フランチャイズの遺品整理開業の手順と必要な許可・デジタル遺品整理も解説

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フランチャイズ 遺品整理

日本は慢性的な高齢化現象が続いていて、好ましくはないながらも高齢者の孤独死が増加傾向にあります。

そして孤独死した後の、遺品整理を含めた後片付け業務の依頼も増えてきています。

この遺品整理作業の必要が多数ある中、遺品整理業務を自ら営みたいと志す人も増えてきています。

一方で遺品整理業は廃棄物処理などを含み、法律にも関係する可能性もある容易ではない業務です。

ですがフランチャイズ加盟の開業により、適切な処理方法にする指導があるなど、合法に業務を進めやすい方法もあります。

今回はフランチャイズと遺品整理について、遺品整理業開業のための許可や、デジタル遺品整理などに触れながら解説します

投稿者・コラム執筆者

フランチャイズの遺品整理の年収

フランチャイズの遺品整理業年収は、一般的に500万円を超えやすいともいわれています

そして業務経験を重ね要領を得て、買取りと第3者への販売などをうまく併用できると、700万円以上を目指すことも可能です。

また従業員もうまく管理でき、複数現場でリフォームなどの作業も同時進行できるようになると、1,000万円超えの可能性もあります。

まずは1K程度の遺品整理業務から少しずつ始めると、300万円や400万円程度の場合もあります。

高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。

  • 1Kの遺品整理から着実に、業務に慣れていく
  • 特殊清掃や消臭作業のような、特殊な作業もできるようになる
  • リフォームや仏壇クリーニングなど、高度な業務もこなせるようスキルアップする
  • 自分自身でも第3者への販売をできるように、古物商許可取得や販売体制整備に努める
  • 自宅開業1人開業から始め、初期費用や当初運営経費をなるべく抑える
  • 自分自身でも仕事を取れるように、営業の訓練をする など

初期費用とロイヤリティなどの費用

(1)初期費用

初期費用として一般的に、90万円程度要する傾向ながら、60万円程度のところも少なくありません。

そして全国レベルで集客できたり、第3者への販売に対し複数ルートをもっていたりすると、300~400万円程度要する時もあります。

一方で自宅開業にすると、50万円未満の数十万円の可能性もあります。

【初期費用内訳】

  • 加盟費
  • 保証費
  • 研修費
  • 初期道具費
  • 制服費
  • 開業時広告費
  • 許可取得指導費 など

加盟金が、無いところもあります。

(2)ロイヤリティ

変動制:5~7%程となっています。

定額制:3~20万円となっています。

本部紹介による仕事のケースでは、10%や25%の時があります。

一方で、ロイヤリティがないところもあります。そしてロイヤリティに加え、販促宣伝費3%がかかるところもあります。

遺品整理の業務内容

遺品整理には、次のような業務内容があります。

(1)不用品の回収

タンスなどの大型家具やテレビなどの家電は、捨てようとすると費用がかかります。

一方で遺品整理業者は、修理などして使用可能なものを、部屋片付けの時に一緒に回収することもあります

(2)家財の運びだし

高齢者や女性も、棚やイスなどの家具を自力で、捨て場や別の場所まで運び出そうとする時もあります。

一方でいざ自分達で運び出そうとしても、なかなか運べない時もあります。

このようなケースで、大事な家財なども丁寧に運びます。この家財の運びだしは、家や部屋内の介護体制整備のために生前にすることもあります

(3)整理後の清掃

孤独死や事件などがあった現場では、血液や体液などで汚れている時もあります。

このケースではなかなか素人による清掃は難しく、菌やウィルスに感染する懸念もあります。

よって、遺品整理業者が特殊な清掃をすることもあります

(4)遺品供養

遺品の中にはそのまま処分しては、先祖に対して礼儀上適切でない気がするものもあるでしょう。

この時には、遺品整理業者が遺品供養をすることもあります

(5)家屋の解体

現場によっては、更地にして駐車場にしたいなどの状況もあるでしょう。

このようなケースでは、部屋や建物そのものを解体する時もあります。

(6)遺品買取り

遺品の中には着物や貴金属など、依頼者側としては不要でも、遺品整理業者にとっては経済的価値を有する物もあります。

この時には遺品整理業者が買い取って、処分費用全体から差し引く時もあります

上記は、遺品整理業の業務内容の一部です。

デジタル遺品整理

今は、デジタル遺品整理も普及してきています。

(1)デジタル遺品整理

今パソコンだけでなく、スマホもビジネスには必須の道具になってきています。

そしてパソコンやスマホに、業務上の機密事項や重要情報につながるキーワードなどを保存している時もあります。

一方で病の時はもちろん予期せぬ事故死などで、パソコンやスマホの情報処理を済ませられない時もあります。

このようなケースでは、非常に重要な情報などを盗まれかねません

ここでデジタル遺品整理業者が、パソコンやスマホなどの情報を取り出したり処理したりします。

(2)取扱項目

次のような物事を、取り出したり処理したりします。

  • 家族などとの写真
  • メール文書
  • 友人や知人の住所など、個人情報
  • ネットバンクや証券など、金融手続に関わる情報
  • ブログなど、SNSに関わる情報
  • SDカードやUSBメモリのデータ
  • 通信販売サイトで登録した内容
  • インターネット上で契約しているものの、解約手続 など

上記の物事について、フォルダ別に分類して整理し直したり、消去処理をしたりします。

フランチャイズによる遺品整理の開業手順

(1)問合せ

まず本部に問い合わせをして、説明会出席の段取りをします。

(2)事業説明

遺品整理事業内容や、フランチャイズビジネスシステムの説明があります。

実際の加盟者のところへ、見学をできるところもあります。

(3)加盟申込

加盟が前向きに進みそうなケースでは、加盟申込書作成により申込をします。

(4)事業対象エリアの段取り

オフィス無し開業が可能ながらも、大体どの辺りで遺品整理業に取り組んでいくか話し合います。

(5)加盟審査

(1)~(4)を鑑みて、加盟について最終審査があります。

(6)契約締結

最終審査通過後、契約締結し加盟金の支払いがあるところもあります。

(7)開業

遂に開業となり、遺品整理業務開始となります。開業の前に、営業同行開業支援があるところもあります。

遺品整理開業のための許可

遺品整理開業のための許可は、次の内容となります。

(1)一般廃棄物収集運搬業許可

遺品整理業では、不要な衣類などをはじめとした一般廃棄物も多い傾向にあります。

一般廃棄物収集運搬業許可があれば、一般廃棄物を回収し処分場まで持ち込む段取りについても、料金を請求できます

一方で都市部にて新規に、一般廃棄物収集運搬業許可を取得することは難しい傾向もあります

(2)古物商許可

遺品整理先にて何らかの物を買い取って、買い取った物によって利益を得るケースでは、古物商許可が必要となります。

古物商許可申請には、古物商許可申請書や誓約書などの書類を準備して警察署へ提出します。

(3)運送業許可

業務内容によっては、遺品整理先の物を親戚や知り合いの場所など、第三の場所に運べれば好都合な時もあります。

この時に貨物軽自動車運送事業の届出や、一般貨物自動車運送事業許可の段取りをしておけば、運送料金も受け取れます

(4)内装仕上工事業の許可

遺品整理を行うにあたり結果的に、500万円以上のリフォーム工事になるケースでは、内装仕上工事業の建設業許可が必要になります。

一方で内装仕上工事業の建設業許可取得は、容易ではありません

ですがゆくゆく、結果的に500万円以上のリフォーム工事になる仕事も見据えるならば、考慮しておきたいものです。

※遺品整理士の資格もあると、集客のアピールになります。

フランチャイズで遺品整理を開業するメリット

フランチャイズの遺品整理では、次のようなメリットもあります

(1)顧客にとってリーズナブルな価格

一般的に顧客が遺品整理を考えると「リユース品は買い取ってもらって結果的に総額費用を少しでも安く」と考えはしても、なかなか思った通りに安価にはなりにくい傾向もあります。

一方でフランチャイズでは、なるべくリユース品の買取りをする方針のところもあります。

よって処分費用総額の2~4割を削減可能なケースもあり、顧客にとって魅力的で集客につながりやすいといえます。

(2)リユース品の販売業者と提携

様々なルートでの物販プロと、提携している本部もあります。

よって買い取ったリユース品が、売れやすい体制を整備できているところもあるので、第3者への販売につながりやすく高利益率になりやすいともいえます。

(3)コロナ対策も可能

いま日本中が、コロナウィルスによって悩まされています。

一方で素人からみたコロナ対策というと、マスクの使用や市販の除菌剤と消毒液を用いた拭き清掃程度です。

ですがフランチャイズの遺品整理業者の中には、殺菌力と安全性に長けた除菌や消毒剤を用いて、特殊除菌清掃をできるところもあります。

(4)複数のメディア掲載事例

複数の新聞やインターネットニュースで掲載された本部もあり、高い認知力とブランド力をもっているところもあります。

高い認知力とブランド力は、一見の顧客を惹く力もあり、新規顧客獲得にもつながります。

(5)複数の会社や法人が取引先

複数の葬儀会社や不動産会社などを、取引先として提携している本部もあります。

よって定期的な大型発注にもつながりやすく、口コミによる新規顧客獲得につながりやすいともいえます。

(6)未経験も参入できる可能性

遺品整理業には、特殊な清掃技術や処理技術も必要です。

一方でフランチャイズでは、本部が遺品整理技術はもちろん、営業面などにもサポートをします

よって清掃業経験者はもちろん、遺品整理業未経験者も参入可能なケースもあります。

(7)トラックが不要な時も

リユース品は、本部のトラックが利用できるところもあります。

そして不用品についても自力で何らかの方法で処理できれば、トラックが不要な本部もあります。

よって月額任意保険料が節約でき、車検手続の手間も省けます。

(8)許可取得指導

遺品整理業では廃棄物収集運搬業許可や古物商許可をもっていると、スムーズな業務運営や高利益につながりやすい傾向もあります

一方で慣れていないと、許可取得はなかなか一筋縄にはいきにくい傾向もあります。

ですがフランチャイズでは、許可取得指導をするところもあります。

(9)別のビジネスにつながる可能性

仮に自分自身で許可や販売ノウハウをもっていれば、リサイクルショップやネットショップなどを開業して、買い取った物品を販売できる可能性もあります。

このように、第2ビジネスを起こすチャンスともいえます。

(10)リーズナブルな諸経費

上記でも記しているように初期費用が安いケースでは、50万円未満の数十万円の時もあります。

そして自宅開業や、1人運営が可能な時もあります。

オフィスの月額家賃や人件費がかからないことは、経費面で非常にプラスとなります。このように経費面から鑑みて、経営を維持できやすいといえます。

フランチャイズで遺品整理を開業するデメリット

フランチャイズの遺品整理業開業には、次のようなデメリットもあります。

(1)ロイヤリティが高いところもある

本部紹介の仕事では、ロイヤリティが10%や25%と若干高めのところもあります。

遺品整理業の作業報酬は高い傾向もありますが、ロイヤリティが想定より高いと収益計算が狂ってきます。

加盟前の、念入りな熟慮が必要です。

(2)本部紹介の仕事との兼ね合い

仮に加盟当初自力で仕事を取れて、スケジュールやタイミング的に本部の仕事紹介を入れにくくても、断りにくいでしょう。

このように自力で取れた仕事と、本部紹介による仕事の兼ね合いも容易ではありません。

(3)外注先の方針

本部としては業務外注に、本部の意向に合った外注先に依頼して欲しいとします。

一方で加盟者としても様々な都合があり、自分自身の知り合いのところに依頼したいとします。

このようなケースでは、本部都合と加盟者都合の不便点となります。

遺品整理の難点と失敗を避けるコツ

(1)運搬と廃棄物収集運搬業許可

現場の物によってはリユース品か廃棄物か迷って、一旦持ち帰り上司に相談し判断しようと考える時もあるでしょう。

ここで「一旦持ち帰り会社で判断する」何気ない行動にみえても、運ぶための廃棄物収集運搬業許可がないと、違法になる可能性もあります。

よって、前もった本部や上司への相談と連絡が重要です。

(2)廃棄物の取り扱い方

①許可なしで少しでも廃棄物を運ぶ

業務を進める都合上廃棄物をトラックに積み、許可なしで依頼者の居宅から少し出て、数十メートルでも運んだとします。

法律上正確にはこの行動だけでも、違法になる可能性もあるので軽視や無視は危ないです

②廃棄物収集運搬業者への再委託の注意

一旦依頼者から引き取った廃棄物を、遺品整理業者が廃棄物収集運搬業者へ、処理の依頼をすることは自然な流れのようにも考えられます。

一方でこの行為は「遺品整理業者から廃棄物収集運搬業者への再委託」と解釈され、違法になる可能性もあるので注意が必要です。

(3)貴重品の取り扱い

遺品整理現場では、次のような貴重品が出てくる可能性もあります。

  • 現金や有価証券などの、価値のある資産
  • 何らかの契約書
  • 免許証などの身分証
  • 鍵 など

上記物品を処理し、後で追加経費を頂戴できない二度手間にならぬよう、依頼者に了承を得るなど前もった措置も大切です。

(4)感染症対策

現場によっては孤独死から時間が経ち、虫や微生物などが多数存在する時もあります。

本部も指導するでしょうが、このような現場では防護服の着用や除菌と消毒などを徹底して、感染症にかからないよう対策も重要です。

(5)精神的タフさ

遺品整理現場は、血液が飛散していたり、得体の知れない悲惨なものが落ちていたりする可能性もあります。

このような目で直視し難い状況であっても、冷静に要領よく目標の時間内に、作業を完了させる精神的タフさも必要です。

(6)営業時の礼節

遺品整理業者は確かに、人手不足の傾向もあります。

そして自分自身が葬儀会社へ営業し、時には依頼者である遺族と会う可能性もあります。

相手は、死という厳かな出来事に直面している人々です。「遺品整理業者不足して困っているでしょ?うちができますよ」のような、いかにも物を扱うような機械的であっさりとした対応では、対応相手を不愉快な気持ちにさせてしまう可能性もあります。

よって、礼儀を考えた慎重な対応も大切です。

(7)悪質業者と思われない

遺品整理業界には全体の5~6%ほど、悪質業者もいるといわれています。

よって優良業者と思われ業務を進めやすいように、次の点を意識しておくことが重要です。

  • 内容がわかりやすい、ホームページをもっておく
  • 連絡先電話番号や住所が、名刺の文言と一致するようにしておく
  • 連絡をはじめとした対応を、迅速にする
  • 顧客を訪問する時に、会社の制服やスーツを着るなど身だしなみに気を付ける
  • 見積もりは最初に正確な見積もりを作成し、内訳を示す
  • 名刺に、許可番号を記しておく
  • 営業所名義や加入者名義での、銀行口座をもつ
  • 不明点がはっきりするまで、丁寧に接する など

まとめ

ここまで、フランチャイズと遺品整理業について考察してきました。

押さえておきたい点は、遺品整理業開業のための許可やデジタル遺品整理です。

そして、フランチャイズで開業するメリットもポイントといえます。

遺品整理業は、需要が高まると予想できます。

特殊清掃などもする技術を磨き自身で営業をかけ、自己の収益だけでなく社会貢献にもなる遺品整理業にて、手応えのある人生で成功なさってください。


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