私設私書箱(レンタルポスト)をフランチャイズで開業する手順と初期費用
テレワークが社会的に浸透し、自宅で仕事をする機会が増え、そもそもオフィスを構える必要性が少なくなるといわれている昨今、新たな需要が考えられるのが私設私書箱です。
私設私書箱とは、郵便物や荷物の受け取りを代行するサービスのことを指します。
オフィスが無くなり、自宅で仕事ができる反面、オフィスあてに来る郵便物を自宅宛てにするのは好ましくありません。
そこで私設私書箱サービスと契約し、会社用の書類や郵便物は私設私書箱に届くようにします。
このようなサービスを利用することで、さらにオフィスを構える必要性がなくなり経費節減となるわけです。
オフィスの削減といった需要に対し、新たに私設私書箱サービスを展開しようといった動きも増えています。
では、この私設私書箱サービスをフランチャイズに加盟し事業を行う場合、どのくらいの収益が上がり、開業の費用はどのくらいかかるのでしょうか?
この記事では、私設私書箱サービスのフランチャイズ経営について解説します。
目次
私設私書箱は安定性があり、兼業できる
まずは開業にあたり、私設私書箱の需要や将来性を分析しましょう。
将来性が有望なビジネスに着手しなければ意味がありません。
ここからは、私設私書箱サービスの将来性に関して解説します。
(1)オフィススペースに余剰がある場合の有効活用として運用
前述しましたが、テレワークなどの浸透によりオフィスを構える需要が下がっています。
そのため、私設私書箱サービスの需要は増えています。
例えば、新たなビジネスとしてこのサービスを行う場合、現在自分が構えているオフィスの余剰スペースを利用して、サービス提供すると効率的なオフィススペースの活用になるでしょう。
利用者は、書類を受け取りに来るか、私設私書箱サービスから再度発送してもらうといった利用法が可能です。
(2)需要は比較的安定している
いったん利用者が現れると、継続的に契約しますので、売り上げは安定します。
一件あたりの単価はそう高くはありませんが、継続して契約が続くというメリットがあるので、件数を増やすことにより安定した需要が見込めるといえるでしょう。
最初のうちは赤字かもしれませんが、いったん黒字化するとそうそう収益が下がりにくい点も私設私書箱サービスの特徴です。
フランチャイズによる私設私書箱開業の平均年収はどれくらい?
実際に私設私書箱サービスを開業した場合、どの程度の収益が見込めるのでしょうか?
どの程度稼ぐことができるのかを想定することで、投下する資本や、損益分岐点を知る目安となるでしょう。
収益について解説します。
(1)どちらかというとサイドビジネス感覚で行う
私設私書箱サービスを開業するにあたり、わざわざオフィスを構えてこのサービスを展開するといったケースはあまり多くはありません。
例えば、自宅で私設私書箱サービスを行う場合や、もともとオフィスがあり、サイドビジネス感覚で行う方が、経費がかからず収益は上がりやすいといえるでしょう。
すでにオフィスを構えていて、サイドビジネス的に私設私書箱サービスを展開した場合は現在の収益+月額50万円程度の上積みが想定されます。
(2)新規エリア出店も見込める事業である
新規のエリア出店も見込むことが可能です。
現在最も利用が多い地域は東京ですが、テレワークが徐々に浸透していることで、地方でも私設私書箱サービスの需要が高まっています。
そのため、現在は新規エリア出店も十分ビジネスとして採算がとれるレベルでニーズが高まっているといえるでしょう。
例えば、複数のオフィスを展開している事業主などは自分のオフィスがあるエリアへの出店にも期待が持てます。
開業した場合の初期費用やロイヤリティを見てみよう
特に、サイドビジネス的な感覚で事業を行うことにより収益性などが期待できること前述しました。
では実際に、私設私書箱サービスを開業した場合の初期費用やロイヤリティはどのくらいかかるのでしょうか?
投資費用面について解説します。
(1)私設私書箱を開業する初期費用は
最初にフランチャイズに加盟する場合、加盟店料を納めなければいけない場合があります。
これは加盟するフランチャイズ本部によって異なりますが、一般的には最初に支払うケースが多いです。
また、保証金も併せて支払うことが多いのですが一般的に保証金は、フランチャイズ契約解消の際に返金されます。
現在、私設私書箱サービスのフランチャイズを募集している本部の募集要項を見てみると、保証金が20万円程度、加盟店料が10万円程度となっており、比較的安価です。
自宅やすでに構えているオフィスで私設私書箱サービスを行う場合、この程度の初期費用でサービス提供が始められるので、比較的取り組みやすいですね。
(2)フランチャイズに加盟するロイヤリティは?
次にランニングコストがどの程度かかるのかといった点もチェックポイントです。
フランチャイズに加盟する場合、ランニングコストの中に、ロイヤリティが入る可能性があります。
ロイヤリティとは、フランチャイズに加盟すると本部のノウハウや知名度が利用できる代わりに使用料を支払う必要があるのです。
これをロイヤリティといい、フランチャイズに加盟する場合はこの費用を見込んでおく必要があります。
では、ロイヤリティも含め、どの程度のランニングコストがかかるのでしょうか?
これも私設私書箱サービスのフランチャイズを募集している本部の募集要項を見てみると広告費50,000円 手数料が新規代金の10%となっています。
また成果報酬タイプを選択すると広告費はかかりませんが、手数料が新規代金の30%です。
自分が行う営業スタイルからどちらかを選択することができます。
フランチャイズによる私設私書箱の開業手順
ここまでは、収益とコストについて解説してきました。
次に開業手順も知っておくと、スムーズな開業に期待が持てます。
私設私書箱サービスの開業手順について解説しましょう。
(1)ステップ1 フランチャイズ本部の決定
まずはどこのフランチャイズに加盟するかを検討する必要があります。
検討材料としては、サービスの内容やかかる費用などから判断しましょう。
直接電話や面談などでサービスの内容を確認し、複数のフランチャイズ本部から選択することをおすすめします。
(2)ステップ2 フランチャイズ本部と契約の締結
フランチャイズ本部を決定するとフランチャイズ契約を締結します。
この際の加盟店料や保証料などが必要になりますので準備しておきます。
(3)ステップ3 広告と機器の設置
開業に向けた機器の設置や広告を行います。
機器の設置自体はそう時間がかかるものではありません。
すでにポストがある場合などはそのまま併用することも可能です。
(4)ステップ4 開業
いよいよオープンです。
オープン初日には複数の契約者から連絡が来る可能性がありますのでオペレーションをしっかりと理解しておき、早めの黒字化を目指しましょう。
私設私書箱の開業に必要な資格や技術はなに?
私設私書箱サービスの開業は、比較的短期間で開業することが可能です。
しかし、もし特別な届け出は資格が必要となると、その手続きに時間がかかるかもしれません。
私設私書箱サービスの開業に伴い必要な資格や届け出はあるのでしょうか?
(1)資格は特に必要ない、ススペースがあればすぐにでも開業可能
私書箱サービスの開業にあたり、特別な届け出を行う必要はありません。
すぐにでも開業することは可能です。
多少、ノウハウは必要ですが、それもフランチャイズの場合だと本部がしっかりサポートしますのでそう心配する必要はないでしょう。
すぐにでも開業できる点が、私設私書箱サービスの特徴ともいえます。
私設私書箱を利用する対象の顧客層
私設私書箱サービスは、非常にニーズが高まっていると何度か繰り返し述べました。
実際には、どのような顧客層が利用しているのかが気になるところです。
ビジネスとしてオフィスを構えていない人のほかの利用層について解説します。
(1)自分の住所を知られたくない個人情報に敏感な人
個人で私設私書箱サービスを利用する場合、自宅の住所を余り知られたくないといった個人情報に関して敏感な人が、利用するケースが考えられます。
近年、個人情報の取り扱いについて非常に敏感な人が増えており、自分の住所を特定したくないといった人も多いのです。
そのような人が郵送物の送り先として、私設私書箱サービスを利用しています。
(2)家族に知られたくない書類が届く場所
家族に知られたくない郵便や書類の届け出先としても利用されていることが多いようです。
私設私書箱サービスに届いたのち、本人が電話連絡を受け、受け取りに訪問することで家族に知られることなく書類を手にできます。
このような利用者も非常に多く、効果的な利用法といえるでしょう。
フランチャイズで私設私書箱を開業するメリット
私設私書箱サービスは今後の需要性の高さなどからも、いくつかのフランチャイズ本部が事業募集を行っています。
しかし、選択方法としてはフランチャイズではなく、自分たちで自主独立しようとする方法も考えられるでしょう。
では、実際にフランチャイズに加盟した場合のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
まずはメリットについて解説します。
(1)運営ノウハウがしっかりしている
最も大きなメリットとして、未経験でも運営ノウハウがあるので開業が可能という点です。
フランチャイズは、本部が今まで得てきたノウハウを提供し、展開していくビジネスといえます。
そのため、成功例を持った上での開業となりますので、最初から自主独立するよりも成功する可能性が高いといえるでしょう。
(2)知名度が利用できる
ビジネス展開するときに多くのお客様に周知してもらうのが非常に大変なのですが、フランチャイズの場合、本部の知名度が利用できます。
つまり、広告の面でも非常に優位性があるといえるでしょう。
大手フランチャイズの看板が利用できると、お客様の信頼も高く、顧客獲得もやりやすいといえます。
フランチャイズで私設私書箱を開業する問題点・失敗を避けるコツ
メリットだけではなくデメリットの分析もフランチャイズでは必要になります。
では、フランチャイズに加入する場合、どのような点に注意しなければいけないのでしょうか?
ここからはフランチャイズに加盟した場合の注意点について解説します。
(1)ロイヤリティがかかる
ロイヤリティがかかる点がネックとなるかもしれません。
前述したように、ロイヤリティが新規獲得ごとに10%若しくは30%かかることからも収益に影響してしまいます。
損益分岐点が高くなってしまいますので、収益とロイヤリティのバランスをしっかりと把握しておきましょう。
(2)そこまで儲かるビジネスではない
新たに店舗を構えて事業を行うには、そこまで儲かるビジネスではありません。
月50万円程度の収益とすると、経費や賃貸料などで、ほとんど収益は出にくい可能性もあります。
やはり、ベストは、サイドビジネス感覚で本業を持っている人が店舗の有効活用といった点から取り組むといいのではないでしょうか?
また、私設私書箱サービスと同じく、別の事業をそのオフィスで行うといった方法でもいいでしょう。
単体で行う場合は、相当数の顧客が必要です。
まとめ
今回は、私設私書箱のフランチャイズ経営の初期費用、平均年収、開業手順、フランチャイズで開業するメリットや注意点について解説しました。
私設私書箱は、比較的安い初期費用で開業することができて、取り組みやすい点が魅力です。
フランチャイズ加盟を検討している方は、研修制度、サポート体制などが充実した本部を選ぶとよいでしょう。