一人で開業できる仕事の種類と資格の必要性は?メリットとデメリットも解説
新たに独立して起業するにあたり、自分一人で開業できる仕事を始めたいと考える方も多いのではないでしょうか。
一人で開業できる仕事に就きたい場合、どのような資格が必要になるのでしょうか?
この記事では、一人で開業できる仕事の種類や、必要な資格について詳しく解説します。
1人で開業できる仕事のメリットやデメリットについても紹介しているので、参考にしてください。
一人で開業できる仕事の種類と資格の必要性
一人で開業できる仕事にはさまざまな業種があります。
大きく分けると、「資格が必要な業種」と「資格が必要のない業種」があります。
一人で開業できる仕事の代表的な職種と、それぞれの職種における資格の必要性について紹介します。
(1)ITエンジニア
ITエンジニアとは、コンピューター関連に特化した技術者です。
プログラミングなどの設計や、ソフトウェアの開発、システム運用など幅広い仕事があり、ITエンジニアの中でも職種が分類されています。
代表的な職種には「プログラマー」「SE」が挙げられます。
ITエンジニアとして一人で独立するには、専門的な知識やスキル、そして経験が必要です。
そのため、一定の開発経験を積んで業務成果を上げてきていなければ、一人で開業したとしても、仕事の依頼は少ないでしょう。
しかし、ITエンジニアに特別な資格は必要がありません。
スキルや経験があれば一人で開業が可能です。
資格があれば客観的にスキルが証明されるため、自分の職種に必要なITエンジニアの資格がある方が有利だといえます。
(2)Webライター
Webライターとは、WEBサイトのコンテンツや広告記事などの文章作成を行う仕事です。
パソコン一つで開業することができ、開業にあたって特別な資格は必要ありません。
そのため、比較的一人で開業しやすい業種だといえます。
ただし、専門分野や得意分野がなければ一定の収入を得ることは難しいため、ある程度の専門的な知識や情報収集力、文章力は必要になります。
高収入を得るには、専門分野に特化して高単価を目指すことや、程度広い分野のWebライターとなってリピート案件を増やしていくことなどの方法を考える必要があります。
(3)インストラクター
インストラクターは、自分の得意分野や身に着けたことを人に教える仕事です。
代表的なものとして、ダンスレッスンやスポーツのインストラクター、ヨガのインストラクター、ジムのトレーナーなどが挙げられます。
インストラクターとして人にものを教えるには、一定のスキルや経験が必要です。
資格が必要のないケースも多いですが、資格がなければ信頼性が得られにくい職種だといえるでしょう。
そして、開業するにはテナントなどを借りるケースも多いため、初期費用が高額になりやすい点がデメリットといえます。
しかし、近年はでは、オンライン上での講座や授業も人気が高まっているため、コストを抑えての開業も可能です。
月謝や会費によって収入を得るため、生徒数がある程度集まれば、安定した収入を得ることができます。
(4)コンサルタント
コンサルタントとは、企業の改善策や戦略を考えて課題を解決する仕事です。
コンサルタントの中でも、経営コンサルタントや事業再生コンサルタントなど業種がわけられます。
コンサルタントは企業の問題解決に向けて取り組まなければならないため、専門分野に特化した知識や経験が必要です。
そのため、会社員として経験と実績を積んで人脈を深めて、独立開業するケースが多いといえるでしょう。
資格は必ず必要というわけではありませんが、FP(ファイナンシャルプランナー)や中小企業診断士、社労士などの資格を保有している人が多く、資格がある方が開業にあたっても有利に働くといえます。
(5)動画編集
YouTubeなどの動画配信サイトに投稿するための動画を編集する仕事です。
一般の方や企業なども動画配信サイトで投稿するケースが多くなっているため、近年では動画編集の仕事の需要が高まっています。
資格の必要はなく、ある程度の技術があれば、経験が浅くても開業できる業種だといえます。
パソコンがあれば開業できるため、初期費用を抑えられることが魅力です。
しかし、一定の収入を得るには経験やセンスも必要になるため、副業から始める人が多いといえます。
(6)飲食店
飲食店でも規模の小さいお店やフードトラック、無人販売などの形態であれば一人でできる仕事として開業することができます。
飲食店である程度の経験を積んでから開業する人もいますが、未経験でも開業しやすい業界だといえます。
飲食店の開業には、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格が必要です。
また、店舗の形態によっては異なる資格が必要になるケースもあるため、あらかじめ準備をしておきましょう。
店舗の準備に向けた初期投資が必要になりますが、フランチャイズを利用すれば比較的簡単に起業しやすくなります。
一人でできる仕事で開業するための方法
一人でできる仕事で開業する場合、「個人」「法人化」「フランチャイズ」の3つの方法から選ぶことになります。
それぞれの開業方法の特徴を知り、自分に合う開業方法を検討しましょう。
(1)個人事業主として開業する
自分一人で開業するなどスモールスタートの場合、個人事業主として開業することが一般的です。
管轄の税務署へ開業届を提出するだけで個人事業主として開業することができます。
会社員とは異なり、個人事業主は毎年確定申告による納税が必要です。
個人事業主として開業すれば確定申告時に特別控除を受けられるため、節税効果をもたらすことにもなります。
(2)法人化して会社をつくる
会社を設立し、法人化して開業する方法もあります。
開業時には規模が小さくても、社員が増えれば法人化が必要になります。
また、開業からすぐに社員を増やすほどに収益を上げる可能性が高い場合は、スタートから法人化してもよいでしょう。
法人の設立には、株式会社・、合名会社・、合同会社・、合資会社などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
所得額なども検討し、状況に応じた法人の設立をを選択しましょう。
(3)フランチャイズに加盟する
フランチャイズとは、親企業へロイヤリティを対価として支払う代わりに、親企業の持つ商標や経営ノウハウを使用する権利を得られるビジネスシステムスタイルです。
コンビニエンスストアやファストフードショップなどが代表的なフランチャイズ契約の多い業種です。
フランチャイズなら開業当初から一定の集客が見込めることや、未経験でも研修などによってノウハウを学んで開業することが可能です。
毎月本部へ支払うにロイヤリティや、加盟時の加盟金などのコストは必要ですが、自ら開業するより、有利な条件での開業できるという魅力があります。
一人で開業できる仕事に就くメリット
一人で開業できる仕事に就くことは、多くのメリットがあります。
一人で開業できる仕事に就くメリットは、次の通りです。
(1)スケジュールに自由が効く
一人で仕事をするため、スケジュール調整は全て自分で行えます。
そのためので、組織に属していた時よりもスケジュールの自由度は高くなるでしょう。
休日や始業・就業時間などを自由に決めることができ、仕事量も自分で調整できるようになります。
「平日に休みたい」「夜型なので仕事は夜にしたい」など自分の希望に沿った働き方ができることが大きなメリットです。
(2)コストを抑えやすい
一人で仕事をするため、他の人を雇うことで発生する人件費を抑えられます。
また、一人でできる仕事の内容によっては、パソコン一つあれば開業できる業種などもあるため、自宅で仕事をすれば賃料や初期費用を抑えられます。
つまり、初期投資や毎月のランニングコストを大幅に抑えてる開業ができ、黒字が出やすい状態での経営が可能です。
(3)より高いスキルを身につけられる
一人で開業するということは、自分一人で全てを請け負って経営するということです。
会社員とは異なり、経営やマーケティング、経理や販促などすべてを自分一人で行うため、経営におけるさまざまなスキルが自然と身につくようになります。
また、職種内容に応じたスキルが高くなければ仕事依頼は入ってきません。
そのため、より高い仕事のスキルを身につけ、顧客獲得に向けた努力をするようになることでしょう。
(4)自分なりの仕事のやり方ができる
会社に属していれば会社のやり方で仕事を行わなければなりませんが、一人で開業すれば仕事のやり方を自分で決定できます。
例えば、会社員時代のスキルを活かすような業種で開業した場合ならば、今までのやり方をアレンジして独立できるでしょう。
幅広いサービスを付帯できるようになりますし、費用を下げてサービスを提供するというやり方もできます。
反対に、自分一人でできる範囲のサービスのみを提供する方法に変えることも可能です。
(5)やりがいを感じられる
一人で開業をすれば、仕事に対する報酬をそのまま自分で得ることができます。
つまり、自分の仕事量やスキルに応じた報酬が得られるため、仕事のやりがいを感じやすくなります。
会社員はいくら仕事を頑張ってもインセンティブ形式の仕事でない限りは成果に応じた給料をもらえるわけではありません。
一人で開業すれば成果に応じた報酬が入ることで、より仕事への意欲が高まると考えられます。
一人で開業できる仕事に就くデメリット
一人で開業できる仕事をすることはメリットばかりではありません。
デメリットもあることを知った上で、一人で開業することについて検討するようにしましょう。
(1)仕事の範囲が増える
会社員として働いていれば、経費や保険料の支払いなどは全て経理が行ってくれます。
書類関係は事務や総務が担当するなど、仕事内容が部署などによって分担されています。
一方で、一人で開業すれば、経理や事務作業など全てを自分で行わなければなりません。
そうなると、会社員時代ではやってこなかった作業をこなす必要があります。
自分で抱える仕事が増え、慣れない作業に開業当初は苦労することが予想されます。
(2)全て自分の責任になる
一人で開業すればスケジュールや仕事のやり方の自由度が高まるというメリットがある反面、全ての責任を自分一人で負わなければならないというデメリットがあります。
会社に属していれば、多少失敗しても会社が守ってくれることも多いです。
しかし、一人で仕事をするとなると誰もサポートしてくれる人がいません。
仕事のすべてが自分の責任になるため、責任感を持って仕事に取り組んで経営していく必要があります。
(3)仕事とプライベートのメリハリがつけにくい
一人でできる仕事の場合、スケジュールを自由に管理できることがメリットですが、その反面プライベートとのメリハリがつけにくくなってしまうことがデメリットです。
会社員であれば土日が完全休みや、決まったシフト通りに仕事をすることになります。
しかし、一人で仕事をしていれば決まったスケジュール通りに休まなければいけないという決まりはないため、仕事を詰め込んで休みを削ってしまうようなケースも多いでしょう。
また、休みを取っていても予定が無ければ仕事をしてしまうケースもあるかもしれません。
とくに自宅で仕事をしている場合、プライベートとのメリハリがつけにくくなり、常に仕事をしているような感覚に陥りやすいです。
(4)社会的信用性が得られにくい
一人で開業するとなれば、具体的な資格や経歴を提示しない限りは社会的信用性が得られにくいというデメリットがあります。
法人として会社を設立しているケースや、フランチャイズに加盟しているケースでは信用性が得られやすいですが、個人で開業する場合は、社会的な信用を得られにくいといえます。
仕事を増やしていくには社会的信用性も必要になるため、これまでの実績や資格などを提示して信用を得る必要があります。
(5)経済面で不安定になりやすい
会社員の場合は毎月一定の給与が得られます。
しかし、一人で開業すれば成果に応じた報酬を得ることになるため、毎月決まった収入が得られるというわけではありません。
多くの収入を得られる場合もあれば、病気やトラブルなどが原因で仕事ができずに収入を得られなくなるような事態が発生する場合もあるでしょう。
会社員時代よりも多くの収入を得られる可能性がある反面、安定した収入が得られないかもしれないというデメリットがあります。
まとめ
一人で開業できる仕事の種類や資格の必要性、メリット・デメリット特徴などについて解説しました。
個人で全てを一からスタートさせることもできますが、職種によってはフランチャイズに加盟して独立するという方法もあります。
フランチャイズに加盟すれば本部の経営ノウハウなどを活用できるため、安定した収益を得られる可能性が高くなります。
開業する業種における自分のスキルや、環境などもしっかりと分析したうえで、どのような資格の取得や開業方法を検討しましょう。