フランチャイズの契約期間・中途解約する場合は違約金が必要?
フランチャイズ契約は、数年間の契約期間を設けた定期契約として締結するのが一般的です。
フランチャイズオーナーとして開業を検討するなら、「いつまで契約期間なのか」「中途解約は可能なのか」「中途解約をする場合に違約金が発生するのか」という点は重要なポイントとなります。
この記事では、フランチャイズビジネスの契約期間と中途解約について詳しく紹介します。
フランチャイズ契約とは
フランチャイズ契約とは、提供元であるフランチャイズ本部が、経営ノウハウや商標、商品のを使用権を加盟店に与え、対価として金銭を得る契約形態です。
フランチャイズでの店舗展開が浸透している業界として代表的なのがコンビニエンスストアです。
一部の直営店を除き、展開する店舗の多くが別個にオーナーを擁するフランチャイズ店となっています。
どの店舗も同じ商品を販売し、サービスも一定である必要がある点もフランチャイズの特徴です。
(1)代理店契約とはどのように異なるのか?
代理店契約とは、メーカーが持っている商品を、代理店がメーカーに代わって販売し、収益を上げるシステムのことを指します。
営業活動をメーカーの代わりに行い、契約そのものは顧客とメーカー間で行ううのでため、営業代行に近いイメージです。
フランチャイズ契約と代理店契約は類似した契約形態ですが、ロイヤリティの有無と、販売スタイルの自由度に大きな違いがあります。
ロイヤリティとは、本部の持つ経営ノウハウや看板、商品を売ることができる権利を有する代わりに、毎月フランチャイズ本部に支払う費用もので、フランチャイズ契約特有のものです。
代理店契約ではロイヤリティがない代わりに、経営や販売ノウハウの提供を受けることはできません。
この二つの契約形態には販売スタイルという点でも違いがあります。
フランチャイズ契約では、加盟店は均一なサービスや商品を提供する必要があり、ブランドの販売スタイルをむやみに変えることはできません。
しかし、代理店契約は、特に縛りが無く自由に販売スタイルを自分たちで決めることができます。
(2)フランチャイズ契約で支払う費用
フランチャイズ契約において、加盟店は本部に対して費用の支払いが発生します。
まず、そのため、事前にフランチャイズ本部に「何を」「いくら」支払うべき費用には何があるのかをしっかりのか理解しておく必要があります。
一般的なフランチャイズ契約では、代表的な費用は以下のものです以下の費用が発生します。
- ロイヤリティ
- 加盟金
- 研修費
- 広告費
支払う費用項目と金額は、フランチャイズ契約の内容によって異なりますので、金額を把握した上で契約を締結しましょう。
フランチャイズの契約期間は3年から5年が一般的
フランチャイズ契約は、ほとんどのケースが一定の契約期間を定めた定期契約です。
契約期間は業種によって1年から10年までさまざまですが、3年から5年程度の期間を設けることが多いです。
では、5年を境に長期契約と短期契約に分類すると、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
(1)契約期間が5年超の場合にはどのようなメリットやデメリットがある
5年超のフランチャイズ契約を締結するのは、おもに飲食店やコンビニといった業界です。
この二つの業種に対し共通することは、多額の設備投資が必要な点です。
短期で契約を打ち切られると収支がマイナスとなる可能性が高いため、契約期間を長く設定するのが一般的です。
一方、デメリットとしては早期撤退ができない点が挙げられます。
フランチャイズ加盟店は、事業がうまくいかず早期撤退したい場合でも、満期前の解約では違約金が発生する場合があります。
(2)契約期間が5年未満の場合にはどのようなメリットやデメリットがある?
契約期間が5年未満の業種は、個人向けのサービスが多いようです。
店舗や設備に多額を投入する必要がなく、事業規模の小さなビジネスによく見られます。
短期契約のメリットは、事業がうまくいかなかった場合に撤退しやすい点や、契約条件の見直しがしやすい点です。
長期契約の場合、撤退は違約金の心配がありましたが、短期契約ならば、契約スパンが短い分、違約金が発生する可能性は低くなくなります。
また、契約内容を変更したい場合も、契約更新時に見直しが要求できます。
1年契約であれば、毎年契約更新の手続きが必要となります。
フランチャイズ契約を満期で終了する場合の注意点は?
満期になるタイミングでフランチャイズ契約を終了する場合、どのような点に注意すべきでしょうか。
契約満期での終了とはいえ、きちんと手順を踏まなければ、フランチャイズ本部とトラブルになるケースもあります。
ここからは、フランチャイズ契約の満期時の終了における注意点について解説します。
(1)契約終了時は必ず事前通知をする
フランチャイズ契約を終了させたい場合、必ず口頭ではなく書面による通知で意思を伝えなければなりません。
口頭では証拠が残らず、フランチャイズ契約を終了させたいという意図がきちんと明確に伝わるかも不安があります。
書留など、必ず相手に伝えたということがわかる様式を利用することが望ましいでしょう。
また、契約書などの書類に「契約終了日の〇ヶ月前には契約終了の意思を伝えなくてはならいけない」などと定められていることもあります。
契約書をよく読み込み、規定の内容を理解しておく必要があるでしょう。
(2)契約満了後の取り決めをきちんと理解しておく
契約満了後の取り決め取決めもしっかりと理解しておかなければいけなりません。
フランチャイズ契約の中には「契約満了後一定期間は同種のビジネスを行ってはならいけない」などと、競業避止義務の条項が設けられているものもあります。
契約が満了したからといって、自由に新たなビジネスができるというわけではありません。
この点もしっかり確認しておきましょう。
(3)保証金などの精算方法を事前に確認しておく
フランチャイズ契約の締結時に、保証金を納めている場合があります。
保証金とは、万が一ロイヤリティの支払いなど金銭面での滞納があった場合に備え、一定の金額を預かっておくものです。
滞納時は預かってる保証金から差し引かれます。
保証金は、契約中特に問題がなければ、全額返金されます。
決して小さい金額ではないため、フランチャイズ契約終了後いつ支払われるのかを事前に確認しておきましょう。
フランチャイズ契約を中途で解約する場合の注意点は?
解約においてフランチャイズ本部とトラブルになりやすいのが、中途で解約する場合です。
ここからは、中途解約による注意点について解説します。
(1)いつまでに通知が必要か確認しておく
先ほどの満了時にも解説しましたが、契約を終了させる日の何ヶ月前までに通知が必要かは、フランチャイズ契約で定められています。
今日解約の通知をして明日契約を終了させるのは不可能です。
解約には、相応の準備が必要となるため、そのために通知期間が存在します。
解約希望日の何ヶ月前までに通知しなければいけないのかをきちんと把握しておきましょう。
(2)違約金などがないかの確認をする
中途解約では違約金の有無も重要です。
満了を待たずに契約を終了させる場合、違約金をフランチャイズ本部に支払う契約になっているかもしれません。
金額しだいでは大きな痛手となる場合がありますので、ここもしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
(3)本部の不満はきちんと伝える
フランチャイズ契約を途中で終了するということは、ビジネスがうまくいかなかったケースが多いでしょう。
原因はさまざまでしょうが、フランチャイズ本部のサポートが足りない、本部との関係性に不安が生じたというケースもあるかもしれません。
フランチャイズ契約を解約するにあたり、本部に対して不満があるならばきちんと伝えるようにしましょう。
もしかするとフランチャイズ本部の担当者に問題があった可能性や、本部側の契約違反があるかもしれないからです。
その場合、他にも同じような問題やトラブルに直面して困っている方がいらっしゃるかもしれません。
円満に解約したいから、という理由で、自分が気づいた問題を指摘せずに解約するという人もいらっしゃいますが、同様の問題を抱えている他の方のためにも本部に対する問題点や不満に関してはきちんと伝えましょう。
まとめ
今回は、フランチャイズビジネスの契約期間と中途解約について詳しく解説しました。
フランチャイズビジネスにはさまざまな契約パターンがあり、同じ業種でもフランチャイズ本部が異なれば、契約期間や内容、支払う費用も大きく異なります。
まずは、加盟前にしっかりと契約内容を理解することが重要なポイントです。
また、フランチャイズ契約は、記事に書いたように契約期間終了後にも影響を及ぼす場合があります。
しっかりと契約書を事前に読み込み、契約中や解約後のトラブルにならないよう、内容を理解しておきましょう。