シニア起業で飲食店を開業!成功のポイントや注意点を解説
健康年齢が上がったことも関係していますが、元気なシニアの方が増え、シニア起業も目立ちます。
特に飲食店開業などを検討されている方も多く、シニア起業からの飲食店開業にはメリットもありますがデメリットにたいする対策なども必要です。
この記事ではシニア起業から飲食店を開業する場合のメリットやデメリット、成功ポイントといった点について詳しく解説します。
目次
シニア起業において、飲食店を開業するメリットには何がある
シニアとは65歳以降の世代を指すケースが一般的です。
シニア起業とは、一度定年を迎えた65歳以降の世代が新たに自分で事業を起業することを指します。
シニア起業においての飲食店開業にはいくつかのメリットを持っての開業が可能です。
ここからはシニア起業による飲食店開業でのメリットについて解説します。
(1)まとまった開業資金を持っている場合が多い
シニア起業とは、一度会社員などを定年退職した後に起業することを指します。
そのため会社員時代の退職金など、まとまった資金を持っている場合が多いといえるでしょう。
飲食店の開業には開業資金が必要です。
シニア起業の場合は、退職金などでまとまった資金を持っているケースが多いので、開業資金を自己資金だけで負担することもできるでしょう。
開業資金の投下に対し、金融機関の融資などのローンを受けてしまうと、開業後の売上から毎月返済していく必要があります。
開業資金を自己資金だけの支出で済むと、売上から開業にかかる費用を返済する必要が無くなります。
つまり、安定経営につながりやすくなるでしょう。
(2)長い社会人経験を活かした経営ができる
シニア起業ともなると、長い間、社会人として働いた経験が長いので社会人経験の長さが大きくものを言います。
飲食業にまったく関係がない仕事をしていたとしても、仕事で培った経験は、飲食業に活かすことができるでしょう。
また、自分が会社員時代に培ったスキルや実績が飲食店の経営において、差別化ができる要因となるかもしれません。
長い社会人経験を、飲食業の開業に役立てられるといった点もメリットのひとつといえるでしょう。
(3)人脈などを利用できる
長い間の社会人経験を経てのシニア起業は、社会人経験でのスキルを活かすだけではなく、人脈を活かすことも可能です。
人脈は集客面だけに活用するものではありません。
経営面においても飲食店を起業した経験がある方に対して人脈があり、さまざまなアドバスが役立つ可能性も考えられます。
今までの人脈が利用できる点もシニア起業におけるメリットといえるでしょう。
(4)定年がない
定年がありません。
シニアの起業が増えているのは、シニア世代の健康年齢が上がっているからです。
現在の国内企業においては60歳での定年というのが一般的ですのでまだまだ元気なのに、一旦今までのスキルや実績をリタイアしなければいけません。
シニア起業される理由のひとつとしていったん得たキャリアを完全燃焼していないということが挙げられるでしょう。
自らが起業することで、定年を設定するのは自分自身になります。
自分が納得できるまで働き続けることができる点もメリットといえるでしょう。
シニア起業で飲食店を開業する場合のデメリット
シニア起業からの飲食店開業はメリットばかりではありません。
デメリットもしっかりと理解しておくことで、シニア起業から飲食店開業のリスクを認識し、開業に対する対策を行うことができます。
ここからはシニア起業で飲食店を開業する場合のデメリットについて解説します。
(1)体力が続かない
シニア起業で最も懸念されるひとつが体力面の低下です。
飲食店の経営は、体力を伴うことが多く、時間帯によっては多くのお客さんに対する対応で、体力面の強さも求められます。
シニアともなると一般的な定義では65歳以上ですので、若い頃よりは体力面の低下は否定できません。
忙しい時間帯に体力が続かず、メニューの提供などが遅れたりしてしまうとお客様の不満が高まることになってしまいます。
シニア起業となると若い時よりも体力が低下してしまい、飲食店の経営に支障が出る可能性もある点がデメリットのひとつです。
(2)こだわりが強すぎて採算が取れない
定年退職後の夢として飲食店経営を考える方もシニア起業では多い傾向です。
長い間の夢としていたので、非常にこだわりが強くなってしまう場合があるのがデメリットとして考えられるでしょう。
飲食店開業も当然ながら利益を追求しなければいけませんが、こだわりが強すぎて採算度外視のメニュー提供などを行ってしまうケースがあります。
また、高級な材料を使用しすぎてしまい、客単価が大幅に上がってしまうケースや、単価が高すぎて来店客が少なくなるといったケースが挙げられるでしょう。
こだわりが強くなりがちな点もデメリットのひとつです。
(3)辞め時がわからない
シニア起業のメリットとして定年がない点を挙げました。
シニア起業することにより、自分で辞める時期を決めることができますが、逆に辞め時がわからなくなってしまうかもしれません。
飲食店が繁盛してしまい、なかなか辞め時が見つからない。
ローンの返済が完了しないので辞められないといったケースが考えられます。
定年といった縛りがない分、自分自身で辞め時を設定しにくくなる点がデメリットといえるでしょう。
(4)時代に流れに追いつかない
シニア世代からの飲食店開業において、飲食業界は初めてだとしても会社員時代には何らかの実績を残した方も多いのではないでしょうか。
そのような方が新たな分野にチャレンジするときに、昔の成功体験やプライドが邪魔をしてしまうことがあります。
また、時代は刻々と変わっているのに昔の経験や実績ばかりを重視してしまい、現在のスタイルに合わないといった点も挙げられるでしょう。
時代のニーズに合わず、過去の実績に頼りがちになる点もデメリットといえるでしょう。
シニア起業で飲食店を開業する流れ
シニア起業で飲食店を開業する流れについて解説していきましょう。
(1)事業計画書を作成し、開業資金を把握する
事業計画書の作成が必要です。
事業計画書とは、飲食店を開業するにあたりどのような業態で開業し、開業資金の想定金額や売上想定などを書面に記載します。
開業にどの程度の費用がかかるのかを事業計画書には記載しますので、開業資金がどの程度かかるのかを把握できます。
自己資金だけでは足りなければ金融機関のローンを利用するか、事業をもう少し縮小するなどの対策を検討しなければいけません。
事業計画書の作成により、開業資金を把握することが最初に行うべき準備といえるでしょう。
(2)資金調達を行う
開業資金がわかると、自己資金ですべてまかなえるのか、融資が必要なのかがわかります。
融資が必要な場合は、金融機関へ融資の申し込みが必要です。
融資の申し込み先としては一般的な金融機関や日本政策金融公庫などが挙げられます。
日本政策金融公庫は、他の金融機関と比較して審査が通りやすいといわれています。
新規事業を行う場合は、無担保、無保証でも3,000万円までの融資が可能です。
また、場合によっては補助金や助成金を利用することもできます。
創業者が利用できる補助金やITツールを導入することで補助金が出るケースなどがありますので、補助金や助成金の利用も検討しておきましょう。
(3)コンセプトを決定し、物件を確保する
どのようなお客様を対象とし、客単価はどの程度に設定するのかといったコンセプトも明確にしておかなければいけません。
コンセプトを明確に決定していなければターゲットとなる客層も曖昧になってしまい、思うような売り上げが上がらないことが考えられます。
コンセプトが明確でなければ飲食店自体のデザインも決まりません。
コンセプトを決定し、ターゲットや経営指針といったものを明確化することも飲食店開業に大切なポイントです。
(4)内装や設備の設置などと開業への申請を行う
コンセプトが明確になり、物件を確保すると、内装や設備の設置を行います。
内装や設備の設置費用は、事業計画書の予算をオーバーしないように注意しておきましょう。
また複数業者から見積もりを取ると内装費用が安く上がるかもしれません。
中古の設備や居抜き店舗を借りると、さらに内装費用の抑制につながります。
あわせて開業の申請が必要です。
食品衛生管理者の取得や飲食店営業許可の届け出などを行わなければいけません。
その他にも店舗の広さによっては防火管理者の選任届や深夜に酒類の提供を行う場合は深夜酒類提供飲食店営業届などが必要です。
シニア起業で飲食店を開業する場合の成功のポイントとは
ここまではシニア起業による飲食店開業のメリットやデメリット、開業までの流れについて解説してきました。
これらを踏まえ成功するにはどの点に注意したらいいのでしょうか。
ここからは、シニア起業で飲食店を開業する場合の成功のポイントについて解説します。
(1)健康に留意する
シニア起業における心配事として真っ先に挙げられるのは体力面です。
飲食店を開業したのに激務による体調不良で営業が継続できないといったことにもなりかねません。
収益面に気を取られてしまい、無理を重ねることがないように、常に体力面や体調面には注意を払っておきましょう。
(2)初期投資をなるべく抑える
初期投資はなるべく抑えたうえで開業を検討しましょう。
前述しましたが、自己資金以上の投資が必要な場合、毎月の営業売上から、開業費用の融資分を返済しなければいけません。
できることならば、自己資金で開業費用をまかなえる程度のスモールスタートで開業し、キッチンカー経営や居抜き店舗の利用などにより、開業費用を抑えましょう。
(3)事業拡大に気を取られ過ぎない
事業拡大に気を取られ過ぎてはいけません。
というのもシニアからの起業ともなれば、万が一失敗してしまうとやり直しができにくい年齢です。
老後に莫大な借金を抱えたまま過ごさなければいけないことにもなりかねないでしょう。
なるべく、融資などは利用せずに、自分の責任ができる範囲の飲食店経営がおすすめです。
事業拡大の最中に体調を崩してしまう可能性も考えられます。
まずは、最初に開業した飲食店経営を軌道に乗せ、徐々に事業拡大や次の手段を検討すると良いでしょう。
(4)人脈を頼り過ぎない
シニア起業のメリットとして、会社員時代の人脈が利用できる点を挙げました。
しかし、あまり人脈を頼り過ぎないように注意しておきましょう。
学生時代からの友人などなら話は変わりますが、会社員時代の友人や人脈などはあなたがその会社に在籍していることが前提の付き合いと思われているかもしれません。
まったく協力してくれない可能性も考えられます。
人脈をあてにし過ぎないように注意しておきましょう。
まとめ
65歳以上とはいえ、まだまだ元気な方が多い昨今、シニア起業も増加しています。
飲食店での開業を検討されている方も多く、シニア起業からの飲食店経営にはいくつものメリットもありますがデメリットも忘れてはいけません。
また、飲食店開業までの流れとして、事業計画書の作成や、コンセプトの決定などは非常に重要なポイントです。
予算や売上想定などは事業計画書を作成する際にしっかりと分析し、コンセプトを決定する際にはターゲット層や客単価などをしっかりと決めておきましょう。