ペット保険のフランチャイズの初期費用やロイヤリティ・今後の需要も解説
近年、ペットの需要が高まり、賃貸のマンションなどにおいてもペット可能の賃貸物件が増えています。
しかし、ペットが病気になった場合や手術をしなければいけない場合の対応など、ペットを飼ったばかりの人は、どうしていいかわからないことも多いでしょう。
ペットが病気になった場合、気になるのは費用面です。
費用面で通院させたくてもできないといった状況を生み出しているかもしれません。
このような場合、役に立つのがペット保険。医療費や手術費を賄うことができる保険です。
ペット保険のニーズは年々高まっており、取り扱う保険会社も増えてペット保険を専門に取り扱っている企業も見受けられます。
では、ペット保険を取り扱う保険会社をフランチャイズで開業する場合、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか?
この記事では、ペット保険のフランチャイズ営業について解説します。
目次
ペット保険の今後の需要は?
まずは、ペット保険の今後のニーズを知ることにより、独立開業しても事業として成り立つのかを分析する必要があるでしょう。
ペット保険の将来性について解説します。
(1)コロナ禍によりペットを飼う人が急増
2020年はコロナ禍により生活スタイルが一変した世情があります。
ステイホームの呼びかけにより、あまり外出せずに家で生活することが多くなってきました。
今後も、家での生活スタイルを快適に過ごすことが求められています。
そこで大きく需要が増えているのがペットの飼育です。
出典:一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査 結果」
このグラフの注目点は、新規養育者頭数です。
2019年から2020年の新規飼育者の割合は大きく増加し115%前後の伸びを示しています。
これにはコロナ禍が大きく影響しており、ペットとの生活で癒しを求め、家族内のコミュニケーションを深めようとする動きが顕著なためです。
今後もこの流れは変わらず、ペットの飼育数は上昇していくと想定されています。
(2)高齢化に向けてもペットの需要が高まる
また、我が国の高齢化の推移もペットの飼育に大きく影響します。
高齢化率はどんどん上昇し、2019年における65歳以上の割合は28.4%まで増加しているのです。
2065年には38.4%まで上昇すると想定され、3人に1人以上は65歳以上という超高齢化社会が待ち構えています。
この中で、高齢者夫婦世帯や一人暮らし世帯も増加しますので、癒しの目的でペットの飼育数が増えていくでしょう。
このような面からもペットの需要は増加し、同時にペット保険の加入数も増加していくと想定されます。
つまり、今後もペット保険の需要には大きな期待が持てるといえるのです。
フランチャイズのペット保険を取り扱う場合の平均年収は?
ペット保険を取り扱う少額短期保証会社を開業した場合どの程度の売り上げが見込めるのでしょうか?
ペット保険を取り扱う場合の売り上げなどについて解説します。
(1)ペット保険のほか、さまざまなペット関連保険を提供して売り上げ増
ペット保険も含む保険の一般的な利益率は40%から50%といわれています。
つまり2万円の保険に加入してもらうと1万円前後利益が上がりますので非常に利益率が高いのです。
更にペットの平均寿命が長寿化しています。
長寿化すると通院や手術となる可能性が高くなり、ペット保険に対するニーズがどんどん高まっているのです。
ペットに関連する保険などもあわせて提供することで、収益の大幅増に期待が持てます。
(2)ペットショップがペット保険を取り扱うことで相乗効果がある
フランチャイズとしてペット保険を扱う場合、ペットショップを経営している人がペット保険も取り扱うことでペット購入の安心感につながります。
ペットを飼育している人が、ペットの悩みをどこに相談するかというとやはりペットショップが多いでしょう。
ペットに関してプロフェッショナルであるペットショップで保険を取り扱うことにより、ペットショップの売り上げには購入と保険の相乗効果が見込まれます。
ペット保険を販売する際、初期費用・ロイヤリティは?
実際にペット保険の会社を設立した場合、どのような費用を見込んでおけばいいのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟する場合、ロイヤリティなどは発生するのでしょうか?
ここからは、開業資金やロイヤリティなどについて解説します。
(1)ペット保険の初期費用
一般的に保険の代理店として開業する場合の初期費用はこのような費用が考えられます。
店舗取得 | 250万円前後 |
内装費用 | 350万円前後 |
備品設置費 | 200万円前後 |
広告料 | 100万円前後 |
900万円前後の費用を初期費用として見ておきましょう。
しかし、物件の広さ(今回は50㎡前後で試算)や店舗を構える場所により若干異なる場合があります。
これらの費用を目安に初期費用を考えておくと、どの程度、自己資金や足りない分はローンが必要かといったことも計算が可能です。
特に物件取得費などは、場所や広さによって大きく異なります。
開業前にしっかりと計算しておきましょう。
(2)ロイヤリティや加盟店料は?
ロイヤリティとは、フランチャイズに加盟する場合、その保険会社のペット保険を売ることができ、知名度や看板も利用できる使用料と考えればわかりやすいかもしれません。
加盟店料は、加盟するときにかかる手数料の一種です。
これらの費用がフランチャイズに加盟すると発生します。
しかし、加盟店料やロイヤリティは加盟店によって大きく異なるので、どのくらいかかるのは一概には言えません。
中には、加盟店料やロイヤリティがかからない企業もありますので、どのフランチャイズに加盟するかの判断材料の一つとしてもいいでしょう。
フランチャイズによるペット保険の開業手順
では、実際にフランチャイズとして保険代理店を開業する場合は、どのような手順を踏めばスムーズに進むのでしょうか?
ここからは、ペット保険の代理店を開業する場合の開業手順について解説します。
(1)ステップ1.代理店契約に興味がある保険会社に連絡、相談
まずは、どの保険会社の商品を取り扱うのか、フランチャイズに参入するのかを決めなければいけません。
気になる保険会社に連絡し、事業計画などを打合せしましょう。
(2)ステップ2 保険会社による審査
加盟したい保険会社が決まると保険会社の審査があります。
審査が通り、代理店契約の締結が可能です。
(3)テップ3 店舗を構える
代理店契約が締結できると、店舗の取得に入ります。
審査の間にめぼしい店舗を見つけておくと、審査後の動きがスムーズです。
併せて、内装や設備の導入、従業員の採用などを行います。
ステップ3では1か月間程度の準備期間を見込んでおくといいでしょう。
(4)ステップ4 開業
はれて開業となります。
スムーズに運営できる体制を構築しておき、早期の黒字化を目指しましょう。
ペット保険を取り扱うのに必要な資格や技術
ペット保険をフランチャイズによって開業する場合の手順を解説しました。
しかし、ペット保険会社を開業するにあたり必要な資格はないのでしょうか?
また、どのような技術があれば売り上げを上げることが可能なのでしょうか?
開業に関する資格や必要な技術についてまとめました。
(1)2名以上の損害保険募集人が必要
絶対に必要な資格者は損害保険募集人です。
損害保険一般課程試験に合格した募集人を2名以上配置しなければいけません。
つまり、あなただけが募集人の資格を持っていても開業はできません。
募集人資格者を採用するか、従業員に資格を取得してもらうことが必要です。
試験自体の難易度は、そう高いわけではありません。
しかし、しっかりと試験勉強をしておく必要があるでしょう。
試験もインターネット上で都合の良い日にちを選択しての受験が可能です。
(2)商品知識は必須
必要な資格ではないですが、損害保険は詳しくわからないお客様も多いので商品知識は必須スキルとして持っておかないといけません。
誤った情報を与えると当然ながらトラブルになりますし、商品知識を知らないと、そもそも満足のいくお客様数を獲得できません。
商品知識を得るには保険会社の説明会や勉強会に積極的に参加し、商品知識を身に着ける必要があります。
どの顧客層にペット保険を販売する?
前述しましたが、ペットの飼育数は年々上昇傾向にあり、今後も大きな需要が見込めます。
特に、単身者や、高齢のご夫婦などターゲットとなる顧客層は非常に多いといえるでしょう。
とはいえ、マンションなどにおいては、まだまだペット飼育okのマンションは少なく、どちらかというと戸建てすまいの人がペット飼育の割合は多いです。
住宅街などにチラシや広告をうつことで顧客の取得が効率的にできるでしょう。
フランチャイズでペット保険を開業するメリット
フランチャイズでのペット保険を開業するにあたりさまざまなメリットが考えられます。
しかし、逆に注意点を理解し、対策を練っておくことも忘れてはいけません。
まずは、フランチャイズにおけるペット保険取り扱いのメリットについて解説します。
(1)利益率が高い
最も大きなメリットといえるのが、利益率が高いという点です。
前述しましたが、販売価格の40%~50%が利益となりますので、契約者数を増やすことで大幅な収益増が見込める点や、年度ごとの更新によって一定の顧客層を掴むことが可能です。
(2)在庫を抱えない
保険自体は、モノがあるわけではありません。つまり在庫を抱える必要がないのです。
全て、web上にデータを残すことも可能ですので、どんなに顧客を抱えても在庫を補完する必要ありません。
これも非常に大きなメリットといえるでしょう。
(3)成長性に期待
これも何度か述べましたが、コロナの影響や高齢者の増加によりペットの需要は伸び続けています。
更に欧米諸国と比較するとイギリスはペット保険の加入率が20%を超えているのに対し、日本では2%程度の加入率しかありません。
つまり、まだまだ大きな市場が眠っており、加入者を掘り起こすことも可能な事業といえるでしょう。
フランチャイズでペット保険を開業する際に注意しておくこと
ここからはペット保険業を開業する場合の注意点について解説します。
(1)商品知識は必須、保険の仕組みも理解する必要がある
ペット保険にはさまざまなタイプの保険がありそれぞれ特徴も異なります。
商品知識は必須ですが、保険の仕組みも理解し、わかりやすく説明ができると大きな武器になるでしょう。
逆に商品知識が未熟なまま販売してもなかなか加入者数は伸びません。
じっくりと商品知識と仕組みを理解し、販売業務に取り組みましょう。
(2)顧客を集客しないと運営がきつい
保険自体は利益率が非常に高いといいましたが単価自体はそう高いものではありません。
多くの人に加入してもらわなければ、大きな売り上げを上げることは不可能です。
集客は保険にとって大きなポイントとなりますので、広告や宣伝に力を入れる必要があります。
(3)保険料が高くなりがち
ペットが高齢になるにしたがって保険料が高くなりがちです。
当然ながらペットも年を取ると、さまざまな病気のリスクが付きまといます。人間の保険同様、ペットも年齢を重ねると保険料が高くなってしまうのです。
しっかりと保険に加入することの安心感を伝え、保険料が高くなってもリスクが回避できる重要性を伝えなければいけません。
まとめ
ペットの普及が高まると同時にペット保険のニーズも高まってくるといえます。
フランチャイズに加盟してのペット保険業の開業は、将来性や利益率の面から考えても非常に有望な事業です。
しかし、商品を売るにはしっかりとした商品知識や満足できるサービスを提供する必要があるでしょう。
一定の顧客をつかむと更新により安定した経営も見込めます。
やはり、信頼のできる保険会社を選択することが最も大きなポイントです。
複数の保険会社から自分に差的な保険会社を選び、フランチャイズ経営によって安定した収益を目指しましょう。