ネイルサロンをフランチャイズで行うメリットは?開業手順や初期費用も解説
おしゃれなネイルが一般的にも浸透してきた昨今、ネイルサロンの存在も普通にあちこちで見られるようになりました。
ネイルサロンはフランチャイズとして経営している人も多く、需要は高まっています。
では、実際にネイルサロンは、フランチャイズで行う方が良いのでしょうか?
また将来性や開業資金、フランチャイズで行うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事ではフランチャイズでネイルサロンを行う点について、さまざまな面から解説していきます。
目次
フランチャイズのネイルサロンの将来性(または需要)
まずは、ネイルサロンの需要や将来性についてみてみましょう。
NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が発行した「ネイル白書2020」では、市場規模は年々拡大し、2019年時点での市場規模は2321億円規模です。
2005年には1114億円ですのでここ15年間で2倍にまで市場規模が高くなっています。
ネイルサロンは、ここまで右肩上がりで成長し、今後も成長性が見込める業種です。
(1)未開拓のシニア層取り込みに期待
今後の成長性が見込める理由の一つとして未開拓の層がまだあるという点です。
ネイルアロンの利用者は、若い女性層が多く、現時点で利用者の層が広いとはいえません。
最も注目されている層がシニア層です。
シニア層の人口は多く、この層を商圏に取り込むことにより、更なる市場の拡大が見込めます。
(2)フットケアとの相乗効果
シニア層を取り込む方法のひとつとして考えられるのが、フットケアなどとの相乗効果です。
ネイルと一緒に足のトラブルなどに悩んでいる人も少なくはありません。
ネイルサロンではネイルのケアも一緒に行っており、爪のトラブルを解消しています。
同時に足のトラブルを解決してやることにより、顧客層のさらなる拡大や充実に繋げることができます。
健康な皮膚や足、爪がなければ満足にネイルを楽しめません。
ネイルや足のトラブルをケアしネイルサロンの需要に繋げることができます。
(3)フランチャイズのネイルサロンの平均年収
では実際にフランチャイズによってネイルサロンを経営する場合、どのくらいの年収を得ることができるのでしょうか?
いくつかのネイルサロンをフランチャイズでの開業支援しているサイトから比較してみましょう。
A社 | B社 | C社 | |
月売上 | 250万円 | 200万円 | 200万円 |
営業利益 | 75万円 | 45万円 | 35万円 |
このようにおよそ6坪前後の広さで200万円程度の収益を上げた場合、営業利益はフランチャイズ業者ごとに異なります。
平均200万円前後ならば、売り上げは35万円~75万円とフランチャイズごとに開きはありますが、
年収ベースでは400万円~900万円程度の年収といえます。
6坪程度の広さでのモデルケースなので、広さに対する利益を見ると非常に高い利益率であるといえるでしょう。
しかし、店舗経営が上手くいくと店舗数を増やしてフランチャイズ経営を行いますので、年収もさらに高くなる可能性が高まります。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
先ほど、フランチャイズでネイルサロンを経営した場合の平均年収について前述しました。
では、最初に開業するにあたりどの程度の資金が必要なのでしょうか?
またロイヤリティも含めた運転資金はどの程度必要なのでしょうか?
ここからは、フランチャイズでネイルサロンを行った場合の開業資金や運転資金などについて解説します。
(1)開業資金について
先ほどの年収のように、いくつかのフランチャイズでの開業を支援している企業のサイトから比較してみます。
A社 | B社 | C社 | |
加盟金 | 190万円 | 190万円 | 180万円 |
サポート費用 | 100万円 | なし | なし |
研修費用 | 90万円 | 90万円 | 100万円 |
保証金 | 60万円 | なし | 70万円 |
物件取得も含めた合計 |
700万円前後 | 600万円前後 | 500万円前後 |
各企業によってばらつきはありますが、加盟金に関しては大きな開きはありません。
比較してみますと、店舗の取得費まで含めると600万円前後が平均といったところでしょう。
年収ベースでは400万円~900万円なので、数年で初期費用が回収できる計算にはなりますが、経営者の努力や運用次第で、初期費用の回収度合いは大きく異なります。
(2)運転資金について
次に運転資金について解説します。
フランチャイズ経営で最も気になる運転資金はロイヤリティでしょう。
ロイヤリティとは企業の商標権や営業ノウハウを使用するための使用料のことです。
毎月一定のロイヤリティを支払いフランチャイズ店は元請け企業のサービスを提供します。
ネイルサロンのロイヤリティは、一般的に売り上げ歩合方式の方が多いようです。
売上に対して一定の割合をかけてロイヤリティを支払います。
売上の5%~8%前後といったロイヤリティを支払うフランチャイズが多いです。
その他にも人件費や地代家賃などがかかりますので、およそ売り上げの30%前後を運転資金と見ておく必要があるでしょう。
フランチャイズによるネイルサロンの開業手順
年収予想や開業資金などが分かり、本格的にフランチャイズでネイルサロンを行うときに開業までの手順も知っておいた方が良いでしょう。
ここからはフランチャイズによるネイルサロンの開業手順について解説します。
(1)調査
最初に調査するのは、どのフランチャイズを選ぶのかについてです。
自分のイメージに合ったフランチャイズ企業を選ぶことや、開業費用やロイヤリティによるフランチャイズ選びなど自分なりの選択に関するポイントを押さえておきましょう。
(2)店舗探し
次に大切なのが物件選びです。ネイルサロンが成功するポイントが店舗を構える場所でもあります。
顧客層が訪れやすい場所選びや、賃料も低めに抑え、運転資金を押さえるといった中での物件選びが大切なポイントです。
(3)社員教育
フランチャイズの内容が良く、店舗の立地も問題がなくても、サービスが悪ければすべてが無駄です。
お客様の満足できるサービスができる社員教育が欠かせません。
まずは、自分自身がフランチャイズ企業への研修参加から始まり、フランチャイズ企業のノウハウを雇用する社員に伝えなければいけません。
社員教育をしっかり行って満足できるサービスが提供できると感じたらいよいよ開店となります。
必要な資格や技術
ネイルサロンを開業する際には、自主独立でもフランチャイズでも開業するにあたり必要な資格や技術はあるのでしょうか?
フランチャイズでネイルサロンを行う場合の必要な資格について解説します。
(1)資格なしでも取り組める(検定がある)
基本的には店舗を開業するにあたり、必要な資格はありません。
つまり未経験でも、ネイルサロン営業は可能です。
しかし、実際に何も資格がない人で未経験の所にネイルを頼もうとするお客様はほとんどいないでしょう。
開業にあたり資格は必要ないですが、お客様に技術の裏付けを表す資格は、お客様を呼び込むためにも大切なポイントです。
ネイリストの資格としては、「ネイリスト技能検定」や「ネイルジェル技能検定」などいくつかの資格がありますので、
お客様の確保には欠かせない資格を取得しておくと経営にプラス効果をもたらします。
対象の顧客層(または業界事情、向き不向き等でもOK)
次に、ネイルサロンを経営するにあたり対象となる顧客層について解説します。
どのような対象の顧客層を取り込めばいいのでしょうか?
(1)現状は圧倒的に若い女性が対象
前述しましたが、現時点において最も対象となる顧客層は若い女性が中心です。
近年は若年化にさらに磨きがかかり、中学生など10代前半の顧客なども増えています。
つまり顧客層としては圧倒的に若い女性層となります。
若い女性層が立ち寄りやすい立地に店舗を構えたり、若い女性に好まれたりするような内装にするといった戦略が必要となるでしょう。
(2)今後の課題は男性層やシニア層の取り込み
現時点では圧倒的に若い女性顧客で成り立っているのがネイルサロンの現状です。
しかし、新たな層を取り込むことによって、更なる将来性にも期待が持てます。
前述しましたがシニア層は、新たな商圏として十分に取り込める層となるでしょう。
もう一つ取り込みたい層が男性層です。
実は欧州などにおいてはネイルケアを男性が行っていることも全く不思議ではありません。
特に企業における役職者などが手入れを怠らないこともあるので、日本でも男性がネイルサロンを利用する慣習が根付いても不思議ではありません。
実際に、少しずつではありますが若い男性層を中心にネイルサロンの需要は高まっています。
男性層を取り込む点も今後の運営においてポイントとなるでしょう。
フランチャイズでネイルサロンを開業するメリット
ネイルサロンに伴い開業資金や運転資金、平均年収といった点を解説しましたが、実際にネイルサロンを経営する場合、フランチャイズで開業した方が良いのか自主独立した方が良いのかどちらなのでしょうか?
まずはネイルサロンをフランチャイズ経営した場合のメリットについて解説します。
(1)ブランドの活用により集客効果がある
ブランドを利用することにより、名前を利用できますのでブランド名を利用するだけで一定の集客効果が見込めます。
加盟しているフランチャイズによっては販促活動に関して、本部が行ってくれる場合もありますので、自主独立して開業するよりもメリットは大きいでしょう。
(2)販売ルートが確立している
販促活動は本部が指導する中で程度定められています。
販促に関してある程度ノウハウがある点や、販促の資材を本部で調達してくれるケースもありますので販売に関するルートがある程度確立しています。
販促の資材を準備してくれるだけでも、手間が省けて大変便利です。
人件費の削減にもつながりメリットといえるでしょう。
(3)フランチャイズの教育システムで初心者でも経営できる
研修制度や教育システムがしっかりとしているフランチャイズを選ぶことで経験が浅い人や初心者でもネイルサロンを開業できます。
店舗を開いた後でも定期的な研修を行い最新の技術を学ぶことも可能です。
教育システムの充実もフランチャイズを利用する上で大きなポイントです。
フランチャイズでネイルサロンを開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズにはメリットもありますが、同じく注意点もあり、前もって対策しておくことで開業後のリスクをなるべく少なくしておくことができます。
(1)ロイヤリティが毎月かかる
フランチャイズ経営を行うとどうしてもかかるのがロイヤリティです。
売上に対する割合の場合が多いので、稼げば稼ぐほど、ロイヤリティは高くなります。
フランチャイズによってはロイヤリティがない企業もありますがほとんどの企業において毎月ロイヤリティを払わなければいけません。
毎月の支出が必ずかかる点はデメリットといえるでしょう。
(2)自由度が低い
フランチャイズに加盟すると、さまざまなサポートがあるのですが、ある程度本部の意向に沿った経営を行わなければいけません。
新たなサービスを行いたくても本部のサービスとは異なるのでできないといったケースも珍しくはありません。
自分のお店ではありますが、フランチャイズに加盟しているために少し自由度が下がる点はデメリットといえるでしょう。
(3)投資コストが高額になりがち
フランチャイズの開業資金は前述しましたが、加盟金や研修費用など自主独立する場合には不必要な資金が発生します。
そのため、初期コストが高額になりがちです。
さらに物件の取得費なども必要になりますので、フランチャイズの店舗展開には初期費用に関して多めに準備しておく必要があります。
まとめ
ネイルサロンはここ15年程度で事業の規模が2倍にまで伸びている成長産業です。
しかも新たな客層を取り込むことで更なる成長にも期待ができます。
フランチャイズで経営する場合、年収は1店舗あたり、400万円~900万円の年収が見込めます。
さらに店舗数を増やす事で更なる収入増にも期待ができます。
フランチャイズでネイルサロンを経営する場合、初期投資が高くなる点やロイヤリティが発生するといった金銭的な負担があります。
しかし、一定の集客効果が見込め、大手の看板で経営ができる点は大きなメリットで、教育システムがしっかりしていると研修で最新の技術が提供されます。
フランチャイズの有無によりさまざまなメリットがありますので、自分の現状を踏まえた選択が必要です。