来店されるのかといえば、やはり美味しい食事です。
調理に関する知識や技術がなければ美味しい料理を作ることはできません。
また、飲食業界は、流行り廃りのスピードが非常に速い業界です。
お客様のニーズを敏感に察知して新しいものを取り込んでいかなければ飽きられてしまう可能性も考えられます。
調理に関する技術や知識に長けており、満足できるメニューを提供できる能力が求められるといえるでしょう。
(3)接客に関する能力
飲食店経営において、ただ美味しいメニューを提供しているだけでは、すごく繁盛するのは難しいかもしれません。
接客もお客様に満足感を与える非常に重要な能力です。
接客スキルがないと、せっかく美味しいメニューを提供したとしても、悪い接客態度だったために不快感を与えるお店と思われるかもしれません。
接客の能力によって美味しい料理もまずいと感じさせてしまうことにもなってしまいます。
接客に関する能力も非常に重要な能力といえるでしょう。
(4)社員管理に関する能力
飲食店の開業となると未経験でも経営者として飲食店を経営しなければいけません。
飲食店の開業は一人でも可能ですが、社員を雇用するケースが多いでしょう。
飲食店開業には社員管理の能力も必要です。
社員の満足度が低いと、社員の入れ替わりが頻繁に起こってしまい、なかなかお店のレベルが上がりません。
社員の採用や教育、シフトの管理など、社員の満足度とやる気を高めるような管理が必要です。
社員管理に関する能力も非常に重要な能力といえます。
未経験から飲食店開業する場合、成功させるポイントは
未経験からの飲食店開業において、安定して長期的に経営するためにも成功するポイントを知っておくと良いでしょう。
飲食店を未経験で開業しても成功させるポイントについて解説します。
(1)コンセプトやターゲットを明確にする
コンセプトやターゲットを明確にした店つくりがポイントです。
少々高くても最高のサービスを提供する店なのか、安くてたくさん食べることができるお店にするのかといったコンセプトをまずは決めましょう。
コンセプトが決まると、おのずとターゲットも決まります。
例えば安くてもたくさん食べられるお店にしたいなら、若い男性がターゲットとなり、学生が多いエリアなどを立地にすれば集客が見込めます。
コンセプトとターゲットを明確にしてメニューの量や値段、お店の立地などを検討しましょう。
(2)自分の経験を活かす経営を検討する
未経験からの開業とはいえ、今まで培ってきた経験が、開業するお店の役に立つことも少なくはありません。
外国語が話せると、外国人観光客を対象としてお店にすることもできるでしょう。
お花を活ける資格などを持っていると、きれいな花でお店を彩ることができるかもしれません。
未経験でも今までの自分の経験や能力を活かしたお店にすると良いでしょう。
(3)運転資金に余裕を持つ
未経験からの開業となると、前述したように、開業当初は集客に苦労してしまう可能性が非常に高くなります。
赤字経営もしばらくの間は仕方ありません。
そのため、一定期間は赤字経営でも耐えられる運転資金を蓄えたうえで開業する必要があります。
運転資金がなければ認知度が高まる前に、資金不足で閉店といった事態にもなりかねません。
出来れば1年くらいは経営が軌道に乗らなくても耐えられる運転資金があればいいのですが、できる限り運転資金に余裕を持った上での開店がおススメです。
(4)計画的に行動する
計画的に経営や行動を行うことも忘れてはいけません。
行き当たりばったりの経営だと、壁にぶつかったり、効率的ではなかったり、経営にとっていいことではない事態が起こりやすくなります。
計画的に行動し、事前に対処することでトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。
経営において、スケジュール管理も成功する大きなポイントです。
まとめ
未経験からの飲食店経営は比較的開業しやすいのですが、壁も多く、成功するためにはさまざまな能力を養っていく必要があります。
また未経験からの開業には、研修が徹底しており、経営ノウハウや看板が利用できるフランチャイズがおススメです。
経営に行き詰まりを感じた時に本部の担当者が良き相談相手となってもくれます。
全国展開しているフランチャイズ本部だと広告などもふんだんに行っていますので、あなたが広告費を投下する必要も少なくなるでしょう。
未経験で飲食店開業を検討している人は、是非参考にしてください。