フランチャイズによるショットバー開業のメリットとデメリット
2020年よりコロナウイルスの流行により外出自粛や夜の外食などが制限され、多くの居酒屋やバーが廃業し、外でお酒をたしなみたくてもできない状況が続いています。
しかし、徐々に回復傾向にあり居酒屋やバーなどの需要も回復している傾向です。
このような状況の中、減少した居酒屋やショットバーの代わりに独立開業しようとする動きも増えてきています。
特にショットバーでの独立開業などは多くの人が注目しているといえるでしょう。
この記事ではフランチャイズによるショットバー開業について詳しく解説します。
目次
ショットバーとはどのようなスタイル? なぜ開業が人気
一般的にお酒を飲みに夜の街に出るといってもお酒を提供するスタイルは店によって大きく異なります。
居酒屋やスナック形式など非常に多くのスタイルを挙げることができます。
ではショットバーとはどのようなタイプのお店なのでしょうか?
また、なぜショットバーが開業において注目を受けているのでしょうか?
ショットバーのスタイルなどについて解説します。
(1)ショットバーとはどのようなタイプのお店?
ショットバーのショットはワンショットを指しています。
ワンショットというのはボトルで酒を注文するのではなく1杯ずつお酒を注文するスタイルのことです。
つまり、ショットバーとはお酒を1杯ごとに注文してお酒を楽しむスタイルのバーといえます。
1杯だけ飲んで帰宅しても良いし、何杯も飲んでゆっくりお酒をたしなむのも自由です。
気軽にお酒が楽しめるスタイルといえるでしょう。
(2)開業が人気な理由は?
夜のお酒を楽しむお店として独立開業するのにショットバーが注目されていると前述しました。
開業において人気の理由はいくつか挙げられます。
ショットバーは食事などを提供する必要が無くお酒を単純に楽しむ人が来店します。
お酒は利益率が高いといわれていますが、単純にお酒の提供だけで利益率が高いといったイメージがある点が開業に人気のひとつです。
また、ショットバーにはおしゃれでかっこいいイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
おしゃれでかっこいいショットバーのオーナーになるといった優越感を感じることができる点も開業に人気の理由です。
フランチャイズによるショットバー開業の収益は?
実際にフランチャイズによりショットバーで起業した場合、ショットバー経営は収益が上がりやすい業種なのでしょうか?
ショットバーを開業した場合の収益面について解説します。
(1)原価率は非常に低く利益率が高い
一般的にお酒などドリンクを中心に提供するお店の方が利益率は高いといわれています。
同じお酒を提供するお店でもフードに関しては、仕入れの材料費と調理等についても人件費といったコストが発生します。
そのため、フードは利益率が低くなってしまい効率的には良くはありません。
ショットバーでは基本的にお酒のみ提供しますので、他のお酒を提供するスタイルのお店より利益率が高い店舗形態といえるでしょう。
(2)ロスが少ない
お酒と一緒にフードを提供しているスタイルのお店だと注意しなければいけないのは、ロスが出やすいという点です。
フードの材料はそう長持ちするものではありません。
売れなければ廃棄処分となってしまい材料費分ロスとなってしまいます。
利益どころかマイナスとなってしまう場合があるでしょう。
しかし、ショットバーは繰り返しとなりますが基本的にお酒だけを提供するスタイルです。
フードの提供はほとんどありませんのでロスがほとんど出ません。
この点もショットバーが収益を上げやすい特徴のひとつです。
(3)居抜き店舗でコストを抑えることができる
開業する場合、店舗を構える必要がありますが。
改装費用などに多額のコストを投下しなければいけません。
しかし、店舗の改装についてコストを抑える方法があります。
居抜き店舗を利用することです。
居抜き店舗とは、閉店したショットバーの設備や家具などがついたままの状態で売買や賃貸されている店舗を指します。
既に設備が整っていますので、改装や設備の設置費用を大幅に抑えることが可能です。
また、既に設備があるので、改装の費用だけではなく期間も非常に早く仕上げることができます。
つまり居抜き店舗を取得した方が早く営業ができるという点でも収益が上げやすいといえるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
ショットバーをフランチャイズで開業する場合、利益率が高くロスも少ないので収益を上げやすいと解説しました。
次に気になる点が初期費用やロイヤリティといったコスト面です。
ここからはフランチャイズに加盟してショットバーを開業する場合のコスト面について解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
起業のコスト面においてイニシャルコストとランニングコストのふたつに分けてどの程度のコストがかかるのかを理解しなければいけません。
イニシャルコストとは、開業までにかかる費用のことを指します。
店舗の取得費や開業までの広告費などが該当するコストです。
店舗の取得費は、自分が開業しているショットバーの規模や立地などによって金額が変わりますので一概にはいえません。
あわせてフランチャイズに加盟しての開業となると加盟金をフランチャイズ本部に支払う必要があります。
加盟金とは、まさしくフランチャイズに加盟するための入会金といった位置づけの費用です。
加盟金もフランチャイズ本部によって異なりますが、中には何百万円単位となっていますのでそう安いコストではないといえます。
これらを含め一般的にショットバーの開業には600万円程度の費用が必要といわれているのです。
少し前に触れましたが、居抜き店舗を利用するなどでイニシャルコストを抑える方法も効果的といえるでしょう。
(2)ロイヤリティなどのランニングコストは?
次にランニングコストについて解説します。
フランチャイズに加盟して最も自主独立と異なるのはロイヤリティがかかるという点です。
フランチャイズに加盟することにより、フランチャイズ本部の経営ノウハウや知名度を利用できる代わりに使用料として毎月ロイヤリティを支払わなければいけません。
ロイヤリティは売り上げのパーセンテージのケースもあれば定額の場合もあり、これもフランチャイズ本部によってさまざまです。
またランニングコストとしては光熱費や材料費なども計算しなければいけません。
ショットバー開業におけるランニングコストは一般的に売り上げの50%以下におさえると順調に経営できているといわれています。
ランニングコストを売り上げの50%以下に抑える経営を心がけましょう。
フランチャイズによる加盟店へのサポートは何を行う?
フランチャイズに加盟して起業する場合、前述した経営ノウハウや知名度を利用して経営することが可能となります。
その他にはフランチャイズ本部は加盟店に対してどのようなサポートを行うのでしょうか?
フランチャイズ本部が行うサポート内容について解説します。
(1)店舗探しのサポート
フランチャイズ本部は加盟店獲得のため、ショットバーに向いている店舗情報や居抜き店舗の情報など加盟された個人や法人が開業しやすい店舗情報を持っています。
このような店舗情報を持つことにより、加盟店に店舗探しの余計な負担をかけさせないようにもしているのです。
店舗探しのサポートを行い、成功しやすい立地の提供により加盟店をサポートします。
(2)研修でノウハウを取得する
フランチャイズ本部の経営ノウハウを利用して開業することができますが、身についていないまま開業しても失敗する可能性が高くなってしまうでしょう。
そのため、きちんと経営ノウハウを身につけて開業できるように研修などを行い開業に備えます。
研修がしっかりしたフランチャイズ本部に加盟すると自分自身はショットバーでの経験が浅い場合や未経験でも開業が可能です。
事前の研修もフランチャイズ本部のサポートとして大きな手助けとなります。
(3)仕入れ先の紹介
ショットバーでもお酒の提供など仕入れが欠かせません。
独立開業した場合、ツテが無ければ仕入れに苦しむことになってしまいます。
やっと仕入れ先を見つけたとしても仕入れコストが非常に高くなってしまうことも考えられるでしょう。
フランチャイズに加盟すると本部の仕入れ業者を紹介してくれますので、仕入れ面に関してはほとんど心配する必要がありません。
本部はいくつもの加盟店の仕入れを一括して仕入れ業者に発注しますので、ボリューム面から安い金額で仕入れることができる場合もあります。
仕入れ面のサポートも大きなフォローといえるでしょう。
(4)開店後の悩みなどのサポート
ショットバーを開業することによりあなたも経営者の仲間入りとなります。
経営者は孤独だとよく言われますが、なかなか悩みや相談ができる相手がいなくなってしまうことから孤独といわれるようです。
雇っている従業員にはなかなか立場が違うので悩みを相談することもできません。
しかし、フランチャイズに加盟すると本部の担当者が定期的に相談に乗ってくれます。
いくつもの加盟店からの相談を本部は受けていますので、適切なアドバイスなどにも期待が持てるでしょう。
また悩みの相談ができる相手がいるというだけでも経営者は、非常に心強さを感じます。
悩みのサポートを受ける点も本部の大きな役割です。
フランチャイズでショットバーを開業するメリット
フランチャイズに加盟することで本部のさまざまサポートを受けることができるだけでも大きなメリットです。
がその他にもフランチャイズ加盟店はメリットを感じることができます。
ショットバーをフランチャイズに加盟して開業する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
フランチャイズに加盟するメリットについて解説します。
(1)原価率が安いので売り上げを上げやすい
ショットバーは基本的にお酒の提供がメインになりますので、原価率が安くロスが少ないお酒の提供となり利益率が高いので売り上げを上げやすい点がメリットです。
更にフランチャイズ本部の指定する仕入れ業者を紹介してもらえます。
加盟店がいくつもある本部であればボリュームが多くなるので仕入れ原価を安く仕入れることができる場合もありますのでさらに利益が上がりやすくなるでしょう。
(2)オペレーションがシンプル
カクテルなど一定のスキルが費用な場合もありますが、基本的には分量をしっかりと理解しておけばさまざまなカクテルの提供も可能です。
その他にも基本的にお酒の提供がメインとなりますのでオペレーション自体はシンプルといえます。
未経験でも開業しやすいのはショットバー経営のオペレーション自体のシンプルさが挙げられますがフランチャイズに加盟することで研修によりオペレーションが身につきます。
これもフランチャイズに加盟するメリットとして挙げられます。
(3)リピーターが得やすい
フランチャイズ本部に加盟することで、看板やオリジナルメニューが利用できるので、そのフランチャイズブランドのリピーターを得やすい点もメリットです。
基本的にはフランチャイズの経営スタイルをそのまま使いますので本部の開発したオリジナルカクテルなどのファンがいるでしょう。
フランチャイズ本部のファンがリピーターとして付きやすい点もメリットです。
フランチャイズでショットバーを開業するデメリット
フランチャイズに加盟して開業するのはメリットばかりではありません。
デメリットもありますのでしっかりと理解しておきましょう。
ここからはフランチャイズに加盟するデメリットについて解説します。
(1)自由に経営ができるわけではない
基本的に経営においてはフランチャイズ本部のブランドを使用するので、加盟店同士横並びの経営を求められます。
例えば、あなたがオリジナルカクテルのレシピを持っていたとしてもそれを提供することはできません。
経営の自由度が制限されてしまう点がデメリットとして挙げられます。
(2)廃業するときに違約金がかかる可能性がある
フランチャイズ本部と加盟店契約を行うと契約内容にもよりますが中には長期間の契約期間を結びます。
そうなると、経営不振となり廃業したくても契約期間内だと多額の違約金が発生する場合があり、店を閉めたくても閉めることができません。
また、フランチャイズ契約をうまく解消できた場合も競業禁止条項により一定期間ショットバーの開業を制限される場合があります。
契約期間内においていくつかの制限がある点もデメリットといえるでしょう。
(3)酒癖の悪い客が常連になる場合がある
ショットバーはお酒を提供しますので、中には酔っぱらったすえに迷惑をかけてしまうお客様があらわれます。
特に酒癖が悪いお客様が常連になってしまうと他のお客様の足が遠のくこともあり経営に深刻な影響を与えてしまうかもしれません。
このようなお客様の対応などで労力がかかる点もデメリットといえるでしょう。
まとめ
コロナ禍において影響を受けた夜の業界も少しずつ回復傾向を見せている2021年の年末ですが、ショットバーの需要も含め全体的に回復傾向にあるといえます。
この記事ではフランチャイズによりショットバー経営について触れてきました。
利益率も高く、オペレーションもシンプルですのでフランチャイズに加盟すると比較的起業しやすいスタイルといえます。
しかし、フランチャイズに加盟しての起業にはデメリットも考えられますので双方をしっかりと分析した上で判断することが大きなポイントです。