フランチャイズでセルフエステを開業する場合の初期費用やランニングコストは?
誰もが自分を美しく見せたいと思うものですが、エステまで通うのは金銭面からも少し厳しいと感じている人も多いようです。
近年、一般的なエステよりも低額で利用できるセルフエステが注目を浴びています。
そのため、セルフエステを開業しようとする動きも多くみられており、フランチャイズの募集も増えているのが現状です。
セルフエステをフランチャイズで開業する場合、売上はどの程度期待できるのでしょうか?
また、開業するのに必要な初期費用やランニングコスト、開業のポイントはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、セルフエステの開業について詳しく解説します。
目次
セルフエステとはどのようなビジネスなの?
近年急成長してきたセルフエステ業界ですが、まだまだどのようなものか認知されていないのが現状です。
まずは、セルフエステの概要などについて解説しましょう。
(1)セルフエステの概要
エステサロンというと、一般的にエステティシャンがお客様につき、マンツーマンで施術するビジネススタイルのことをさします。
マンツーマンの施術となりますので、どうしても費用が高めになってしまい誰もが気軽に受けることができるというものではありません。
しかしセルフエステは、エステマシンが導入されており、お客様がマシンを操作することで、美容効果を得るという仕組みです。
そのため、人件費があまりかからずに、低価格でサービスが提供できます。
もう一つの特徴が、セルフエステサロンによってはサブスク契約ができるという点です。
サブスク契約とは、毎月定額料金を支払うことにより、エステマシンを使い放題(1日1回程度)に利用できるものです。
数多く地用してもいいし、忙しい時は回数を減らしても良いので、お客様の好みに合った利用ができます。
(2)セルフエステの需要は高い
実際にセルフエステの需要は大きく高まっています。
低価格で利用できるという点から20代の若い女性が積極的に利用しているのが特徴です。
1年間で10店舗も増やしたケースや、利用者数が大幅に増加したセルフエステサロンなど、勢いのある成長産業といわれています。
(3)コロナ禍においてはエステよりも利用しやすい
2020年から2021年におけるコロナ禍により、対面営業のビジネスは大きなダメージを受けています。
エステサロンも例外ではありません。
マンツーマンで施術するスタイルですので、密な距離が厳禁とされるコロナ禍において休業を余儀なくされています。
しかし、セルフエステであれば、自分で機器を操作し施術するスタイルですので、人と接触することがありません。
コロナ禍において非常に利用しやすく、需要が見込めるビジネススタイルといえるでしょう。
セルフエステのフランチャイズ開業 どんな点が魅力なの?
では実際にセルフエステを開業しようとする場合、どんな点に魅力があり成長しているのでしょうか?
セルフエステ事業の魅力について解説します。
(1)サブスク契約で安定収入が見込める
まず、大きな魅力として挙げられるのが、サブスク収入が見込めるという点です。
毎月安定した収入を得ることが可能で、契約者が増えれば増えるほど、売り上げが増加します。
しかし、利用者と加入者が同一ではないので、利用者の増減に大きな問題はありません。
売り上げの浮き沈みがあまりなく、安定した売上を上げることができるビジネスモデルです。
ストック的な売上確保ができるのは、経営において非常に基盤が強くなり、安定した経営基盤がつくれます。
(2)未経験からの開業も可能
セルフエステは未経験からでも飛び込むことが可能な業界です。
これがエステサロン経営となると、ある程度経験を積む必要性もありますが、セルフエステの場合、最低でもエステマシンの操作方法を覚えておくだけで開業できます。
エステマシンの操作方法もそう難しいものではなく、マニュアルを覚えるだけで操作可能です。
故障などは、フランチャイズ本部との連携によりメーカー依頼もできます。
フランチャイズならば、経営方法やノウハウも確立されていますので、経験者でなくとも開業に大きな支障はありません。
(3)機器の設置を調整し自己資金に合わせた開業ができる
開業のコストとして大きなものが設備の導入です。
しかし、あまり自己資金がない場合は、機器の数を減らした経営など、身の丈に合った経営をすることができます。
ある程度軌道に乗ればさらに事業を拡大し、機器を増やして契約者を増やすことも可能です。
自己資金に合わせた自由度の高い経営ができる点もセルフエステの魅力といえます。
(4)人件費があまりかからない
エステサロン経営の場合、最も大きな費用となるのが人件費です。
しかも腕のいいエステティシャンとなるとそれなりに高額な報酬を支払わなければいけません。
またエステサロンの場合は、来客者数が増えなければ、売上にはつながりませんが来客者数が少ない時期でも人件費を支払う必要があります。
セルフエステなら、最初に機器を搬入することにより、エステティシャンが必要ありません。
機器のメンテナンス費用はかかりますが、そう高額ではありませんので、人件費がエステサロンほどかからない点も大きな魅力となります。
セルフエステを開業した場合、どのくらいの売上が上がる?
ここまでは、セルフエステの概要や魅力といった点について解説してきました。
実際にセルフエステをフランチャイズによって開業した場合の売上が気になるところです。
セルフエステを開業した場合、どの程度の売上を得ることができるのでしょうか?
ここからは、セルフエステの売上面について解説していきましょう。
(1)セルフエステの利益率は高い
セルフエステの特徴として、利用料金が非常に安い点が挙げられます。
利用料金が安いので利益率が低いのかと思いがちです。
しかし、人件費が抑えられ、エステマシンのメンテ費用もそうかからないことから、利益率は高いといわれています。
美容室の6倍~10倍程度の利益率があるといわれるほどです。
前述しましたがサブスク方式によって、契約者と利用者の数が同一ではありません。
利用者が少ない時も、つまりメンテナンスにあまり費用がかからないときも一定の売上を上げることができます。
(2)いくつかのフランチャイズ本部から売り上げを比較しよう
セルフエステのフランチャイズ本部は年々増加しており、それぞれのフランチャイズがさまざまなサポートを行っています。
また、売上構造も各フランチャイズで異なりますので、フランチャイズ本部が提示しているモデルケースからどの程度の売上が得られるのか比較することがポイントです。
あるフランチャイズ本部が出している収益モデルを見てみましょう。
エステマシンが7台程度設置している場合のモデルケースです。
月額売上 | 約300万円 |
月額経費他 | 約150万円 |
月額収益 | 約150万円 |
経費については後程詳しく説明します。
約50%の利益率と非常に高い利益率のため収益も非常に高いものとなっていることがわかるでしょう。
他にもさまざまなフランチャイズ本部が収益モデルを公表していますので、自分の事業スケールに換算し分析することが必要です。
(3)年間1,000万円超の経常利益も可能なビジネス
上記モデルケースを見るとわかるように、月額300万円程度の売り上げをもたらすと、収益として年間1,800万円となります。
つまり一定の顧客数が契約できると月額1,000万円程度の収益ならばそうできない数字ではありません。
セルフエステは、非常に利益率も高くサブスク収入により安定したビジネスモデルといえるでしょう。
セルフエステを開業した場合の初期費用やランニングはどのくらい?
ここまでは、セルフエステの収益部分について解説しました。
収益部分がわかれば次に気になるのが開業にかかる初期費用やランニングコスト部分です。
特にフランチャイズ加盟となると、加盟店料やロイヤリティといった部分が気になります。
ここからは、セルフエステを開業した場合のコストについて解説します。
(1)初期費用にかかる項目と費用について
初期費用の中で自主独立した場合と、フランチャイズに加盟した場合、最も異なるのが加盟店料です。
加盟店料とは、フランチャイズ本部に加盟するときに支払う入会金のようなものです。
この入会金はフランチャイズ本部によって異なります。
ここでもあるフランチャイズ本部が公表しているモデルケースについて見てみましょう。
加盟金 | 300万円 |
研修費 | 50万円 |
デザイン費 | 50万円 |
開店準備金 | 30万円 |
保証金 | 10万円 |
物件取得費 | 200万円 |
設備機器費 | 300万円 |
計 | 940万円 |
この場合は約1,000万円程度の初期費用がかかるようになっています。
加盟店料はフランチャイズ本部によって異なりますので、加盟店料が安い本部にすることも選択肢の一つです。
(2)ランニングコストやロイヤリティについて
次にランニングコストについて解説しましょう。
これも自主独立とフランチャイズではランニングコストにおいてかかる費用に違いがあります。
ロイヤリティと呼ばれるもので、フランチャイズ本部の持つ看板やノウハウを使用できる代わりに支払う使用料のような意味合いです。
先ほど、売り上げにおいて経費部分を記載しましたがこちらの内訳を詳しく表したものが下記の表となります。
消耗品 | 2万円 |
人件費 | 65万円 |
家賃 | 40万円 |
光熱費 | 3万円 |
通信費 | 2万円 |
保守 | 4万円 |
システム利用料 | 5万円 |
ロイヤリティ(5%) | 14万円 |
広告宣伝費 | 15万円 |
ランニングコスト計 | 150万円 |
一般的にロイヤリティは、売り上げのパーセンテージで支払います。
このフランチャイズ本部では5%ですが、ケースによってはロイヤリティがない場合もあるのです。
これも加盟店料同様、ロイヤリティの高さによってフランチャイズ本部を選択する選択肢となります。
セルフエステのフランチャイズ選び ポイントはどこにある?
セルフエステの開業における収益やコスト面について解説しました。
では、その他にどのようなところが選択のポイントとなるのでしょうか?
ここからは収益部分以外のフランチャイズ選びのポイントを解説します。
(1)機器のメンテナンスや交換の対応
セルフエステはマシンの状態が売り上げに大きく寄与します。
故障した場合やメンテナンスなどの対応が非常に大切なポイントです。
どのくらい早く復旧し、費用を安く上げることができるかといった点をフランチャイズごとにしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
(2)自分の理想とどのくらい近づけることができるのか?
セルフエステは、ある程度自由が高い事業ということを前述しました。
機器の台数や、開業する場所など、自己資金に合わせた事業スケールを選ぶことができます。
しかし、自己資金は同じでもフランチャイズ本部によって事業にかかる費用は異なるものです。
自分の理想とする店舗造りがどこのフランチャイズ本部ならば叶うのかを考えましょう。
(3)どのようなエリアでの開業をすすめているのか?
セルフエステは、お客様が来店して自ら施術を行うスタイルです。
つまり、来店しやすい場所に店舗を構えることも集客のポイントといえるでしょう。
しかし、場所がいいところはどうしても家賃などが高くなってしまいます。
エリアの選別とコストのバランスも大きなポイントといえるでしょう。
まとめ
近年、急成長を見せているセルフエステは、低価格で利用できるので、若い女性層など、新たな需要層を獲得している新しいビジネススタイルです。
特筆すべきは、サブスク方式であること。これにより安定収益が見込め経営基盤の下支えとなっています。
反面、開業費用は1,000万円を越えることもあり決して安価に取り組めるものではありません。
しかし、コロナ禍においても安定した経営が見込め将来性にも期待が持てる事業といえるでしょう。