フランチャイズに加盟してパスタ専門店を開業する場合の収益や初期費用
色々なメニューがあり万人が好きな料理として挙げられる料理のひとつがパスタです。
もともと麵好きな特徴がある日本人に好まれ、パスタを中心とした専門店が多く見られます。
ではパスタ専門店をフランチャイズに加盟して開業する場合、収益や開業費用などがどのくらいかかるのでしょうか。
この記事ではパスタ専門店をフランチャイズに加盟して開業した場合、収益やコスト、フランチャイズ本部のサポート体制などについて詳しく解説します。
目次
パスタ専門店の将来性や市場規模は?
パスタ専門店を開業しようと考える場合、最初に気になるのが将来性や市場規模です。
ここからはパスタ専門店の将来性や市場規模などについて解説します。
(1)日本の消費者に支持され、定着している
前述しましたが、パスタはソースの種類が豊富な上にシーフードや野菜など、たくさんの具材との相性が良いため、さまざまなメニューが楽しめます。
もともと、麺好きである日本人にとってもパスタは人気の料理で、メニューの豊富さから老若男女に好まれる食べ物です。
もともとは、古代ローマ時代が起源といわれており、欧州で普及していましたが、幕末に日本にもパスタが知られるようになり、和風のメニューなどが開発され、現在に至ります。
日本の消費者にも完全に浸透しており、庶民的なメニューから高級感あふれる食材を用いるものまで、多くの方が楽しめる料理といえるでしょう。
(2)調理技術が比較的簡単、研修で技術を取得可能
パスタの特徴として、調理技術が比較的簡単な点が挙げられます。
基本的には、麺を茹で上げ、ソースを絡ませるメニューが多く、フランチャイズなどではすでに出来上がったソースを加盟店に卸して、メニューを画一化しています。
未経験からでも、研修などで技術を学ぶことでメニューを提供できますので、料理としての技術は敷居としてハードルが高いわけではありません。
パスタ専門店などでの勤務経験がなくても、比較的開業しやすいといえるでしょう。
(3)競争は年々厳しくなっている
パスタの市場規模に関して多様化の傾向が強く、今後もさまざまなタイプのパスタ専門店が増えていくことも想定されます。
また、ファミリーレストランなどで提供されているパスタの低価格化が非常に目立っており、競争は年々厳しくなっているといえるでしょう。
特に、個人経営でパスタ専門店を開業する場合、知名度もありませんので、開業当初は集客に苦労することも考えられます。
パスタ専門店は、比較的開業しやすい業種といえるので、その分競合店舗が多く、常に競合店と争う可能性が高いことも挙げられます。
フランチャイズによるパスタ専門店の収益は?
実際にパスタ専門店をフランチャイズに加盟して開業した場合、どの程度の収益が得られるのでしょうか。
ここからは、フランチャイズに加盟してパスタ専門店を開業した場合、想定される収益について詳しく解説していきます。
(1)原価率が低いので高収益体質が見込める
パスタの特徴として、そのほかの飲食と異なる点として原価率が安い点が挙げられます。
一般的なパスタの原価率は25%前後です。
お店によってはもっと安い原価率で提供しているケースもあります。
原価率が安いということは、利益率が高く高収益体質になりやすい点が挙げられます。
パスタ専門店が増加している大きな要因のひとつです。
(2)収益のモデルケース
客席数が30席程度のパスタ専門店が一日100名程度の集客があり、客単価が1,600円程度だとすると、月間の売上が450万円程度です。
原価率を20%、家賃を10%、人件費を20%、水道光熱費を10%、広告費などを20%としてシミュレーションすると、利益率は20%となり90万円が利益です。
他の飲食店と比較すると、利益率も高く、原価率をさらに抑えることもできますので、さらに高収益体質の経営を行うこともできます。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
パスタ専門店経営は比較的、収益性が高いことを前述しました。
収益性がわかると次に気になるのは、開業にかかる費用やフランチャイズに加盟するとかかるコストなどです。
ここからは、パスタ専門店の開業費用などコスト面について解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
一般的にパスタ専門店を開業する場合、小規模展開する場合は500万円〜600万円程度で開業が可能です。
高級感が売りとなるパスタ専門店を開店するとなると1,000万円以上の開業資金が必要になるでしょう。
開店する店舗の家賃などによって初期投資は大幅に異なります。
設備がそのまま残っている居抜き店舗などを賃貸することにより開業費用を安く抑えることも可能です。
(2)加盟店料やロイヤリティは?
フランチャイズに加盟する際、コストとして加盟店料やロイヤリティが発生するケースが多いのがフランチャイズの特徴です。
加盟店料とは、フランチャイズに加盟する際に必要な入会金と考えるとわかりやすいかもしれません。
フランチャイズに加盟することで、本部の看板や屋号、メニューなどを使っての経営が可能ですが、これらの使用料として毎月ロイヤリティが発生します。
ロイヤリティは毎月売上の数%のケースや月額固定などさまざまです。
加盟店料もロイヤリティもフランチャイズ本部によって大きく異なります。
これらの費用を比較しての本部選びも効果的といえるでしょう。
フランチャイズによる加盟店へのサポートは何を行う?
フランチャイズに加盟してパスタ専門店を開業する場合、本部が加盟店に行うサポートについて詳しく解説します。
(1)実際の現場で研修
加盟店契約後に開業する前に、実際の現場に入り数日から数週間の実地研修を受けることができます。
店舗を開業する間に最も効果がある研修が実地研修ではないでしょうか。
実際どのように営業しているのか、一日のルーティンはどのようなことをやっているのか、お客様への応対方法といった業務に関するすべてを現場で学ぶことが可能です。
開業前に社員として他の店舗で一定期間勤務し、ある程度のレベルにまで達したと本部が判断すると開業できるシステムになっているフランチャイズもあります。
実際の働き方を肌で感じられる実践的なサポートです。
(2)集客の支援
フランチャイズに加盟することで、一定の知名度を持って開業することが可能です。
さらに本部の集客サポートとして、SNSを使った集客支援や、本部のHPで開店の報告などを行います。
また、販促のチラシなどはすでに本部でデザインを作成してありますので、加盟店が考える必要はありません。
また、全国規模のフランチャイズ本部など定期的なCMなどで知名度を浸透させており、加盟店にも大きなサポートとなります。
(3)食材の一括卸のサポート
パスタ専門店など飲食店の開業において、開業前に確保が必要なのが仕入れ先です。
独立開業する場合、自分の力で仕入れ先を確保していかなければいけません。
非常に手間がかかり、最初のうちは仕入れ額も割高になってしまうケースが多いといえます。
また、場合によっては安定供給ができず、メニューがつくれないといった事態もあり得るでしょう。
フランチャイズに加盟して開業することで、仕入れ先は本部が一括導入している仕入れ先を利用することが可能です。
本部が指定した仕入れ先を利用できると、加盟店すべてが利用することになります、大量に購入します。
そのため、単価の安い食材を仕入れることができるでしょう。
(4)販促品などの提供
販促品も本部がデザインし、作成したものを、費用がかかりますが利用することが可能です。
フランチャイズに加盟しての経営は、一般的に加盟店横並びの経営が求められます。
販促品でも、ひとつの加盟店だけ異なったものを使うことはできません。
販促品なども統一したものを使用する必要があります。
しかし、販促品もデザイナーや専門部署が作成しますので、加盟店がつくるよりもデザイン性がよく訴求効果のある販促品がほとんどです。
販促品などの提供も本部のサポート業務のひとつといえます。
フランチャイズでパスタ専門店を開業するメリット
実際にパスタ専門店をフランチャイズに加盟して開業するメリットについて解説します。
(1)未経験でも一定の研修により開業することができる
フランチャイズに加盟しての開業において大きなメリットとして挙げられるのは、研修などにより未経験からでも開業が可能な点です。
独立開業する場合、勤務経験や調理経験がないパスタ専門店を開業したとしてもほぼ失敗するでしょう。
フランチャイズに加盟することにより、前述した実地研修や講習などで技術や知識を取得し、未経験でもしっかりと学んで開業することが可能です。
(2)本部によっては、ソースも湯せんのみで提供可能
パスタ専門店ともなると、調理技術が必要になると思われがちですが、フランチャイズに加盟して開業する場合、そこまでの技術は必要ありません。
パスタにおいて、麺のゆで方とソースづくりが味を大きく左右します。
麺はある程度時間的な配分を覚えるとマスターできるでしょうが、ソースはメニューの数だけありあますのでソースづくりが難点となることも多いでしょう。
しかし、フランチャイズに加盟しての開業だと、本部によってはソースを全て冷凍パックして卸しているケースもあり、加盟店は湯せんのみでメニューを提供できます。
(3)心配事も担当者に相談できる
フランチャイズに加盟したとはいえ、店舗を構えるわけですので経営者としてさまざまな難問に取り組まなければいけません。
しかし初めて経営を経験する場合、独立開業したとすると、相談相手がおらず孤立してしまうケースが散見されます。
フランチャイズに加盟すると、本部の担当者と連携して経営を行いますので、密なやり取りが必要です。
心配事なども担当者に相談できますので、自分一人で悩みを抱え込むことがありません。
本部との連携が取れる点も大きなメリットといえます。
(4)ブランドや知名度がある状態で開業できる
パスタ専門店で独立開業する場合、まったく知名度がない状態で開業しますので、まずはコツコツと宣伝広告しながら固定客をつかむ必要があります。
非常に長い時間がかかる場合があり、定期的な宣伝広告費にもコストをかけなければいけません。
フランチャイズに加盟することで、本部の屋号や看板、メニューを丸ごと利用して営業できます。
そのため、開業当初からブランドを持ち、知名度がある状態で開業できますので一定の集客が見込める状態での開業が可能です。
フランチャイズでパスタ専門店を開業する問題点など
フランチャイズに加盟してのパスタ専門店開業はメリットばかりではありません。
ここからはフランチャイズに加盟してパスタ専門店を開業する場合の問題点などについて解説します。
(1)自由に経営ができるわけではない
本部の屋号やメニューを使っての経営を行うのがフランチャイズビジネスの特徴です。
加盟店が独自のサービスを提供することは基本的にはできません。
オリジナルのメニュー提供などをされてしまうと、他の加盟店に悪影響となってしまうからです。
基本的には加盟店は横並びの影響をしなければいけませんので、自由な経営ができない点がデメリットとして挙げられます。
(2)ロイヤリティなどのコストがかかる
独立開業よりも本部に払うコスト分、余計に費用がかかります。
フランチャイズ契約時に必要な加盟店料や毎月発生するロイヤリティなどが必要です。
さまざまなサポート体制が整っている代わりに費用がかかりますので、損益分岐点が高くなってしまいます。
独立開業よりも多くの売上を上げる必要がある点も注意しておきましょう。
(3)本部の不祥事に影響されやすい
フランチャイズですので本部の屋号やメニューを使って経営を行います。
ユニフォームなどもすべて統一されていますので、同じ会社が経営しているとも思われがちです。
そのため、本部や他の加盟店が不祥事を起こしてしまうと、自分の店舗経営に大きな悪影響となってしまいます。
関係がない店舗に悪影響を及ぼす点がフランチャイズ経営の大きなデメリットです。
まとめ
日本にも完全に浸透したパスタ専門店としてフランチャイズに加盟して開業するケースについて解説しました。
原価率が低く、高収益体質になりやすい上、初心者でもフランチャイズに加盟することでしっかりと学んだうえで開業することが可能です。
フランチャイズ本部の選び方としては、いくつかの観点がありますが、加盟店料やロイヤリティの額とサポートの質などで比較するといいでしょう。
コストパフォーマンスの高いサポート体制が整った本部選びが成功の第一歩です。