フランチャイズの高齢者向け配食のメリットとデメリット・収益はどの程度?
高齢化社会へ向けて着々と進んでいる我が国において、高齢者対象のビジネスは今後も比較的安定して推移していくと想定されています。
その中でも、注目を受けている業種が高齢者向け配食サービス業です。
高齢者向け配食サービス業は、フランチャイズの加盟募集も多く、フランチャイズに加盟して起業するケースも見られます。
では、実際にフランチャイズによる高齢者向け配食業は、どの程度の収益が上がり、どの程度のコストがかかるのかが気になるところです。
この記事では、フランチャイズによる高齢者向け配食業の収益性や、市場規模、本部のサポートといった点について詳しく解説します。
目次
高齢者向け配食の市場規模や将来性は?
高齢者向け配食業を起業する前に知っておきたいのが、市場規模や将来性といった点です。
やはり起業するなら、将来性が期待できる業種でなければ、起業したとしても先細りする可能性も考えられます。
ここからは、高齢者向け配食業の将来性や市場規模について詳しく解説しましょう。
(1)今後の高齢者の数は増加の一途となりニーズは高い
「高齢者白書」によると、令和元年の65歳以上の高齢者は過去最高である3,560万人に迫る数となっており、総人口に占める割合は28%程度です。
4人に1人は65歳以上の高齢者という全世界的にも高齢化が進んでいる国といえます。
さらに、ここがピークという訳ではなく、今後も高齢者の割合は増え続けていくと想定されていることから高齢者向けのビジネスが注目されるのです。
高齢者世帯の中には、単身や夫婦のみといった世帯も多いので、高齢者向け配食業は今後も大きなニーズを受けることができる業種といえるでしょう。
(2)市場規模はどんどん増加し、2,000億円に迫る市場規模をほこる
高齢者向け配食業の市場規模も前述したように高齢化が進んでおり、高齢者の数が増えている現在において順調に推移しています。
市場調査会社の調査によると、2019年に約1,800億円とすでに2,000億円に迫る勢いを見せていますが、2023年には2,000億円に達する想定です。
2025年には2,160億円想定と、非常に順調な伸びが想定されています。
前述したように高齢者の数は、増加傾向にあることから比例して市場規模も拡大しているというのが現状です。
特に栄養食の宅配や、やわらか食に代表される物性等調整食などの伸びが期待されており、堅調な市場規模の推移を下支えしているといえるでしょう。
フランチャイズによる高齢者向け配食の収益は?
ここまでは、高齢者向け配食業の将来性や市場規模といった点について解説してきました。
将来性が高く、市場規模も伸びていく傾向であることがわかります。
では実際に高齢者向け配食業を起業した場合の収益はどの程度想定されるのでしょうか?
ここからは、高齢者向け配食業の収益面について解説します。
(1)固定費があまりかからず収益性が高い
高齢者向け配食業の特徴として挙げられるのが、固定費がかかりにくいといった点です。
自分たちで宅配する事業ですので、店舗を一等地に構える必要がありません。
食材は安心で安全な食材を準備しなければいけませんが、フランチャイズ本部が業者と提携し、安定した仕入れで食材を供給します。
仕入れをまとめてできることからボリュームが多いので、安価に仕入れた食材を供給できますので収益性の高さに繋がるといえるでしょう。
(2)収益のモデルケース
実際にフランチャイズにより高齢者向け配食業のモデルケースを下記の表にまとめました。
フランチャイズA | フランチャイズB | |
売上(月) | 210万円 | 350万円 |
売上原価 | 80万円 | 135万円 |
販管費 | 75万円 | 140万円 |
営業利益 | 55万円 | 70万円 |
利益率 | 26.2% | 20% |
利益率が20%と他の飲食業と比較しても非常に高い利益率となることがわかります。
1店舗運営だけでも800万円を超えることから複数店舗経営などにより大幅な収益増も期待できる業種です。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
利益率も高く安定した経営が期待できる高齢者向け配食業ですが、実際に開業するにあたりどの程度の資金を見込んでおくといいのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟する場合、気になるのは加盟店料やロイヤリティです。
この章では開業にかかる費用や、フランチャイズに加盟する加盟店料、ロイヤリティといった点について詳しく解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
高齢者向け配食業を開業する場合、最初にかかる費用として下記の項目が挙げられます。
- 加盟店料
- 保証費
- 研修費
- 店舗取得費
- 内装費
- 設備設置
- 広告など
これらの中で、最もコストがかかるのが店舗取得費ですが、前述したように店舗を一等地に構える必要がありませんので、取得費があまりかかりません。
これらを含め一般的には250万円~500万円程度の初期投資が必要となります。
中にはもっと費用を抑えることができるケースもありますが、500万円程度の資金を準備すれば十分開業することが可能です。
(2)加盟店料やロイヤリティの比較?
フランチャイズに加盟することにより、さまざまなメリットを受けて開業することが可能ですが、加盟店料やロイヤリティが発生する場合があります。
加盟店料とはフランチャイズ本部に加盟する場合にかかる費用で、ロイヤリティは毎月本部へ支払う運営サポート費と考えるといいでしょう。
いくつかのフランチャイズ本部が記載している加盟店料やロイヤリティを表にまとめました。
本部A | 本部B | 本部C | |
加盟店料 | 200万円 | 0円 | 0円 |
保証料 | 50万円 | 0円 | 0円 |
ロイヤリティ | 0円 | 0円 | 0円 |
研修費 | 22万円 | 0円 | 11万円 |
会費 | 0円 | 3万3千円 | 3万3千円 |
上記の表を見てもわかるように、全く加盟店料やロイヤリティがかからないフランチャイズ本部などもあります。
しかし、本部が行うサポートがどの程度なのかといった点も併せて比較しなければ、必ず加盟店料もロイヤリティもかからない本部がいいとは限りません。
複数の本部から比較して、自分に合った本部を選ぶことも起業を成功させるポイントです。
フランチャイズによる加盟店へのサポートは何を行う?
コスト面において、フランチャイズに加盟しても加盟店料やロイヤリティが全くかからない本部があることがわかりました。
では、実際にフランチャイズに加盟して開業する場合、本部はどのようなサポートを行うのでしょうか?
全てのフランチャイズ本部が下記のサポートを行うわけではありませんが一般的なサポート内容を解説します。
(1)研修により未経験でも開業可能となる
フランチャイズに加盟しての開業では、研修を行い本部の方針や運営方法といったことをしっかり研修によって学ぶ機会を与えます。
このような研修が充実している本部を選ぶと、未経験でも開業が可能です。
(2)食材を安定供給する
独立開業となると、仕入れから何から全て自分で行わなければいけません。
しかも安定して安全な食材を仕入れる必要があり、販路の開拓に非常に苦慮することも考えられるでしょう。
フランチャイズに加盟すると、食材は基本的に本部から購入することになります。
本部は安定した仕入れ先をいくつも確保しておりスケールメリットを生かして安く加盟店に供給しているのです。
食材の安定供給も本部が行うサポートのひとつといえます。
(3)お客さまの要望に合わせたメニューを提供できる
高齢者向け配食業は、メニューの選択も重要です。
少し触れましたが、高齢者には持病を持っていてカロリーを取りすぎてもいけない場合や、固いものは食べられないといったケースがあります。
フランチャイズ本部は、これらに対応したメニューも開発、提供することでお客様のニーズを満たす必要があり日々メニューの開発に取り組んでいるのです。
そして、開発されたメニューを加盟店に卸しお客様へ提供します。
要望に合わせたメニュー開発を加盟店へ提供することでサポートを行っているといえるでしょう。
(4)営業ノウハウを提供してくれる
フランチャイズとは、経営ノウハウや成功事例をパッケージ化して加盟店に提供するビジネスです。
そのため、加盟店は、本部の営業ノウハウを用いた経営を行うことができます。
本部の営業ノウハウを用いることにより、加盟店は安定した運営が見込めますので、大きなサポートといえるでしょう。
フランチャイズで高齢者向け配食を開業するメリット
フランチャイズに加盟して高齢者向け配食業を開業する場合、さまざまなメリットを受けることができると前述しました。
ではどのようなメリットが考えられるのでしょうか?
ここからはフランチャイズに加盟するメリットについて解説します。
(1)経験がなくとも開業が可能
本部サポートで少し触れましたが、研修などにより経営ノウハウや宅配の調理方法を学んだうえで開業することができます。
そのため、経験がなくとも十分に研修で学べますので開業が可能なのです。
自主独立となると未経験では成功する可能性は非常に低くなってしまいますので、未経験の場合はフランチャイズに加盟して開業することをおすすめします。
(2)知名度をもって開業ができる
フランチャイズに加盟して開業すると、本部の屋号を用いてお店をオープンします。
つまり本部の看板や知名度を引き継いで開業できますので、最初から一定の知名度を持つことになるのです。
知名度で最初から言っての集客が見込める点もメリットとして挙げられます。
(3)サポート体制が充実している
フランチャイズ本部の内容にもよりますが、非常にサポート体制が充実しています。
前述したサポート内容の他にも、本部の担当者が定期的に訪問し、さまざまな悩み事などの相談など受け、悩み事の解消に向けたアドバイスや提案を行う場合もあるのです。
経営者は、何かと運営に対して不安を抱えるものですが、本部担当者との話し合いなどで不安を和らげることもできるでしょう。
(4)仕入れが安定している
前述しましたが、仕入れを本部が一括して行いますので、仕入れが安定しています。
特に高齢者向け配食業は安全な食材を提供しなければいけません。
そのため長い実績や信頼がある業者さんに食材をおろしてもらいたいのですが、自主独立では難しい部分があります。
本部に仕入れを任せることができる点もメリットといえるでしょう。
フランチャイズで高齢者向け配食を開業する問題点
フランチャイズに加盟しての開業は、メリットばかりではなくデメリットも想定されます。
ここからは高齢者向け配食業をフランチャイズに加盟して開業する場合の問題点について解説しましょう。
(1)自由に経営ができるわけではない
本部の屋号を使用し、本部が提供するメニューを販売するわけですから、自由にメニューをつくることなどができません。
本部の意向に沿った経営が求められるといえるでしょう。
基本的には加盟店には横並びの経営が求められますので、自由な経営はできない点はデメリットといえます。
(2)脱退における制限がかかる
フランチャイズに加盟する場合、契約期間を定められますが、契約期間内に脱退や廃業してしまうと多額の違約金が請求される場合があります。
また、本部によっては契約期間満了に伴う脱退でも、一定期間同業種では開業することができない競業禁止を契約書に記載しているケースもあるのです。
脱退における制限もデメリットといえるでしょう。
(3)本部の不祥事に影響されやすい
フランチャイズに加盟しての開業は本部の屋号で経営する反面、本部の不祥事や他の加盟店の不評が自分のお店に影響する場合があります。
本部のマイナスイメージが自店の売り上げに大きく影響しますので、これも大きな問題点です。
まとめ
高齢者向け配食業は今後の成長性にも大きく期待できる将来有望なビジネスです。
利益率も高く複数店舗経営で年収1,000万円超も決して難しくはありません。
フランチャイズを募集している本部も非常に多いので、いくつかの本部を比較し自分に合ったフランチャイズを選び開業することをおすすめします。
加盟店料やロイヤリティなどの比較もこの記事では行っていますので、是非、参考にしてはいかがでしょうか?