メガフランチャイジーとは何か?

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メガフランチャイジーとは何か?

「フランチャイズ契約しても儲かるのは本部だけ」と考えている人はいるかもしれません。加盟店は毎月の売上からロイヤリティを支払う必要があるため、本部のほうが儲かりやすいのは確かです。

ですがフランチャイズ店を経営して、本部のビジネスモデルから儲けている加盟者もいます。中には経営する加盟店を増やして事業規模を拡大し、会社をメガフランチャイジーになるまで成長させる経営者も存在するのです。

複数のフランチャイズで儲ける、メガフランチャイジーの具体的な定義や企業例について解説します。

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メガフランチャイジーとは?

さまざまなフランチャイズに加盟して、多店舗の加盟店を経営することをメインの事業とする企業をメガフランチャイジーと呼びます。上場している企業も存在するのがメガフランチャイジーの特徴。

複数の業種や業態のフランチャイズに加盟することで、企業がメガフランチャイジーになるのが一般的です。同じ業種や業態のフランチャイズに複数加盟するのは難しいため、業種を変えつつ加盟店を増やします。

フランチャイズ本部としてはノウハウの流出を避けるために、加盟者が同業他社のフランチャイズに加盟するのは避けたいこと、多角的にフランチャイズ契約することで加盟者は事業規模を拡大できます。

数多くのフランチャイズ店を経営することで、ノウハウを活かして店舗を効率的に経営できるのがメガフランチャイジーのポイント。メガフランチャイジーをより深く知るために、定義やメリット、デメリットを見ていきましょう。

(1)メガフランチャイジーの定義

メガフランチャイジーの定義は法律や制度では決まってなく、多数の加盟店を経営していればどの企業でもメガフランチャイジーと名乗れます。

ですが中小企業診断士によって構成されるフランチャイズ研究会ではメガフランチャイジーの定義が決められていて、以下のどちらかの条件を満たした企業がメガフランチャイジーとなるのが一般的です。

  • フランチャイズ契約により30店以上の店舗を経営しているフランチャイジー
  • フランチャイズ加盟店からの売上高が20億円以上のフランチャイジー

もし加盟者が経営する企業の目標をメガフランチャイジーとするのであれば、上の2つの指標を参考にすることを勧めます。

(2)メガフランチャイジーのメリット

フランチャイズ契約によりさまざまなブランドを事業に活用できるのがメガフランチャイジーのメリットです。既に有名な商標を店舗で利用することで、収益性を上げやすい利点があります。

例えばコンビニを経営者が運営する場合、1つのブランドだけでは収益源が少なくてリスクが大きいです。ですが複数のブランドに加盟して複数の店舗を運営することで、収益源を分散して安定した経営を実現できます。

事業に投資した資金をすぐに回収することで、事業規模を拡大しやすいのもメガフランチャイジーのメリット。他者のビジネスモデルを取り入れるから企業の成長性が高いです。

複数のフランチャイズ契約を結ぶことで、本部よりもメガフランチャイジーのほうがノウハウを蓄積しやすくなります。ノウハウやブランドを取り入れて、事業規模を拡大しやすいのがメガフランチャイジーの魅力的なポイントです。

(3)メガフランチャイジーのデメリット

複数のフランチャイズ本部と契約を結ぶため、売上に対するロイヤリティが高額になりやすいのがメガフランチャイジーのデメリットです。ブランドやノウハウを利用するためのコストが高くなります。

例えば複数の加盟店を運営するために売上から20%のロイヤリティが引かれる場合、手元に残る利益がかなり減るものです。売上が1,000万円であれば、200万円を本部に支払わなければなりません。

他の経営者が同一のブランドイメージを悪化させた場合、自分の加盟店までイメージが悪くなるのもデメリットです。アルバイトの問題行動などの不祥事が起きた場合、売上が大きく下がる可能性があります。

メガフランチャイジーでは他社のブランドやノウハウに頼るため、コストや経営リスクが大きくなりやすいところが難点です。加盟店を増やす前にメガフランチャイジーのメリットやデメリットを理解しておきましょう。

メガフランチャイジーである企業の例

複数のフランチャイズを取り入れて成長した企業は国内に複数存在します。数は多くありませんが、中には証券取引所に上場して株式を公開しているメガフランチャイジーもいるのです。

実績のあるメガフランチャイジーの企業例は次の6つ。

  • 株式会社マンツーマンアカデミー
  • 株式会社ヴィアン
  • DCMサンワ株式会社
  • 株式会社東急グルメフロント
  • 株式会社フジタコーポレーション

それぞれの企業における特徴を簡単に解説します。

(1)株式会社マンツーマンアカデミー

マンツーマンアカデミーは千葉県や茨城県、埼玉県に校舎を設置している学習塾をメインとしたメガフランチャイジーです。実際に30校以上の校舎を運営しているため、フランチャイズ研究会の定義に当てはまります。

複数の業種を取り入れるのではなく、単一のフランチャイズで多店舗展開しているのが特徴です。個別指導塾であるスクールIEにフランチャイズで契約することで、店舗を効率的に増やしています。

企業の理念も教育を重視した内容であり、事業内容も個別学習指導や予備校事業といった学習に関連することだけです。学習塾に特化することでマンツーマンアカデミーは事業を拡大しています。

(2)株式会社ヴィアン

株式会社ヴィアンは飲食店の運営をメインとしたメガフランチャイジーです。自らメガフランチャイジー企業であることを名乗っていて、日本全国に以下の加盟店を運営しているのが特徴。

  • 軽食やコーヒーを提供する飲食店「ミスタードーナツ」
  • ファーストフードを提供する飲食店「モスバーガー」
  • DVDやCDなどをレンタルや販売で提供するサービス店「TSUTAYA」
  • カツ丼をメインに提供する飲食店「かつや」
  • スイーツやコーヒーを提供する喫茶店「さかい珈琲」

企業理念には商いにより顧客満足度を高めて地域に貢献する旨が記載されています。同一の業種で複数のブランドを取り入れることで、経済成長が停滞している平成でも店舗数を増やせているのがポイントです。

(3)DCMサンワ株式会社

DCMサンワ株式会社はさまざまな小売店をフランチャイズにより運営しているメガフランチャイジーです。加盟しているフランチャイズの数が多く、以下のような店舗を運営しています。

  • 自動車向け用品を取り扱っている「オートハウスCAL」
  • 比較的安い食材を販売する「業務スーパー」
  • 100円で生活雑貨や日用品などを販売する「ザ・ダイソー100円ショップ」
  • 自動車の貸し出しサービスを提供する「ニコニコレンタカー」
  • タイヤサービスやバッテリー、オイル交換などを提供する「イエローハット」

経営信条には商品の提供や人についての項目が多くあり、暮らしに役立つことを経営理念としています。小売を重視してフランチャイズ加盟店を増やしているのがDCMサンワ株式会社の特徴です。

(4)株式会社東急グルメフロント

東急電鉄の沿線に飲食店を設置して、さまざまなブランドを持った加盟店を経営しているのが株式会社東急グルメフロントです。メガフランチャイジーの中では加盟しているフランチャイズが多い特徴があります。

東急グルメフロントが加盟しているフランチャイズ店の一例は以下の通りです。

  • ファストフード:ケンタッキーフライドチキン、築地銀だこ
  • カフェ:ドトールコーヒーショップ、タリーズコーヒー、THE ROYAL CAFE
  • ベーカリー:リトルマーメイド、デニッシュバー、神戸屋
  • レストラン:しぶそば、さっぽろラーメン横丁 満龍、夢吟坊

株主は東京急行電鉄株式会社であり、鉄道会社の子会社がメガフランチャイジーとして活動しているのがポイント。鉄道の利用客や沿線住民に東急グルメフロントは飲食を提供しています。

(5)株式会社フジタコーポレーション

株式会社フジタコーポレーションは飲食店をメインに運営しているメガフランチャイジーです。ファストフードだけでなくカフェやレストランといった多様なブランドを扱っています。

実際にフランチャイズに加盟して経営しているお店の一例は以下の通りです。

  • ファストフード:ミスタードーナツ、モスバーガー
  • レストラン:牛角、温野菜、かまどか、おっぺしゃん、はなまるうどん
  • カフェ:スペースクリエイト自遊空間、ドトールコーヒーショップ
  • 小売やサービス:セリア生活良品、宝くじ/toto

ジャスダックに株式を公開する上場企業であり、2019年3月現在では75店舗を運営しています。なるべく業種を絞ることで企業規模を拡大しているのがフジタコーポレーションの特徴です。

メガフランチャイジーになるには?

「自分で複数のフランチャイズに加盟してメガフランチャイジーを目指したい」と考える人もいるはず。自社をメガフランチャイジーになるまで成長させるには、以下のポイントに気をつけることが重要です。

  • 実績のあるFC本部を探す
  • 兼業できるFCに加盟する
  • 投資した資金をすぐに回収する
  • 人材を育てて店舗を増やす

それぞれのポイントについて簡単に解説します。

(1)実績のあるFC本部を探す

メガフランチャイジーになるにはまず1つのフランチャイズに加盟して、1店舗から経営することが必要です。最初の段階でつまづかないために、事業の成功が見込めるFC本部を探して検討しましょう。

(2)兼業できるFCに加盟する

フランチャイズ店舗を増やしていくには兼業できる本部と契約することが重要です。契約上で兼業が認められていないと、店舗数を増やしにくくなるため注意しましょう。

(3)投資した資金をすぐに回収する

フランチャイズに加盟するには多額の資金が必要であり、加盟店から投資した資金を回収しないと店舗を増やせません。早く事業を拡大するために投資回収を意識することがポイント。

(4)人材を育てて店舗を増やす

運営している店舗数を増やすには、お店を任せられる人材を育てることが必要です。店舗の運営を社員に任せられるようになったら、店舗を増やして事業を拡大していくと良いですね。

まとめ

30店舗以上のフランチャイズ店を運営しているか、フランチャイズの売上高が20億円以上ある企業をメガフランチャイジーと呼びます。さまざまな情報やブランドを取り入れることで、ノウハウを活かして店舗経営できるのが特徴です。

よりビジネスからの収益性を高めるために、メガフランチャイジーを検討してみることを勧めます。


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