フランチャイズのプログラミング教室は儲かる?収益やコストを解説
今後、これから非常に大切なスキルになるといわれているのがプログラミングの分野です。
プログラミング能力を身につけることができると、日本国内だけではなく世界各国で活躍できる可能性を秘めています。
そのためプログラミング教室を開校する人も多く、その中でもフランチャイズに加盟し多くの人が開業しているのです。
では、実際にフランチャイズに加盟しプログラミング教室を開校する場合、収益性やコストはどのくらいなのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟することによるメリットや注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事ではフランチャイズによるプログラミング教室の開業について解説します。
目次
フランチャイズによるプログラミング教室の市場規模や将来性50名
まずは、プログラミング教室の市場規模や将来性を分析し、開業しても安定して長期間にわたり経営できる市場なのかを分析しておかなければいけません。
ここからはプログラミング教室の市場規模や将来性といった点について解説します。
(1)2020年プログラミング教育の必修化により需要は高くなっている
2020年にプログラミング業界にとって大きな追い風となることがありました。
それはプログラミング教育が小学校で必修化されたのです。
文部科学省が示す「学習指導要綱」の改訂によります。
このような変化により学校での取り組みによってタブレットの普及などが身近にプログラミングを感じる機会が急速に増えているのです。
必修化はパソコンを使いこなせるようになるだけではなく、プログラミング的な思考を備える目的でもありますが、今後の需要が大きく期待される分野といえるでしょう。
(2)市場規模も年々拡大し、300億円を越える規模となる
このような学校の変化に伴っている点や、そもそもここ10年程度、インターネットの急速な普及などにより、プログラミング業界は順調に市場規模を拡大してきました。
2018年では90億円程度の市場規模でしたが2020年には140億円程度まで市場規模を拡大しています。
先ほど2020年にプログラミング教育が小学校で必修化されたと述べましたが、2021年には中学校、2022年には高校も必修化されることも追い風です。
2025年の想定では300億円を超える市場規模になるとも想定されていますので将来性は非常に高いといえる業界といえます。
(3)教室の数も今後の需要に伴い増加
市場規模がどんどん増加しているということに繋がり、プログラミング教室などの数も年々増加傾向です。
ある市場調査の資料によると、2013年には700室前後だったプログラミング教室の数ですが、2018年には5,000室と5年間で7倍以上の伸びを示しています。
さらに2023年予想では11,000室を超えると想定されているのです。
これは、プログラミング教育が必修化されることを受け、幼児用や子供用の教室が増加することが原因といえるでしょう。
フランチャイズによるプログラミング業の収益は高い?
プログラミング教室は需要もどんどん増加しており、将来性が高いことが分かります。
では実際にフランチャイズによってプログラミング教室を開校した場合、どの程度の収益を上げることができるのでしょうか?
ここからは、プログラミング教室を開校した場合の収益性について解説します。
(1)最も大きなポイントは集客 効率的な集客方法が求められる
まずプログラミング教室の経営は授業料を徴収することで、収益を上げる必要があります。
つまり収益を上げるためには生徒数を増やすことが最も大きなポイントとなります。
集客の方法を、あまり経費をかけずに効果的に行うことが安定経営の第一歩といえるでしょう。
例を挙げるとHPやSNSの活用などの他、折り込みチラシの作成や、教室があるエリア近辺でのチラシ配りなども地味な作業ですが効果的です。
さらに、一定の集客ができるとそこから口コミで生徒数が増えることも考えられますので、収益アップと生徒数の関連性をしっかり理解しておきましょう。
(2)法人とのタイアップによるスクール開催も効果的
プログラミングは、何も子供だけが必要なわけではありません。
社会人にとっても非常に必要でパソコンなどがうまく使えないまま社会に出るとさまざまな面で苦労することになります。
いわゆる出世競争においても出遅れ感を感じるかもしれません。
さらに法人もほとんどの社員がパソコンを使えるようになると大幅な業務効率化に繋がりますのでパソコンを使いこなすことを望んでいます。
このような背景をうまく利用し、法人などとタイアップし、法人向けのプログラミングセミナーを開催して社会人層を取り込む動きも収益性のアップに効果的です。
(3)顧客数から見る収益モデル
では実際にどの程度の生徒を集めると、どの程度の収益を上げることができるのかといった点について触れてみましょう。
あるフランチャイズ本部が提示している収入部分を表にまとめました。
生徒数 | 30名 | 50名 | 70名 |
年間レッスン料 | 4,680,000円 | 7,800,000円 | 10,920,000円 |
年間教室使用料 | 720,000円 | 1,200,000円 | 1,680,000円 |
セミナー等年間収益 | 315,000円 | 525,000円 | 735,000円 |
計 | 5,715,000円 | 9,525,000円 | 13,335,000円 |
一般的に毎月のレッスン料が13,000円程度と教室の利用料が2,000円程度で算出しています。
やはり生徒数が増えると収入部分が大きく増えるといえるでしょう。
しかし、生徒か増えてしまうと、広い部屋を借りる必要があり経費面で負担になりますので、借りている部屋の最大収容人数に合わせた生徒数を集客しましょう。
(4)複数経営で1,000万円超の年商も可能
生徒数があまり増えすぎても部屋の規模によっては集客が限られてしまう場合があります。
ある程度一定の需要をその教室で集めることができましたら他のエリアへの出店を考えてはいかがでしょうか?
複数のプログラミング教室を開校することにより、収益性は大幅に上がります。
さらに、一方の教室が上手く運営できなくとももうひとつの教室で収益をカバーできるケースもあり、複数経営することで経営基盤をより強くすることも可能です。
順調に複数店舗を開校できると1,000万円といわずそれ以上の年商も可能といえるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
ここまではプログラミング教室の収益性について解説しました。
収益面が分かると次に気になるのが開業にかかる費用や運転資金といったコスト部分です。
ここからは、開業資金などコスト面について解説します。
(1)開業にかかる費用はどれくらい必要?
開業にはどの程度の金額を見込んでおくといいのでしょうか?
プログラミング教室は、基本的に在庫を持つ必要がありませんので、そう広い部屋を借りる必要はありません。
しかし、パソコンの準備など設備投資には一定の費用をかける必要があるでしょう。
これらを換算しますと一般的には600万円前後が必要だといわれています。
どうしても資金に目途がつかない場合は、最初は少人数からはじめ、自宅などで開業することも可能です。
とはいえ一定の集客を集め、教室として運営したいのであれば少なくとも10坪~20坪程度の広さは必要でしょう。
しかし開業資金面では、他のフランチャイズ業種と比較してもそう高いわけではありませんので、比較的取り組みやすいともいえます。
(2)ロイヤリティや加盟店料はどのくらいかかる?
フランチャイズに加盟して開校する場合、注意しておかなければいけないのが加盟店料やロイヤリティです。
加盟店料とは、フランチャイズに加盟する場合に本部に納めなければいけない入会金のような意味合いのコストです。
金額はフランチャイズ本部によって異なりますが一般的には100万円~300万円程度で設定されているのが相場といえます。
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部の看板やシステム運用などを行う代わりに毎月売り上げの数%を本部に支払わなければいけません。
これもフランチャイズ本部によって金額は異なりますが、一般的には毎月の売り上げから10%~20%程度はかかるといわれています。
加盟店料もロイヤリティもフランチャイズ本部ごとに異なりますので、これらのコストが安いフランチャイズ本部を選ぶといった点も大切になるでしょう。
(3)トータルの運転資金は?
では、実際に運転資金はどの程度かかるのでしょうか。
先ほど収入部分についてあるフランチャイズ本部が提示している部分を表に表しましたが同じようにコスト面についても表にまとめました。
生徒数・/年間コスト | 30名 | 50名 | 70名 |
講師人件費 | 750,000円 | 950,000円 | 1,100,000円 |
家賃 | 1,800,000円 | 1,800,000円 | 1,800,000円 |
水道光熱費 | 300,000円 | 300,000円 | 300,000円 |
消耗品費 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 |
ロイヤリティ | 571,500円 | 952,500円 | 1,333,500円 |
通信費 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 |
広告料 | 1,000,000円 | 1,240,000円 | 1,600,000円 |
計 | 4,601,500円 | 5,422,500円 | 6,313,500円 |
生徒数によってコストは大きく異なりますが、30人程度の集客となると、収益はあまり多くはありません。
しかし、人数が増えた場合のコストは収入部分ほど上がるわけではありません。
生徒数の増やすことにおいてコストがかかりますが、それ以上に収益アップが可能です。
フランチャイズでプログラミング教室を開業するメリット
プログラミング教室を開校する場合、フランチャイズに加盟して開業することによりさまざまなメリットを受けることができます。
フランチャイズに加盟してプログラミング教室を開業した場合のメリットについて解説します。
(1)たくさんのフランチャイズから自分に合った本部を選択できる
プログラミング教室のフランチャイズ募集は意外と多く、将来の需要が高いことを想定させられます。
たくさんフランチャイズ本部があるということはそれだけ自分に合ったサービスを提供している本部がある可能性が高くなるということです。
フランチャイズ本部も自分の所に加盟してもらいたいわけですから、競争し、より良いサービスを加盟店へ提供してくれるでしょう。
自分に合った本部が探しやすいという点がメリットのひとつです。
(2)コストの抑制に繋がりやすい
フランチャイズに加盟するということは、加盟店料の支払いやロイヤリティの発生など、自主独立するよりコストがかかると思われがちです。
しかし、コストの抑制といった点でもメリットを持っています。
自主独立するとなると、宣伝広告に多額の費用を投資しなければ生徒を集めるのは容易ではありません。
しかし、フランチャイズに加盟することで知名度は知られている点や本部が集客のフォローを行いますので広告費がそうかからないこともあります。
またプログラミング教室には欠かせないパソコンも卸しの業者を本部から紹介されて安く購入できるケースもあるでしょう。
このように実はコストの抑制に繋がりやすい点もメリットといえます。
(3)研修や店舗探しのサポートが充実している
経験が浅い場合や未経験の売却はフランチャイズに加盟しての開業がおすすめです。
というのもフランチャイズ本部では開業までに研修を行い、きちんと経営できるように教育を行います。
本部も開業からしばらくたたないのに閉店となることや、経営状況が良くない場合など本部の悪評に繋がる可能性があるのです。
そのため、きちんと教育した上で開業ができるので経験が浅い人は特に安心といえます。
また、フランチャイズ本部によっては店舗探しのサポートや店舗の空き情報なども提供してくれますのでこの点も安心材料といえるでしょう。
フランチャイズでプログラミング教室を開業する注意点
フランチャイズに加盟することはメリットばかりではなく、注意点もありますので、メリットと注意点をよく理解しておき開業の判断材料としましょう。
ここからは注意点について解説します。
(1)自主独立より稼がなければいけない
先ほどコスト面でも抑制につながっているケースが多いと述べましたが、集客が一定程度うまくいくとそう広告費に力をかける必要もなくなります。
また、機材も購入すると一旦コストの支払いはありません。
そうなると、毎月のコストであるロイヤリティは支払い続けなければいけませんので、余計に稼がなければいけません。
先ほどコスト部分でのロイヤリティは売り上げの10%で計算しました。
つまりこの場合、自主独立した場合と比較すると1.1倍以上の稼ぎが加盟している以上必要となります。
自主独立よりもロイヤリティ分稼がなければいけないのは注意点のひとつです。
(2)経営に制限がかかってしまう
フランチャイズでの開業は、基本的に本部の意向に沿って経営を行わなければいけません。
つまり自分の思った通りに経営することはできませんのでオリジナルのサービスを提供するのはフランチャイズ契約においては非常に難しいのです。
どうしても自分の理想とする経営そのままを出来る訳ではありませんので制限がある点も注意点として覚えておきましょう。
(3)契約期間の縛りなどで自由に閉めることができない
経営が上手くいかず、教室を閉めようと思っても契約期間の縛りによって簡単に閉めることはできません。
中途解約してしまうと高額な違約金を請求される場合もありますので、できれば短期間の契約期間で更新していく方が、万が一の場合に対応しやすいといえます。
経営不振のことも考えて契約期間などもフランチャイズ本部選びの判断材料とするといいでしょう。
まとめ
プログラミング教室は、今後の需要や将来性にも期待が高い業種です。
学校がプログラミング授業を必修化したという追い風を受けて今後教室の数も大きく増加するといわれています。
しかし競争も激化することになりますので、フランチャイズ本部選びも慎重に選択する必要があるでしょう。
信頼できるフランチャイズ本部を選び、順調に経営できれば、複数店舗経営も可能です。
そうなると収益的にも大幅にアップしますので年収1,000万円以上も実現可能な業種といえるでしょう。