フランチャイズのバイクショップの初期費用・失敗を避けるコツも解説
バイクは、従来から貴重な交通手段として幅広く愛用されています。
そしてツーリングとして、バイクで走行することそのものを楽しむ人もいます。
このように、バイクにはまだまだ高い需要はあります。
そしてこのバイク業界にまだまだ勢いがある中、バイクショップを自ら経営したい人も増加傾向にあります。
一方でバイクショップ運営においては、効率的な宣伝が容易でないなど、ブランド化するまではなかなか集客できにくい業種です。
ですがフランチャイズ独立によって、本部の宣伝活動が大規模など、集客につながりやすくなる方法もあります。
今回はフランチャイズとバイクショプについて、フランチャイズで開業するメリットや、バイクショップの難点と失敗を避けるコツなどに触れながら解説します。
目次
フランチャイズのバイクショップの年収目安
フランチャイズのバイクショップ経営では、一般的に年収500万円程度に到達できやすいともいわれます。
そしてオプションをつけた販売もこなすことができ、修理業務も頻繁に受注できると550万円以上を目指すことも可能です。
一方でリーズナブル費用のバイク販売から少しずつ取り組むケースでは、350から450万円程度もあります。
また中には、年収1,000万円以上を実現する人もいます。
高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。
- 初期費用を抑えられるよう、できれば所有地での開業も目指す
- 運営面について、自分が得意でないサポートが豊富な本部を選択する
- バイクを業務で使う業種へ、自身でも営業をかける
- 認定中古バイクに対して、アピールポイントを考える
- 顧客情報について正確に記録保存し、随時確認できやすいようにしておく
- 修理対応にても信頼してもらえるよう、顧客を説得できる材料を考える
- ロードサービスについて、研究したり対応したりできるようにしておく など
初期費用とランニングコスト項目
(1)初期費用
初期費用として、標準的に200から300万円程度必要な傾向もあります。
そして安価なケースでは、自己資金は数十万円程度で収まる時もあります。
一方で高いケースでは2,000万円程度になる場合もあります。
開業当初の販売用バイクで、どの程度の価格の物を揃えるかにもよります。
【初期費用内訳】
- 加盟費
- 保証費
- 研修費
- 店舗取得費
- 店舗内装外装費
- ホームページ取得費
- 開業当初販売バイク仕入費
- 営業用チラシ調達費 など
(2)ランニングコスト項目
- 店舗家賃
- 人件費
- バイク仕入費
- 通信費
- 消耗品仕入費 など
ロイヤリティが月々、売上に対し3%かかるところもあります。
バイクショップの業界特徴
(1)バイク業界の役割
バイクは、駐車スペースの少ない都心部でも使いやすく、配達業務のある業種では必要不可欠な道具的存在です。
一方で自動車より安全面で劣ったり、排気ガスを出しやすかったりする課題もあります。よって、より安全面と環境性を考慮したバイクも求められます。
(2)小型スクーターも発展
排気量125cc以下の小型スクータータイプは、通勤や通学向けが多かったです。
一方で今はデザイン性や走行機能性を高めた、レジャーツーリング向けも製造されるようになってきています。
新規購入者を求めて、教習所で試乗会を行う業者もいます。
(3)若者のバイク離れ
以前はバイクマーケットのメインターゲットは若者でしたが、今若者のバイク離れが業界の課題となっています。
一方で中高年層には、まだまだ需要はあります。
よって中高年層を対象としたバイク開発や、予算が限られている若年層を魅了できる措置の考案も求められています。
バイクデザインの種類
バイクデザインの種類には、次のような内容があります。
(1)レーサーレプリカ
レースで使われているバイクを市販用にアレンジしたようなものです。体重移動ができやすく、コーナーリングができやすいともいえます。
自由にうまく乗りこなせるようになるには、運転技術が必要ともいわれます。
(2)ツアラー
ツーリング向けのバイクです。本体がドッシリとしているので体のバランスをとりやすく、長時間運転しても疲れにくいといえます。
女性には運転しにくいバイクかもしれません。
(3)ネイキッド
一般的に、正統派として知られているタイプです。教習用バイクとして使われているほど、扱いやすさで知られています。
かっこよさと、車でいえばスポーツカーのようなエンジン機能も売りといえます。
(4)アメリカン
ネイキッドと同様に、有名な型として知られています。元々アメリカの広大な道を走るために、設計されています。
豪快な外観も特徴的で、長時間ゆっくりと走っても疲れにくいです。
(5)ストリート
小型で軽量の物が多く、街中を手軽に走ることに向くタイプです。女性でも運転しやすいです。
一方で、加速面やパワー面で劣るともいわれます。価格がリーズナブルな傾向なので、初めてバイクを買う際にもおすすめの型といえます。
(6)オフロード
林道や舗装されていない道路、そして砂利道なども走っていけるタイプとなっています。車体が軽めで、初速が速めの部分も特徴の1つといえます。
一方で高速にて長時間運転すると、疲れやすいかもしれません。
(7)ビッグスクーター
アメリカンやレーサーレプリカのような派手さはないものの、運転しやすさは格段に高いです。収納スペースが比較的大きいので、通勤にも便利です。
ある程度のスピードが出る原付のようなタイプを求める人にもおすすめといえます。
(8)オールドルック
クラシックで親しみのあるデザインが、特徴の1つといえます。
オールドルックに類するバイクはたくさんありますが、レトロ感がありながらも、現代風を感じられるものもあります。走行性能を、求めているタイプもあり様々です。
上記順番で、人気のデザイン種類というわけではありません。
フランチャイズによるバイクショップの開業手順
(1)問い合わせ
最初に加盟を希望したり説明を聞いてみたりしたい本部へ、問い合わせをします。
(2)説明出席
説明会へ出席し、加盟方法やフランチャイズビジネスの方針などを理解します。
(3)面談
開業希望時期や目指す収益などについて、本部担当者と話し合いをします。不明点があればささいなことでもこの段階で、尋ねておくことが大切です。
(4)契約締結
バイクショップ業務を進めていけそうなケースでは、加盟と契約の段取となります。
契約書は非常に大切なので、隅から隅まで目を通せておきたいものです。
(5)研修
バイク販売業として、研修があるところもあります。販売業務そのものだけでなく、本部のシステムなどにも慣れておきたいものです。
(6)店舗段取
新たに店舗を設けるケースでは、物件取得と内装外装工事などをします。居抜き物件があると、初期費用を抑えられることもあります。
(7)道具準備
パソコンやバイク設置器具など、業務に必要な道具を準備します。
(8)バイク搬入
初期取扱の販売用バイクを仕入れて、搬入します。
(9)開業
(1)~(8)のようなプロセスを経て開業し、バイクショップ業務開始となります。
フランチャイズでバイクショップを開業するメリット
フランチャイズのバイクショップ業参入には、次のようなメリットもあります。
(1)集客できやすい体制
フランチャイズ本部独自のネットワークや実績により、ショッピングモールでの出店が可能なところもあります。
ショッピングモールということで、バイク好きに限らず幅広い人の目に触れます。
よって、集客できやすいといえます。
今バイクショップでは、女性客をいかに集客できるかも、収益確保のカギの1つといえます。
ショッピングモールでの出店では、女性客の目にも触れやすくなります。
そしてホームページ運営など、幅広く広告宣伝を行っています。
(2)オープンサポート
バイクの整備や販売には、自信があるとします。
一方でいざバイクショップを営むとすると店舗取得など、まず開業の時点で段取が多く複雑です。
そして、店舗スタッフ研修やチラシ準備などもあります。
フランチャイズでは開業と運営について、随所でサポートをするところもあります。
(3)初期費用バックアップ
状況次第では、初期費用にて多額の自己資金を要しないプランのところもあります。
そして本部独自の、債務保証制度を設けているところもあります。
よって自己資金面で自信がなくても、1度は問い合わせや相談してみるとよいでしょう。
(4)自分の販売ノウハウも活かせる
フランチャイズでは販売方法をはじめ、運営に本部の方針が大きく影響するのではとイメージする人もいます。
もちろん、このイメージに当てはまるところもあります。
一方で加盟者が培ったノウハウの長所を、なるべく反映させたい方針のところもあります。
本部の力によって、自分の考えがさらなる利益につながる可能性もあります。
(5)安定した在庫確保
購入希望者が目の前にいるにもかかわらず、現物を確保できず売上を逃してはもったいないです。
人気車種では、この事態が珍しくありません。
ですがフランチャイズでは、迅速に在庫手配をできる傾向もあります。
見込み客を、成約につなげやすいです。
(6)中古売買をできやすい
バイク販売においては中古売買も多く、利益にもつながります。
一方で売買価格の決め方や、そもそも売れるのか否かの見極めも容易ではありません。
ですがフランチャイズでは、過去の買取や販売履歴などの情報を、検索可能にしてあるところもあります。
よって中古売買についても、業務を進めやすいです。
(7)アドバイザーの定期訪問
運営の随所にサポートがあるとはいえ、やはり現物をみて直接会って指導を受けられると、有難いものです。
フランチャイズでは本部担当者が加盟者を訪問し、アドバイスだけでなく、さまざまな情報を提供するところもあります。
情報提供は、運営の幅を広げるカギにもなります。
(8)別の可能性
仮に都合や事情などが合わず、フランチャイズ加盟が実現できないとします。
それでもフランチャイズ本部は、さまざまな情報やネットワークをもっている傾向もあります。
よって、何か別のプラス要因につながる可能性もあります。
フランチャイズでバイクショップを開業するデメリット
フランチャイズのバイクショップ開業には、次のようなデメリットもあります。
(1)本部セールスの新車を断りにくい
本部によっては、目玉車や一押し車などの入荷情報を、セールスのようなニュアンスで知らせてくる可能性もあります。
一方で加盟者にとっては経済的事情などで、入荷できにくい時もあります。
よってこのような断りにくい耳より情報のお誘いを、入荷出来ない事情を考える必要もあります。
(2)パーツの持ち込み対応
顧客によっては、パーツを持ち込んで修理やカスタマイズ依頼を、頼む顧客がいる可能性もあります。
一方で顧客持ち込みのパーツでは新品でなく、パーツそのものに何か欠陥がある可能性もあります。
もし欠陥パーツが要因で、対象バイクに何らかの不具合が生じるとします。
本部からみると、加盟者対応による修理やカスタマイズ対応で、評判低下の懸念もあります。
このようなリスクを避けるために、加盟者としては対応に自信があっても、本部より承認されないと不便点となります。
バイクショップの難点と失敗を避けるコツ
(1)在庫が少ない時の推薦文言選択
顧客が購入に迷っているバイクについて、店舗在庫としてもフランチャイズグループ在庫としても残り少ないとします。
このような時は、成約につながりやすいチャンスです。
カギは、顧客の心を押す文言選択とタイミングです。
一方で適切でない文言になると、顧客として脅しのような解釈になり、一気に破談にもつながります。
本部とも相談しながら押す文言を考えておいたり、勝負時のセールストークについて、練習したりしておきたいものです。
(2)業務にてバイクを使うところへ営業
開業して手が空いている時には、自分自身でも営業をかけたいものです。
このような時に、バイクを日常的に業務で使う業種に営業をかけると、仕事につながる可能性もあります。
例えば、次のような業種です。
- 新聞配達店
- 郵便局
- ピザ屋など、配達も承る飲食系 など
(3)修理をどこまで勧めるか
修理業務も、バイクショップにとって貴重な収益源の1つです。
一方で修理業務受注時には、要考慮事項もあります。まず修理依頼者が、応急手当を希望しているのかということです。
そして修理依頼者の中には、不具合が起きないように定期点検したい人もいます。
このようなケースでは「この部品も劣化していて、数カ月以内にこうこういった不具合の懸念もあります」と伝える必要の時もあります。
ですが修理依頼者としては「ほんとにそこまでする必要あるの?高い修理代取りたいだけじゃないの?」と、思う可能性もあります。
よって1つ1つの修理内容について丁寧に説明しながら、修理依頼者の納得する修理内容と金額にする必要もあります。
(4)古物商許可取得
中古バイク売買も考えるケースでは、古物商許可取得必要の可能性もあります。
もし古物商許可なしで中古バイク売買を行うと、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金を科せられる懸念もあります。
せっかく中古売買がうまくいっていても、資格取得ミスで懲役や罰金刑になることは、もったいなく避けたいです。
よって本部に取得必要性について、確認しておきたいものです。なお、段取場所は警察署となります。
(5)認定中古バイクも競合
中古バイクには、認定中古バイクもあります。
認定中古バイクとは、正規販売店の独自に定める基準を満たした良質中古バイクのことです。
第3者機関が、査定する物もあります。
つまり保証もついていて、信用性が高いわけです。
よって認定中古バイクに対する、差異点も考える必要はあります。
(6)自動二輪車整備士取得
バイクショップ開業に、必須の資格はありません。
自分自身が修理技術に自信があれば、特段の資格なしで修理業務を請け負うことも可能です。
ですが、より高い信用を得るためには、バイク整備士ともいわれる自動二輪車整備士取得がおすすめといえます。
(7)顧客情報をしっかりと管理
販売にせよ修理にせよ、一度関わった顧客については、顧客情報をできればパソコンで管理しておきたいものです。
顧客情報のしっかりした管理は、迅速な対応につながり、年賀状などを作成する際にも便利です。
そして、信用性アップにもつながります。
(8)ロードサービスの説明
バイク購入者が最も困ることの1つに、走行中の故障があります。
自分自身で考えロードサービスに加入し、ロードサービスを手配する人もいるでしょう。
一方で「私は、どこがおすすめですか?」と、尋ねる人もいるでしょう。
このような時のために、加盟者自身もロードサービスについて研究できておきたいものです。
そしていざ故障すると混乱して、購入店に電話する人がいる可能性もあります。
このような時には、電話で的確な指示を伝えられるようにしておきたいものです。
まとめ
ここまで、フランチャイズとバイクショップについて考察してきました。
押さえておきたい点は、修理時の対応方法など、バイクショップの難点と失敗を避けるコツです。
そして初期費用へのサポートがあるところもあるなど、フランチャイズで開業するメリットに関する内容もポイントといえます。
バイクショップは、業務でバイクを使う人やバイク愛好家にとって貴重な存在です。
初期費用をなるべく抑え、修理技術や対応精度も上げ、購入者修理希望者双方に迅速対応可能なバイクショップで大成なさってください。