フランチャイズビジネスで赤字から黒字に転換するポイントは?
フランチャイズに加盟して独立し、開業したけどなかなか黒字転換しない。
思った通りに収益が上がらないなど売り上げに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
開業当初は、赤字でもなるべく早く黒字転換し収益を上げなければ赤字続きだと何のために開業したのかわかりません。
実際に、フランチャイズに加盟し開業しどのくらいの期間で黒字転換を見込んでおけばいいのでしょうか?
また、フランチャイズの業種によって黒字になりやすい業種にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、独立開業して、黒字転換するポイントや黒字になりやすい、フランチャイズの業種などについて詳しく解説します。
目次
フランチャイズで開業したけど赤字が続くのが怖い 黒字化したのはいつくらい?
まず、実際にフランチャイズに加盟して独立開業した人たちがどの程度の月数で黒字転換しているのか?
また、開業当初に支出した開業資金をどのくらいの期間で回収したのかといった点について解説していきましょう。
(1)単月黒字が続くようになった統計
大手求人募集サイトのマイナビさんがフランチャイズオーナーで開業して5年以上の方にアンケートを行っています。
その統計によると、単月黒字が常態化したのは独立開業後2年以内というのが全体の約75%です。
中には、2ヶ月以内で黒字化に成功したケースなどもあり、黒字化の時期はそれぞれ異なっています。
5年経過してもまだ黒字化を達成していないようなフランチャイズオーナーもいますので、フランチャイズに加盟したからといって簡単に黒字になるというものではありません。
フランチャイズに加盟した場合、本部の経営ノウハウや知名度を利用して開業できるというメリットはあります。
しかし、同じビジネスモデルを用いて経営したとしても黒字化する時期は加盟店の状況によって大きく異なるといえるでしょう。
フランチャイズに加盟したことに甘えず、加盟店側も黒字に向けた取り組みを行わなければいけません。
(2)コスト回収できる目安は?
フランチャイズに加盟し独立開業する場合、当然ながら開業する資金が必要です。
単月黒字を常態化させながら開業にかかった資金を回収しなければいけません。
こちらも前述したアンケートを見てみると、約70%程度の人が5年以内に投資資金を回収しています。
これには、最初に投下した資金がどの程度なのかによって大きく異なり、1年以内に回収できたという人も20%以上です。
逆に5年を過ぎても回収していないという人も約30%程度いますので、これも事業内容や取り組み方で大きく異なるといえるでしょう。
独立開業する場合は、投資資金を回収する目安を3年や5年とあらかじめ設定しておき、回収に向けた経営を心掛ける必要があります。
フランチャイズで開業し、利益を上げやすい業種とは?
フランチャイズの業種によっては、単月黒字化を常態化しやすいものがあると前述しました。
例を挙げると、ランニングコストがかからず損益分岐点が低い業種などは黒字化しやすいといえるでしょう。
では、どのような業種が利益を上げやすいのでしょうか?
ここからは、利益を上げやすい業種について解説します。
(1)リペア業
リペア業がまずは挙げられます。
リペア業とは一般的にご自宅のリペアが必要な場合に出向いて家をリペアする。
革製品など一定の製品をリペアするなど、直接お客様宅へ訪問し希望するものをリペアして報酬を得る業務内容です。
お客様の元へ直接出向きますので、店舗を構える必要がありません。
また、業務内容がリペアですので、修理道具があれば仕事ができます。
つまり在庫を抱える必要もないのです。
毎月の支出にそう大きなものはなく、また店舗も在庫も必要ありません。
開業にかかる資金に多額のお金を倒壊する必要がないのです。
これらのことからリペア業は利益を上げやすい業種といわれています。
(2)介護業
介護業も利益を上げやすい業種といえます。
ひとことで介護業といっても内容は多岐にわたりますが、介護業が利益を出しやすい理由としてニーズが非常に高いことが挙げられるでしょう。
2010年時点では、10兆円程度の市場規模だったのが、2025年には19兆円規模と20兆円に迫る勢いです。
さらに、高齢者の増加に伴い今後も需要は高い事業だと想定されています。
これらの理由により、介護業も利益を上げやすい業種といえるでしょう。
(3)家事代行業
家事代行業とは、自宅での家事を代行する事業です。
家の掃除や買い物、その他お手伝いさん的な役割などいくつかの仕事内容が挙げられます。
こちらもリペア業と同じく、直接お客様宅に訪問し、サービスを提供しますので、店舗を構える必要がありません。
また、商品を販売するわけではなく技術料や人件費といった支出のみとなりますので、在庫を抱えることもないでしょう。
リペア業同様、ランニングコストがかかりにくい点や、開業に関する資金を余り投下する必要がありませんので、利益を上げやすい業種といえます。
(4)テイクアウトサービス業
2020年から猛威を振るうコロナウイルスの影響により外食産業は大きなダメージを受けています。
多くの企業が廃業や閉店など、落ち込みが激しいのがコロナ禍における外食産業の現状です。
その中で、着実に実績を上げているのがテイクアウトサービス。
弁当などをテイクアウトで持ち帰り自宅で食事をとる家庭が増えています。
実際に外食産業がテイクアウトサービスに進出している例も多く、市場規模は拡大しているといえるでしょう。
セントラルキッチン方式のテイクアウトサービスであれば、お店では盛り付けのみを行えばいいので、設備投資にそう大きな費用がかかりません。
コロナ禍において需要も高まっていることからも、利益を上げやすい業種といえます。
フランチャイズで売上保証ってあるの?
フランチャイズに加盟し開業しようとする場合、事業がうまくいかなく赤字続きになる可能性を想定し、開業に躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか?
実はフランチャイズの中には加盟し開業する際、一定の売り上げ保証を付保しているフランチャイズ本部があるのです。
ここからは、フランチャイズにおける売り上げ保証の概要などについて解説します。
(1)フランチャイズの売り上げ保証とは?
フランチャイズ本部によっては、一定期間売り上げを保証してくれるシステムがあります。
加盟店の売り上げが一定の水準に達しない場合、本部が売り上げを補填するシステムです。
特に開店当初はどうしても売り上げが赤字になることも多いので、売り上げ保証があると認知度が高まるまでは保証制度を有効活用します。
近年、フランチャイズ加盟店の獲得にフランチャイズ本部もさまざまなサービスを取り扱っており売り上げ保証制度もその一環といえるでしょう。
(2)売り上げ保証があるフランチャイズについて
では、売上保証があるフランチャイズにはどのようなものがあるのでしょうか?
一概にこの業種に売り上げ保証が集中しているということはありません。
あくまでも、フランチャイズ本部のサービスとなりますので、どのような業種においても売り上げ保証を行っている場合があります。
今回調査したところ、清掃管理業務や買取専門店などで売り上げ保証があるフランチャイズがありました。
当初の赤字経営が不安な場合は、売り上げ保証があるフランチャイズ本部に加盟することも効果的です。
黒字化しやすいフランチャイズ本部の協力体制とは
フランチャイズに加盟して早い黒字化を目指すにはフランチャイズ本部の協力が欠かせません。
フランチャイズ本部との関係性が悪い場合や、方向性に疑問を感じるようではなかなか黒字化には至らないでしょう。
ここからは、黒字化するために行っている本部の協力体制について解説します。
(1)フランチャイズの姿勢がはっきりと理解できる
フランチャイズ本部の姿勢が理解でき、お互いに協調できるような体制が必要です。
本部の都合に合わせた経営になってしまうと、本部への不満が溜まってしまうでしょう。
また、本部の指導方針があいまいになってしまうと、どのような経営を行っていけばいいのか加盟店が戸惑うことになってしまいます。
本部の姿勢や方向性がお互いに共有できる体制づくりが求められるといえます。
(2)内容が多く手厚いサポートが充実している
フランチャイズのオーナーは、未経験で開業することもあり本部のサポートが必要不可欠です。
研修制度の充実や、新しい商品が出た場合の商品知識のサポート、販促物の提供などを求めています。
このようなサポート体制が充実したフランチャイズに加盟すると、黒字化しやすいといえるでしょう。
(3)フランチャイズ加盟店の立場に立って取り組んでくれる
フランチャイズ事業は、本部と加盟店が一体化する必要性が大切なポイントといえるでしょう。
本部の経営スタイルの中には、加盟店の収益は二の次でフランチャイズ本部のロイヤリティを追い求めることに主眼を置いた経営を求められることがあります。
このようなフランチャイズに加盟していても黒字化は非常に難しいといえるでしょう。
フランチャイズ加盟店の立場に立ち、収益を一緒に作り上げるような方針のフランチャイズに加盟することをおすすめします。
赤字から黒字に変換するために注意すること
できるだけ早い段階で黒字化して経営を安定させたいですが、同じフランチャイズに加盟しても黒字化するスピードは加盟店によって大きく異なります。
これは加盟店独自の努力や手法が大きく異なるためです。
ここからは、早めに黒字化するために加盟店が行うことについて解説しましょう。
(1)しっかりと現状分析し弱い部分を改善し、強い部分を伸ばす
現状を分析し、ストロングポイントとウィークポイントをしっかり分析しなければいけません。
フランチャイズの場合、いくつかのモデルケースがありますのでそれらと比較することにより、詳しく分析することが可能です。
このような分析を早急に行い収支改善に努めましょう。
(2)売上が上がる対策を施す
収益を上げるポイントのひとつとして売り上げを上げていくことをまず考えましょう。
集客が弱ければ集客を増やす対策を施す。
集客はできているが客単価が低い場合は、追加して購入する商品を利用するなどといった対策が考えられるでしょう。
先ほど、現状分析を行うことを対策のひとつとして挙げました。
商品ごとの売り上げ対策なども併せて行うことで売り上げを増やして収益を上げることも必要な対策です。
(3)無駄な経費が無いのかをもう一度考える
売上は上がっているけど利益が上がっていない場合などは経費の無駄使いがないかを考えてみましょう。
商品が売れてもその商品を売るために余計な経費をかけてしまってはあまり意味がありません。
無駄な経費チェックも黒字化には欠かせないポイントです。
(4)同じフランチャイズ加盟店の話を聞く
同じフランチャイズ加盟店がどのような経営を行っているのかも気になるところです。
このような加盟店に話を聞くのも自分たちの経営と比較ができます。
話をする中で、経営におけるヒントを見つけることができるかもしれません。
まとめ
フランチャイズに加盟して開業する場合、本部も赤字が続くようなエリアに出店させることは基本的にはありません。
赤字になるには何らかの理由がある場合があるはずなので、まずは加盟店としてどこがマイナスポイントなのかをしっかりと理解する必要があります。
中には本部の収益を上げることがメインとなり、開業した加盟店が苦労しているようなケースもありますので、フランチャイズ本部選びが非常に大切なポイントです。
しっかりとシミュレーションも行ったうえで事業を開始しましょう。