フランチャイズで特殊清掃業を開業する手順・業務内容や許可と失敗を避けるコツも解説
高齢化が着実に進む中、孤独死する高齢者が少なくありません。
そして、凶悪な事件が後を絶ちません。この社会現象の中、特殊清掃業の需要が高まってきています。
この機運の中、特殊清掃業で生計を立てていこうと目指す人も増えてきています。
一方で特殊清掃業開業は、自力では仕事をなかなか進めにくい傾向もあります。
ですがフランチャイズ加盟にて、特殊清掃業を開業すれば、比較的仕事を進めやすくなる方法もあります。
今回はフランチャイズと特殊清掃業について、業務内容やフランチャイズで開業するメリットなどに触れながら解説します。
目次
フランチャイズの特殊清掃業の年収
フランチャイズ特殊清掃業の年収は、一般的に400~500万円程度といわれ、開業から起動にのるまでは300~400万円程度ともいわれます。
そして高報酬の仕事を取れるようになると、600~800万円程度になる可能性もあります。
【高報酬のコツ】
- 短時間で済ませられるように、技術を上げること
- 精神的に強くなり、様々な仕事をこなせるようになること
- 許可や資格を取って、高報酬の仕事を取れるようになること
- アパートやビル単位での、仕事を取れるようになること
- 急な案件にも対応できるよう、時間を確保できるようになること
- スタッフを上手に管理し、自分の指示で同時に複数の仕事を進められるようになること
初期費用とロイヤリティなどの費用
(1)初期費用
初期費用として標準的に、200万円程度かかる傾向があります。
一方で安価なケースでは、100万円程度で済むこともあります。
そして、加盟金が不要な時もあります。
【初期費用内訳】
- 加盟費
- 保証費
- 研修費
- 道具準備費
- ホームページ作成費 など
(2)ロイヤリティ
定額制:月額3万~30万円程となっています。
1県、1加盟者限定募集で、加盟者のビジネスエリアを保護しているところもあります。
特殊清掃業の業務内容
特殊清掃の業務には、次のような内容があります。
(1)一般的な家庭の特殊清掃
一人暮らしのご高齢の人が、自力では家の掃除が困難なので依頼することもあります。
長期間使用していなかった部屋や納屋を清掃する時もあり、一般的な家庭とはいえ、容易ではないケースもあります。
(2)体液や汚物の除去と洗浄
高齢者の孤独死や自殺などがあった部屋では、血液や体液と汚物などの除去と洗浄があります。
そしてこれらの物質が畳の間にまで浸透しているケースでは、畳やコンクリートの交換作業をすることもあります。
(3)厄介な家財道具撤去
体液や汚物などが付着した家財道具を運び出す際には、運ぶ途中に体液や汚物などが落ちて、臭いがついてしまう懸念があります。
もし臭いがついたら、二度手間になるので、手順の慎重さと運び方の技量が必要です。
(4)ネズミなどの虫駆除
数年間使っていなかったアパートをリフォームなどするケースでは、害虫駆除をすることもあります。
数匹程度のネズミなら容易に駆除できるでしょうが、想像を絶する量の害虫を駆除するケースもあるので、大変なこともあります。
(5)カビ除去
長期間使用していなかった浴室には、強力で大きなカビが付着していることもあります。このようなケースでは特殊なカビ除去剤を散布して、ラップをします。
そして数十分から1時間程度放置した後、シャワーやブラシで除去する方法もあります。
(6)消臭消毒や除菌作業
強力な悪臭処理も、重要です。悪臭がフローリングや壁紙などに染みついているケースでは、剥がして張り替えることもあります。
さらに強力な悪臭の時には、高濃度オゾン脱臭という特殊な方法で、消臭や除菌をする方法もあります。
(7)工場掃除とオフィス掃除
数年間使用していなかった工場やオフィスを、再度使用できるよう清掃作業をします。
カビ除去やゴミ出しなどのほかに、必要なケースでは特殊コーディングをすることもあります。
(8)生前整理や遺品整理
入院中の人が自分の死後、遠方在住の親族や他人様に、手数をかけたり迷惑をかけたりしたくないと考え生前整理を依頼する人がいます。
そしてどなたかが亡くなった後、家族や関係者だけでは手が足りない時に、依頼することもあります。
上記は、特殊清掃の業務内容の一部です。
フランチャイズによる特殊清掃業開業の手順
フランチャイズでは、次のような手順で特殊清掃業を開業します。
(1)問い合わせと事業方針理解
まず詳しい話を聞いてみたい、フランチャイズ本部へ連絡をします。
そして資料や説明会などで、フランチャイズ事業内容を認識します。
(2)面談
清掃の業務内容や収益など、加盟について話を進めます。実際の加盟者の清掃を、見学できる時もあります。
(3)申し込みと審査
面談で合意できれば、正式な加盟申込と審査となります。この段階から、開業エリア選定に着手するケースもあります。
(4)開業エリアの確定
開業エリアを選定並びに確定し、事業所所在地も決定します。
(5)契約と加盟
契約書に署名と捺印し交付をして、加盟となります。
(6)スタッフ段取り
必要に応じて、この段階でスタッフ段取りをすることもあります。
(7)研修
業務内容や仕事の進め方について、研修をします。スタッフ管理についての内容を、含むところもあります。
(8)道具調達
特殊清掃に必要な道具を調達して、開業の物理的準備は完了します。
(9)営業同行
本部の営業スタッフに同行して、自身も営業の方法を勉強しておくところもあります。
(10)開業
(1)~(9)の段取りをこなし、晴れて開業となります。
取得がおすすめの許可や資格
特殊清掃業務は、法に触れる可能性のケースもあるので、許可や資格の取得もおすすめです。
(1)内装仕上工事業
壁紙の張替え作業などがあり、料金が消費税込500万円以上になるケースに備え、内装仕上工事業許可取得も考慮しておいた方がよいでしょう。
(2)古物営業許可
業務上で得た物品を、リユース品として販売しようと考えるケースでは、古物営業許可が必要です。
以下の資格ももっていれば、アピール材料にはなります。
(3)事件現場特殊清掃士
特殊清掃の薬剤などに関する正しい知識を、もっていると解釈されます。
(4)建築物清掃業登録
都道府県に認められた業者と、解釈されます。
(5)建築物ねずみ昆虫等防除業
ねずみなどの虫処理についての、知識を勉強していると解釈されます。
(6)脱臭マイスター資格
脱臭や消臭に関しての、専門的な処理方法を知っていると解釈されます。
(7)遺品整理関連資格
生前整理や遺品整理の仕事も取りたいと考えるケースでは、能力を示す資格になります。
上記は、資格の一部です。そして本部が既に取得していて、加盟者自身は取得の必要がないかもしれませんが、考慮しておきたいものです。
フランチャイズで特殊清掃業を開業するメリット
フランチャイズ開業で、次のようなメリットがあります。
(1)屋号
特殊清掃について問い合わせる側は、知り合いに聞いたりネット検索したりする傾向もあります。
ここで問い合わせを取る際に、フランチャイズの有名な屋号が、問い合わせの決め手になる時もあります。
よって、有名な屋号を使えることは強みの一つです。
(2)法人に営業をかけてくれること
特殊清掃ではアパートやビル単位で仕事を取れると、大きな報酬になる傾向があります。
一方で自身では、このような大きな仕事を取ることは容易ではありません。
フランチャイズでは本部が不動産会社などの法人へ営業をかけて、大きな仕事を取るところがあるので助けになります。
(3)未経験からも可能なケースもあり
専門技術や仕事の進め方について、本部がサポートするところがあるので、特殊清掃業未経験者も開業できるケースがあります。
(4)特殊な洗浄剤を入手できること
特殊清掃業に、洗浄剤は非常に重要です。フランチャイズでは、本部オリジナルの強力な企業秘密洗浄剤を使用しているところもあります。
そして自身のみの営業ではなかなか入手しにくいような、商材などを入手できるところもあり、便利です。
(5)強大な資格を取得していること
特殊清掃には、様々な資格があります。資格があると仕事を取る際に、利用者へのアピール材料になります。
一方で特殊清掃の資格には、取得に数年かかるものもあります。
ですがフランチャイズでは、既に取得が困難な資格を有しているところがあり力強いです。
(6)建設業許可を要する仕事を取れること
特殊清掃では実質解体のような作業があり、上記でも記しているように、建設業の許可を取得していた方がよい業務もあります。
一方で、建設業の許可取得は容易ではありません。フランチャイズでは、この許可に関わる業務を受けられるところもあり、仕事の幅が広がる傾向もあります。
(7)ホームページ宣伝戦略
フランチャイズでは、強力なSEO施策のある本部のホームページに、加盟店として自分のページをもてるところもあります。これは、集客に効果的です。
(8)初期費用リスク
特殊清掃業はフランチャイズ業の中では、初期費用が安価な傾向もあるので、初期費用リスクが低いともいえます。
(9)スタッフ手配
特殊清掃では、自分一人では処理しきれない大きな家財道具などを、運び出す時もあります。
このようなケースでもフランチャイズでは、提携業者に連絡をして、人を確保可能なところもあります。
次の内容は、特殊清掃で一般的にもいえることです。
(10)一人開業も可能
最初は小規模から始めてみたいケースでは、自身のみでの開業も可能なところがあり、仕事を進めやす時もあります。
慣れないうちにスタッフを抱えると、保険手続きなどをはじめ、手間のかかる仕事も全て一人でやらなければいけません。
特殊清掃業の難点と失敗を避けるコツ
(1)想像を絶する現場
特殊清掃では、血液や体液が部屋中に散らばっていたり、数えきれないほどの害虫などが辺り一面に広がっていたりする現場もあります。
このようなケースでも、要領よく限られた時間内に済ませる必要があります。
よって、強靭な精神力が必要です
(2)顧客の物品を破損してしまうこと
業者側は、様々な懸念事項を常に考えながら、業務に臨むでしょう。
そして本部も研修時に、注意事項を指導するでしょう。それでも想定外の弾みで、顧客の所持品や建物などを破損してしまう可能性はゼロではありません。
このようなリスクに備え、損害賠償保険に加入しておくことがおすすめといえます。
(3)顧客に前もった断り説明
特殊清掃現場には、様々な菌がいて感染症のリスクがあります。
そして、強い臭いを放つ薬剤や洗浄剤も使う傾向にあります。これが原因で、顧客が作業中に現場へ来て、感染症にかかったり体調を崩したりする可能性があります。
よって作業内容によっては、顧客に前もって、作業が終わるまで現場への立ち入りを控えて頂く旨も説明しておいた方がよいでしょう。
そして自分自身や、スタッフも感染しないように注意が必要です。
(4)本部との兼ね合い
本部によっては、自社考案による洗浄剤や薬剤などの使用を、指定するところもあるでしょう。恐らく、使い勝手の良い商材でしょう。
一方で業務を進めていくうちに、自分なりに何か別の商材などを見つける可能性もあります。
このようなケースで商材含め、自分の考えや方法が本部に承認されるのか否か、加盟時に確認しておきたいものです。
上記(1)~(4)に加え、一般社団法人事件現場特殊清掃センターのような存在も、相談先として考慮しておくことがおすすめといえます。
まとめ
ここまで、フランチャイズと特殊清掃について考察してきました。
押さえておきたい点は、業務内容や許可と資格です。そして、フランチャイズで開業するメッリトもポイントといえます。
特殊清掃業は、今後も需要は衰退しないでしょう。清掃技術を培い、高報酬の仕事を取れるようになり、特殊清掃業を成功なさってください。