フランチャイズの投資回収期間

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フランチャイズ 投資回収期間

近年フランチャイズによる、独立開業が少しずつ増えてきています。

フランチャイズ独立開業にて加盟者・投資者が、最も気なることの一つが投資回収期間です

どれ位の期間で元本が戻ってきて、マージンが入ってくるようになるのかはとても重要です。

投資回収期間には貢献利益・経営状況という事柄がポイントになります。

そして投資回収期間と経営とのかかわりも注目点です。

そこで今回は投資回収期間について、貢献利益・黒字化などといった事柄に触れながら解説していきます。

投稿者・コラム執筆者

フランチャイズ投資回収期間概要

(1)回収期間の計算方法

まず、そもそもどのような考え方で算出するの?といった疑問があるのではと思われます。

大体どのような考え方なのかが説明されます。

(2)貢献利益

回収期間を計算する時には貢献利益という言葉が必要不可欠なのですが、この貢献利益について説明されます。

(3)黒字化

投資回収期間はもちろん、事業・経営において黒字化は最低条件ともいうべきことです。

この黒字化について、幾分か説明されます。

(4)経営との関係

投資回収期間と経営についてはいろいろな事柄が関わってきます。

この関りが説明されます。

(5)投資回収期間の具体例

投資回収期間が、実際のビジネス例を用いて例示されます。

次に上記5項目をある程度詳しく触れていきます。

投資回収期間算出方法

(1)投資回収期間目安

一昔前は3年~5年で回収できれば良いという風潮もありましたが、中小企業の場合は2年以内でできれば1年以内がベストという考えにもなってきています。

この考え方には経済環境の変化が目まぐるしく変化する昨今、長期スパンで投資の妥当性を判断するのに非常に高い眼力・分析力・洞察力が求められてきているという事情があります。

そして中小企業の場合軌道に乗せるのが想定より時間がかかってくると、経営そのものに悪影響が出てくる懸念もあります。

それゆえに、回収に2年以上かかる投資は見送るのが妥当ではという機運があります。

参考上に平成20年3月経済産業省商務情報政策局サービス政策課の報告書によれば、フランチャイズ全体で11.6%が1年以内に回収完了・30.7%が2~3年以内に回収完了となっています。

業種別では、小売業は6.3%が1年以内に回収完了・27.0%が2~3年以内に回収完了。

外食業は2.9%が1年以内に回収完了・17.1%が2~3年以内に回収完了。

サービス業は25.8%が1年以内に回収完了・48.5%が2~3年以内に回収完了というデータがあります。

(2)回収期間計算方法

「投資回収期間=総投資額÷年間予測収益」という計算方法になります。

例)投資総額が2,000万円で年間予想収益が1,000万円の場合

2,000万円÷1,000万円=2年で、投資回収期間は2年という考え方になります。

貢献利益とは?

貢献利益(収益)の予測は、投資回収期間を計算するうえで最も重要な要素となります。

貢献利益の見通しが甘いと、投資回収期間の見通しも正確性を欠く可能性が高くなります。

投資回収期間がずれてくると、様々な事柄に悪影響が出ると想定されます。

利益の計算方法は投資や事業によって変わりますが、ここでは、新規事業の利益計算方法・新商品の利益計算方法を説明致します。

(1)新規事業の利益計算方法

貢献利益 「売上総利益-直接経費」となります
売上 売上の金額です
売上原価 売上原価の金額です
売上純利益 売上総利益=(売上-売上原価)です
直接経費 ① 人件費や家賃などの固定費
② 水道光熱費などの変動費
③ 他直接経費諸々

(2)新商品の利益計算方法

貢献利益 「売上総利益-直接経費」となります
売上 売上の金額です
売上原価 原料費など売上原価の金額です
売上純利益 売上総利益=(売上-売上原価)です
直接経費 新規事業の時と同じように、諸々直接経費です

貢献利益は、順調に(例え一時的に想定通りでなくても)生じている時はまだ良いです。

ただ1か月などといった単発的にではなく、2・3カ月といった一定期間とか数か月にわたり長期間生じなければ投資回収期間の長期化・倒産にまで関わってきます。

それゆえ常に、随時のモニタリングが重要です。

黒字化の見通しに関する懸念

ネット販売業などといった経費が、そう大きくかからないと予想される事業を除いては、どんな事業も単月黒字が常態化するのはそう容易ではありません。

あるフランチャイズオーナーへの調査では単月黒字が常態化するまでの期間として、

  • 2か月以内が12.5%
  • 半年以内が10.0%
  • 1年以内が15.0%
  • 2年以内が20.0%
  • 3年以内が17.5%
  • 5年経過しても単月黒字が常態化していないが22.5%

というデータもあります。

累積黒字を実現した時期として

  • 2か月以内が10.0%
  • 半年以内が5.0%
  • 1年以内が7.5%
  • 2年以内が17.5%
  • 3年以内が10.0%
  • 5年経過しても単月黒字が常態化していないが27.5%

というデータもあります。

(1)黒字を実現し難い要因

黒字になり難い要因は大別して①想定した売り上げが上がらない②経費が予想以上にかかる、といったことが挙げられます。

(2)赤字事業を即撤退してもさらに赤字が膨らむ可能性も

一見赤字が出ている事業を即撤退すると、プラスマイナスゼロになるような気もします。

ただ撤退した事業に携わっていた従業員が辞めなければ、人件費がかかり続けますので場合によってはさらに大きな赤字になる可能性すらあり得ます。

管理職者・経営者にとってはとても難しい局面・複雑な局面ではありますが、即撤退でなく改善策の措置が求められます。

(3)黒字化のための構造改革

業種にもよるでしょうが求人宣伝・販売宣伝を紙媒体からWEB媒体へ大幅に移行したことで、大きく認知度が上がり劇的に改善した企業・事業もあります。

投資回収期間と経営の関り

(1)事業の成長4段階

①創業期(事業を軌道に乗せる時)

創業期はその字の如くですが、仕事を創り上げる時です。想定外で取引先・関係者が増え、質の向上など様々な価値観の改善が求められるようになります。

ただ業務そのものばかりに集中し、経営戦略を疎かにしていると税金が高くなる・会社組織の機能が低くなるといった不都合が生じやすくなります。

会社の機能が低くなるというのは例えば、節税策はもちろん事業発展のための措置が施しがたいということです。

こうならないように、組織作りも同時進行で進める必要性が生じてくる時期でもあります。

②成長期(組織基盤をつくるとき)

成長期では、事業が少しずつ進展し始めると同時に様々な課題も生じてきます。

税金はもちろん、競合他社との競い合い・融資の壁が高い・様々な規制により業務を進め難くなるといった事象もあり得ます。

これらの課題が積み重なってくると、事業の重荷になってきて後々には会社経営そのものの重荷にもなり得ます。

それゆえ経営チーム・組織が課題を一つ一つ解決できるよう、随時取り組んでいく必要があります。

③発展期(事業を進化させるとき)

業務がある程度発展・達成されると、事業が停滞・陳腐化してしまう傾向もあります。

ここで事業を多様化・他分野への進出、という考え方が求められるようになります。

ただ安易な考えで多様化・他分野への進出をしようとすると、大きな失敗につながりしない方が良かったねという事態にすらなりかねません。

それゆえ重ねに重ねた熟慮・高度な判断力が求められます。

④成熟期(経営理念を見直すとき)

成熟期とは既存事業の衰退期とも考えられ、新規事業へ労力を注入することも考える必要が生じだす時でもあります。

ここで需要継続性がある事業に関する情報収集力・資金という資本力などといった、マネジメント能力が必要になるわけです。

投資回収期間具体例①「炭火串焼き鶏ジロー①」

こちらでは炭火串焼き鶏ジローのオーナーとして、独立開業が支援される「のれん分けプラン」・独自の看板や店名で独立開業できる「オリジナルプラン」の2種類の開業プランがあります。

そしてロイヤリティ0円で開業が可能な、「プロデュースプラン」が新しく加わっています。

低資金での開業支援と独自の仕入れルートなどといった心強い運営バックアップ体制で、皆さんの開業という夢が応援されます。

以下に、炭火串焼き鶏ジローの投資回収期間例を示します。

【炭火串焼き鶏ジロー例①】

初期費用合計 8,252,350円
FC加盟金代小計① 1,035,000円
物件取得費
敷金 2,500,000円
礼金 168,000円
前家賃 168,000円
仲介手数料 464,500円
保険料 16,850円
小計② 3,317,350円
設備・開業費用
設備造作買取代 2,500,000円
看板 180,000円
追加厨房機器 120,000円
印刷物・デザイン料 100,000円
他開業準備費用 1,000,000円
小計③ 3,900,000円
営業利益 739,224円
月間売上・仕入・経費
売上高 1,913,040円
仕入 584,506円
売上総利益 1,328,534円
経費諸々小計(人件費・地代家賃など) 589,310円

8,252,350円(初期費用合計)÷739,224円(月々営業利益)=約11カ月(投資回収期間)

投資回収期間具体例②「炭火串焼き鶏ジロー②」

初期費用合計 7,410,000円
初期費用
店舗契約金 2,900,000円
内装・厨房工事 3,900,000円
初期仕入 300,000円
その他備品 310,000円
経営利益 1,489,000円
月間売上・仕入・経費
売上高 3,900,000円
仕入 975,000円
経費諸々小計(人件費・地代家賃など) 1,436,000円

7,410,000円(初期費用合計)÷1,489,000円(月々経営利益)=約5カ月(投資回収期間)

まとめ

以上、フランチャイズにおける投資回収期間ついて述べてきました。

様々なことを説明してまいりましたが最も大きいのは、回収期間算出方法・貢献利益の考え方・黒字化の難しさといったことではないでしょうか。

自身で予算準備なさる方はもちろん、どなたかによる出資でフランチャイズを考える方もいらっしゃいます。

いずれにせよ、いかに限られた期間内に黒字化をできる見込みの根拠を創り出せるかが重要といえます。

想定した投資回収期間で回収を完了して、皆さんのフランチャイズビジネスが成功するのを祈念致します。


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