フランチャイズのたこ焼き屋の収益やコストは?どんな準備が必要?
飲食ビジネスの中でよくいわれるのが、粉ものといわれる分野の飲食は儲かりやすいということです。
粉ものの代表的な飲食ビジネスとしてよく挙げられるのがたこ焼き屋。
多くのフランチャイズ本部が加盟店を募集してたこ焼きビジネスを広めています。
では実際にフランチャイズによってたこ焼き屋の開業はなぜ人気なのでしょうか。
また、開業した場合の収益やコストはどの程度なのでしょうか?
フランチャイズによりたこ焼き屋の開業をすることについて詳しく解説します。
目次
たこ焼き屋の起業は人気がある? 起業しやすいといわれる理由について
たこ焼き屋での起業を考える際、粉もの分野であるたこ焼き屋は噂通り儲かりやすいかどうかをきちんと理解しておかなければいけません。
噂を信じて実際に開業したら思った以上に儲からないといったことになるかもしれないからです。
たこ焼き屋が起業しやすいといわれる理由について解説します。
(1)粉ものビジネスは原価が安い
粉ものの飲食ビジネスが儲かりやすいといわれる理由のひとつが原価率の安さです。
たこ焼きに入る食材は、卵、タコ、薄力粉、天かす、ショウガなどが挙げられます。
およそ1人前のたこ焼きの価格に対し原価率は30%に満たないといわれており、他の飲食と比較すると原価率が非常に安い点が特徴です。
販売に対してコストが安ければ安いほど収益は大きくなりますので、たこ焼き屋の開業は原価率の安さからも儲かりやすいといえます。
(2)現金商売である
ビジネスの中には売掛などによって資金を回収する手間がかかる場合があります。
一番ビジネスにおいて資金繰りが楽なのが現金商売です。
たこ焼きを販売するとその場で現金を手に入れることができます。
支払いなどにおいて売り掛けが回収できていないといった心配をする必要がありません。
売掛金が回収できていないため、支払いするお金が無く借金するといった心配が少なくなりますので、余計な支出を抑えることができます。
(3)少人数からでも開業ができる
たこ焼き屋を開業するにあたり、店舗を構えたとしてもそう大きな人数を従業員として雇用する必要がありません。
テイクアウト型のたこ焼き屋だとひとりで十分経営できますし、店舗を構えたとしても厨房とカウンターでそれぞれひとりずつでも店舗を営業することが可能です。
たこ焼き屋の店舗運営において少人数でも開業できるので人件費を抑制し固定費を抑えることで収益を上げやすいといえるでしょう。
(4)店舗を構えなくても良い
たこ焼き屋の特徴として、狭い店舗からでもいいし、店舗をわざわざ構えなくても移動車で営業ができるといった点も特徴として挙げられるでしょう。
テイクアウト型のたこ焼き屋にすると極端にいうと1坪からでも営業は可能です。
たこ焼き器が置ければどこでもたこ焼きをつくることができますので、固定費を抑えることで利益率を上げることができるでしょう。
フランチャイズによるたこ焼き屋の収益は?
たこ焼き屋が儲かりやすいといわれている理由をいくつか挙げて解説してきました。
このような理由から儲かりやすい飲食ビジネスということが分かりますが、実際にどの程度の収益を挙げることができるのでしょうか?
ここからはフランチャイズにおいてたこ焼き屋を開業した場合の収益について解説します。
(1)利益率が高いため高収益が見込める
先程から繰り返しになりますがたこ焼き屋は原価率が30%程度となりますので他の飲食ビジネスに比べると原価率が安く高収益が見込めるビジネスです。
更に、たこ焼きをつくるのに大きな機材は必要ありません。
基本的にたこ焼き器があればたこ焼きをつくることができますので、設備費や人件費も安く抑えることができます。
原価率や固定費を安く抑えることで利益率が高い高収益の体質をつくりやすいのが、たこ焼き屋の特徴です。
(2)収益のモデルケース
収益のモデルケースとしてたこ焼き屋のフランチャイズ本部が掲載している加盟店募集の収益モデルを参考にして表をまとめました。
1日の売り上げが10万円程度、月の売り上げを300万円と仮定した場合の収益モデルです。
売上/月 | 300万円 | 100% |
原価 | 90万円 | 30% |
人件費 | 60万円 | 20% |
その他経費 | 75万円 | 25% |
利益 | 75万円 |
25% |
1日10万円程度の売り上げを上げることができると月の利益が75万円程度。
年間の利益が900万円程度となります。
非常に高収益であることが分かるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
収益がある程度把握できると次に知りたいのはコスト面です。
たこ焼き屋を開業するときに初期費用にあたるイニシャルコストと運転資金であるランニングコストはどのくらいかかるのでしょうか?
フランチャイズでたこ焼き屋を開業する場合のコスト面について解説します。
(1)開業における初期費用は加盟店料も含めどのくらいかかる
あるフランチャイズ本部が開業にかかる費用モデルを掲載しています。
その費用を参考に表にしてまとめました。
加盟店料 | 110万円 |
研修費 | 30万円 |
内装工事 | 350万円 |
料理器具設置費 | 100万円 |
システムの導入費 | 50万円 |
企画費 | 30万円 |
店舗取得費 | 未定 |
計 |
670万円 |
店舗を構えるのかどうか、規模はどのくらいなのかといった点において取得費は大きく異なりますので今回の費用からは除いています。
およそ開業にかかる費用は700万円前後といったことが分かります。
しかし、加盟店料や研修費、システムの導入費などフランチャイズ本部によって大きく異なりますので700万円をひとつの目安としてフランチャイズ本部を選びましょう。
(2)ロイヤリティなどの運転資金は?
次に運転資金についてもどのくらいかかるかを知っておく必要があります。
特にフランチャイズに加盟する場合ロイヤリティがかかる点をしっかりと理解しておかなければいけません。
フランチャイズに加盟すると本部のシステムやノウハウ、知名度などを使用することができますが対価として毎月使用料を支払わなければいけません。
これがロイヤリティと呼ばれています。
ロイヤリティの金額は、月の売り上げに対してのパーセンテージや定額制などさまざまです。
たこ焼き屋の場合、一般的には売り上げの5%~10%程度がロイヤリティとしてかかるのでランニングコストは売り上げの20%程度を見込んでおくといいでしょう。
フランチャイズによるたこ焼き屋を起業する準備?
たこ焼き屋を開業した場合の収益面や費用面についてひと通り解説しました。
これらをきちんと認識したうえで起業を本格的に考えると次に行うのが開業にいたる準備です。
フランチャイズによりたこ焼き屋を開業する準備について解説します。
(1)店舗を構えるかどうかを決める
まず考えるのか開店において、店舗を構えるのか移動車のテイクアウト専門にするのかといった点です。
店舗を構えてそこで食事ができるようにするのか?テイクアウト専門店で考えるのかなどといった点を決めましょう。
(2)従業員を雇う場合は、採用や研修を行う
従業員を雇うかどうかも決める必要があります。
雇うのであれば採用に向けた募集や面接を行わなければいけません。
あわせて従業員を雇ったあとに、開業前に研修などを行う必要もあります。
店舗を構えるかどうかが決まるまで従業員の雇用については決めにくいのですが、早めに行動を起こさなければオープンに間に合わないかもしれません。
(3)開業に必要な資格や許可をとる
もう一つ大切なことは飲食業を開店するにあたり必要な資格や許可をとることです。
たこ焼き屋の開業における必要な資格は、飲食店営業許可証と食品衛生責任者の資格です。
営業許可証の申請は保健所、食品衛生者は講習が必要ですが栄養士や調理師などの資格を持っている場合は講習を受講しなくても食品衛生責任者になることができます。
これらの資格や申請が必要になりますので、スケジュールをきちんと計算した申請や資格取得を行いましょう。
フランチャイズでたこ焼き屋を開業するメリット
たこ焼き屋を開業する場合、フランチャイズに加盟して開業するだけではなく、自主独立して開業する方法があります。
開業するのはどちらかの方法により開業しますが、そもそもフランチャイズに加盟して開業するのはどのようなメリットがあるからなのでしょうか?
ここからはフランチャイズでたこ焼き屋を開業する場合のメリットについて解説します。
(1)研修で作り方をマスターすれば未経験でも開業可能
たこ焼き屋を開業するにあたり、必ず覚えなければいけないのが焼き方です。
またオリジナルの仕込みやちょっとしたそのフランチャイズならではのコツや焼き方などもあるでしょう。
たこ焼きの仕込みや作り方は、開業前に研修できちんと身につくまで教え込まれます。
たこ焼きなど焼いたことが無い人でも研修によって未経験でも開業可能になるのです。
フランチャイズならではのメリットといえるでしょう。
(2)成功ノウハウを受け継いで経営ができる
フランチャイズは本部の成功したノウハウのそのまま引き継いでブランドごと使用できる権利を有します。
成功したノウハウが詰め込んだお店を経営しますので、開業してすぐに一定のお客様が見込め、安定した売り上げにも期待が持てるでしょう。
(3)出店スタイルが幅広くできる
たこ焼き屋のフランチャイズは色々な本部がありますので、出店スタイルに合ったフランチャイズ本部を選ぶことが可能です。
テイクアウト専門のフランチャイズや飲食形式でたこ焼きが楽しめるフランチャイズなど非常にバラエティに富んでいます。
それぞれ特徴が異なりますので、自分の望む出店スタイルに合ったフランチャイズ本部を選ぶことができる点もたこ焼き屋フランチャイズの特徴です。
フランチャイズでたこ焼き屋を開業する問題点・失敗を避けるコツ
メリットだけではなくデメリットも認識したうえで自主独立するかフランチャイズに加盟するかを決めましょう。
ここからはフランチャイズ本部に加盟するデメリットについて開始します。
(1)差別化がやりにくい
たこ焼き屋への参入は未経験でも開業できるようにそうハードルが高いわけではありません。
しかし、ハードルが低い分、調理にスキルが必要なわけではありませんので差別化がしにくいといったデメリットがあります。
オリジナルのメニューがあるなど何かに特化したフランチャイズ本部を選ぶことで差別化を図るといった対策が必要といえるでしょう。
(2)立地が悪ければ、良いフランチャイズに加盟しても厳しい
飲食まで店舗で行うことができるたこ焼き屋を目指すならば、立地の良さも経営に大きく影響します。
しかし、立地の良い店舗はそれだけ賃料も高いので固定費が高くなってしまうでしょう。
立地と固定費が売り上げに対してどの程度圧迫するかといった分析が事前に必要です。
(3)自由な経営ができない
フランチャイズに加盟することで、お店の名前や経営ノウハウが利用できる反面、本部の経営からはみ出したサービスを提供しにくいといった点がデメリットとして挙げられます。
特別のメニューの提供などもできません。
フランチャイズ加盟店は、横並びの経営スタイルが求められます。
独自のレシピなどを持っている場合はフランチャイズに加盟することは向かないかもしれません。
まとめ
庶民のファストフードとして好まれるたこ焼きは、原価率も安く、そう大がかりな設備も必要ないことから新規で開業がしやすいビジネスです。
多くのフランチャイズ本部があり、それぞれ独自のサービスを持っています。
自由な経営スタイルから自分に合ったフランチャイズを選ぶことも可能です。
しかし反面、差別化がしにくい点や飲食ビジネスの場合は立地も重要になりますので、独立前にしっかりと自分に合ったフランチャイズ本部選びが安定経営のポイントといえるでしょう。