フランチャイズの転売ビジネスのメリットとデメリット・成功のポイントは?
商品を安く仕入れ、高く販売する転売ビジネスは、近年のリユース商品を長く使う風潮からも需要が伸びている業種です。
フランチャイズで転売ビジネスを募集している企業などもあり、今後も高い需要が期待できるでしょう。
この記事では、転売ビジネスの種類やフランチャイズに加盟して開業する場合のメリットやデメリット、成功のポイントなどについて詳しく解説します。
転売ビジネスの種類について
ひとことで転売ビジネスといってもいくつかの種類があり、それぞれ取り扱う商品などが違う点が特徴です。
ここからは、転売ビジネスの種類について詳しく解説します。
(1)ブランド品の転売
有名ブランドを仕入れ、転売する方法が挙げられます。
特に希少価値があり、手に入りにくいブランド品などは、定価以上の価格になっていることも多く、仕入れ額によっては大きな収益となるでしょう。
ブランド品を見る目が必要になります。
人気のブランドと思って購入しても、見込み違いで赤字となってしまうケースも少なくはありません。
また、人気のブランド品を常にチェックし、目ぼしい商品が出た際、すぐに購入する素早さも必要です。
人気のブランド商品が出品された場合、競争が激しいのでモタモタしてしまうと、すぐに売れ切れてしまうでしょう。
比較的、難易度の高い転売ビジネスです。
(2)せどり
リサイクルショップなどに出向き、掘り出し品をインターネット上で販売することをせどりといいます。
リサイクルショップや古本屋などでは、非常に需要は少ないですがニッチな層には高値で売却できる商品が眠っています。
そのような商品を見つけて安く仕入れられるとインターネット上で想定の利益を載せて転売するだけです。
商品の仕入れがポイントとなり、休みの日などを利用して複数のリサイクルショップを廻って仕入れるケースがよく見られます。
サラリーマンが休みの時間を使って副業感覚でせどりに取り組んでいることも多く、比較的取り組みやすいビジネスといえるでしょう。
(3)海外の商品販売
ブランド品の転売ビジネスとスタイルはほとんど似通っていますが、海外の商品を仕入れ転売するのが海外の商品販売です。
海外のブローカーや卸売りサイトなどから商品を仕入れ、日本のマーケットで転売します。
海外の卸売りサイトを利用しますので、英語や外国の言語を理解できる語学力が必要かもしれません。
また、為替も若干影響しますが、円高のときに購入し、円安になったときに販売ができると商品価格だけではなく為替差益を得られるチャンスです。
逆に為替の影響がマイナスに作用するケースもあり、商品知識だけではなく輸入品の規制内容、為替といった点も注意しなければいけません。
フランチャイズで転売ビジネスに加盟するメリット
ここからはフランチャイズで転売ビジネスを開業するメリットについて解説します。
(1)企業ブランドが使える
フランチャイズビジネスとは、本部の商号や看板、サービスなどをそのまま利用して経営するビジネススタイルです。
フランチャイズ本部は、募集している業種において、成功しており一定の知名度を持っています。
フランチャイズに加盟して転売ビジネスを開業する場合、本部の看板や商号のままで開業ができますので、本部の企業ブランドが自分の経営で利用できます。
すでにその業界では知られている企業ブランドが利用できますので、取引当初から顧客も一定の信頼度を持っているケースが多いでしょう。
企業ブランドが使えるので、当初から一定の信頼度がある点はメリットのひとつです。
(2)本部の経営ノウハウが使って開業できる
転売ビジネスで自分独自でスタートしようとする場合、はじめて転売ビジネスをスタートする未経験の方などは、どのように始めていいかわからないかもしれません。
開業当初は業務を覚え、ノウハウを構築することからスタートしなければいけません。
フランチャイズに加盟して転売ビジネスをスタートできると、本部の経営ノウハウをそのまま利用できます。
しかも、フランチャイズ本部の経営ノウハウは、すでに成功しているビジネスモデルですので、成功するためのポイントが詰まっているといえます。
本部の経営ノウハウをうまく再現して活用することで、開業当初からスムーズな取引が可能です。
(3)本部で買取金額を統一している
転売ビジネスにおいて、成功するポイントとして挙げられるのは、買取価格です。
いくら商品の質が良かったとしても、高い金額で買い取ってしまっては、転売する際、利幅も少なくなってしまいます。
最悪の場合、赤字になってしまうかもしれません。
しかし、どの程度の買取金額が適切なのかといった点が開業当初はよくわかりませんので商品の仕入れに支障が出る場合があります。
フランチャイズに加盟して開業すると、本部で買取価格を提示しているケースがあります。
これは本部のマーケティングによって調査されて設定された価格ですので、整合性がある価格といえるでしょう。
買取金額で悩む必要がありませんので、非常に業務効率が上がる点もメリットです。
(4)本部が仕入れる場合もある
転売ビジネスにおいて、販売するのも非常に重要ですが、販売する商品がなければ営業ができません。
そのため、多くの商品を仕入れる必要があります。
独立開業する場合、商品はすべて自分ひとりで仕入れなければいけませんので大きな負担がのしかかることになるでしょう。
しかし、フランチャイズに加盟して開業する場合、仕入れ商品を本部が卸してくれる場合があります。
仕入れ商品が不足するといった事態は起こりにくくなるでしょう。
本部による仕入れサポートも転売ビジネスにおいて大きなメリットです。
フランチャイズで転売ビジネスに加盟するデメリット
フランチャイズによる転売ビジネスはメリットばかりではありません。
ここからは、フランチャイズに加盟して転売ビジネスを起業するデメリットについて解説します。
(1)自由度が低い
フランチャイズに加盟して転売ビジネスをスタートすると、本部の看板や経営ノウハウがそのまま使用できると述べました。
反面、本部の提供するサービス以外はできません。
オリジナルのサービスなどが提供できない点がデメリットです。
フランチャイズ本部は加盟店に対して横並びの経営を求め、全国一律同じ質の高いサービスを提供することを義務化しています。
加盟店が独自のサービスをすることになると、屋号は同じでも扱う商品が加盟店で違うといった事態にもなりかねません。
お客様とトラブルになるケースが増えてしまいます。
一度フランチャイズに加盟して開業すると、経営者にとって自由度が低い店舗となってしまうでしょう。
(2)ロイヤリティや加盟金がかかる
先ほどから、フランチャイズビジネスの特徴について前述しました。
まずはフランチャイズに加盟しなければいけませんが、加盟したいからといってすぐに加盟できるわけではありません。
本部の審査などがあり、審査に通った後に加盟金を支払う必要があります。
加盟金の額は本部によって異なり、業種によっては100万円単位の支払いです。
また、開業後には本部の看板やサービスを利用できますが、毎月の使用料としてロイヤリティが発生します。
ロイヤリティの金額も本部によって異なり、毎月定額のケースや売上の割合に応じて金額が決定するなどさまざまです。
フランチャイズに加盟しないと発生しないコストですので、デメリットといえるでしょう。
(3)フランチャイズの不祥事に左右される
フランチャイズビジネスは、本部の看板や経営ノウハウが利用できますが、本部とまったく同じやり方で経営しなければいけません。
これはどの加盟店も同じで、全国どこでも同じサービスが提供できるようになるのがフランチャイズの特徴です。
顧客側から見ると、どこでも同じサービスが利用できますので、どの店舗が直営店でどの店舗がフランチャイズ加盟店であるかなどはわかりません。
つまりどのお店も同じ会社が経営していると思っている方も多いのではないでしょうか。
もし、フランチャイズ本部の不祥事が明るみに出た場合や、他の加盟店が経営する店舗などで問題が発生すると、自分たちの店舗などにも悪影響が出やすくなります。
フランチャイズの場合、どの店舗も同じように見えるため、不祥事を起こした企業体としてひとまとめに捉えられてしまうでしょう。
(4)廃業時に違約金がかかる
フランチャイズに加盟しても開業にはたくさんのメリットがありますが、必ずしも成功するわけではありません。
上手く経営ができずに廃業する可能性も考えられます。
フランチャイズに加盟して転売ビジネスを開業する際、フランチャイズ契約には契約期間が定められており、契約期間内の解除となると違約金が発生します。
違約金の額は、本部とフランチャイズ契約を締結する内容によってさまざまです。
場合によっては100万円単位の違約金となっているケースもあり、かんたんに廃業できない点もデメリットといえます。
転売ビジネスで成功するポイント
ここからは、転売ビジネスを成功させるためのポイントについて解説します。
(1)値付けの見極めが重要
仕入れ値や販売価格など、価格の見極めが非常に重要です。
仕入れ値が高すぎると利益は上がりませんし、販売価格が高すぎると売れないので、売上が上がりません。
逆に仕入れ値を下げ過ぎてしまうと商品が手に入りませんし、販売価格を安くしてしまうと、利益がでないといった可能性が考えられます。
仕入れと販売の適正価格を見極め、本部の値付けなども参考にするといいでしょう。
(2)売れている商品などのリサーチを欠かさない
仕入れも販売も、リサーチがポイントです。
売れている商品や、先行き有望な商品などを事前にリサーチして人気が出る前に安く仕入れておくと、人気が出た時に高く販売ができます。
商品を常にリサーチして、安定して売れる商品と、特定の時期に売れる商品などを把握しておくと、安定した収益が上がるでしょう。
(3)仕入れ先の複数確保
何度か繰り返しましたが転売ビジネスでは、まず商品がなければ始まりません。
いかに、商品を仕入れるかといった点がまずポイントになります。
商品を安定して確保するために、複数の仕入れ先を確保しておくといいでしょう。
また、仕入れ先を複数確保することで仕入れ先同士の競争にも繋がり、安い価格で仕入れやすくなります。
仕入れ先の複数確保も、成功のポイントといえるでしょう。
(4)腰を据えて取り組む
転売ビジネスは、副業としても取り組めるビジネスですが、やはりしっかりと収益を上げたいならば、腰を据えて取り組むべきです。
商品の仕入れやリサーチなど、本気にやればやるほど時間が必要になります。
副業で限られた時間だと、仕入れ商品も満足に見つけられないかもしれません。
転売ビジネスは成果が出るまで、少し時間がかかる場合があります。
結果を焦ってしまうと、経営自体が悪循環に陥り、最悪の場合、改善できずに廃業といったケースも考えられるでしょう。
じっくりと腰を据えて取り組むことで、転売ビジネスについて学びやすくなり、結果的に早期の収益につながります。
まとめ
転売ビジネスは、SDGsの観点や、大量消費に関する認識の変化などがあり、古くてもいい商品を長く使う考え方が増えたため、今後の成長性が見込める業種です。
そのため、複数のフランチャイズ本部がありますが、今回紹介したように、ビジネススタイルや経営スタイルも異なります。
フランチャイズに加盟しての転売ビジネスを検討している方は本部選びが非常に重要です。
複数の本部から自分のやりたい方向性を共有でき、サービスも充実している本部を選びましょう。
特に経営者となると、悩み事などを相談する相手がいないケースが多いのですが、フランチャイズだと担当者からのアドバイスにも期待が持てます。
経営者にとっては大きな味方となってくれるでしょう。