フランチャイズの理容院の開業届出や初期費用・難点と失敗を避けるコツも解説

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フランチャイズ 理容院

身だしなみの重要性により、理容院には大きな需要があります。

そして今は、介護事業所などでなかなか散髪には行くことのできない利用者による、需要も増えてきています。

また雇われで理容業に従事している人などの中には、理容業独立開業を目指す人も増えてきています。

一方で理容業も自身のみの開業では、なかなかなじみの顧客を獲得できにくいなど容易ではない業種です。

ですがフランチャイズによる方法にて、本部のブランド性で集客できやすいなど、経営を維持できやすくなる方法もあります。

今回はフランチャイズと理容院について、理容業界の特徴や、フランチャイズで開業するメリットなどに触れながら解説します

投稿者・コラム執筆者

フランチャイズの理容院の年収

フランチャイズの理容院年収は、一般的に450万円を超えやすいともいわれています

そして高価格のヘアケア商品をうまく販売でき、高回転率を維持できると、600万円以上を目指すことも可能です。

また2店舗目以降を開業でき、従業員を技術アップし顧客を増やせると、1,000万円の可能性もあります。

下積み時代や出張理容をマイペースで進めるなどのケースでは、300万円程度もあります。

高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。

  • 低価格カットで、高回転率を目指す
  • アクセスしやすくもあり、リーズナブルな経費の物件を選ぶ
  • カットの技術や、ヘアケア商品の販売力を上げる
  • 会話などから、顧客の感性や希望をつかむ
  • 連絡などをはじめとした行動を、迅速にとる
  • 自分が苦手な分野の営業支援が充実している本部を選択する など

初期費用とロイヤリティなどの費用

(1)初期費用

初期費用として一般的に、250~300万円程度要します

そして都心の一等地を選んだり、最初からより高度な道具などを新品調達したりすると、1,000万円程度要する時もあります。

一方で出張対応として無店舗開業にすると、90万円程度や初期理容材費のみのところもあります。

【初期費用内訳】

  • 加盟費
  • 保証費
  • 研修費
  • 初期物件取得費
  • カット用イス費
  • 什器費
  • 初期消耗品費 など

出張理容で加盟金と保証金、そして研修費もゼロのところもあります。

(2)ロイヤリティ

変動制:5~10%程となっています。

定額制:7万円程となっています。

ロイヤリティが、ないところもあります。そしてロイヤリティに加え、空気清浄機リース費月額1万円がかかるところもあります。

理容業界の特徴

理容業界には、次のような業界特徴があります。

(1)1,000円床屋の普及

今ほぼ1,000円で、カットのみする理容店が普及してきています。

もちろんカットのみでなく、別途料金でシャンプーも可能です。

1,000円丁度でなく、800~1,500円の価格設定になっているところもあります。

1,000円であっても、早いケースでは1カット10分程度で終わる時も少なくないので、利益率が高い傾向にあるわけです。

(2)すぐにはカット業務を任せてもらえない

理容業界では、基本的に利用免許を取って理容店へ就職します。

一方で、すぐにカットをできるようになるわけではありません。

掃除とシャンプー補充などの仕事や、アシスタント業務とカット練習などを経て、カットできるまで2年もしくは2年以上かかることもあります

(3)男性客の動向変化

今は男性も、頭髪に気を遣う傾向が出てきています。

そして20代男性の半数程度が、美容室を利用している数値もあります。

よって、理容業界も若者顧客を取り入れるには、おしゃれな髪型に仕上げる意識が必要です。

(4)理容師の減少傾向

理容業界では例えば、店によってシャンプーの仕方が大きく違うなど、業界でのスキル統一性に欠ける傾向もあります。

基本スキルがあれば勤務先を簡単に変える考え方には至りにくいです。

最初や2番目の就職店舗が合わないと、理容師そのものを辞める人も少なくありません。

(5)出張対応の重要性

慢性的な高齢化により、介護事業所の利用者は増えてきています。

介護事業所では、利用者が直接散髪に行けにくいのはもちろん、職員も多忙によりなかなか散髪に連れて行くことができません。

よって、出張対応による理容の需要も増加傾向にあります。

理容院と美容院の違い

理容院と美容院には、次のような違いもあります。

(1)免許の違い

まず免許の段階で美容師には「美容師免許」、理容師には「理容師免許」がそれぞれあります。どちらも専門学校や通信教育を経て、国家試験を受けます

(2)定義と業務内容

①理容

理容はカットやシャンプーと顔そりなどの方法で、容姿を整えることです。

②美容

美容はカットやカラーとまつエクなどの方法により、容姿を美しくすることです。

美容師は法律により、かみそりでの顔そりは許可されていません

一方理容師は、女性客にパーマを当てることを許可されていません

この事情で、美容師免許を取得しようとする理容師、理容師免許を取得しようとする美容師も増えてきています。

フランチャイズによる理容院の開業手順

(1)資料を取り寄せる

まず資料を取り寄せ、フランチャイズビジネスの方針を理解します。

(2)面談と見学

目指す収益や理容院運営イメージなどについて、時間をかけて話し合います。

実際の加盟店舗へ、視察をできるところもあります。

(3)加盟申込

加盟契約申込をして、加盟と契約に向けた最初の段取りをします。

(4)物件段取

最重要段取りの1つともいえるのが、物件です。加盟希望者の希望や、本部の過去出店データなども鑑みて決めます。

(5)契約

物件についてある程度定まってきたら、正式な契約手続きに進むところもあります。

(6)開業プラン作成

物理的な開業準備のため、プランを作成します。開業当初から融資を活用するケースでは、融資段取にも着手します。

(7)店舗準備

店舗内装外装工事や、イス設置など物理的準備をします。清潔感や使いやすさも、意識します。

(8)スタッフの手配

最初から従業員を雇うケースでは、スタッフ手配もあります。スタッフは、ただ免許があれば良いわけではありません。本部も厳正な審査をします。

(9)保健所段取

保健所へ、開設申請手続きをします。容易な手続きではないので、本部と密に確認をとりながら進めたいものです。

(10)研修

本部による研修が、あるところもあります。長年の業務経験に基づき、複雑なケースの対応方法や不便点を防ぐ予防措置などもあり、非常に参考になります。

理容院開業のための届出

理容院開業には、保健所への段取りが必要です。

(1)準備書類

まず、次の書類を準備します。

  • 必要事項を記した開設届
  • 施設概要平面図
  • 施設周辺地図
  • 理容師全員の理容師免許証原本
  • 理容師各々の医師の診断書
  • 法人のケースでは、履歴事項全部証明書

届出用紙は、保健福祉センターにあります。従業員が2人以上のケースでは、管理理容師が必要となります。

そして上記書類に加え、管理理容師講習会の修了証書も必要です。

(2)提出

上記書類を準備し手数料16,000円程も添えて、保健所窓口へ提出します。

(3)検査と通知

保健所職員が検査をします。そして特に問題がなければ、提出から1週間程度で検査確認済通知書が交付され、法的には営業可能な状態になります。

※スムーズな段取りのためには、保健所へ事前に相談しておくことがおすすめです

フランチャイズで理容院を開業するメリット

フランチャイズの理容院では、次のようなメリットもあります

(1)景気に左右されない

散髪は、基本的な身だしなみとして多くの人が必要とします。

そして、幅広い年齢層の人が顧客対象となります。よって低価格カットのケースでは、景気の状況に関わらず需要が高い傾向にあります。

(2)小スペース開業も可能

9坪の小スペースで、始められる時もあります。よって開業に適する場所を見つけられやすいだけでなく、初期物件費用と月額家賃の節約につながります。

初期物件費用節約はもちろん、月額家賃は1万円でも安いと、特に開業当初では月別収益にとって好都合となります。

(3)リピーターを得やすい

経営維持だけでなく繁盛のためには、リピーターの獲得が必要不可欠です。

一方でビジネス一般に、一見の顧客獲得はもちろん、リピーター獲得はさらに容易ではありません。

ですがフランチャイズでは、低価格にも関わらず高品質サービスなので、リピーターを得やすい傾向にあります。

(4)実績の高い広告方法

顧客獲得のために、広告は重要です。そして経営者はなるべく、効率的に広告できたいものです。

一方で広告方法は複数あり、効率的な広告は容易でなく、広告費用も軽視はできません。

媒体の選び方や出すタイミングなど、高精度な広告方法が重要です。

ですがフランチャイズでは、成功実績に基づいた広告方法をアドバイスします。

(5)出張に対応可能

介護事業所などで、出張理容の需要がある旨は上記で述べています。

一方で介護事業所などにて、車いすやベッド使用で理容するには、特殊な道具などが必要な時もあります。

準備金にそれほど余裕がないケースでは、なかなかスムーズに調達できにくい傾向もあります。

ですがフランチャイズでは、出張利用に対応できやすいよう本部が道具を準備しているところもあります。

(6)無店舗営業が可能

出張理容のケースでは、無店舗営業が可能なところもあります。

よって経費節約につながるだけでなく、早い加盟と業務開始にもつながります。

なるべく早く業務を開始して、少しでも収入を得たい人にとっては好都合といえます。

(7)効率的な商材仕入

理容業には、シャンプーやシェービングジェルなどの商材も重要です。

一方で高品質な商材は、自身での経営では入手困難な時もあります。

ですがフランチャイズでは幅広い購入ルートにより、安定してかつ幾分か安価にて仕入が可能なところもあります。安定した運営だけでなく、収益にとってもプラス材料といえます。

(8)熟達者でなくても可能

理容というと、最初から高度なテクニックが必要なのではと懸念する人もいるでしょう。

一方でフランチャイズでは、本部による技術研修などの研修があります。

よって幾分かの利用業界経験者はもちろん、理容未経験でも参入可能な時もあります。

(9)営業支援

いくら高品質商材や集客力の高い販促ツールなどがあっても、自分はどうも営業が苦手という人もいます。

一方でせっかく理容師としてのテクニックは高くても、宝の持ち腐れになります。

このようなケースでなかでも出張理容業において、ある程度得意施設をもてるまで、本部が密に営業支援をするところもあります。よって、参入しやすいともいえます。

(10)ハイテク道具の導入

支払いに、券売機を導入しているところもあります。そして券売機が、インターネットやパソコンとつながっているところもあります。

よってレジ業務の人材は不必要で、売上や顧客管理用データ作成の手間も省けます。

フランチャイズで理容院を開業するデメリット

フランチャイズの理容院には、次のようなデメリットもあります。

(1)Web広告利用料

フランチャイズでは、月額費用に本部の販路促進サービス利用料があるところもあります。

一方でこの本部の販路促進サービスは、加盟者の中での自分自身の店舗実績と評価が上がってきてやっと、集客に効果が出る時もあります。

よってまだ思ったような売上でない間は、重い経費と感じる時もあります。

(2)経費の方針で溝

経費節約の重要性は、本部加盟者共に認識しています。

一方で加盟者にとっては重要ながら、本部としては不必要に思える経費があることもあります。

例えば照明にこだわりをもち、高品質な電灯を使う人もいます。

ですが本部としては、経費削減のためにランクを落とした電灯を使って欲しいとします。

このように経費をめぐって、考え方に溝があると不便点となります。

(3)2店舗目の方針

1店舗目の運営が順調になってくると、2店舗目を出店する話になることもあります。

一方で2店舗目について、出店場所や店運営方針で考え方が合わないとします。

こうなると出店が遅くなるだけでなく、現状関係性にも不穏な空気が生じます。

理容院の難点と失敗を避けるコツ

(1)カット以外も重要

カットのみなら、低価格のフランチャイズ理容店もあります。

一方でより多くの収益を目指すにはヘアケア商品など、プラスアルファの商品やサービスでの売上も重要です。

これらプラスアルファ売上のためには、幾分か高価格製品やサービスについての、知識や使用法説明を自然な感じにできるよう練習しておくことも重要です。

(2)集客努力

本部は、ホームページ作成やチラシ作りなどの集客サポートをします。

一方で、加盟者自身の集客努力も大切です。

例えばエリア別のポータルサイトへの登録はもちろん、最も顧客と接する加盟者が、顧客の感性を的確に理解することはより重要です。

そして顧客の感性は、顧客の持ち物や顧客との会話の中に埋もれていることもあります。

顧客が言葉で発する前に察知して、行動できるようにもなりたいものです。

(3)出張理容の規制

出張理容には、実は規制があります

介護事業所などは規制対象外ながら、基本的に届出を出した店舗以外では、理容行為をしてはいけないことになっています。

他の場所では、衛生面で劣る懸念があるためです。よって念のため出張理容先が規制に当たらないか、本部に確認しておくこともおすすめといえます。

(4)トラブル対応

理容店では、様々な想定外のトラブルが起きる可能性もあります。

薬剤などで顧客の皮膚がかぶれるはもちろん、従業員のやむを得ない事情による失敗で、店舗設備などが破損する可能性もあります。

このようなケースに備え、各種保険への加入もおすすめといえます

(5)資金確保

ある程度運転資金にゆとりをもって開業しても、想定外の経費が必要になる傾向もあります。

スタッフを抱えていると、特にこの傾向もあります。

一方で経営維持のために、日本政策金融公庫の各種融資や雇用維持のための助成金などもあります

助成金実現には時間がかかるので、前もって考え書類作成などが大切です。

(6)女性客の集客

女性も、低価格カットを利用する傾向にあります。

一方で店の雰囲気や男性客の数によっては、女性客にとって入りにくい状況もあります。

これでは、せっかくの見込み客を逃してしまいます。

よって女性客も取り込みたいケースでは内装状態や、なるべく男性と顔を合わせないで済むようにするなど、措置が大切です。

(7)勉強会へ出席

フランチャイズ本部が必ずしも、最新でどこの店舗でも当てはまる知識や知恵をもっているとは限りません。

一方でフランチャイズでは、様々な研修会や勉強会を開くところもあります。

このような研修会や勉強会にて、情報や対応方法なども学んでおきたいものです。

まとめ

ここまで、フランチャイズと理容院について考察してきました。

押さえておきたい点は、理容院開業のための届出や理容院業の難点と失敗を避けるコツです。そして、理容院業界の特徴もポイントといえます。

理容業、なかでも出張理容の需要は高まるでしょう。カットの技術を上げ、接客精度も高め、客足の絶えない理容店で成功なさってください。


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