日本政策金融公庫の一般貸付とは?申込方法やオススメの融資制度

カテゴリー : 独立開業コラム

「これから独立するために融資を受けたい」

「日本公庫の一般貸付に申し込もうか悩んでいる」

事業を行っている中小企業の経営者が利用できる制度として一般貸付があります。他の融資制度に比べて利用条件が少なく、最大7,200万円の資金を借りられるのがメリットです。

この記事では起業を検討している人に向けて、一般貸付の利用条件や申込方法について解説します。

日本政策金融公庫の一般貸付とは?制度の概要

日本政策金融公庫では、ほとんどの業種を対象とした融資制度として一般貸付を提供しています。金融業や娯楽業などの一部業種を除く、ほぼすべての中小企業が一般貸付で資金を借りられます。

経営者は一般貸付を利用することで、運転資金または設備資金を調達することが可能です。2019年12月現在、日本公庫は一般貸付における融資限度額や返済期間を次のように定めています。

  • 運転資金:融資限度額は4,800万円:返済期間は基本的に5年以内
  • 設備資金:融資限度額は4,800万円:返済期間は10年以内
  • 特定設備資金:融資限度額は7,200万円:返済期間は20年以内

経営者が希望する融資額や返済期間によっては、保証人や担保が求められる場合があります。どのように資金を借りられるのか、利用条件や申し込みの流れについて見てみましょう。

(1)利用条件

一般貸付には融資における細かい条件がなく、ほとんどの中小企業が利用できます。ただし、一部の業種では日本公庫が融資を認めず、資金を貸し付けない場合があるため注意しましょう。

2019年12月現在、日本公庫が決めている融資非対象業種の一例は次の通りです。

  • 金融業(銀行、協同組織金融、貸金、金融証券取引、保険など)
  • 娯楽業(競輪、競馬、パチンコホール、馬券売場など)
  • 郵便局、政治団体、社会保険事業団体、福祉事務所、更生保護事業など

コンビニやカフェといった一般的な店舗を開業・経営する場合は、問題なく一般貸付を利用できます。

(2)金利

一般貸付における金利は、担保の有無や資金の使い道、融資期間によって異なります。2019年12月現在、担保なしで融資を希望したときの基準金利は2.16%から2.45%です。

担保を提供して一般貸付を利用する場合、基準金利は1.21%から2.10%まで下がります。また、返済期間を短くして利息を減らし、返済額を少なくすることも可能です。

一般貸付では特例金利が適用されず、基準よりもさらに低い金利で融資を受けることはできません。利用するハードルが低い分、資金を借りたときのコストが高くなることを知っておきましょう。

(3)貸付における保険

日本公庫から一般貸付で資金を借りる場合、経営者は任意で団体信用生命保険(団信)に加入できます。事業資金融資団信保険における加入条件は次の通りです。

  • 日本公庫から普通貸付の融資を受ける個人事業主または法人
  • 法人の場合、資本金や従業員数が一定の基準以下であること
  • 代表者または事業主が加入申込時点で満15歳以上~満68歳未満であること

団信に加入することで経営者が死亡または高度障害になったとき、借りたお金の返済義務が免除されます。事業のトラブルで不幸があっても、残された家族に借金を残すことを防げるのです。

将来のリスクに不安を感じる人は団信に加入しておき、前もってリスクの対策をしておきましょう。

(4)申し込みの流れ

日本公庫に一般貸付を申し込む場合、まず電話や窓口で担当者に問い合わせをします。近くの商工会や生活衛生同業組合を訪問して、担当者と融資について相談することも可能です。

一般貸付の内容や融資条件に納得したら、日本公庫が用意している借入申込書に必要な情報を記載して提出します。そして経営者は担当者と面談をして、経営状況や事業について説明を行います。

問題がなければ日本公庫の審査を通過でき、契約における必要書類を受取可能です。事業所に届いた書類に従って契約することで、希望した銀行口座に融資金が振り込まれる仕組みとなっています。

(5)申し込みに必要な書類

日本公庫に借入申込書を提出するには、いくつかの必要書類を添付することが必要です。これから起業する人が融資を申し込む場合、次のような書類が求められます。

  • 創業計画書
  • 企業概要書
  • 個人の場合は直近2期分の申告決算書、法人の場合は直近2期分の確定申告書と決算書
  • 法人の場合、履歴事項全部証明書
  • 見積書(設備資金の申し込みをする場合)
  • (法人で決算後から6か月以上経つ場合は)試算表

創業計画書または企業概要書のテンプレートは日本公庫の「個人小企業の方」ページに掲載されています。書類を作成するときに分からないことがあれば、担当者に質問して解決しましょう。

参考:https://www.jfc.go.jp/n/finance/flow/goriyou.html

起業したい人にオススメの融資制度5選

金利が比較的高い一般貸付には、返済負担が大きく担保や保証人が求められるデメリットがあります。事業をこれから始める経営者にとって、負担の大きい一般貸付は向いていません。

今では起業をサポートする制度が多くあり、一般貸付よりも低いハードルで資金を借りられます。独立や起業を検討している人にオススメの融資制度は次の5つです。

  1. 新規開業資金
  2. 女性、若者/シニア起業家支援資金
  3. 生活衛生新企業育成資金
  4. 創業サポート事業
  5. 起業家育成資金

それぞれの制度について詳しく解説します。

(1)新規開業資金

日本公庫では新しく事業を始める人に向けて新規開業資金を融資しています。

1,000万円以下の融資額であれば、複数の利用条件が免除されて基準よりも低い特別利率で融資を受けられるのがメリットとなります

新規開業資金による融資限度額は7,200万円であり、最大返済期間は20年です。元本を返済しなくてよい据置期間が2年間設定されているため、資金繰りが厳しいときに返済負担を減らせます。

金利は一般貸付と同等ですが、次のような要件に当てはまる人は、基準よりも低い金利で資金を借りられます。

  • Uターンなどにより地方で新しく事業を始める人
  • 地域おこし協力隊で活動した地域にて新しく事業を始める人
  • 技術やノウハウなどに対して新規性がみられる人など

今から起業したい人には、日本公庫による新規開業資金という融資制度はオススメです。

(2)女性、若者/シニア起業家支援資金

日本政策金融公庫では、女性や若者・シニアの独立をサポートする起業家支援資金を提供しています。

「女性」「35歳未満」「55歳以上」のいずれかに該当する人が新しく事業を始めるときに、起業家支援資金を利用することが可能です。

借りた資金は、起業家が必要とする設備費用か長期運転資金として利用することができます。

日本公庫から直接資金を貸し付ける場合、融資限度額は7億2,000万円(その内運転資金2億5,000万円)です。

一般貸付や新規開業資金とは金利基準が異なり、より低い金利で資金を借りられるのがメリットです。2億7,000万円までの融資金には0.71%から0.90%の特別利率が適用されます。

ビジネスモデルを細かく設計できて将来的に会社を拡大していきたい人に、起業家支援資金はお勧めできます。

(3)生活衛生新企業育成資金

飲食店やクリーニングなど生活衛生に関係した店舗を起業する場合、経営者は生活衛生新企業育成資金を利用できます。

一般貸付では、最大4億8,000万円までのお金を設備資金として借りることが可能です。

融資の対象となる業種は次の通りです。

  • 飲食業(喫茶店、食肉販売店、氷雪販売業を含む)
  • 理容業・美容業(理容師・美容師育成施設を含む)
  • 興行場営業
  • 旅館業(公衆浴場を含む)
  • クリーニング業

日本公庫の一般貸付と基準金利は同じですが、条件を満たすことで金利は下がるのが特徴です。例えば地方で創業する場合、0.81%から2.05%の金利で融資を受けることができます。

(4)創業サポート事業

東京都では地元に密着した創業を支えるために、女性・若者・シニア創業サポート事業を行っています。アドバイザーと事業について相談できるほか、低金利で資金を借りることが可能です。

創業サポート事業による融資の限度額は1,500万円であり、利率は固定金利1%以下となっています。担保や保証人がなくても創業サポート事業で融資を受けられるのがメリットです。

(5)起業家育成資金

一部の地域では起業する人や創業して間もない人に、起業家育成資金を提供しています。例えば埼玉県の場合、条件を満たすことで設備・運転資金併せて1,500万円まで借りることが可能です。

近くの商工会や自治体の創業支援センターに相談することで、起業に役立つ融資制度を見つけることができます。

自治体によるサポートを受けたい人は創業支援センターをチェックしてみましょう。

融資を受ける時のコツ

起業したい人が融資を受けるのは簡単ではなく、準備不足だと審査に落ちやすいです。事業の実績がないために金融機関が信用を判断できず、融資が難しくなるパターンはよくあります。

審査に落とされないためには前もって対策しておき、金融機関から悪いイメージを持たれないことが重要です。起業するために金融機関から融資を受けるコツは3つあります。

  1. 自己資金を用意する
  2. 資金が必要になる根拠を提示する
  3. 3年分の事業計画を作る

それぞれのコツについて詳しく見てみましょう。

(1)自己資金を用意する

基本的に金融機関は、融資を申し込んだ人の預金残高や資産状況をチェックします。自己資金があれば計画的にお金を使えることをアピールでき、審査に落とされにくくなる傾向です。

日本公庫の2013年度新規開業実態調査のデータによれば、創業資金総額における約27%を自己資金が占めています。

資金繰りを安定化させるのは難しいため、なるべく多額の自己資金を用意しておきましょう。

(2)資金が必要になる根拠を提示する

創業時に融資を受けるには、お金が必要となる根拠を担当者に提示することも重要です。使い道が曖昧だと金融機関から信用を得られず、融資が許可されない可能性があります。

(3)3年分の事業計画を作る

起業した後に資金を返済できることを理解してもらうために、申し込み前に3年分の事業計画書を作成しましょう

長期的に利益が増えていくことを客観的に示すことで、審査に通りやすくなります。

まとめ

日本政策金融公庫では中小企業を対象に一般貸付を提供しています。一部の業種を除いた中小企業が一般貸付を利用でき、最大7,200万円もの資金を調達できるのがメリットです。

これから起業する人は、一般貸付よりも金利の低い新規開業資金や起業家支援資金を利用するのがオススメです。

商工会や自治体などで融資について相談して、よりよい条件で資金を調達しましょう


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