フランチャイズでクリーニング店を開業した場合の収入は?トラブルの回避策も解説

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女性の社会進出がますます進む中、男女ともに身だしなみへの意識は高いです。この身だしなみへの意識により、スーツなど仕事服への清潔感は重要です。

この意識の中でクリーニング業の独立開業を目指す人は日々、独立へ向けて頑張っています。

クリーニング業はピーク時に比較して縮小はしているものの、市場の底堅さはあります。一方で、独立開業はいろいろと難しい段取りです。

ですがこの難しい独立開業を、比較的実現しやすい方法がフランチャイズ独立です。

今回はフランチャイズとクリーニングについて、クリーニングのための衛生措置基準やクリーニング業の難しさと解決策事例などに触れながら解説します。

投稿者・コラム執筆者

フランチャイズのクリーニング店の収入・加盟費やロイヤリティは?

(1)収入

フランチャイズクリーニングで年収は、300~600万円程度が見込まれます。多店舗経営では、800万円以上も可能な業種です。想定最低年収に満たないケースでは、本部が補充するところもあります。

報酬システム:売上の20~30%が報酬となります。

(2)初期費用

加盟金と保証金:合わせて10~20万円程度となっています。加盟金も保証料もゼロのところもあります。他業種と比較して、こちらの費用は安価な傾向があります

ロイヤリティ:売上の20~30%で、5%やゼロのところがあります。そして開店6か月は、ゼロのところもあります。

開業費用と初年度費用:業態によりますが標準的には、200~300万円程度を要します。内装費や看板費用を抑えて、100~200万円程度で収まるケースもあります。自分の店でもある程度、洗濯作業をすると考えれば500~1,000万円程度かかるケースもあります。

(3)業態

クリーニング業には、次の三業態があります。

①一般クリーニング店

従来、一般的にクリーニング屋さんとして知られている形です。開業時の、設備投資額が大きいです。

②取次店

店内では洗濯物の受け渡しのみを行い、作業そのものは別工場で行います。フランチャイズでは、このタイプが増えてきています。コンビニの敷地内やホームセンターの敷地内などで、よく見かけます。

③無店舗取次店

店舗は構えず、車両を店舗として洗濯物の受け渡しをする形態です。この形態も増えつつあります。

クリーニング所の開設届

クリーニング所開設には、まず開業場所を管轄する保健所に検査手数料を添えて、開設届と添付書類を提出します。

開設届提出の前に施設平面図などを持参し、保健所へ相談するのがおすすめです

(1)開設届の記入内容

  • 施設の名称
  • 施設の所在地
  • 開設予定年月日
  • 構造及び設備の概要
  • 従業者数
  • クリーニング所の種類など

(2)構造設備記入内容

  • 建物の規模
  • 他のクリーニング所開設有無
  • 営業者本籍
  • 管理人の氏名と生年月日
  • 取次所面積
  • 仕上げ場面積
  • 洗い場面積
  • 洗い場材質
  • 洗濯機の設備概要など

(3)取次店のケースでの施設平面図記載内容

  • 出入口
  • 苦情の申出先掲示書
  • 引渡場と受取場
  • 未洗濯物置場
  • 要消毒物置場
  • 仕上り品収納棚
  • 仕上り品収納用ハンガーポール
  • 換気と照明設備など

上記(1)~(3)は、一般店取次店共に必要です。

(4)クリーニング師の設置

取次所を除くクリーニング所では、一人以上のクリーニング師を置く必要があります

クリーニング師:クリーニング業法に基づくクリーニング師試験に合格し、免許を取得した者。

(5)登記事項証明書

法人が開設するケースでは、会社の登記事項証明書が必要です。

衛生措置基準

無店舗取次店については、次のような衛生措置基準があります。

(1)衛生管理

業務用の車両や機械及び器具は、清潔に保たなければならない。

(2)利用者への説明義務

  1. 事業者は洗濯物の受付時と引き渡し時に利用者へ、洗濯物の処理方法などについてあらかじめ説明するよう努めること。
  2. 事業者は洗濯物の受付時と引き渡し時に利用者へ、厚生労働省の定めによる苦情の申出先を開示するよう努めること。
  3. 苦情の申出先については、クリーニング所や無店舗取次店の、車両所在地や電話番号を記載した書面を配布すること

(3)講習

事業者は従業員に対し、厚生労働大臣の定める基準に応じ都道府県知事が指定した、講習を受けさせる必要がある。この講習は、業務に関する知識の習得や技能の向上のためである。

フランチャイズによる開業のメリット

次のようなメリットが想定できます。

(1)本部サポートがある

ある程度のクリーニング業経験はあっても、独立開業となるといろいろな段取りがあります。

開業届はもちろん、クリーニング業のケースでは開設届や立地選定もあります。

一方で開業開始時より、スムーズで正確なクリーニングサービスをしたいものです。

このためには、できれば開業段取りよりも提供サービスの品質向上そのものに時間や労力をより割きたいです。このために、本部が開業サポートやアドバイスをします

(2)低資本で開業可能

一般的に自分で洗いから仕上げまでの、クリーニング作業を一通りこなす開業をしようとすると、1,000万円程度は要します

一方で取次店開業にすると、通常よりも安価な費用で開業可能な傾向があります。

(3)屋号や店舗掲載戦略を使える

ビジネス一般に集客は、最大課題の一つです。加盟すると有名な屋号を使えたり、本部ホームページの店舗一覧に掲載してもらえたりします。

集客のために、これらの広告戦略は効果的です。大口の顧客取得にもつながります。

(4)高度な洗濯技術は不要

取次店のケースでは、洗濯技術や懸念事項に関する知識は必要です。ですが、自分自身が洗濯したり仕上げ作業をしたりする技術の習得は必要ありません

(5)兼業や自宅開業も可能

もし現在自営業で建物の中に空きスペースがあれば、兼業や自宅開業も可能で、さらなる収入も見込めます。

(6)今の技術で事業拡大も狙える

今雇われで、クリーニング業に携わっているとします。元々クリーニング知識と技術はあるわけなので、本部の広告戦略を使って顧客拡大も目指せます。

クリーニング業のサービス内容

次のようなサービスをするフランチャイズ業者があります。

(1)集荷宅配サービス

自宅にて衣類を集荷して、クリーニング後自宅へお届けするサービスもあります。何かと忙しい現代人にとっては、便利なサービスです。

そして家族分のクリーニング物を、クリーニング屋さんへもって行くのも大変なので助かります。

またある一定額以上のクリーニング費用になると、往復で送料が無料のケースもあります。

(2)洗濯技術を教える

クリーニングスタッフが集荷へ訪問した際に、お客様へ洗濯技術をお教えします。例えば次のようなことです。

  • 飲み物で服にシミがついた時の応急措置方法
  • ごわごわでなく、ふっくら柔らかに仕上げる方法

(3)ふとんクリーニング

一般家庭ではシーツ程度は洗いますが、布団は干してもなかなか洗濯まではしない傾向があります。クリーニング業者は、普通の布団だけでなくコタツ布団も洗濯します。

(4)撥水加工

ウインタースポーツをする人のケースでは、ウェアの撥水機能は重要です。ですがこの撥水機能は、使用したり数か月間保管したりした劣化で落ちます。

来年また快適に使用できるよう、撥水力は維持したいものです。この撥水加工を、無料でするところもあります。

(5)ネット受付対応

「今日は一日いろいろと忙しかった」という日でも、夜間はもちろん24時間ネット受付対応のところがあり便利です。

典型的な業務課題と解決実践例

次の業務における課題や対応例があります。

(1)コースとオプション設定

あるお店では一人一人のお客様を丁寧に対応しようと、受付対応でお客様をお待たせし帰られてしまうケースが度々ありました。

そしてこのことが、売り上げ減にもつながりました。

そこで有料ながら売上集計ソフトを使い、コースを作りました。よくご利用になるお客様にはコース提案にしたところ、受付対応がスムーズにいくようになりました。

またオプションも作ったところ、売り上げ回復とアップにつながっています。

(2)デジタルで高精度なレジの導入

新しいバイトが入る度に、業務そのものはもちろんレジの使い方指導で手間暇を要していました。そこで高精度なデジタルレジにしたところ、覚え方が早くなりました。

このようなレジは誘導型形式で、業務内容とレジの使い方が覚えやすいようになっています。

そして若いバイトのケースでは、スマホ感覚で使うのでさらに覚えやすいようです。

(3)ピンポイントなメール宣伝

一回の宣伝では、はがきやチラシなどを発行し一時的に客足が増える傾向があります。

一方でこの方法では、リピーターは想定したほど確保できないし、スタッフはバタバタ混乱し一時的に売り上げが幾分か上がるだけという事態もあります。

宣伝は理想論としては、常時閑散時期がない状態を保つ効果を発揮したいものです

このために、ある程度ピンポイントなメール宣伝をできるソフトがあります。

例えば大雨で「今日は客足が少なさそうだな」という時に、臨時割引メールを送るわけです。売り上げアップが期待でき、実際に客足が増えているところがあります。

(4)クリーニング事故対応

クリーニング業のリスクとして、不本意ながらお客様の大切な衣類などを汚したり損傷してしまったりすることがあります。

このケースでは全国クリーニング生活衛生同業連合組合の事故品鑑定により、責任の所在地を明らかにする方法があります

もし加盟者の責任になっても、賠償保険で補償する方法があり信頼回復につながります。

まとめ

ここまで、フランチャイズとクリーニングについて考察してきました。

押さえておきたい点は、クリーニング所開設届と衛生措置基準です。そして、典型的な業務課題と解決実践例もポイントといえます。

店舗を構えるケースでは、立地の選択も重要事項です。事前に保健所へ相談し、施設準備が二度手間三度手間にならないようしっかりと熟慮し、クリーニング業開業と運営の成功につなげてください。


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