フランチャイズの営業
「独立するためにフランチャイズの担当者から営業を受けることがある」
「営業担当者を信じてフランチャイズに加盟しても問題ないのか気になる」
これから開業する人にとって重要なのは、利益が見込めるフランチャイズに加盟することです。
費用を支払ってフランチャイズに加盟しても売り上げがなければ、開業する意味はありません。
事業で失敗しにくいフランチャイズを見つけるには、オーナーが営業について知っておくことが必要です。
フランチャイズにおける営業の注意点を詳しく解説します。
フランチャイズの営業とは?
フランチャイズとは企業が規模を広げるために活用されるビジネスの仕組みです。
加盟したオーナーにノウハウや商品の使用権を提供して、本部はロイヤリティを受け取ることで成り立ちます。
フランチャイズを提供する本部は加盟店を増やすために、営業担当者に指示してフランチャイズを宣伝させます。
オーナーに対してフランチャイズを売り込むことで加盟者を増やしていくのです。
実際にindeedのフランチャイズ開発営業を見てみると、営業担当者を法人が募集していることが分かります。
ネットやテレビの宣伝から問い合わせたユーザーに対応して、加盟の申込みをしてもらうのが営業の目的。
業務成績によって給料が変動するところが多く、営業担当者はより良い待遇を求めてフランチャイズの加盟者を増やします。
できるだけ多くのオーナーを獲得するのがフランチャイズの営業方針です。
(1)加盟店を増やすと本部は儲かる
フランチャイズを提供する本部がオーナーを増やす目的は、得られるロイヤリティを増やしていくためです。
オーナーが増えれば増えるほど、本部が受け取れる利益は大きくなります。
例えばフランチャイズ加盟店が10店舗あるとします。
店舗によって売上は異なりますが、店舗数が多いから安定して加盟店からロイヤリティや費用を本部が受け取れるのです。
もしフランチャイズ加盟店が1店舗しかなければ、得られるロイヤリティは少なくなります。
規模が小さいからサポートする負担が大きくなり、加盟店が失敗すれば本部は儲からなくなるのです。
加盟店が増えれば増えるほどロイヤリティが増えて、本部は安定した経営を実現できます。
本部のフランチャイズ事業で失敗しないために、営業担当者はオーナーを増やすのです。
(2)オーナーを増やすのが営業担当者
オーナーが関わるのは営業担当者以外にも、経営指導するスーパーバイザーがいます。
加盟店を増やす役割を営業担当者が持っていて、加盟店のサポートはスーパーバイザーが担当するのです。
加盟する前と加盟した後で担当者が変わる理由は、本部が効率的に事業を進めるため、営業と経営指導を分けることで、担当者の負担を減らしてスムーズに仕事を処理できるのです。
営業担当者が話を盛ってでも加盟者を増やすために、担当者を交代させる目的もあります。
オーナーが加盟前に聞いた話と実情が違っても、担当者が変われば批判できません。
スーパーバイザーが営業担当者の宣伝について謝れば、加盟者との関係が悪くなることを防げます。
オーナーに大げさな宣伝をできるよう、加盟前と後では担当者が異なるのです。
(3)加盟することで加盟店は営業力を持てる
「本部から営業されて加盟するなら、自分で事業を始めたほうが良いのではないか」と思う人もいるはず。
確かに魅力のないフランチャイズに加盟するのは割に合わない場合もあります。
ですがフランチャイズに加盟することで、加盟店は売上を増やすための営業力を獲得できます。
広く認知されているブランドのフランチャイズであれば、商品やサービスを売りやすくなるのです。
例えば自営業としてコンビニを開業しても、ブランドが認知されていないから集客するのは難しいもの。
もし大手のフランチャイズに加盟すれば、信頼性のあるブランドを活用してスムーズに集客できます。
経営者はフランチャイズに加盟することで、売上を得るための営業力を手に入れられるのです。
加盟するフランチャイズからブランドを利用することで、事業での失敗を防げます。
加盟先を営業担当者で選ぶべきか?
フランチャイズへの加盟を検討している独立希望者には、既に営業を受けた人もいるはず。
営業担当者から話を聞くことで、フランチャイズに興味を持つこともあるかもしれません。
ですがフランチャイズの契約は重要な判断であり、営業担当者で加盟先を選ぶのは避けたほうが良いです。
営業担当者が素晴らしくてもフランチャイズが良いとは限りません。
営業担当者には少しでも業績を良くするために、希望者に対して優遇したり大げさな宣伝をしたりする場合もあります。
加盟店を増やすために営業担当者が良い印象を与えるのは必然なのです。
「担当者の態度が良いのだから、そのフランチャイズの質だって良いはず」と思う人もいるでしょう。
なぜ加盟先を営業担当者で選ぶべきではないのか、詳しく解説します。
(1)加盟したら営業担当者とは会わなくなる
加盟する前と後ではオーナーに対して担当する人が変わります。
フランチャイズ本部は営業と加盟店のサポートを分けることで、フランチャイズ加盟店を効率的に管理しているのです。
加盟したらオーナーはスーパーバイザーと関係するようになり、今まで対応していた営業担当者とは縁が切れます。
情報の共有や経営アドバイス、本部との調整はスーパーバイザーによって行われるのです。
仲のよい営業担当者に相談していても、加盟後には別の担当者と関わることになります。
もしスーパーバイザーとの関係が悪くても、担当していた営業担当者に相談することは基本的に不可能です。
あなたと関係のよい営業担当者がいても、加盟後は関係がなくなるので注意しましょう。
(2)契約を取るために熱心な担当者もいる
フランチャイズ本部の営業担当者には、少しでも契約を取るために熱心な担当者もいます。
マナーや心遣いによって希望者からの印象を良くして、加盟店を増やすのが担当者の目的です。
営業担当者に良いイメージがあると、フランチャイズに対しても良いイメージを持つこともあるはず。
ですが独立する人が見るべきポイントはフランチャイズの実績や実力です。
実力がなければ加盟しても事業が成功しにくいですし、無駄な手数料を支払う場合があります。
表向きが良くても実力がなければ、フランチャイズに加盟する価値はないのです。
(3)実情とは異なることを宣伝する場合がある
フランチャイズの営業担当者には実情と異なることを宣伝する場合もあります。
話を盛ることで独立希望者を良い気分にさせて、フランチャイズに加盟させることもあるのです。
例えばオーナーが長時間働く必要があるのに「少ない労働時間で済む」とアピールする担当者がいます。
加盟した後に営業担当者の話と実情の違いを知って、オーナーは後悔するのです。
営業の話と実業が異なっても担当者にクレームを出せず、後悔したままフランチャイズに加盟し続ける必要があります。
加盟先選びで失敗しないために、営業担当者の話を疑うことが重要です。
(4)データから加盟先を見つけることが重要
適切なフランチャイズを見つけるには、営業を受けるだけでなくデータを考慮することが重要です。
数字を見ることでフランチャイズの実力を把握できて、より良い加盟先を見つけられます。
例えばフランチャイズの紹介ページには、月間売上ランキングや事業に関わるデータが記載されているものです。
ロイヤリティや初期費用が0円であることをアピールするフランチャイズもあります。
データからフランチャイズを読み取ることで、事業で成功できる加盟先を見つけることが可能です。
営業されるときはデータを提示してもらって、話に偽りがないか確認しましょう。
フランチャイズを選ぶときの注意点
フランチャイズ本部にいる営業担当者には2種類のタイプがあります。
フランチャイズを独立希望者に売り込む人とフランチャイズを希望者の課題解決を目的として宣伝する人です。
大半の営業担当者は売り込み型であり、フランチャイズのメリットや優位性を宣伝します。
問題は都合の良い面だけ伝えてくるため、デメリットや欠点を営業の話からは聞き取れないこと。
加盟するフランチャイズを選ぶときは良い面だけでなく、悪い面も知ることが重要です。
特に注意すべきポイントは以下の4つ。
- 加盟したオーナーの声を聞くこと
- 悪い事例もしっかりと確認すること
- 確認できるデータを集めること
- 加盟での失敗や成功の傾向を知ること
それぞれの注意点を詳しく解説します。
(1)加盟したオーナーの声を聞くこと
独立希望者は既にフランチャイズに加盟したオーナーから声を聞くことで、最適なフランチャイズを見つけられます。
実際の評判を知ることで問題のあるフランチャイズを避けることが可能です。
ポイントはフランチャイズ紹介ページにあるオーナーの声ではなく、実際にオーナーに会って話を聞くこと、紹介ページではフランチャイズを売り込むために、都合のよい声が掲載されていることが多くあります。
実際にオーナーから話を聞くことで悪い面も分かりますし、疑問点や悩みを解消できる場合もあるのです。
加盟して後悔しないためにオーナーから生の声を聞くことを勧めます。
(2)悪い事例もしっかりと確認すること
フランチャイズには加盟して成功した店舗もあれば、加盟後に失敗した店舗もあります。
オーナーは自店舗で失敗しないために、失敗した事例から分析することも重要です。
(3)確認できるデータを集めること
加盟できる前に確認できるデータをできる限り集めて、検討しているフランチャイズに問題がないか確かめましょう。
より多くのデータを集めることで、フランチャイズの実態を知れます。
例えばロイヤリティが0円のフランチャイズでも、本部から発注する商品の価格が高いこともあるのです。
各種データを参考にすることでより良いフランチャイズを見つけられます。
(4)加盟での失敗や成功の傾向を知ること
フランチャイズを検討する際は成功した事例や失敗した事例から、傾向を分析することが重要です。
実際の事例から失敗や成功の傾向を知ることで、加盟した後の失敗を防ぎやすくなります。
まとめ
加盟店を少しでも増やすために営業担当者が親切であることは多いものです。
フランチャイズを検討する場合は営業担当者で加盟先を選ぶのではなく、データや事例から判断することを勧めます。