家事や育児で家庭を支えていると、会社に勤めて働く時間を確保できないことも珍しくありません。

こういった場合に、個人事業主として開業し、スキマ時間で働くことを検討される方もいます。

とはいえ「開業したくても知識や経験がない」「多額の開業資金を用意できない」といった壁が存在するのも事実です。

このようなときに、選択肢の一つとなるのが「フランチャイズオーナーとしての開業」です。

この記事では、主婦（夫）におすすめのフランチャイズビジネスとはどのようなものなのか、どういった業種がおすすめなのか、詳しく紹介します。

主婦（夫）の起業におすすめのフランチャイズビジネスとは

会社で働く時間が確保できないけれど、なんとかして収入を増やしたい。

こういった場合にオススメなのが、時間の融通が利く個人事業主として起業することです。

しかし、いきなり開業をすすめられても、ノウハウや資金の不足など、いくつものハードルを超えなければなりません。

こういった不安を払拭できるのが、フランチャイズオーナーとしての独立開業です。

フランチャイズビジネスとは、フランチャイズ事業を展開しているブランド本部と契約を結んで開業するビジネスです。

商品やノウハウ、顧客の紹介など各種サポートを受ける代わりに、加盟店は加盟金とロイヤリティ（月額費用）を支払います。

では、なぜフランチャイズビジネスが主婦（夫）におすすめなのでしょうか。

「経験」「資金」「ブランド本部のサポート」の三つの観点から、その理由を見てみましょう。

（1）フランチャイズなら未経験でも起業できる

フランチャイズは本部と事業主が契約して、サポートを受けながらお店を経営する方法です。

この「サポート」には業務の研修が含まれていることも多く、業界未経験でもスムーズに起業できます。

例えばハウスクリーニングをフランチャイズで始める場合、開業前に本部から、掃除方法や顧客対応、現場同行による指導などのを教育を受けられます。

そのため、ある程度知識や経験、業務の進め方を身についたつけたうえで開業できます。

不明点があれば随時ブランド本部に確認できるため、ひとりで開業するときのように手探りで事業を運営する必要もありません。

充実した研修と本部のバックアップは、フランチャイズならではのメリットといえます。

（2）少ない自己資金でも開業可能

フランチャイズには無店舗や自宅で始められる業種も多く、少ない自己資金で開業できます。

訪問サービスや家事代行サービスなど、店舗のいらない仕事は多いです。

開業するために実店舗が必要であっても、フランチャイズ本部が店舗を用意してくれたり、店舗調達費用資金の一部を負担してくれたりする場合があります。

支援制度を活用することで費用を抑えられます。

店舗が必要な事業を自分で開業するとなると、設備投資や物件の契約を自己負担で行わなければなりません。

業種によっては、開業に500万円以上の費用が発生することもあります。

資金面の問題からも、フランチャイズでの開業がおすすめです。

（3）ブランド本部のサポートを活用できる

ブランド本部のサポートをフル活用することで、事業を軌道に乗せやすいのもおすすめポイントの一つです。

先ほど少し触れた「研修サポート」「店舗取得支援」のほか、さまざまな方法で加盟店をバックアップしてくれます。

たとえば、営業による顧客獲得や商品の用意などをブランド本部が行ってくれ、加盟店はサービスの提供や販売作業に集中できるビジネススタイルも多いです。

また、融資の申し込みや税金の申告など、慣れない「お金に関する作業」のサポートも、多くのフランチャイズブランドで提供しています。

このように、ひとりで開業する場合と比べて、圧倒的に事業運営の負担が少ないのが、フランチャイズビジネスの特徴です。

主婦（夫）におすすめの業種と5選

ここからは、具体的にフランチャイズの各業種を見てみましょう。

主婦（夫）におすすめの業種はいくつか存在しますが、そのなかでも「開業資金が少ない」「無店舗で始められる（自宅で開業できる）」

以下の4つの業種をピックアップしてみました。

• ハウスクリーニング
• 学習塾
• 美容サービス業
• 結婚相談所

各業種の特徴と、案件例を見てみましょう。

（1）ハウスクリーニング

ハウスクリーニングは、個人の自宅や企業の事務所、ビルなどを訪問し、クリーニングを行う業種です。

多くのフランチャイズブランドが無店舗での開業を可能としており、比較的少ないコストで開業が可能です。

コロナウィルスの蔓延やハウスダストアレルギーの増加を背景に需要を拡大させており、安定した収入が見込める業種でもあります。

①ハウスクリーニングサービス「ノモメンテ」

業種	ハウスクリーニング業
店舗	なし（出張型）
開業費用（一例）	195万円 ※車両購入費用別（自家用車使用可）
ロイヤリティ	固定チャージ：月額3万円 変動チャージ：月の売上高の8% システム利用料：月額1万円
案件ページ	ハウスクリーニングサービス　ノモメンテ

株式会社野元メンテナンスサービス（ノモメンテ）は、完全下請け型のハウスクリーニングサービスです。

大手家電量販店などと提携していることから、個人から法人までさまざまな現場の仕事があります。

営業は本部が完全代行形式で行うため、加盟店はクリーニングの仕事に集中できるのが強み。

現場同行によるサポートなど、充実の研修も魅力です。

未経験の方にもおすすめできるフランチャイズ案件といえます。

（2）学習塾

学習塾は、近年フランチャイズビジネスとして市場規模を拡大している業種の一つです。

大規模な店舗が必要なく、自宅での開業も可能な点がメリットです。

また、塾業界には学習塾のほか、楽器や運動など、さまざまな種類の塾が存在します。

自分の経験・スキルを活かして指導ができるのもメリットといえます。

①アトリエレゴット

業種	学習塾（絵画教室）
店舗	あり（自宅開業可）
開業費用（一例）	6万2,000円 （加盟金＋事前研修費）
ロイヤリティ	生徒1名ごとに月額1,000円
案件ページ	アトリエレゴット

TAJURO工房は「絵画造詣教室」の学習塾です。

芸術を仕事にできる貴重なフランチャイズ案件で、芸大出身者などセミプロの方から、芸術未経験の方まで加盟できます。

フランチャイズ運営元の株式会社TAJIRO工房は塾運営に30年以上の実績を誇っており、指導のためのカリキュラムがしっかりと組まれています。

数あるフランチャイズブランドのなかでも、開業資金が6万2,000円と突出して低額なのも魅力的。

費用を抑えて開業したい方も選択肢に入れられるでしょう。

②ブランチプログラミングアカデミー

業種	学習塾（プログラミング）
店舗	あり（自宅開業可）
開業費用（一例）	40万円から
ロイヤリティ	月額1万円
案件ページ	ブランチプログラミングアカデミー

2020年の必修化により、需要が増大しているのがプログラミングスクールです。

さまざまな企業がプログラミングスクールに参入するなか、高い満足度と長期継続で利益を出しているのが「ブランチプログラミングアカデミー」です。

プログラミングの授業は、映像教材をメインに行います。

生徒ごとの進捗に合わせた授業が可能なうえ、教師側のプログラミングスキルに不安がある場合でも、安心して開業できます。

本部サポートも充実しており、集客や運営方法の指導など、ひととおりの研修を受けられます。

教育業界未経験の方や、プログラミングに自信がない場合も検討できる案件です。

（3）美容サービス業

美容に関するフランチャイズビジネスは、常に一定の需要があり、在庫を大量に抱える必要がない点が強みです。

店舗が必要なため初期投資がかかる場合もありますが、自宅の一部を店舗として開業している方もいます。

美容関連のビジネスには、免許や資格が必要な「美容師」「理容師」のほか、マッサージやネイルなど、さまざまな業種があります。

①株式会社スクエア企画

業種	美容
店舗	無店舗・有店舗可能
開業費用（一例）	20万円から30万円
ロイヤリティ	無料
案件ページ	株式会社スクエア企画

スクエア企画の取り扱うフランチャイズ事業は「増毛エクステ（つけ毛）」の施術サービス事業です。

髪のボリュームに悩む顧客に対し、人工毛であるエクステの施術をおこなうのが主なサービスです。

エクステの施術技術は講習でしっかりと学べるため、美容業界未経験の方でも挑戦できます。

資格や免許もとくに必要ありません。

開業にあたってはある程度エクステの在庫を持つ必要がありますが、仕入価格は一束40円と格安。

食品などと違い時間経過による劣化も少ないため、リスクの低い商品といえます。

（4）結婚相談所

フランチャイズビジネスとして需要が伸びてきているのが、結婚相談所です。

恋愛市場ではマッチングアプリの規模が拡大している反面「真剣なお相手を探したい」「会員制の相談所で安心して出会いたい」という希望を持つ方も増えているためです。

結婚相談所は、男女の出会いを提供し、結婚までサポートすることが仕事です。

そのため在庫を抱える必要がなく、低リスクで事業を始められます。

自宅で開業できることも多いため、店舗への投資も抑えることが可能です。

①株式会社日本仲人連盟

業種	結婚相談所
店舗	あり（自宅開業可）
開業費用（一例）	加盟金60万円（研修費用等含む） ※店舗取得費別
ロイヤリティ	無料
案件ページ	株式会社日本仲人連盟

婚活ビジネス業界のなかで、事業規模を拡大しているのが「日本仲人連盟」です。

年間約600カップルを成婚退会に導いており、昭和49年の設立以来、高い相談者満足度を誇っています。

加盟時に60万円の加盟金が発生しますが、他のフランチャイズで発生するロイヤリティは0円です。

低コストで開業できるため、初期費用の短期での回収が見込めます。

副業での課開業も可能なビジネスモデルなので「家庭」「仕事のやりがい」を両立させたい方にとくにおすすめです。

主婦（夫）が起業で失敗しないためには

フランチャイズでの起業にはリスクもあるため、加盟店募集の広告を見て、加盟を即断するのはおすすめできません。

では、主婦が起業で失敗しないために、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

代表的な注意点を4点紹介します。

（1）契約内容に納得したうえで加盟する

フランチャイズでは契約条件や規則が事前に決まっており、違反すると違約金や契約解除などのトラブルにつながります。

加盟店側に不利な条件で契約してしまうと、思うように運営できない場合や、うまく売上が伸ばせないなど、問題が発生することもあります。

契約内容でトラブルにならないよう、事前に契約書をしっかりと確認しておきましょう。

納得できない場合は変更を頼むこともできますので、遠慮なく質問してみましょう。

（2）興味のある業種を選ぶ

フランチャイズビジネスは、さまざまな業種の起業が参入しています。

独立を検討し始めた段階では、業種が決まっていないことも多いかと思います、大切なのは、自分が興味を持てる仕事を選ぶことです。

「誰でも稼ぎやすい」「初期費用が格安」といったブランドもありますが、モチベーションが上がらなければ収入も伸びにくいもの。

まずは自分の興味がある分野を整理し、その中から加盟先を選ぶことがよいでしょう。

（3）家族と起業について話し合う

フランチャイズで起業すると家事や子育ての時間が減少することもあるため、少なからず少なくなり、パートナーの協力が必要となります。

勝手に開業してしまうと夫婦関係に悪影響を与える可能性もあるため、事前に話し合いが必要です。

「どういった仕事をしたいのか」「資金に問題はないか」などを協議したうえで、事業を始めましょう。

（4）経営状況を数字で評価できるようにしておく

経理に関する知識をつけ、経営状態を数字で評価できるようにするのも重要です。

売上が伸び悩んでいるとき、売上は伸びているのに利益率が悪い時など、どのように改善すべきか分析するスキルが必要だからです。

開業後徐々にでも問題ありませんので、ひとりで確定申告ができる程度の知識はつけておきましょう。

まとめ

個人事業主としての開業は、時間の融通が利きやすく、家事や子育てとも相性が良い働き方です。

ただし、ノウハウの不足や開業資金の調達がネックとなりやすいです。

こういった場合、ブランド本部から研修や商品のサポートが受けられるフランチャイズビジネスを検討してみてください。

まずは、自分が興味を持てる業種の案件をいくつか見てみましょう。

説明会などで、実際に話を聞いてみるのも良い方法です。

さまざまなフランチャイズブランドを比較検討しながら、自分にあったビジネスを探してみましょう。