フランチャイズの介護タクシー業の初期費用・開業のための許可も解説

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フランチャイズ 介護タクシー

通院の必要があっても、なかなか自力で通院できない人が多くいます。

足腰が弱まっていたり、バスはあっても不便だったりするなどの事情もあります。

家族も忙しく、自家用車で頻繁には連れて行ってあげることのできない要因もあります。

この通院が不便な状況で、介護タクシーの利用者は増えてきています。

また介護タクシー業に本格参入したい人や、定年後の収入源として目指す人も増えてきています。

一方で介護タクシー業は、複雑な許可取得が必要など、開業の時点で一苦労の容易ではない業種です

ですがフランチャイズ加盟起業によって、開業の段取り1つ1つにサポートがあるなど、業務を始めやすい方法もあります。

今回はフランチャイズと介護タクシーについて、介護タクシー業開業のための許可や、介護タクシー業の難点と失敗を避けるコツなどに触れながら解説します。

投稿者・コラム執筆者

フランチャイズの介護タクシー業の年収

フランチャイズの介護タクシー業経営について、一般的に年収500万円程度ともいわれます

そして従業員をうまく管理できたり、介護事業所などを固定顧客にできたりすると、600万円以上を目指すことも可能です。

さらに顧客が増え、事業対象範囲そのものが大きくなってくると、1,000万円超の加盟者もいます。

高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。

  • 想定開業エリアについて、需要を入念に分析する
  • 車いす使用者が、集まるようなイベントを確認しておく
  • 利用者にとって快適な車種を、入念に見極める
  • 自身含め従業員にも、気配りや対応の訓練を徹底する
  • 事故を防ぐ措置はもちろん、事故が起きた時の対応も本部より学んでおく
  • 介護事業所などの法人に、営業をかける
  • 病院の送迎業務の際に、混む病院の時には時間管理対策を考える
  • 料金について利用者側と誤認識が生じないよう、説明と確認をしっかりする など

初期費用とランニングコスト項目

(1)初期費用

加盟費用として標準的に、100~150万円程度要する傾向にあります

この加盟費用に、許可取得支援費が含まれているところもあります。

そして別途車両調達費や、駐車場取得費などもかかってきます

車両について新車を調達すると100~200万円程度を要し、ストレッチャー用のワゴン車では300万円程度要することもあります。

一方で車両についてはリースにすると、安価で済みます

また運転資金も考慮すると、少なくとも300万円程度は用意しておきたいものです。

高いところでは車両調達費なども含め、初期費用セットで400万円程度としているところもあります。

フランチャイズ本部によっては、公的融資機関や融資実現のための士業家を紹介するところもあります。

【初期費用内訳】

  • 加盟費
  • 研修費
  • 許可取得支援費
  • 車両調達費
  • 初期任意保険料
  • 初期オフィス準備費 など

(2)ランニングコスト項目

ランニングコストとして、次のような内容があります。

  • ガソリン代
  • オイル交換など、車両維持費
  • 駐車場代
  • オフィス家賃
  • 電話代
  • 従業員給料 など

ロイヤリティはなかったり、0~10%の設定になっていたりするところもあります。

介護タクシーの業界事情

介護タクシーには、次のような業界事情があります。

(1)介護タクシーの需要

介護タクシーには、次のような需要があります。

①通院需要

まず介護タクシーには、通院需要があります。

通院が必要ながら、自力ではなかなか病院へ行くことのできない人がいます。

透析患者からの利用が、多い傾向もあります。

②通院以外の需要

介護タクシーといえども、通院需要のみではありません。

介護事業所などが外出などのレジャーをする際にも、介護タクシーを使う時もあります

(2)雇われではサイドビジネスとしてもおすすめ

経営ではなくドライバーとして、働く人もいます。

このケースでは、本業をこなしながらのサイドビジネスや、定年や早期退職した際のバイト勤務もおすすめともいわれます。

(3)充実した設備

介護タクシーには、次のような設備や道具が備わっています。

  • ストレッチャー
  • 車いす
  • 車いす固定具
  • 電源
  • 点滴架設備
  • 自動体外式除細動器
  • スロープ
  • リクライニングチェア など

フランチャイズによる介護タクシー業の開業手順

(1)問合せ

まずは本部に問い合わせて、加盟方法や業務進行方法などを理解します。

(2)面談

目指す収益や業務進行方法などで前向きのケースでは、業務開始に向けて準備を進めていきます。

(3)2種免許取得

介護タクシーの運転手には、2種免許が必ず必要です。2種免許取得の段取りをします。

(4)運輸支局段取

各府県の運輸支局へ必要書類などを提出し、許可取得への段取りをします。

(5)法令試験

法令試験合格後に、正式に事業許可を取得できます。

(6)車両準備

営業で実際に使う、車両を調達します。介護タクシーなので、特殊設備と道具も必要になります。

(7)運賃認可申請

事業許可で開業はできるものの、顧客より料金を頂くには運賃認可申請が必要です。

(8)車両登録

登録免許税を納付後、車両登録をします。

(9)研修

研修をするところもあります。介護タクシーでは運転だけでなく、特殊道具操作などの基礎的な内容にも慣れておきたいものです。

(10)事業開始

(1)~(9)のプロセスを経て開業し、介護タクシー業務開始となります。

介護タクシー業開業のための許可

(1)車要件

車いすを安全に搭載できる、道具や回転シートなどの設備を備えた自動車です。

次の基準を満たす人が乗るケースでは、一般自動車も可能です。

  • 介護福祉士
  • 訪問介護員
  • 居宅介護従業者
  • ケア輸送サービス従事者研修を修了した者

リースのケースでは、契約期間が1年以上の旨を示す契約書も必要となります

(2)資格要件

介護保険タクシーの名目で運営するケースでは、次のいずれか資格が必要です。

介護タクシーのケースにても取得しておくと、営業先で好評を受ける傾向にあります。

  • 介護福祉士
  • 訪問介護員
  • 居宅介護従業者
  • ケア輸送サービス従事者研修修了

(3)営業所要件

  • 営業区域内に存在する旨
  • 土地と建物の使用権限が、3年以上ある旨 など

(4)車庫要件

  • 営業区域内に位置し、営業所から直線距離で2km以内の旨
  • 車両相互間、車両と車庫の境界で50cm以上ある旨
  • 所有する全車両を収容できる旨
  • 土地と建物の使用権限が、3年以上ある旨 など

(5)休憩室と仮眠室要件

  • 土地と建物の使用権限が、3年以上ある旨
  • 営業所と車庫、双方に対して直線距離で2km以内の旨 など

(6)人員要件

  • 法令試験を合格した、専従の役員が1名以上在籍する旨
  • 事業規模に沿った人数の、普通2種免許を有する運転者が在籍する旨 
  • 苦情処理体制など、運営をスムーズに進めるための体制整備 など

上記の他に、事業そのものや必要車両を維持していける資金力や、資金力の証明も必要となります。

(7)許可承認までの流れ

①申請書提出

一般乗用旅客自動車運送事業経営許可申請書に、必要事項を記入し管轄の運輸支局へ提出します。

必要に応じて、事業開始のための経費内訳書や、資金力や資金調達方法を証する書類などの添付書類も準備します。

②法令試験実施

道路運送法などに関する、法令試験を受けます。

自動車六法の持ち込みが可能で、7~8割の合格率ともいわれます

③審査

公示基準に基づいた、審査があります。審査では提出書類について、営業区域や営業所などの項目を診断します。

④許可決定

標準的に2ヶ月間の審査期間で通過できれば、許可が承認されます。

⑤許可書交付

申請した運輸局にて、許可書の交付を受けられます。

⑥運賃と約款の認可

運賃についても認可手続きをして、法的な段取はほぼ完了となります。

⑦事業開始

運輸開始届を運輸支局へ届け出て受理されると、介護タクシー業務開始となります。

※訪問介護事業所の指定を受ける必要の可能性もあるので、詳しくは本部に問い合わせと相談が大切です。

フランチャイズで介護タクシー業を開業するメリット

フランチャイズの介護タクシー業には、次のようなメリットがあります。

(1)各許可取得手続サポート

上記で記しているように、介護タクシー業開業には複雑な複数の段取や許可取得があります。

このような複雑な段取や許可取得は、自力のみではなかなかスムーズに正確には進みにくい傾向もあります。

ですがフランチャイズでは、本部推薦の行政書士によるサポートがあるところもあります。

(2)高いリピート率

介護タクシーは、まだ供給が追いつけていない現状があります。

そして、利用者がリピーターになりやすい傾向もあります。

よって、定期収入につながりやすいといえます

(3)自宅開業も可能

まず自宅をオフィスにして、自宅の一室を休憩部屋にします。

そして、直線距離で2km以内の場所に駐車場を設けます。

こうして自宅開業可能なところもあるので、初期費用を低減できます。

(4)類似業務経験を活かせる

仮に介護業務経験や、介護事業所での運転経験があるとします。

このようなケースでは、今までの業務経験を活かしフリーランスになるチャンスともいえます。

フリーランスになると収入面のメリットはもちろん、時間について裁量の幅が広がるメリットもあります。

(5)軽自動車も可能

介護タクシーでは一般のタクシーと異なり、軽自動車の使用も可能です。

軽自動車ならば維持費が安価で、狭い場所でも運転しやすいです。

タクシー業に慣れていないケースでも、運転業務そのものに取りかかりやすいです。

(6)レジャー用オリジナルプランを用意

介護タクシーといっても、通院目的以外の依頼も受けたいものです。

通院目的以外の依頼には、日帰り旅行や1泊2日旅行などもあります。

一方でこのようなレジャー目的については、プラン作りやチラシ作成なども容易ではありません。

ですがフランチャイズでは、介護タクシーを使った旅行プランを準備しているところもあります。

よって、仕事の幅を広めやすくなります。

(7)無資格も可能

開業前に、介護輸送士講習を行っているところもあります。

介護タクシー開業にかかる資格取得には、一般的に時間と費用を要します。

よって未経験者や無資格者のケースも、参入可能な時もあり魅力的です。

(8)加盟プランを複数準備

加盟プランを、複数用意しているところもあります。

例として車両を既にもっているケースと、もっていないケースがあります。

もちろん既にもっているケースでは、安価になります。

車両をもっているなど物理的に幾分か用意ができている時には、参入しやすいといえます。

フランチャイズで介護タクシー業を開業するデメリット

フランチャイズの介護タクシー業には、次のようなデメリットもあります

(1)営業先方針が合わなくなる

加盟者が自分自身で、得意な営業先ジャンルをもっているとします。

一方で本部から、より収益の見込みがあるなどの事情で、自分が精通していない対象への営業も要請されるとします。

こうなると、別の営業方法を学ぶ必要性も生じます。

(2)車両が合わない

介護タクシー利用者にとって、車両の使い勝手や快適さは大切です。

車両付きプランで加盟したものの、車両が利用者に好まれずなかなかリピーターを得られないと、不便点となります。

よって車両についても、熟慮する必要があります。

(3)夜間営業ができにくい

一般的にタクシー業では、深夜割増運賃も大きな収益源の1つです。

一方で介護タクシーの利用者は、基本的に昼間利用する傾向にあります。

よって夜間営業による収益確保は、あまり期待できにくいです

介護タクシー業の難点と失敗を避けるコツ

介護タクシー業には、次のような難点もあります。

(1)国からの報酬ではない

介護タクシー業というと、訪問介護業のように国から報酬が支払われるのではと、イメージする人もいます。

ですが介護タクシーは、介護保険対象以外のケースでは、原則全額利用者負担となる旨の認識は必要です。

(2)介護保険適用のケース

例えば要介護1以上と承認された人が、通院などの目的で介護タクシーを利用する際には、介護保険が適用されます。

そしてケアマネージャーと連絡を取って、事前予約などの段取もあります。

介護保険適用となる用途は、次のような内容です。

  • 受診やリハビリなどの通院
  • 補聴器やメガネに関する用など、本人でなければならない買物
  • 役所など公共機関での手続きや、選挙投票 など

上記のような、介護保険適用に関する旨の認識は大切です。

(3)通院の際の時間管理

利用者が透析利用など通院のケースでは、送り迎え両方の業務の傾向もあります。

タクシー事業者側としては、送り迎えの間の時間にも仕事を入れて、効率的に稼ぎたいものです。

一方で業務によっては想定した通り、スムーズに進まない可能性もあります。

このようなケースで、時間に間に合わなかったり、急いで事故を起こしたりすることは避けたいものです。

よって予算面を鑑みて可能ならば、車両を複数準備することも要考慮事項といえます。

(4)利用者に何らかの被害が生じる

運転者は運転そのものと、利用者の車の乗り降りの際に注意深くなるでしょう。

一方で業務中には、何のトラブルが起こるかわかりません。

そして想定外のトラブルによって、事業者側も何らかの責任を果たす必要の可能性もあります。

よって本部も指示するでしょうが、賠償責任保険などの保険への加入が大切です。

(5)料金に関する誤認識

初めての利用者のケースで「先日の別会社より高いです。なぜですか?」と、もめごとになる懸念があります。

これは会社によって料金設定が違い、予約配車料などがかかるところもあるためです。

よって依頼受託決定の前に、用途とある程度細かな料金設定説明をしておくことも大切です。

(6)気配り

介護タクシー運転手には、気配りも必要です。

例えば車内の温度や、乗っていて何か不便点がないかどうかなどといったことです。

気配りは、リピーター獲得にもつながります。

よって本部に相談し、気をつかっておく点を教えてもらっておきたいものです。

バイトなどの従業員を雇う際にも、気配りをできる人か否かチェックも必要です。

(7)ストレッチャーの使用時間

介護タクシーのストレッチャーを、行先の病院でそのまま使うと、病院滞在中にも料金が加算されるところもあります。

よって病院のストレッチャーに、一旦移す必要があります。

やむを得ずそのまま介護タクシーのストレッチャーを使う時は、前もった料金加算の説明も必要です。

(8)チップの対応

なかには、チップを渡す利用者もいます。

非常に有り難いことながら、介護タクシー業務として好ましくはありません。

一方でせっかくのご厚意を、断固拒否することもよくありません。

よって遠慮しつつも渡された時は、まず上司や本部へ報告しておくことがおすすめといえます。

(9)巡回営業ではない

基本的に介護タクシーは、予約利用となっています。

つまり一般的なタクシーのように、大通りなどを走行中に業務を得られるわけではありません。

よっていかに予約を得られるか、自身でも介護事業所などへ営業をかける努力必要もあります。

まとめ

ここまで、フランチャイズと介護タクシー業について考察してきました。

押さえておきたい点は、介護タクシー業開業のための許可や、フランチャイズで開業するメリットです。

そして、介護タクシー業の難点と失敗を避けるコツもポイントといえます。

介護タクシーは、全国で12,000台ほど不足している数値情報もあります。

利用者への気配り術を磨き、介護事業所などへの事業所へも営業をかけ、スムーズな通院を実現できる介護タクシー会社への成功率を高めてください。


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