フランチャイズで学習塾を開業する手順・年収や失敗を避けるコツも解説

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日本は慢性的な少子化傾向にあるものの、教育業界にはまだまだ大きな需要があります。

ある程度経済的にゆとりのある家庭は、子供の習い事や塾通いに費用を惜しまないところがあります。

この状況で、学習塾開業を検討したり実行したりする人が増えてきています。一方で学習塾開業と運営には、複数の複雑で難しい点もあります。

ですが学習塾をフランチャイズで開業すると、自身一からの開業よりは、比較的スムーズで順調に進む傾向があります。

今回はフランチャイズと学習塾について、学習塾の業態や、ターゲットと指導内容などに触れながら解説します

投稿者・コラム執筆者

フランチャイズ学習塾の年収

フランチャイズ学習塾の年収は、標準的に400~500万円程度といわれています。

一方で小規模スタートするケースでは300万円程度の時もあり、2、 3教室運営すると1,000万円程度も可能といわれています。

そして常時30名程度を維持できれば、標準年収を確保可能という目安もあります。

【年収確保のポイント】

  • 教室の必要面積を熟慮して、初期費用や月額家賃をなるべく抑える
  • 必要以上に事務スタッフを雇わずに、クラウドソーシングなども活用する
  • 開業エリアで需要性の高い指導内容に、精通したフランチャイズ本部を選択する

上記は、年収確保のためのポイントの一部です。

初期費用とロイヤリティなどの費用

(1)初期費用

初期費用は、標準的に300~500万円程、要する傾向にあります。

一方で高いケースでは600万円程度要する時もあれば、安いケースでは数十万円や100万円程度の時もあります。

そしてなかには、審査に通れば初期費用ゼロ円で可能なところもあります。

また最初から自分で、初期費用を全額用意する必要があるわけではなく、100万円程度の自己資金で加盟が可能な時もあります。

さらに開校当初まだあまり入金がない間に備え、運転資金などのために予備費も考えておきたいものです。

【初期費用内訳】

  • 加盟費
  • 保証費
  • 物件取得費
  • 設備費
  • 道具調達費
  • 研修費など

(2)ロイヤリティ

売上の7~15%が相場となっています。

一方で初期費用が安価な分、ロイヤリティで売上の30~49%を求められるところもあります。

そしてシステム利用料や、一人の入塾に対して6,000円程度本部が徴収する時もあります。

また、ロイヤリティがゼロのケースもあります。

学習塾の業態

(1)業態

学習塾の業態には、大まかに分けて次の三種類があります。

  • 集団学習塾
  • 個別学習塾
  • 自立型個別学習塾

次に、上記3業態の特徴を記します。

(2)集団学習塾

従来の学習塾で、次のような特徴があります。

  • 基礎的な学力はある層が多い
  • 応用力や受験突破力を身につけやすい
  • 学校よりも早い進度で、進むケースもある
  • 周りに友人や知人がいれば、切磋琢磨につながる
  • 理解度が高い生徒に合わせて、授業が進む傾向がある

(3)個別学習塾

個別対応の学習塾で、次のような特徴があります。

  • 一人一人に合った、カリキュラムや指導内容などの対応方法がある
  • 短期限定で、生徒の要望に応じた時間数での対応方法がある
  • 同じ項目を身につくまで複数回指導する
  • 担当講師を替えやすい

(4)自立型個別学習塾

最近話題になってきている学習塾で、生徒自身の学習習慣を育みます。

  • 指導内容が多岐にわたる
  • 生徒のペースで、勉強を進められる
  • 月謝が安価な傾向がある
  • 最小規模では、塾長一名でも運営が可能

ターゲットと指導内容

(1)小中高生

まず、小中高生に次のような指導内容があります。

①小学生

  • 国語
  • 算数
  • 理科
  • 社会
  • 中学受験対策

上記に加え、英語を指導するところもあります。英語に関しては、次のような内容があります。

  • 英会話
  • 英検対策
  • TOEIC対策など

これら英語に関する内容は、中学生や高校生も対象となります。

②中学生

  • 国語
  • 数学
  • 理科
  • 社会
  • 英語
  • 高校入試対策

③高校生

教科と科目

外国語 数学 国語 理科 社会 公民
英語 数学 I II ⅢAB

現代文

古文

漢文

物理

化学

生物

地学

世界史

地理

日本史

現代社会

倫理

政治経済

上記科目に対し、学習習慣の指導や大学受験指導をします。

小中高生には上記に加え、次の内容も対応可能なところがあります。

  • プログラミング
  • ロボットに関する知識
  • ダンス
  • 速読

(2)大学生

今は、大学生向けの学習塾も少しずつ増えてきています。理系の大学や学部では、理系科目の単位取得に、四苦八苦する学生が少なくありません。

このような理系学生を、指導します。指導内容は、次の通りです。

  • 数学
  • 物理
  • 化学

フランチャイズによる学習塾開業のメリット

(1)屋号を使える

学習塾では集客のために、まず新規問い合わせをとることが、重要で難しい第一歩です。

この新規問い合わせのために、ブランド化された屋号を掲げられると、大きな力となります。

そして新規顧客の問い合わせだけでなく、バイト募集をする時にも屋号は効果的です。

(2)高品質の教材を使える

学習塾運営にとって、高品質の教材は非常に重要です。そして学習塾では限られた時間内に、ある程度の内容をこなす必要があります。

このためには、必要学習内容が盛り込まれ、かつ学びやすい順序でまとめられている教材が重要です。

フランチャイズではテキストに、本部が長年の経験で研究した内容が凝縮されていて、これらの条件を満たしています

またフォントや行間などに、読みやすいようにと気配りがしてあります。

一から教材を作成したり、教材探しをしたりするのは時間がかかります。

最初から高品質の教材があることは、大きな助けになります。

(3)カリキュラムを考えなくてもよい

新規生徒入塾の際などに、年間カリキュラムを用いて「どの時期辺りにテスト対策を実施する」などといった説明をします。

塾を始めようとする際、この年間カリキュラム作成に意外と時間を費やすものです。

そして内容の整合性や誤字脱字にも、注意を払う必要があります。

一方でフランチャイズでは、本部考案の年間カリキュラムがある傾向にあります。

できれば指導内容や指導体制を高精度な状態で、運営をスタートしたいものです。

よって年間カリキュラム作成が省かれる分、他の業務に時間を割けることは利点です

(4)最初から生徒がいる時がある

学習塾においても、集客は容易ではありません。

一方でフランチャイズでは状況次第で、最初から何名か生徒がいるケースもあります。

つまり加盟時に、既に生徒がいる教室を継ぐということです。学習塾では、口コミによる集客効果も大きいです。

既に生徒がいると、口コミによる集客効果にもつながります。

(5)社会人経験を活かせる

学習塾運営にも、一般社会人としての能力や適性は重要です。

この能力や適性は、次のような内容です。

  • フランチャイズ本部との交渉能力
  • 問い合わせ電話から、生徒や保護者を来校へ誘導する話術
  • 面談で、生徒や保護者から好印象を抱いてもらえる接客力
  • 近隣から何らかのクレームがあった際の対応方法
  • 事務業務スキルなど

(6)本部サポートがある

学習塾の講師や塾長としての技量には、自信があるとします。

一方で開業となると、物件取得や内装準備など、必要考慮事項が複数あります。

この必要考慮事項は、容易に決定できるほど単純ではありません

ですがフランチャイズでは、開業段取りについてもサポートをします。

(7)高精度のITスキルが導入されている

授業内容そのものに、映像配信型システムを使っていることはもちろん、保護者への連絡や月謝支払いにもITスキルを活用しているところもあります。

そして独自開発の、家庭学習用アプリを準備しているところもあり便利です。

フランチャイズで学習塾を開業する手順

(1)問い合わせ

まず詳しい話を聞いてみたいフランチャイズ学習塾本部へ、問い合わせをします。

(2)説明会

説明会へ出席し、フランチャイズ事業方針などを認識します。

(3)詳しい話し合い

開業希望時期や塾業務運営方針など、事業計画について詳しい話し合いをします。

(4)開校場所決定と加盟

事業計画などで合意し、開校場所決定を経て、契約締結及び加盟となります。

(5)研修

実地研修にて、指導方法や保護者対応方法を体験できるところもあります。

フランチャイズ本部のノウハウを、肌身で感じて幾分か習得できるということです。

(6)開校準備

内装準備や、必要道具などの調達段階です。

生徒募集や講師採用などの段取りもありますが、この段取りにも本部のサポートがあります。

(7)開校

(1)~(6)の段取りを経て、遂に開校となります。

※教員免許は必須ではない

よく学習塾開校には「教員免許が必要なのでは」と、思い込まれているケースがあります。

ですが学習塾開校に、教員免許は必須ではありません

一方で教員免許があれば、集客のためにアピール材料になる可能性はあります。

学習塾業の難点と失敗を避けるコツ

(1)立地選択

生徒や保護者が足を運ぶタイプの業種なので、立地選定は重要です。

塾の立地選定について、最初のターゲットをどのような層に想定していくのかもポイントです。例えば小学生や中学生なら、学校の近くもよいです。

高校生で、異なる高校に通う電車通学の高校生ならば、駅の近くもよいです。

一方で駅の近くでは、居酒屋などがあると、トラブルが起きる懸念もあります。

そして小学校や中学校の近くでも、競合がいたり競合が開校の予定があったりしないか否かのチェックもしておきたいものです

フランチャイズ本部にも立地選定のサポートがあれば、活用が効果的です。

(2)教室条件

よい立地や物件が見つかっても、決定前に適切か否か熟慮がおすすめといえます。

例えば隣や上下のフロアに入居者がいれば、授業の時間帯に音が響くなどの不都合な点はないかどうかなどの点です。

(3)難度の高い学校出身=高指導力とは限らない

バイト講師採用に当たって、加盟者自身も面接などに関わるケースがあるでしょう。よく考えられる傾向がありますが、難しい大学出身の人が必ずしも高い指導力があるというわけではないことは注意点です。

指導に当たっては教科そのものの知識はもちろん、人間としての高い対応能力も重要です。

(4)オリジナルのアイディアを使えるか否か

フランチャイズ本部は、高品質の教材を準備する傾向があります。

一方で加盟者が塾講師や家庭教師経験者のケースでは、自分自身で教材や指導法などのノウハウをもっている時もあります。

このようなケースにて、自分自身の教材や指導法を使ってよいか否か、事前にフランチャイズ本部との打ち合わせもポイントといえます。

(5)自分の得意分野指導に精通しているか否か

加盟者自身は、ターゲットや指導内容について、自分の得意分野を活かしていきたいものです。対象のフランチャイズ本部が、自分の構想内容に精通しているか否かの見極めも、重要でありかつ難点でもあります。

本部担当者と、何回も話し合いを重ねることがポイントです。

(6)経費支払い

自営業一般に、様々な経費を支払っていけるか否か不安を抱く傾向があります。

ゆとりをもって経費を支払っていくためには、小規模開始や副業からのスタートという選択肢もあります。

(7)集客努力

フランチャイズ本部も、集客サポートをします。

一方でフランチャイズといえども、加盟者自身も集客努力の必要はあります。

例えばより幅広い層の生徒を獲得できるよう、自分自身が指導内容の幅を広げたり、より難度の高い指導ができるよう勉強したりするなどといった努力です。

まとめ

ここまで、フランチャイズと学習塾について考察してきました。

押さえておきたい点は、ターゲットと指導内容やフランチャイズで開業するメリットです。そして、学習塾業の難点と失敗を避けるコツもポイントといえます。

従来の英語や理科系の指導内容に加え、英会話やプログラミングなどもブームになってきています。

的確な立地選定と物件選定や指導内容設定にて、地域に社会貢献できる学習塾を開校し成功なさってください。


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