フランチャイズのガソリンスタンドの開業手順・初期費用や注意点も解説

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フランチャイズ ガソリンスタンド

車を保有している場合必ず必要になるのがガソリンスタンド。

街中には多くのガソリンスタンドが建ち並んでいますが、中にはフランチャイズとして経営しているガソリンスタンドも存在しています。

実際に運用に悩んでいる土地を保有しており、ガソリンスタンドを経営しようと考えるとフランチャイズで開業するにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

また、ガソリンスタンド経営における年収や必要な資格にはどのようなものがあるのでしょうか?

この記事ではフランチャイズでガソリンスタンドを経営するさまざまな点について解説します。

投稿者・コラム執筆者

ガソリンスタンドの将来性

まずは、フランチャイズの有無にかかわらず、ガソリンスタンド自体の将来性について考えてみましょう。

ガソリンスタンドは今後の需要が高いのかどうかといった点について解説します。

(1)ガソリンスタンド自体の数は減少中

ガソリンスタンド自体の数は、実は減少傾向にあります。

1994年には60,000件以上のガソリンスタンドがありましたが、2018年には30,000件超と約半数まで落ち込んでいます。

ガソリンスタンドが減っている要因の一つとしてガソリン価格の急変動による売り上げの変動が挙げられます。

為替や中東の状況によってガソリン価格は大幅な価格変動を繰り返し売り上げの変動が厳しく、経営難に陥るガソリンスタンドも少なくありませんでした。

また後継者問題、労働人口の不足など、少子高齢化の道を進んでいる我が国が直面する問題が、ガソリンスタンドに影響しているともいえるでしょう。

だからと言ってガソリンスタンドに将来性がないかというとそのようなことはありません

(2)セルフスタンドや多機能化に注目

今後、注目されるのがセルフサービスにおけるガソリンスタンド経営です。

利用者がガソリンを給油し、労働力のコストダウンが図れます。

労働力の不足が解消でき、さらにテクノロジーの進化により便利な給油方法も確立されるでしょう。

また、ガソリン車だけではなく、電気自動車や水素自動車の開発も注目するポイントです。

次世代の自動車への対応などガソリンスタンドの需要は形態を少しずつ変化させながら生き残ることが可能だといえます。

(3)休憩所としての活用も今後の注目点

近年、コンビニやカフェが併設しているガソリンスタンドが目に付くことがあります。

車を長時間運転すると、どうしても肉体的な疲労や、目が疲れることがありいったん休憩をとる場所が求められているのです。

いったん休憩したいときにコンビニやカフェが併設しているガソリンスタンドは給油と休憩を両方取れて非常に効率的といえるでしょう。

利用者の快適さを高めることにより、ガソリンスタンドの需要が廃れることはないといえます。

フランチャイズのガソリンスタンドの平均年収

ではガソリンスタンド経営した場合、経営者はどの程度の年収を得ることができるのでしょうか?

ここからはガソリンスタンドを経営した場合の年収について解説します。

(1)ガソリンスタンド勤務者の平均はおよそ280万円

まず、実際にガソリンスタンドに勤務している従業員の平均年収を見てみると、およそ280万円前後とそう高いものではありません。

実はガソリンスタンドはそこまで利益率が高いものではないのです

ガソリンにおける仕入れや、税金などのコストを算出すると、販売価格の9割以上を占めるために実際の利益となると販売価格の数%となってしまいます。

その中から、人件費などを捻出しますので、従業員として勤務すると高年収が得られる業種とはいいがたいのです。

(2)経営者は年収1,000万円も可能

実際に経営者となると、経営するガソリンスタンドの規模や売り上げ状況にも大きく影響しますが、年収1,000万円も夢ではありません。

ガソリンスタンドは、ガソリンを販売するだけではなく、洗車や車検、簡単なパンク修理といったカーケア部分も行っています。

このカーケア部分における売り上げも大きいので、売り上げをあげる工夫は経営者の腕の見せ所といったところでしょう。

うまくガソリンスタンド経営ができれば年収1,000万円も可能です。

しかし前述したようにガソリンスタンド勤務者の平均年収は280万円であることから、低い年収での経営といったことにもなりかねないともいえます。

しっかりと経営して高収入を目指しましょう。

初期費用・ロイヤリティなどの費用

実際にガソリンスタンドを経営しようと考えるときに気になるのが、最初にかかる開業費用です。

また、フランチャイズに加盟してガソリンスタンドを始めようと思ったら加盟料や月々に納めるロイヤリティといった部分も気になるところです。

ここからは、開業時にかかる初期費用や加盟店料、ロイヤリティといった部分について解説します。

(1)最低1,000万円は必要で場合によっては高額になる場合も

ガソリンスタンドの初期費用は、店舗規模や、立地の賃料相場などによっても大きく異なりますので一概には言えません。

開業における初期費用として考えられるのが、店舗の取得費や内装外装費用、設備の設置費用などです。

店舗の取得費用は、土地を借りて、ガソリンスタンドを自分たちで建築する場合と、すでにガソリンスタンドがある建物を借りて経営するのでは初期費用に大きな開きが出ます。

また、設備の設置に関しても、カーケアをどこまで行うのかによって大きく異なるでしょう。

一般的には最低でも1,000万円かかり、5,000万円前後かかることもあるといわれています

初期投資が非常に高額になりますので、開業資金の調達方法については早い段階からめどをつけておく必要があるでしょう。

(2)加盟店料やロイヤリティは各社異なる。それぞれの本部を比較しよう

フランチャイズに加盟して経営しようとすると加盟店料やロイヤリティがかかる場合があります。

加盟店料は、フランチャイズに加盟するときに支払う費用を指します。

ロイヤリティとはお店の知名度や営業ノウハウを使用する使用料と考えるといいでしょう。

このような費用がかかることをフランチャイズ加盟時には計算しておかなければいけません。

加盟店料やロイヤリティもフランチャイズ本部ごとに大きく異なりますので、フランチャイズを選択するときにしっかりと比較検討する必要があります

フランチャイズによるガソリンスタンドの開業手順

次にガソリンスタンドを開業するまでの手順について説明します。

開業までにはいくつかのステップを踏んで開業しましょう。

ステップをそれぞれしっかり理解していつまでに開業するのかを明確にしておくことがポイントです。

ステップ1 複数のフランチャイズ本部を検討する

まずは、加盟するフランチャイズをどこにするかを決めなければいけません。

フランチャイズの本部を決めなければ開業費用や運営費用の計画ができませんので、最初にフランチャイズを決定しましょう。

しかし、いきなり1社だけに絞るのはおすすめできません

複数のフランチャイズ本部を調べて比較検討しましょう。

フランチャイズ本部の説明会に参加したり、資料を請求したりすることで比較検討が可能です。気になる点は必ず問い合わせて疑問を解消しましょう。

ステップ2 フランチャイズ加盟契約を締結

フランチャイズする企業を決めるとフランチャイズ契約を締結します。

契約時に資金計画のサポートや物件の紹介などを行ってくれるケースもありますので、前もって説明会などの時に詳しく問い合わせしておくと、その後の流れがスムーズです

ステップ3 店舗取得

フランチャイズ契約を締結すると、経営を行う店舗の決定です。

ガソリンスタンドの経営はどこでもできるわけではありません。

特に、ガソリンなどを地中に埋め込むタンクの設置など必要ですので、用途地域などが絡んできます。

早め早めに動き、できればガソリンスタンド開業に伴う費用の見積もりなどまでフランチャイズ契約と同時進行で進めていきましょう。

早めに契約し、内装や外装を手早く行って開業までの期間を短縮しておきます。

ステップ4 内装や届け出

開業ができるように内装や店舗の開業申請が必要です。

内装工事中に開業における申請を同時に行うと効率が良く早めの開業が可能です。

ステップ5 開業

いよいよ開業です。

開業後もフランチャイズ企業としっかり連携し、早めの黒字化を目指しましょう。

ガソリンスタンド開業における必要な資格や技術

ガソリンスタンドの開業に関しては届け出や資格が必要です。

必要な届け出や資格について解説します。

(1)危険物取扱者資格は必須

必ず必要な資格として、危険物取扱者資格が必要です。

危険物取扱者資格のなかでも、危険物取扱者乙種第四類若しくは危険物取扱者甲種の資格を持った人を設置する義務があります

試験もありますので、経営者が資格保有していなければ、資格を取得するか資格保有者の雇用が必要です。

また、届け出に関しては揮発油等の品質の確保等に関する法律による手続きが必要です。

経済産業省への届け出を行います。

併せて消防法11条にあわせたガソリンスタンドにしなければいけませんので、基準に従った設計や届け出を行います。

(2)さまざまなサービスを提供する技術も必要

前述しましたが、ガソリンスタンドはガソリンの販売だけではなくパンクの修理やオイルの交換なども行うことで収益をあげます。

しかし、カーケアに関する技術者でなければこのようなサービスの提供はできません。

つまりこのような技術を自分が持っている、もしくは技術を持っている人を雇用する必要があります。

サービスを提供し売り上げを挙げたいならば、技術者の存在は不可欠です。

ガソリンスタンドを利用する対象の顧客層

ガソリンスタンドを経営するにあたりどのような顧客層を掴んでいくのかといった点は必ず分析しておかなければいけません。

どのような顧客がガソリンスタンドを利用するのでしょうか?

今後、どのようなニーズを取り込めば安定した経営ができるのでしょうか?

ここからは、ガソリンスタンドを利用する顧客層について解説します。

(1)自動車の保有者は年々増加している

近年、ニュースなどで若者の車離れが進んでいるといった記事を目にします。

実際に車が減ることによりガソリンスタンドの利用者は減っていくと考えるのが妥当なところですね。

実際に車の保有台数に関して下の表を見てみましょう。

出典:一般社団法人自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向

上記の表を見てみると、車の保有台数は年々上昇しており、2018年の乗用車の保有台数は6,000万台を超えています。

車を保有している人が多くなるということはガソリンスタンドの利用者も増えていくことを示しているといえるでしょう。

(2)EVや水素自動車など新たな需要も注目ポイント

今後もガソリン車が製造され続けるのかというとそうではなく、今後は電気自動車や水素自動車といった環境にやさしいといわれる自動車が増えていくことが想定されます。

そうなると、ガソリンスタンドも従来のガソリン販売だけではなく、電気自動車や水素自動車の燃料供給といった分野に進出していく必要があるでしょう。

このような需要をいかに早くつかみ対応していくかもキーポイントです。

フランチャイズでガソリンスタンドを開業するメリット

ここまでは、ガソリンスタンド経営におけるさまざまな疑問点などについて解説してきました。

つまりフランチャイズを利用してもしなくても必要となる部分を含めていましたので、実際に開業した場合フランチャイズと自主独立のどちらがいいのかについて解説します。

まずはメリット部分を見てみましょう。

(1)大手の看板が利用できる

大手の看板や知名度が利用できるという点は大きなメリットといえます。

特にガソリン市場はいくつかの大手ブランドのガソリンスタンドが多く、知名度が高くないブランドのガソリンは使いにくいといった顧客心理があるといえるでしょう。

フランチャイズだと、大手のガソリン供給により顧客に安心感を与えます。

(2)販路が確保されている

販路が確保されている点も挙げられます。

ガソリンを販売するには仕入れが必要です。

独立開業でも販路の確保は可能ですが、安定性や価格面における不安はぬぐえません。

フランチャイズに加盟して経営すると、スケールメリットを生かして安定した価格のガソリンが供給できる点や、ガソリン販売ができないといったかリスクも抑えることができます。

フランチャイズでガソリンスタンドを経営するデメリットや問題点

次にフランチャイズに加盟することによるデメリットや注意点について触れてみましょう。

(1)独自のサービスが提供しにくい

フランチャイズでの経営は、大手の営業ノウハウやシステムが利用できる反面、独自のサービスが行いにくいといったデメリットがあります。

新しい取り組みをしたくても本部の承認が取れなければサービスの提供はできません

特殊な技術を持っていてガソリンスタンド経営に生かしたいと考える人などには難しいかもしれません。

全くできないというわけではないのでフランチャイズ本部との綿密な打ち合わせが必要となるでしょう。

(2)ロイヤリティなどのコストがかかる

フランチャイズでは大手の看板や営業ノウハウの使用料をロイヤリティで払うといったケースが一般的です。

ロイヤリティは各企業で大きく異なるので、大切なことは比較検討するということでしょう。複数のフランチャイズ企業を比較検討しましょう。

まとめ

ガソリンスタンドの開業や経営について解説しました。

ガソリンスタンドは車の保有台数も増加している点や新しい自動車の普及に対応できるとガソリンスタンドの数が減少しているとはいえ今後の安定した経営が見込めます。

しかし未経験だとさまざまなトラブルや課題を自分一人で解決しなければいけません。

フランチャイズ契約をすることで、フランチャイズ本部の力を借りながらの経営ができるので大きな力となるでしょう。

最初の開業資金が高額になる点も大きな課題となりますが、フランチャイズ本部が今までの経験に沿った資金計画や融資先の紹介を行うケースもありますので安心できます。

フランチャイズの加盟することで、早めに安定した経営ができるといった面を忘れてはいけないでしょう。


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