フランチャイズのインドアゴルフ練習場経営・開業資金やランニングコストの目安を解説
コロナ禍において、フィットネスジムなどいくつかの習い事や教室などが一時休業に追い込まれる中、密な環境が生まれにくく、安定した需要があったのがゴルフ教室です。
特に近年では、室内でゴルフが楽しめるインドアゴルフが注目されています。
この記事では、フランチャイズに加盟してインドアゴルフ練習場を開業する場合の経営タイプや黒字化のポイントといった点について詳しく解説しましょう。
目次
インドアゴルフ練習場の経営タイプについて
インドアゴルフ練習場はひとつだけの形ではなく、いくつかの経営スタイルに分類されます。
ここからは、インドアゴルフ練習場の経営タイプについて詳しく解説しましょう。
(1)スポット利用
スポット利用とは、18ホール廻れるシミュレーションゴルフなどが楽しめる施設が設置されているところに多く、1回だけの利用料金でインドアゴルフが楽しめます。
スポットの利用料金だけではなく、ドリンクや軽食といった販売も可能です。
利用料以外の収益も期待ができるでしょう。
気に入ったらリピーターとして再度利用してくれるかもしれません。
いかに楽しませる環境がつくれるかといった点がポイントです。
(2)ゴルフスクール
ゴルフスクール型は、自分のフォームなどをシミュレーターで確認しながらクラブへの当たり具合や、打球スピードなどを測定し、実践のゴルフに役立てるタイプです。
ゴルフを上達したい方が、月謝を払って利用するスタイルを指します。
基本的には、レッスンプロのような指導員が付きながらレッスンします。
普通のゴルフ教室よりも、実際のフォームや軌道などがシミュレーターで見られますので、欠点がわかりやすく、身体の動きがイメージしやすい点です。
短期間での上達を目指す方にも向いているといえるでしょう。
(3)サブスクリプション
インドアゴルフ練習場のサブスクリプションは、毎月定額料金を支払うと、開店中はいつでも利用可能なスタイルです。
基本的に指導員などはつかず、自分たちで黙々と利用するのが一般的といえます。
サブスクリプションだと多く利用するほどに1回あたりの利用料が安く上がる計算です。
比較的自由な時間が取りやすい方や、常に練習したい方などには向いているスタイルといえるでしょう。
インドアゴルフ練習場の開業資金は?
ここからは、インドアゴルフ練習場の開業資金について詳しく解説します。
(1)インドアゴルフ練習場の初期費用総額
インドアゴルフ練習場を開業する場合、一般的な開業資金の目安としては2,000万円〜3,000万円程度を見ておけなければいけません。
一般的なゴルフスクールだと1,000万円〜2,000万円程度の初期費用がかかるといわれています。
インドアゴルフ練習場の場合、最新のシミュレーターを導入しなければいけません。
しかも打席ごとに設置する必要がありますので、一般的なゴルフスクールと比較するとどうしても高額になりやすくなる傾向です。
(2)初期費用の内訳
初期費用の内訳にはどのようなものがあるのでしょうか。
インドアゴルフ練習場を開業する場合、まずは店舗の取得が必要です。
店舗の広さや場所などによっても費用は大きく異なります。
また、インドアゴルフ練習場で欠かせないのがスイング解析機や弾道測定器、シミュレーターです。
機器のグレードによって費用は大きく異なります。
ゴルフスクール型を開業する場合はレッスンプロなど指導員も必要です。
練習場の規模や、機器のグレードなどによっては、3,000万円以上の初期費用がかかるケースもあります。
(3)インドアゴルフ練習場経営のランニングコスト
フランチャイズに加盟してインドアゴルフ練習場を経営する場合のランニングコストについて解説します。
インドアゴルフ練習場のランニングコストとしてかかる一般的な項目と費用を下記の表にまとめました。
項目 | 月額ランニングコスト |
家賃 | 約60万円 |
人件費 | 約20万円(レッスンプロ除く) |
ロイヤリティ | 約30万円 |
保守点検費 | 約10万円 |
広告費 | 約20万円 |
計 | 約140万円 |
家賃などによってランニングコストは若干異なりますが、一般的なランニングコストとして100万円〜200万円は見ておかなければいけません。
(4)フランチャイズなら費用が抑えられる場合がある
フランチャイズとは、本部にロイヤリティを支払うと、ブランドや看板、経営ノウハウをそのまま使用できるビジネススタイルを指します。
フランチャイズ本部の中には、シミュレーターなどの機器をリースやレンタルしてくれる場合があり、初期費用を抑えた開業が可能です。
また、廃業を検討している加盟店の店舗などを居抜きで紹介する場合などもあります。
設備をリースやレンタルで導入できたり、居抜き店舗で開業できたりすれば初期費用が大幅に抑えられるでしょう。
インドアゴルフ練習場経営の収益と黒字化のポイント
ここからはインドアゴルフ練習場を開業した場合の収益性や黒字化のポイントについて詳しく解説します。
(1)収益のモデルケース
インドアゴルフ練習場の加盟店を募集しているフランチャイズ本部が提供している収益のモデルケースを見てみましょう。
インドアゴルフ練習場の打席を6打席導入し、1時間当たりの料金が5,000円。
稼働が1日5時間、月25日稼働と仮定します。
項目 | 金額 |
1打席あたりの月額売り上げ | 62.5万円 |
6打席あたりの月額売り上げ | 375万円 |
毎月のランニングコスト | 140万円 |
月額収益 | 235万円 |
ランニングコストに関しては先ほど解説した金額を計上しています。
月額235万円店度の収益となることがわかるでしょう。
開業資金などに費用がかかる分、収益性も高いビジネスといえるでしょう。
(2)ターゲットを決める
インドアゴルフ練習場を黒字化するために必要なことのひとつがターゲットの設定です。
女性をターゲットとするならば、おしゃれな雰囲気で安全面も考慮した造りにしなければいけません。
サラリーマンなどをターゲットにするならば、会社帰りでも利用できるように深夜まで営業しておくなどの工夫が必要でしょう。
ターゲットを設定し、意識した店づくりが、黒字化のポイントです。
(3)競合他社と差別化する
競合他社との差別化を図らなければいけません。
料金を安く設定するのは利益率を下げてしまいますので、競合との対策としてオススメできません。
例えば来店ごとにポイントを付与し、ポイントが貯まると商品のプレゼントや、来店を無料にするといったサービスなどを提供すると差別化のひとつとなります。
また、定期的なキャンペーンや割引のサービスなども効果的です。
さまざまなイベントを提供し、競合他社との差別化しなければいけません。
(4)集客に力を入れる
集客面にも力を入れましょう。
HPの充実は当然ですが、SNSなどの利用も集客には効果的です。
特に女性などをターゲットにしたい場合は、入りやすい環境を提供しなければいけません。
SNSなどでレッスンの様子などを定期的にアップしていると親しみがわき、入りやすくなります。
広告費をかけなくてもできる集客がありますので、工夫を凝らすといいでしょう。
フランチャイズによるインドアゴルフ練習場経営のメリット
ここからはフランチャイズによるインドアゴルフ練習場経営のメリットについて解説します。
(1)ブランドが利用できる
前述しましたがフランチャイズは毎月のロイヤリティを支払ってフランチャイズ本部の経営ノウハウ、看板を利用できるビジネスです。
ロイヤリティ本部は、インドアゴルフ練習場としてそもそも知名度があるケースが多く、そのブランドを使って開業できますので一定の集客が見込めます。
顧客側も名の知れたブランドの方が、安心感が増しますのでより集客面で有利です。
ブランドが利用できる点はメリットのひとつといえるでしょう。
(2)コーチングプロを紹介してくれる
スクール型のインドアゴルフ練習場を開業する場合、コーチングプロなどの指導員が必要です。
独立開業する場合は、コーチングプロを募集しなければいけませんが、なかなか適した人材が見つからないのが現状といえるでしょう。
フランチャイズに加盟すると、本部が複数のコーチングプロなどと契約していますので、加盟店に紹介してくれる場合があります。
スタッフ募集の心配がなくなる点もメリットといえるでしょう。
(3)ノウハウが使える
経営ノウハウが利用できる点もメリットです。
フランチャイズの特徴として経営ノウハウも使え、研修などが充実しているため、未経験でも開業できる点が挙げられます。
トラブルに関する対応方法などもメニュー化している本部もありますので、開業当初から効率的な経営ができるでしょう。
(4)雨天時でも集客がしやすい
ゴルフは屋外でするスポーツですので、屋外にある練習場も多いのではないでしょうか。
この場合、雨天時にはまったく練習ができないわけではありませんが、集客には悪影響です。
インドアゴルフ練習場だと、晴天時も雨天時も関係なくゴルフが楽しめます。
天候に左右されないということは、安定した集客が見込めるでしょう。
フランチャイズによるインドアゴルフ練習場経営のデメリット
フランチャイズによるインドアゴルフ練習場経営はメリットばかりではありません。
ここからはフランチャイズによるインドアゴルフ練習場開業のデメリットについて解説します。
(1)自由度が低い
フランチャイズによりインドアゴルフ練習場を開業した場合は本部の経営ノウハウに沿った経営が求められます。
加盟店が独自のサービスを提供することは基本的にできません。
加盟店が本部にはないサービスを提供してしまうと、契約違反となってしまい、最悪の場合、契約解除となってしまう可能性もあります。
そのため、加盟店は本部の言うとおりに経営しなければいけませんので、自由度が高くありません。
(2)ロイヤリティや加盟金が必要
フランチャイズに加盟するためには、まずは本部に加盟金を支払う必要があります。
加盟金の額は、本部によっても異なりますが100万円単位の加盟金が必要な場合もあり、大きな負担となるでしょう。
また、前述したようにフランチャイズの特徴として、看板や経営ノウハウの対価として毎月ロイヤリティの支払いが必要です。
ロイヤリティの額も本部によって異なり、毎月の売上に対して数%がかかるケースや毎月一定の金額などさまざまといえます。
しかし、独立開業時には不要なコストです。
フランチャイズに加盟して開業することで金銭面の負担が高くなってしまうでしょう。
(3)契約解除時の違約金
フランチャイズに加盟したからといって必ず成功するわけではありません。
場合によっては赤字経営が続いてしまい廃業する可能性もあります。
しかし、フランチャイズに加盟するときに締結する契約では契約期間が定められており、契約期間内に廃業した場合、違約金を求められるかもしれません。
違約金の額も契約内容によって異なりますが、100万円単位の違約金となるケースもあります。
廃業で資金が無くなってしまう上に、違約金といった負債を抱えてしまう可能性がある点もデメリットのひとつです。
まとめ
コロナ禍においても順調に伸びているインドアゴルフ練習場ですが、開業するとなると高額の資金が必要です。
自己資金で足りない場合は、早めに融資の申請が必要となるでしょう。
しかし、開業に心配なのは基本的に資金面だけで、必要な資格などはありませんので、誰でも経営者となることが可能です。
フランチャイズに加盟すると本部の担当者からのアドバイスやサポートにも期待できますので非常に心強い存在となります。
インドアゴルフ練習場の開業にはメリットも多いのですがデメリットもあるので、自分なりに分析し、フランチャイズ本部にだけ任せないように準備しましょう。
メリットやデメリットについても詳しく解説していますので、是非参考にしてはいかがでしょうか。