ペットしつけ事業をフランチャイズで開業する場合のメリットと注意点
2020年に全世界に広がったコロナウイルスにより、生活のスタイルが大きく変わらざるを得ない事態になりました。
ステイホームの言葉通り、半ば強制的に自宅で過ごすことを課されていますが、昨今増加しているのがペットとの共生です。
ペットを飼う人が増加し、ペットの需要が高まっています。
そこで注目を浴びているビジネスがペットしつけ。
自宅で飼う場合にもマンションなどの共同住宅では近隣へ迷惑をかけないような対応が必要です。
では、このペットしつけを開業する場合、独立して行った方がいいのでしょうか?それともフランチャイズで行うのがいいのでしょうか?
この記事では、ペットしつけを開業する場合の年収や開業手順、フランチャイズで行った場合の開業にかかる費用などについて解説します。
目次
ペットしつけの将来性は高い?
ペットしつけの事業を開業する場合、まず注意する点が、将来性についてです。
将来性が薄い事業に取り組もうとしても、継続的な事業は望めません。
ここからは、実際のペットしつけに関する将来性について解説します。
(1)コロナ禍においてペットの需要が急増、ペットしつけの需要は高い
前述しましたが、コロナウイルスにより自宅で過ごすことが多くなっていますので、ペットを飼う人が急増しています。
ニューノーマルな生活を求められている今、ペットの需要は今後も増えてくることが想定されるのです。
ペットしつけの事業を安定させるためには分母であるペットを飼っている人が増えなければいけません。
前述したようにペットを飼う人が増えていますので、ペットしつけの需要も必然的に増えてくるといえるでしょう。
(2)ペットしつけの依頼が多いのは犬、ドッグトレーナーに特化しても良い
特にペットの需要の中でもしつけを依頼するのが多いのは犬のしつけです。
犬は、しつけをしっかりとしておかなければ人に危害を与える可能性も考えておかなければいけません。
そのため、ペットをしつけの中でも、ドッグトレーナーに特化してもいいのではないでしょうか?
特に犬のしつけを依頼されることが多い中、どの分野のペットのしつけも可能というよりも犬のしつけに特化した方がビジネスチャンスは広がる可能性が高いかもしれません。
依頼が多い犬のしつけに特化するのも開業の効果的な手法かもしれないのです。
フランチャイズのペットしつけの平均年収はどれくらい?
では実際にペットしつけのビジネスを開業した場合、どの程度の年収を得ることができるのでしょうか?
ここからは得られる年収や開業した場合の年商などについて解説します。
(1)若く経験が浅い場合の年収は低い
まずは参考までにドッグトレーナーになった場合の年収について見てみましょう。
ドッグトレーナーの年収はあまり高いものではありません。
およその平均は300万円前後だといわれています。
更に若く経験が浅いドッグトレーナーになりたての場合は、200万円~250万円程度といわれています。
アルバイトやパートなどでドッグトレーナーとなった場合も時給はおよそ1,000円前後です。
未経験でもドッグトレーナーになれるのですが、門戸が広い分、あまり高年収は見込めないといえるでしょう。
(2)ペットシッターも兼ねると1,000万円越えも
前述した反面、ペットを飼う需要は増えているので今後はペットしつけの需要も増えてくることが想定できますのでより一層、収入の増加も見込めます。
更に収入を増やす方法としてペットシッターを兼業するのも効果的です。
ペットシッターとは、飼い主の代わりに自宅でペットを世話する人のことを指します。
ペットの世話や散歩、食事、掃除などといったことを行い、報酬を得る仕事です。
ペットのしつけと兼ねることで収入が増え、年収1,000万円も可能性が高まるといえるでしょう。
開業した場合の初期費用やロイヤリティを見てみよう
ペットしつけのビジネスを開業することにより想定される年収について解説しました。
では、実際に開業するとなると、気になるのが開業に関する費用です。
さらにフランチャイズ経営となるとロイヤリティなども気になります。
ここからは、ペットしつけのビジネスをフランチャイズで開業した場合にかかる費用について解説します。
(1)ペットしつけを開業する初期費用は
全国でフランチャイズ展開を行っているペットしつけの開業資金を参考に、初期費用がどのくらいかかるのかを見てみましょう。
有店舗の場合は、ドッグトレーナーの受講費用が約100万円、その他開業資金が、500万円前後必要とされています。
無店舗の場合は、同じようにドッグトレーナーの受講費用は100万円ですが、有店舗ほど費用はかからず150万円程度が必要です。
初期費用の大きな違いとして有店舗で行うのか無店舗で行うのかといった点で違いが出るでしょう。
ペットしつけなどは、実際にお宅へ訪問して、ペットにしつけを行えばいいので特に有店舗である必要はありません。
資金面で不安があればまずは無店舗で行うといった方法でも開業は可能です。
(2)フランチャイズに加盟するロイヤリティは?
フランチャイズに加盟するとなるときになるのがロイヤリティです。
フランチャイズに加盟すると、本部の経営ノウハウや看板を利用し知名度を持って開業ができます。
しかし、使用料として毎月ロイヤリティを支払わなければいけないケースがあるのです。
ペットしつけについてロイヤリティを調べたのですが明確に記載されているものはありませんでした。
中には、ロイヤリティがかからない場合もありますので、ロイヤリティがかかるかどうかといった点をフランチャイズ選びの基準としても良いでしょう。
フランチャイズによるペットしつけの開業手順
ここまではペットしつけ業を開業した場合の年収や初期費用といった点について述べてきましたが、次に気になる点は開業手順です。
どのような手順を踏めばスムーズに開業できるのでしょうか?
ここからはペットしつけの開業手順について解説します。
(1)ステップ1 フランチャイズの検討
まずは、どこのフランチャイズに加盟するのかといった点を決めなければいけません。
資料を送付してもらうことや説明会などに参加してフランチャイズ本部を決定します。
必ず複数のフランチャイズ本部から選択することがおすすめです。
きちんといくつかのフランチャイズ本部から比較して選ばなければ、どこがいいのかが分わかりません。
自分に合っているフランチャイズ本部を選びましょう。
(2)ステップ2 フランチャイズ契約
フランチャイズ本部を決定し契約します。
まず一つの壁をクリアすることになるでしょう。
フランチャイズ本部によっては加盟店料が最初に必要な場合があります。
ここからがオープンに向けて費用がかかるので準備が必要です。
(3)ステップ3 研修(開店準備)
有店舗で開業する場合は、店舗の取得や内装工事を行わなければいけません。
無店舗開業を考えている場合は、店舗準備の必要がありませんのでこの間に研修などに参加してノウハウを身につけます。
(4)ステップ4 開業
いよいよオープンです。
最初はどうしても赤字になるので、余裕のある自己資金を準備しておきます。
早期の黒字化を目指しましょう。
ペットしつけの開業に必要な資格や技術はなに?
ペットしつけで開業する手順までを解説しました。
では、開業にあたり、必要な資格などはあるのでしょうか?
ペットしつけを開業するにあたり必要な資格はあるのかといった点について解説します。
(1)資格は特に必要ないが民間資格など積極的に取得しよう
ペットしつけを開業するにあたり、必要な資格はありません。
つまり未経験の初心者からでも開業は可能です。
またドッグトレーナーなどのペットのしつけに関する資格には国家資格はありません。
ほとんどが民間資格となっていますが、資格はお客様を安心させ信用感を増す効果があります。
できればペットしつけに関する資格は、必ず持っておきたいですね。
(2)開業届以外では「第一種動物取扱業」の届け出が必須
ペットしつけ業で開業する場合必要な届け出は、開業届が必要です。
開業届は、税務署に提出する必要がありますが、ペットしつけ業を開業する場合は、その他に第一種動物取扱業の届け出が必要になります。
第一動物取扱業の届け出は、開業するエリアの自治体に提出しましょう。
第一種動物取扱業の届け出は、開業するものの種類によっても異なりますので、事前に自治体に問い合わせしておきましょう。
ペットしつけを利用する対象の顧客層
ペットしつけ業に限らず、ビジネスを行う場合、どのようなターゲットを狙うのかといった点は開業前にしっかりと押さえておく必要があります。
では、ペットしつけ業の場合は、どのような顧客層をターゲットにしておくといいのでしょうか?
(1)ペットのしつけに悩んでいる人は実は多い
実はペットのしつけに悩んでいる人は多く、散歩などでもトラブルを起こすのではないかと不安に感じています。
特に、ペットを飼う人が増えている中、初めてペットを飼う人も多く、上手く教育できない人も多いといえるでしょう。
ペットを飼っている人ほとんどが対象となり得ます。
特にペットは特定の世帯に限らず、広く飼われますので、非常に商圏が広いといえます。
(2)紹介によりお客様が増えることもよくある
リピーターにも期待が持てます。
ペットもほとんど家族と考え非常に愛情を持って育てている人も多いのです。
大事な家族のしつけを任せるので、いい加減な業者に頼みたくはありません。
このような場合、既にペットのしつけを利用している知人などから評判を聞き、良い評判ならば、自分もしつけを頼もうと思うでしょう。
このように紹介からも客層が増えますので、毎日の誠実な仕事ぶりが必要なのです。
フランチャイズでペットしつけを開業するメリット
実際に開業した場合、フランチャイズがいいのか、自主独立がいいのかといった点については、一概にはいえません。
しかし、フランチャイズに加盟した場合のメリットやデメリットを知ることで、どちらにするかの選択がやりやすいといえるでしょう。
ここからはフランチャイズに加盟した場合のメリットについて解説します。
(1)運営ノウハウがしっかりしている
まずは、運営のノウハウをしっかりと持っているということです。
開業にあたり、経験の浅い人や未経験の人はどう運営していていくと良いかすらわかりません。
しかし、フランチャイズは、成功事例をパッケージ化し、提供しています。
そのため、未経験でも成功事例のノウハウを持ってビジネスができるので、非常に有利な状況からスタートできることがメリットといえるでしょう。
(2)研修サポートが充実している
フランチャイズは、本部の名前を使って開業することになるので、いい加減な加盟店がいると看板に傷がつきます。
このような点を解消しているのが研修サポートです。
開業前から開業中においてもさまざまな研修を行いサポートしていますので非常に心強いといえるでしょう。
フランチャイズでペットしつけを開業する問題点・失敗を避けるコツ
次にフランチャイズに加盟した場合の問題点について解説します。
(1)ロイヤリティがかかる
大手の看板や経営ノウハウが利用できる代わりに、ロイヤリティといわれる使用料を支払わなければいけません。
定額のケースもあれば、売り上げに一定の割合をかける場合もあります。
それぞれフランチャイズへの確認が必要ですが、ロイヤリティがかからないフランチャイズもあるので、フランチャイズ本部を選択する基準となるでしょう。
(2)自由度にかける
基本的に本部の運営方針に従わなければいけませんので、自由なサービス提供ができません。
ペットしつけサービスで行いたいことがあっても、まずはフランチャイズ本部に確認する必要があります。
自分の思うようにいかない点もデメリットとして挙げられるでしょう。
まとめ
今回は、フランチャイズでペットしつけ事業を開業するメリットや注意点について解説しました。
ペットしつけ事業は、今後も安定した需要が見込まれるでしょう。
フランチャイズによる開業を検討している方は、運営ノウハウ、研修制度、サポート体制などが充実した本部を選ぶことをおすすめします。