フランチャイズでアロマテラピーサロンを開業するメリットと注意点
ひとことで美容法といってもさまざまなスタイルがありますが、その中でも近年フランチャイズによって独立開業しようとしている人が増えているのがアロマテラピーです。
リラックスとストレス解消に効果があるといわれているアロテラピーは、比較的取り組みやすい業種といわれています。
この記事では、数ある美容法の中でも、アロマテラピーのフランチャイズ開業について収益やコスト、フランチャイズに加盟するメリットなどについて解説しましょう。
目次
アロマテラピーとはどのような業種?
まずは、アロマテラピーといってもどのような業種かわからないという人もいるのではないでしょうか?
まずは、アロマテラピーとはどのような美容法なのかといった点について解説します。
(1)アロマテラピーの概要
アロマテラピーとは、植物から採取できるエッセンシャルオイルといわれる精油を用いたエステ療法です。
1928年にフランスの調香師であるルネ・モーリス・ガットフォッセによってつくられました。
アロマテラピーはフランス語、アロマセラピーは英語表記ですがどちらも意味合いは同じです。
テラピーという言葉は日本語で治療を指しますが、日本ではあくまでも美容の一環として利用できるだけで、医療に利用することはできません。
医療に用いられているフランスやイギリスと比較するとまだまだ成長が望める分野ともいえるでしょう。
(2)アロマテラピーにはどのような効果があるの?
アロマテラピーはエッセンシャルオイルを使った自然療法ですが、これにより心身のリラックスやリフレッシュ効果が得られます。
またアロマテラピーによってリラックスし、リフレッシュすることで健康を維持し快適な毎日を過ごすこともできるでしょう。
つまり健康的な美しさも保つことができますので、アロマによってたくさんの効果に期待が持てるといえます。
(3)アロマセラピストの働き方とは?
アロマテラピーによって、お客様を癒すことができるのがアロマセラピストです。
エッセンシャルオイルを用いて、リラックスとリフレッシュを与えるアロマセラピストは香りのプロフェッショナルとしてニーズが高まっている資格です。
残念ながら医療ではありませんのでエッセンシャルオイルを用いてマッサージなどはできません。
しかし、アロマグッズなどが雑貨店などで販売されていることも徐々にアロマテラピーの存在を高めていますので、今後の需要にも期待が持てます。
フランチャイズにおけるアロマテラピー業の平均年収
実際にフランチャイズによってアロマテラピーを行う場合、どの程度の収益が期待できるのでしょうか?
また他業種と比較した場合、どの程度の利益率なのでしょうか?
ここからはアロマテラピーの収益面について解説します。
(1)アロマセラピストの平均年収はそう高くはない
徐々に浸透してきたとはいえまだまだアロマセラピーの社会的な認知度はそう高くはありません。
そのため、アロマセラピストとして美容サロンに就職した場合、月収で16万円前後といわれています。
ある程度の収入を目指すのであれば、やはり独立開業してフリーのアロマセラピストとして多くの顧客を集める必要があるといえるのです。
(2)アロマテラピー業と他業種における利益率と資金回収期間を比較
では、フランチャイズによってアロマテラピーで独立開業しようとした場合、投下した資本に対してどの程度の利益率が見込めるのでしょうか?
他業種との利益率や資金回収期間を下の表にまとめました。
業種 | 資本投下に対する利益 | 投下資金回収期間 |
飲食業 | 約15% | 6年 |
医薬品販売(薬局等) | 約9% | 11年 |
ガソリンスタンド業 | 約6% | 18年 |
コンビニエンスストア | 約12% | 8年 |
美容室 | 約17% | 6年 |
クリーニング | 約9% | 10年 |
花屋 | 約18% | 5年 |
5年から長い場合は20年近く投下資金を回収する時間がかかります。
回収する期間が長くなってしまう最も大きな要因は、最初に投下する資金が業種によっては非常にかかるからです。
利益率があまり高くはなく、投下資金が多ければ当然ながら回収期間は非常に長くなるでしょう。
このように業種ごとに利益率も大きく異なります。
ではアロマテラピーの利益率や投下資金回収期間はどの程度なのでしょうか?
あるフランチャイズ本部が収支モデルを発表していますが、それによると、利益率133%、投下資金回収期間は9ヶ月程度となっています。
これは、最初に投下する資金が非常に少ないからです。
他の業種と比較すると投下した資金に対する利益率が非常に高い点もアロマテラピーの特徴といえます。
(3)店舗開業では年収1,000万円も可能
会社員としてアロマセラピストになった場合は、年収が安いと前述しました。
しかし、フリーのアロマセラピストとして開業し、サロン経営を行うと年収1,000万円も決して夢ではありません。
複数店舗を経営することにより更なる収益アップも見込める業種といえるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
ここまでは、アロマテラピー業の収益部分について解説しました。
収益部分が分かると次に気になるのがコスト部分です。
開業するために必要なコストやフランチャイズに加盟する際にかかることが多い加盟店料やロイヤリティについて解説します。
(1)自宅で開業する場合のコスト
アロマテラピーはわざわざ店舗を構えることなく自宅で開業することも可能です。
自宅での開業は、店舗を借りることが無いので家賃が必要ありません。
また、店舗の改装費用などのコストをかける必要もありませんので資金をあまり投下する必要が無く開業することが可能です。
コストを抑えるのであれば30万円程度からの開業もできます。
(2)店舗を構えるときのコスト
店舗を構える場合、家賃が必要になりますが、初期費用として敷金や礼金なども必要です。
10万円の家賃で、敷金と礼金が合わせて4ヶ月だった場合、仲介手数料もかかりますので60万円の初期投資が必要となります。
更に改装費用なども含めると店舗を借りる費用だけでも100万円を超えてしまうでしょう。
自宅と比較すると3倍以上のコストがかかることが分かります。
(3)フランチャイズに加盟した場合のロイヤリティや加盟店料は
フランチャイズに加盟する場合、独立開業する場合と異なり加盟店料やロイヤリティといったコストがかかります。
加盟店料とは、フランチャイズに加盟する場合に本部に支払う入会金といった扱いです。
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部のノウハウや看板を使用できる代わりに毎月一定の金額を支払う使用料といえます。
加盟店料もロイヤリティも加盟するフランチャイズ本部によって異なりますので、初期投資を抑えるのであれば加盟店料が低い本部を選択するといった対策も効果的です。
一般的には加盟店料として100万円前後、ロイヤリティは10万円前後のコストを見ておけばいいでしょう。
このような費用も含め、初期コストとランニングコストを前もって分析しておかなければいけません。
アロマセラピストに必要な資格はなに?
実際にアロマセラピストと名乗る場合、国家資格などは必要なのでしょうか?
また資格が無くともアロマセラピストとして開業することは可能なのでしょうか?
ここからは、アロマセラピストになる場合の資格などについて解説します。
(1)国家資格はなく民間資格の取得を目指す
アロマセラピストの資格に国家資格はありません。
しかし、資格を持っていなくてもアロマセラピストとして名乗って良いのかというとそうではありません。
民間資格ですがアロマセラピストに関する資格がありますので、やはりアロマセラピストと名乗るからにはこのような資格を取得した方が良いでしょう。
では、どのような民間資格があるのでしょうか?
(2)アロマテラピー資格の比較
アロマテラピーは民間企業や団体などが独自の基準を定めて認定する資格がいくつかあります。
例を挙げてみますと、日本アロマ環境協会(AEAJ)が認定するアロマテラピー検定やアロマテラピーアドバイザーなどです。
日本アロマコーディネーター協会(JAA)が認定するアロマコーディネーター資格やアロマハンドリラックスといった資格があります。
国際アロマセラピスト連盟(IFA)が認定するのがプロフェッショナルアロマセラピーディプロマコース(IFA認定セラピスト)です。
このように団体も資格の名前も異なりますが、かかる費用も難易度もそれぞれ異なります。
自分にとってどの資格が一番活用できるのかを検討し選択してはいかがでしょうか?
フランチャイズ本部のサポート内容
フランチャイズに加盟すると本部のさまざまなフォローを受けることが可能です。
ここからはフランチャイズ本部が行うサポートについて解説します。
(1)充実した研修
フランチャイズに加盟すれば誰でもすぐに経営できるわけではありません。
きちんとノウハウや人材育成なども勉強を行わなければ、すぐに経営はうまくいかなくなるでしょう。
フランチャイズ本部は、誰にでもきちんと経営ノウハウや経営方針を理解してもらうために研修を行います。
しかも、一回だけではなく開業後も色々なケースに合わせた研修などを予定しているのです。
経験が浅くともフランチャイズに加盟することにより安定した経営ができるのは、このような研修制度が充実しているからといえるでしょう。
(2)店舗探しのフォロー
アロマテラピーは直接お客様が来店し、サービスを受けるビジネスです。
そのため、店舗選びも集客にとって大きなポイントとなります。
フランチャイズ本部は店舗開業に向けてたくさんの情報を仕入れていますので、開業にあたり店舗探しのフォローなどを行ってくれるのです。
家賃が高すぎる場合や間取りに関することなど、さまざまなノウハウから適切なアドバイスを行い店舗探しのパートナーとなってくれます。
(3)コールセンターを設置している本部もある
フランチャイズ本部によってはコールセンターを設置しているところもあります。
お客様からの質問や予約、クレームなどさまざまな問い合わせに対応してくれる部署です。
本部のコールセンターで電話応対を受け付けてもらえるなら、事務員を配置する必要がありません。
コスト面で非常に大きなメリットとなるでしょう。
(4)閉店した場合のフォローも充実
残念ながら経営が上手くいかず閉店してしまった場合もフォローしてくれる場合があります。
閉店する場合にも処分や引っ越しなどさまざまな費用がかかりますが、本部が他の加盟店に連絡し事業を引き継ぐところがないかを探す手伝いを行ってくれるのです。
フランチャイズ本部にとっても加盟店にとっても大きなメリットとなるフォローといえます。
フランチャイズでアロマテラピーを開業するメリット
ここまでは、アロマテラピーの開業に向けたさまざまな面について解説しました。
フランチャイズで開業しようとする場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
フランチャイズに加盟して開業した場合のメリットについて解説します。
(1)研修やアドバイスなどのフォローが充実
前述しましたが研修やアドバイスなどさまざまなフォローが期待できる点です。
フランチャイズはいわば自分たちが成功したノウハウをパッケージしたものです。
そのノウハウを有効的に活用してくれるために研修などを行い、経営が上手くいくようなアドバイスなども期待できます。
これはフランチャイズで開業する大きなメリットです。
(2)知名度が利用できる
いきなり自主独立したとしても知名度がない状態では集客に苦労してしまいます。
多くの広告費が必要になるかもしれません。
しかし、フランチャイズに加盟して開業することにより、本部の看板や知名度をそのまま使うことができます。
最初から知名度を持った状態で開業できる点も大きなメリットといえるでしょう。
(3)採用のサポートも充実
お店を大きくし、複数店舗経営してどんどん大きくするためには、人材育成や採用が非常に大切なポイントです。
しかし、育成に関しては研修などで育てることができますが、その前にやはり採用時点でいい人材を採用しなければいけません。
採用試験においてどのような点を観察しなければいけないのかといった点もわからないという人も多いのではないでしょうか?
フランチャイズ本部は長年の経験から採用についてサポートを行い、最適な人材を採用する手助けを行ってくれます。
フランチャイズでアロマテラピーを開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズに加盟して開業する場合のメリットについて解説してきましたが、フランチャイズはメリットばかりではありません。
問題点などがありますのでしっかりと問題点を掴み、失敗を避ける対策が必要です。
ここからはフランチャイズの問題点について解説します。
(1)他の加盟店や本部のトラブルが影響する
フランチャイズ本部の看板を使って開業していますので、本部の不祥事や他店舗のトラブルによりイメージダウンとなるかもしれません。
直接的な関係はありませんが、同じブランドで経営している以上仕方ありません。
この場合は、知名度だけではない深い信頼関係を常連客と築いておく必要があります。
そうすると苦しいときにでも一定の収益は上がりますので、逆風の時期に関してもある程度常連客の売り上げにより凌ぐことができるでしょう。
(2)自由度が低い
フランチャイズに加盟すると、基本的に本部の指導に従った経営しかできません。
オリジナルの商品などを販売することはできないのです。
このような点で加盟するオーナーには自由度が低いと感じるかもしれません。
フランチャイズに加盟する前に本部としっかり打ち合わせを行い、どこまで自由に経営できるかを確認しておきましょう。
思った以上に自由度が低いという不満を無くすことができます。
(3)ロイヤリティ分高い収益が必要
フランチャイズは経営ノウハウなどが利用できる分ロイヤリティを支払わなければいけません。
その分、損益分岐点が高くなってしまいますが、ロイヤリティはフランチャイズ本部によって異なります。
フランチャイズ本部を選ぶときになるべくロイヤリティの低いところを選ぶなどの対策が可能です。
まとめ
アロマテラピーは、商品が雑貨店などで販売されていることから徐々に知名度が増しています。
しかしまだまだ社会的認知度はそう高くありませんので、逆を言うとライバルもまだ多くはなく競合が少ない市場ともいえるでしょう。
フランチャイズに加盟することでさまざまなメリットを受けることができる反面、注意点もありますので、しっかりと対策を練っておく必要もあります。
しかし、将来的に市場規模も拡大する可能性が高いアロマテラピー業界は、今後の成長性に大きな期待を持たせてくれるでしょう。