投資型のフランチャイズビジネスのメリットとデメリット
フランチャイズビジネスは、自分たちがオーナーとなり資金を投下した上に、自分たちも労働者となって働くスタイルだけではありません。
自分たちは働かずに、従業員を雇う必要もないフランチャイズビジネスもあります。
投資型フランチャイズと呼ばれるものです。
投資型フランチャイズとはどのようなフランチャイズ経営なのでしょうか?
この記事では、投資型フランチャイズの特徴や業種、メリットやデメリットといった点について詳しく解説します。
投資型のフランチャイズの内容や特徴
まずは投資型フランチャイズの内容や特徴をしっかりと理解しなければいけません。
この章では投資型フランチャイズの特徴について詳しく解説します。
(1)投資型フランチャイズは設備投資で収益を上げるビジネス
投資型フランチャイズとは、名前の通り設備に投資するだけで収益を上げることができるビジネスのことを指します。
自分で動き回る必要がなく設備に投資するだけのビジネスです。
他に職業を持っている場合などに設備投資型フランチャイズを行っているケースが多いといえます。
(2)初期コストは高いがランニングコストはあまりかからない
設備投資型ビジネスは、定期的に資金を投下しなければいけないかというとそのようなことはありません。
初期コストは少しかかりますが、ランニングコストはあまりかからないのが投資型ビジネスの特徴です。
全くかからないわけではありません。
しかし、他のフランチャイズビジネスと比較するとランニングコストは非常に少なく済みますので、前述した兼業や副業にも向いているといえるでしょう。
(3)人材があまり必要ではないビジネス
ランニングコストがあまりかからないということは、人件費があまりかからないということに繋がります。
人を配置する必要があまりないので、自分たちが動く機会はほとんどありません。
人を雇用する必要もありませんので、雇用に関するリスクも大幅に抑えることができるビジネスといえるでしょう。
(4)すべて外注で自分が動かなくてもいい場合がある
投資型フランチャイズでは人が動く機会は非常に少ないのですが、全くないというわけではありません。
突発的なトラブルはどのようなフランチャイズビジネスでも起こってしまいます。
トラブルの時には、担当者や責任者が直接現場へ向かい、トラブルに対処するというのが一般的でしょう。
しかし設備投資型フランチャイズにおいては人的投資を行っていませんので、トラブルの場合はオーナーであるあなたが対処することになると思われがちです。
実際はフランチャイズ本部が外注した先がトラブル対応に向かいますので、自分の会社の社員やあなた自身がトラブル対処に動く必要はありません。
投資型フランチャイズに該当する業種とは
実際に設備投資型フランチャイズといってもどんな業種があるのかピンと来ていない人も多いのではないでしょうか?
投資型フランチャイズの種類について解説します。
(1)トランクルーム
設備投資型フランチャイズの代表的な一つとして挙げられるのがトランクルームです。
荷物を保管用のスペースに預けて、賃貸するビジネスを指します。
普段利用はしない季節物の用品や、めったに使わないものなどをトランクルームに保管し、必要な時に取り出すことができます。
荷物が多い人や多趣味の人にはよく利用されるビジネスです。
いったんトランクルームを借りると、そのまま長期間契約するケースも多く、安定した収入が見込めます。
またスペースを貸すビジネスですので人の常駐は必要ありません。
まさに投資型フランチャイズの典型といえます。
(2)コインランドリー
コインランドリーも設備投資型フランチャイズの代表的な事例です。
洗濯機や乾燥機を設置し、いつでもお客様が利用できるよう24時間営業しているのが一般的です。
コインランドリー経営も人が常駐する必要はありません。
不審人物なども防犯カメラで確認でき、警備会社などとも連携していますのでもしもの時にも安全です。
トラブルがあってもオーナーが動く必要はなく、全てフランチャイズ本部の提携先が対応します。
洗濯機や乾燥機など開業資金が多く必要ですが、それ以降は人件費や運営費の必要性が少ないので資金を投下する機会はあまり多くないでしょう。
(3)自動販売機設置
自動販売機もある種、設備投資型フランチャイズといえます。
スモールビジネスにはなりますが、自動販売機を設置すると、商品の補充などは飲料メーカーが行いますので、特に自らが動く必要はありません。
自動販売機設置に関しては初期投資もあまり必要ではありません。
自動販売機は飲料メーカーが設置しますので、どちらかといえば土地の賃貸といった形式と考えておけばいいでしょう。
何台も自動販売機を置くスペースなどがあると、複数の自動販売機を置いている場合もあります。
1台だけだと大きな収益ではないですが、台数が増えればそれだけ収益が増える可能性が高くなり、相乗効果も見込めるでしょう。
ランニングコストも、電気代程度ですので大きな費用はかかりません。
(4)貸倉庫
貸倉庫は、形式としてはトランクルームと大きな違いはありません。
保管用倉庫だと倉庫業者、トランクルームだと倉庫業者ではない事業者も経営ができるといった違いがあります。
貸倉庫の場合はトランクルームより規制が厳しく、補償などをきちんと受けることができる状態にしなければいけません。
そのため、貴重品や会社関係の機械などを一時的に預けたい場合などはトランクルームではなく貸倉庫に預けたほうがいいでしょう。
事業者は、基本的に倉庫業者のみとなりますので、倉庫業の一環としてフランチャイズで取り組むことが可能です。
投資型フランチャイズビジネスのメリットは
ここまでは投資型フランチャイズの特徴や投資型フランチャイズに該当する業種などについて解説しました。
投資型フランチャイズにはどのようなメリットやデメリットがあるのかが気になるところです。
投資型フランチャイズのメリットについて解説します。
(1)不労所得型ビジネスなので、自らが動く必要が少ない
基本的に投資型フランチャイズは設備に投資するビジネスで、自ら動くことがありません。
万が一、人が動くようなことがあっても全て外注で済ませることができます。
つまり投資型フランチャイズは不労所得型ビジネスとして自らが動く必要が少ない点がメリットです。
年齢を重ねたとしても自ら動く必要がありませんので、体力に関係なく長い経営もできます。
今後も人的労力を利用しない機械やAIなどがどんどん進化してく可能性が高いので設備投資型ビジネスは今後も成長していくことが想定される事業です。
(2)ランニングコストがかかりにくい
投資型フランチャイズは、ランニングコストがあまりかかりません。
例えばレンタルルームを例に挙げてみると、スペースを貸すだけですので特にランニングコストがかかることはありません。
コインランドリーも同様で、最初に設備投資を行うと人件費の必要もなく、電気代や水道代程度となり、ランニングコストがかかりにくいビジネスです。
ランニングコストが低いので損益分岐点が低く、収益が上がりやすいことに繋がります。
(3)大きな変動が少なく安定収益が見込める
投資型フランチャイズは、大きな変動が少ないビジネスです。
売上が急激に上がることも少ない代わりに、急激に落ち込むことがほとんどありません。
トランクルームなどは借りてもらっている間は一定の収益を毎月得ることができます。
コインランドリーなども、一定の顧客層が常に利用する傾向が強いので安定した収益が見込めるでしょう。
(4)複数店舗経営が比較的簡単
投資型フランチャイズの特徴として、自らが動く必要が少ない点を挙げました。
ということは資金があると複数店舗経営が比較的容易だということになります。
自らが動く必要がほとんどありませんので、自分の時間を取られることが少ないのが投資型フランチャイズの特徴です。
その特徴を十分に生かすことができると、複数店舗経営も比較的簡単で、高収益にも期待が持てます。
投資型フランチャイズビジネスのデメリットは?
ここまでは投資型フランチャイズのメリットについて解説しました。
しかしメリットだけではなくデメリットも注視しながら投資型フランチャイズを分析する必要があります。
ここからは投資型フランチャイズのデメリットについて解説します。
(1)初期投資に大きな費用がかかる可能性がある
一般的なフランチャイズ経営より初期投資に大きなコストがかかるケースが多いビジネスです。
コインランドリーなどは、最初に洗濯機や乾燥機などを導入する必要があります。
また、防犯面の備えも行う必要がありますんで、人がいるお店などよりも防犯カメラなどの設備を揃えておかなければいけません。
(2)防犯上のリスクを考えておく必要がある
投資型フランチャイズは、あまり人的資材を投入する必要がありませんので人件費がかかりません。
そのために注意しなければいけないのが、防犯面です。
お店や場所に人がいることがほとんどありませんので、防犯の備えが甘いと盗難のリスクを常に背負ってしまいます。
防犯カメラや、警備会社との連携などは必須です。
防犯カメラなどをきちんと設置していても一度盗難や強盗が入ってしまうと、客足にも影響してしまいます。
防犯面にコストをかける必要と盗難や強盗のリスクが多い点がデメリットのひとつです。
(3)収益性はそこまで高くはない
基本的に収益性はそこまで高くありません。
トランクルームなどは満室になった時が100%の収入ということになります。
経営するスペースなどにもよりますが、一般的に、投資型フランチャイズだけでは生活するのは難しい程度の収益です。
例えば10室のトランクルームを月額1万円で貸したとしても、満室で月額10万円程度しか稼ぐことができません。
不労所得ビジネスではありますが単体での収益は少ないといえます。
(4)修繕に関するコストが大きくかかる場合がある
投資型フランチャイズは、ランニングコストはあまりかかりませんが、初期投資が必要とは前述しました。
機器の導入が多い点が大きな理由のひとつですが、設備を導入するということは、設備が故障したときに修繕費用がかかることが挙げられます。
さらに、修繕費用が高額になることも考えられますので修繕コストを常に確保しておかなければいけない点がデメリットとして挙げられるでしょう。
まとめ
投資型フランチャイズには自らが動く必要が少なくランニングコストもあまりかからないビジネススタイルです。
初期投資がかかりますので最初の設備投資に投資できる資金を準備しておく必要があります。
不労所得ビジネスでもありますので、複数店舗経営も可能で、投資を増やしていくことにより収益をどんどん上げることもできるビジネスです。
しかし、デメリットもありますので、デメリットに対する対策も備えておく必要があります。
投資型フランチャイズに興味がある人は是非この記事を参考にしてはいかがでしょうか。