フランチャイズのしゃぶしゃぶ専門店 開業の収益は?オープンまでの流れも解説
たくさんの鍋料理がある中で、全国的な人気を誇るのがしゃぶしゃぶです。
しゃぶしゃぶというユニークな名前は昭和27年に大阪の料理店が名付け親とされています。
薄切りのお肉を出汁に数回くぐらせて食べるこの料理は、全国的におなじみの鍋料理として浸透しているといえるでしょう。
では、このしゃぶしゃぶ専門店をフランチャイズとして開業する場合、どの程度の売り上げを上げることができて、どの程度のコストがかかるのでしょうか?
この記事では、しゃぶしゃぶ専門店をフランチャイズで開業した場合の収益やコスト、フランチャイズで開業するメリットや開業までの流れといった点を詳しく解説します。
目次
しゃぶしゃぶ専門店にはどんな特徴があるの?
しゃぶしゃぶ専門店を開業するにあたり、きちんと理解しておきたいものがしゃぶしゃぶの魅力や特徴です。
お客様がしゃぶしゃぶに何を求め、どのようなものが好まれるものかをしっかりと把握してくことで、長く安定した経営基盤をつくることができるでしょう。
この章では、しゃぶしゃぶの特徴について紹介します。
(1)とにかくヘルシーで女性人気は高い
しゃぶしゃぶは、肉料理といった位置づけでもありますが、野菜や豆腐なども同時に食べますので、他の料理などに比べると、カロリーが低くヘルシーです。
また、肉もお湯にくぐらせて食べるので油を使って焼く、揚げるといった料理方法よりも大幅にカロリーが抑えられます。
お肉を食べたいけれど、カロリーが気になるといった特に女性などに大人気の食べ物といえるでしょう。
(2)しゃぶしゃぶだけでも実はメニューが豊富
開業にあたり、しゃぶしゃぶ単一の料理だけでは、お客様にいつか飽きられてしまうのではないかといった不安感を持っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、しゃぶしゃぶ料理はしゃぶしゃぶというカテゴリーだけでも実はメニューが豊富といった側面があります。
お肉の種類だけでも、牛肉や豚肉、変わったところではラム肉のしゃぶしゃぶ専門店や、かにのしゃぶしゃぶ鍋など魚介類のしゃぶしゃぶもあるのです。
しゃぶしゃぶ専門店でもバラエティに富んだメニューを提供することが可能です。
(3)職人いらずのオペレーション
基本的にしゃぶしゃぶなどの鍋料理は、お客様自身が具材を料理しますので、調理法に関して特別な技術が必要というわけではありません。
もちろん、良い具材の調達や、特別な出汁、タレといった開発が必要なので料理人の腕が繁盛するかどうかの分かれ目にはなるでしょう。
しかし、一旦出汁やたれなどを開発すると提供までのオペレーションはそう難しくはありませんのでフランチャイズに適した料理といえます。
(4)出汁によるオリジナル感を出すことができる
鍋料理は単純な料理でオリジナル感を出すのが難しいといった意見を耳にすることがあります。
しかし、そのようなことはありません。
しゃぶしゃぶは出汁やたれといったものでオリジナル感を出すことが可能で、差別化を図った店舗展開を行うことも可能です。
フランチャイズによるしゃぶしゃぶ専門店の収益は?
では、実際にフランチャイズによりしゃぶしゃぶ専門店を開業した場合、どの程度の収益を想定出来るのでしょうか?
ここからはしゃぶしゃぶ専門店を開業した場合の収益面について解説します。
(1)客単価は4,000円程度と顧客層が多い
しゃぶしゃぶ専門店における一人あたりの客単価は4,000円程度とそこまでリーズナブルでもなく高級でもない客単価です。
つまり、多くの顧客層が利用しやすい金額で幅広い顧客層が期待できます。
安定した売り上げに期待が持てるといえるでしょう。
また、鍋料理の特徴として、ひとりで利用するお客様が少ないという点が挙げられます。
家族連れや会社の仲間など、一般的には4人以上で利用されることが多いので、1グループあたりの売り上げが多いのです。
まとまった1グループで同じ鍋料理を準備すればいいので、手間がかからない点も収益が上げやすい理由の一つといえます。
(2)利益率は20%を切る程度と飲食業の中では高い
しゃぶしゃぶ料理における利益率は一般的に20%程度だといわれています。
鍋料理は他の料理店と比較しても利益率が高いといわれていますが、理由のひとつが調理に手間がかからない点です。
料理の技術自体は必要ありませんので、そう料理人を揃えておく必要がありません。
また、具材の種類自体が多くない点や、そもそも調理場で調理する必要がないといった点などにより、利益率を高く設定することが可能です。
これもしゃぶしゃぶ専門店の収益性が高い理由の一つといえます。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
しゃぶしゃぶ専門店は売り上げが上がりやすく、利益率が高いということを解説しました。
では、フランチャイズに加盟して開業する場合、どのような初期投資が必要なのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟するためにかかるコストにはどのようなものがあるのでしょうか?
ここからは、しゃぶしゃぶ専門店を開業した場合の初期費用やランニングコストなどコスト面について解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
開業にあたっては、店舗の取得費用や改装費用などがかかりますので、ケースによっては2,000万円を超える費用が必要となる場合があります。
しかし、居抜き店舗などをそのまま利用することにより、低コストで開業することが可能です。
あるフランチャイズ本部が居抜きで開業した場合の費用について記載していますので表にまとめました。
30坪程度の居抜き店舗で開業した場合の開業資金の内訳は下記の通りです。
諸費用 | 金額 |
店舗譲渡金額 | 50万円 |
改修費用 | 100万円 |
居抜き設備償却額 | 580万円 |
食器など | 40万円 |
調理器具 | 14万円 |
ホール用品 | 30万円 |
販促費 | 30万円 |
準備費用 | 30万円 |
備品 | 20万円 |
予備費 | 30万円 |
計 | 930万円 |
居抜き店舗を利用することにより、1,000万円を切るコストでの開業も可能ですので効果的といえるでしょう。
(2)加盟店料やロイヤリティは?
フランチャイズに加盟して開業する場合、自主独立で開業する場合と違い加盟店料が必要です。
加盟店料とは、フランチャイズ本部に加盟する入会金で、費用は加盟するフランチャイズ本部によって異なります。
しゃぶしゃぶ専門店の場合、一般的には200万円~300万円程度の加盟店料が必要です。
中にはもっと加盟店料がかからない本部もありますので、複数の本部から話を聞きましょう。
ロイヤリティは、フランチャイズに加盟することにより、本部の看板や仕入れ先、経営ノウハウを利用できるのですが代わりにロイヤリティという使用料を支払います。
ロイヤリティもフランチャイズ本部によって異なり、中には全くかからない場合もあるのです。
これも複数のフランチャイズ本部から話を聞き、ロイヤリティを比較しましょう。
フランチャイズに加盟するまでの流れ?
実際にフランチャイズ本部に加盟し開業する場合、どんな手順が必要なのかが気になる点です。
ここからは、しゃぶしゃぶ専門店の開業を決め、フランチャイズに加盟してオープンするまでの流れについて解説します。
(1)フランチャイズ本部の選択や説明会の参加
まずは、どのフランチャイズ本部に加盟するかの本部選びから始まります。
資料の請求や、本部が開催する説明会に参加し、フランチャイズに加盟して受けられるサポートや、加盟店料やロイヤリティを確認しましょう。
複数のフランチャイズ本部から比較することによりどの本部に加盟するかを決定することをおすすめします。
(2)加盟店契約の締結と契約金の支払い
加盟店を決めると、すぐに加盟店契約ができる訳ではありません。
フランチャイズ本部でも加盟における審査があり、審査に合格することで加盟店契約を締結することができます。
審査に合格し加盟店契約を締結する際に、加盟店料などの契約金を支払いますので、まとまった資金をあらかじめ準備しておきましょう。
(3)店舗探しと資金計画の作成
オープンに向けて店舗探しを行います。
本部によってはあらかじめ居抜き店舗などの情報を提供する場合や、開業しやすい店舗を紹介するケースもあります。
めぼしい店舗を見つけると、かかる資金などについて資金計画を立て、自己資金で賄えない場合は金融機関の融資が必要です。
漏れのないしっかりとした資金計画を立てなければいけません。
(4)店舗決定・改装と研修
店舗が決まると、オープンに向けた改装工事を行います。
改装工事はまっさらな店舗と居抜き店舗では工事期間も異なりますので、工事期間によってオープンの日程を決めましょう。
工事期間の間に社員の募集や研修などによりフランチャイズ本部の経営ノウハウを学ばなければいけません。
(5)店舗オープン
改装工事や研修が終わるといよいよオープンです。
早めの黒字化を達成するためには開業当初が肝心なので、慣れないながらもしっかりとしたおもてなしの態勢を整えておきましょう。
フランチャイズでしゃぶしゃぶ専門店を開業するメリット
フランチャイズに加盟すると、コストが余分にかかることを前述しましたが、なぜフランチャイズに加盟して開業する人が多いのでしょうか?
フランチャイズに加盟して開業することにより、さまざまなメリットを受けることができるからです。
ここからはフランチャイズに加盟することによるメリットについて解説します。
(1)秘伝の味を受け継ぎ、職人が必要ではない
フランチャイズに加盟することにより本部の成功ノウハウや調理方法などを利用できる点です。
成功した秘伝の味を受け継ぎ、自分の経営する店舗で提供することができます。
そしてしゃぶしゃぶ専門店は、そもそも出汁やたれが開発できていれば、日ごろのサービスにおいて腕がある職人が必要というわけではありません。
職人のコストを減らし、かつ秘伝の味を受け継ぐことができる点がメリットといえるでしょう。
(2)単一のメニューで勝負できる
さまざまな鍋料理メニューがあるのが良いこともありますが、しゃぶしゃぶのみでも十分勝負ができる点がメリットとして挙げられます。
単一商品でもフランチャイズのしゃぶしゃぶ専門店が50年近く開業している事例があることが理由の一つです。
また、しゃぶしゃぶ専門店が他の鍋料理店と比較すると開業している店舗が多いことも挙げられます。
単一メニューによりコストの軽減化などが計れますので、これもメリットといえるでしょう。
(3)心配事も担当者に相談できる
フランチャイズに加盟して開業し経営者となりますのでさまざまな局面で大きな判断を下さなければいけません。
その際、誰かに相談しながら最終的な判断をしたいものですが、経営者の悩みとして相談相手がいないことが挙げられます。
従業員などはそもそも立場が異なりますので経営者の立場となった意見は持っておらず、周りの人に相談がなかなかしにくいのです
しかし、フランチャイズに加盟することで、担当者に心配事を相談することができます。
現状を理解している担当者に相談することでより現実的で的確なアドバイスが期待できるでしょう。
これも大きなメリットして挙げられます。
フランチャイズでしゃぶしゃぶ専門店を開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズに加盟することはメリットばかりではなくコストがかかるほかにも注意点があります。
ここからはフランチャイズに加盟し、開業する問題点について解説しましょう。
(1)自由に経営ができるわけではない
フランチャイズ本部に加盟することは成功ノウハウを利用できる反面、自由に経営できないという点がデメリットとして挙げられます。
基本的にフランチャイズ店舗を営業するということは営業方針や商品などすべて本部の意向に沿った経営を行わなければいけません。
例えば営業時間を自分たちの都合に合わせることや、店休日などを勝手に設けたりすることは基本的にはできないのです。
自由に経営ができない点はデメリットといえるでしょう。
(2)自分の味で勝負ができない
フランチャイズに加盟して経営する店舗においては提供するメニューも決められています。
勝手にオリジナルの商品を出すことはできません。
あらかじめ決められたメニューを決められた手順によってつくり、お客様に提供しなければいけませんので、独自の味で勝負することはできません。
先程の自由に経営ができないことと同じなのですが、フランチャイズ本部の意向に沿った経営で加盟店は横並びのやり方での経営が求められています。
そのため、メニューも勝手に別の商品を提供できないのです。
自分が勉強してきた味で勝負できない点も、料理の腕に自信がある人がフランチャイズに加盟して開業するのはデメリットになるでしょう。
(3)本部の不祥事に影響されやすい
フランチャイズに加盟することで加盟店は本部の看板や屋号を使用して開業することができます。
そのため、開業時には一定の知名度がありますので、宣伝広告費にお金を投下する必要がありません。
ただし、本部や他の加盟店が不祥事や悪評をたたせてしまった場合、その影響が自分のお店にも及ぼすことがあります。
同じ屋号ですので経営母体が違うことは、一般のお客様にはほとんどわかりません。
自分達はまじめにきちんと経営したとしても本部や他の加盟店の不祥事に影響されやすい点もデメリットとして挙げられます。
まとめ
しゃぶしゃぶ専門店は、女性にも人気で知名度も高い鍋料理であるしゃぶしゃぶを専門に開業します。
利益率も高く、単価も手軽な点から開業しやすい飲食店のひとつといえるでしょう。
開業資金も、居抜き店舗などを利用するなどによりコストを抑えることも可能です。
また、フランチャイズに加盟することで本部によっては居抜き店舗も情報や開業しやすいエリアの店舗情報などを把握しています。
フランチャイズに加盟して開業することによりさまざまなメリットが得ることができる一方、注意点や問題点もありますのでこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか?