海鮮丼屋をフランチャイズで開店する手順と注意点を解説
近年、回転すしの店舗が急拡大し、気軽に寿司を楽しめる環境が整ってきました。
このような状況の中、注目されているのが海鮮丼屋です。
テイクアウトやデリバリーを中心として海鮮丼が注目され始めています。
海鮮丼屋の経営は、自分で独立するケースとフランチャイズに加盟して経営するケースに分類できます。
海鮮丼屋を開業したいと思ったときに、自主独立した方がいいのかフランチャイズで開業した方がいいのかといった点が悩みどころになるでしょう。
海鮮丼屋をフランチャイズで経営した場合には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
また、年収や開業費用などはどの程度なのでしょうか?
この記事では、海鮮丼屋をフランチャイズで開業するメリットやデメリットについて解説します。
目次
海鮮丼の需要
海鮮丼屋をフランチャイズ経営で行うかどうかの前に、海鮮丼自体の需要について見てみましょう。
(1)コロナ禍による持ち帰り需要が増大
2020年初頭からのコロナショックにおいて、飲食店は軒並み大きなダメージを受けています。
そんな中、需要が高いのがテイクアウトやデリバリー業です。
外食に対して制限が課される中、自宅で手軽に飲食ができるテイクアウトやデリバリーが需要を延ばしています。
テイクアウトやデリバリーでの販売を主とする海鮮丼屋も例外ではありません。
コロナ禍における新しいライフスタイルにおいてこのような業種は大きな将来性を含んでいるといえるでしょう。
(2)海鮮たっぷりでもワンコインが魅力の海鮮丼
海鮮丼の魅力は、海鮮のボリュームがたっぷりの割には価格が非常に安いことが挙げられるでしょう。
大手海鮮丼の価格だとワンコインで海鮮丼が提供されていますので、財布の中を気にせずにボリュームたっぷりの海鮮丼が楽しめます。
また、メニューが多いのも海鮮丼の特徴です。
中には苦手の魚介類があるという人でもお好みの魚介が詰まった海鮮丼が選べます。
ワンコインで飽きのこないメニューが揃っている点も海鮮丼の特徴です。
フランチャイズの海鮮丼屋の平均年収
では、実際に海鮮丼屋をランチャイズ経営した場合売り上げや年収はどのくらいになるのでしょうか?
ここからは、海鮮丼屋における売り上げや年収といった点について解説します。
(1)いくつかのフランチャイズから売り上げを比較しよう
海鮮丼の人気の高さから、さまざまな企業がフランチャイズの募集に名乗りを上げています。
あるフランチャイズの月額売り上げデータを見てみると
売上 | 220万円 |
仕入れ | 130万円 |
家賃 | 12万円 |
光熱費 | 4万円 |
広告費 | 4万円 |
消耗品費 | 1万円 |
人件費 | 15万円 |
ロイヤリティ |
3万円 |
このフランチャイズで海鮮丼屋を経営した場合の年商ベースは2,640万円で総利益は約51万円となります。
また、別のフランチャイズにおける売り上げデータを見てみると、なんと月商ベースで平均350万円、年商ベースにおいては4,200万円と非常に高い売り上げを挙げています。
店舗数が着実に増えており、ノウハウがどんどん構築されていますので、初年度からでも非常に高い売り上げが期待できます。
(2)複数の店舗経営で年収アップも期待
上記表に沿った売り上げが維持できると年商2,640万円で総売り上げが50万円程度ですので、順調に経営できたとすると、1店舗あたり600万円程度の年収を得ることが可能です。
これはあくまでも1店舗経営ですので複数店舗経営ができると、当然ながら売り上げが上がり年収ベースも上がることがわかります。
実際に1店舗だけでも600万円の年収が期待できますので、2店舗経営しただけで年収1,000万円を超えることが可能です。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
海鮮問屋をフランチャイズ経営することで高い売り上げと高い年収が期待できる可能性が高いことがわかりました。
では実際に開業する場合、どの程度の初期コストが必要になるのでしょうか?
またフランチャイズ経営を行う場合、気になる点が加盟店料やロイヤリティです。
加盟店料は、フランチャイズに加盟するときに支払う費用を指します。
ロイヤリティとはお店の看板や営業ノウハウを使用する使用料と考えるといいでしょう。
ここからは、初期費用やロイヤリティなどについて解説します。
(1)各フランチャイズの海鮮丼初期費用を比較しよう
まずは、各フランチャイズ募集のHPからフランチャイズで海鮮丼屋を行った場合の初期費用を比較します。
詳しく掲載されている企業の初期費用内訳みてみましょう。
内外装工事 | 150万円前後 |
什器備品 | 100万円前後 |
販売促進費 | 20万円前後 |
店舗取得費 | 100万円前後 |
合計すると約400万円程度でフランチャイズ経営が可能です。
当然ながら立地条件や広さにより初期費用は変動しますが、およそ400万円~500万円程度の初期費用を見込んでおくといいでしょう。
他のフランチャイズ募集では詳しい内訳の掲載はありませんでしたが、およそ500万円前後で経営が可能と記載しています。
一般的な海鮮丼屋の開業費用は500万円前後とみておくといいでしょう。
(2)各フランチャイズの海鮮丼のロイヤリティは?
こちらも詳しく記載されている企業のHPを参考に表にしています。
加盟金 | 100万円 |
保証金 | 10万円 |
研修費 | 15万円 |
のれん代 | 毎月3万円 |
ロイヤリティ | なし |
アプリ使用料 | 月々8千円 |
注目点はロイヤリティがかからない点です。
ただし別途のれん代がかかっていますので、ほかのフランチャイズ業種とは若干異なります。
他のフランチャイズ企業のHPを見てみると、ロイヤリティはかかっていないケースも見受けられるので比較検討することが大切なポイントです。
フランチャイズによる海鮮丼の開業手順
ここまでは、売り上げや年収、開業費用やロイヤリティといった金銭面について解説しました。
ここからは開業までの手順をステップごとに解説します。
ステップ1 説明会参加や資料請求
まずは、加盟するフランチャイズをどこにするかを決めなければいけません。
フランチャイズ企業では説明会を行っているところもありますし、問い合わせすると担当者による説明などを行ってくれます。
資料を請求したり説明会に参加したりすることで、フランチャイズをどこにするかを決めましょう。
ステップ2 フランチャイズ加盟契約を締結
フランチャイズする企業を決めるとフランチャイズ契約を締結します。
フランチャイズ契約の際に、店舗物件の紹介や資金計画などについてもレクチャーしてくれる企業もあるので、しっかりと内容を確認しましょう。
ステップ3 店舗取得
フランチャイズ契約を締結すると、店舗選びから店舗契約を締結します。
あらかじめ、めぼしい物件を見つけておき、フランチャイズ契約からあまり日をおかないようにしておくとスムーズに開業できます。
ステップ4 研修に参加
フランチャイズ本部によってはみっちりと研修を行い、営業ノウハウを学ばせてくれます。
場合によっては、延長して研修を行う場合もあるのでみっちりと学んで、早い時期からの黒字化を目指しましょう。
また、研修に時期に合わせて、店舗の内外装に着手しておくと効率的です。
ステップ5 開業
いよいよ開業です。
開業後もさまざまな情報や研修に参加できますので安心して経営ができます。
このような手順を踏んで開業となりますが、早い場合は1か月程度での開業が可能です。
必要な資格や技術
実際に海鮮丼屋を開業するにあたり、資格や技術は必要なのでしょうか?
せっかく開業までの手順をスムーズに行えたとしても、もし資格が必要でその資格を取得していなければ開業できないということにもなりかねません。
ここからは開業に必要な資格について解説します。
(1)資格はいらないが届け出が必要
海鮮丼屋を開業するにあたり必要な資格はありません。
未経験でも取り組むことは可能です。
しかし、ある程度飲食店での勤務経験などがあった方が成功しやすいといえるでしょう。
資格は必要ありませんが、食品衛生法に基づく営業許可の申請と食品衛生者を配置する必要があります。
営業許可は所定の書類を準備して保健所に申請します。食品衛生者は講習を受講することで取得可能です。
開業を行う10日前までに申請が必要ですので忘れずに行いましょう。
フランチャイズで海鮮丼を開業するメリット
海鮮丼屋の経営におけるさまざま解説を行いましたが、フランチャイズ経営の方が得なのか、それとも自主独立した方がいいのかが最後の悩みどころです。
実際に海鮮丼屋をフランチャイズで行う場合、さまざまなメリットを受けることができます。
フランチャイズに加盟して海鮮丼屋を行っているオーナーは、メリットを感じているからこそ加盟しているといえます。
ここからは、海鮮丼屋をフランチャイズ経営で行うメリットについて解説します。
(1)火を使わず人気の海鮮丼を提供できる
海鮮丼屋は飲食店という扱いですが、火を使う必要がないという点が大きなメリットとして挙げられます。
火を使う場合はどうしても火災や煙といった問題があり店舗が借りにくくなってしまうといったデメリットが考えられます。
しかし、海鮮丼の場合は魚の切り身があれば盛り付けするだけの手間で提供することが可能です。
とはいえ、ただ単純に切り身を乗せただけの海鮮丼ではユーザーの満足度を高めることができませんので各フランチャイズ本部の工夫が必要になるでしょう。
しかし、火を使うことがないので失敗してロスを出すことも少なく、火を使わないメリットは大きいといえます。
(2)坪数が少なくても売り上げを上げるノウハウができている
海鮮丼屋経営のメリットとして店舗が広くする必要がないといった点も挙げられます。
極端に言うと、調理できるスペースがあればいいし、火を使わないので調理スペースが広い必要もありません。
実際に5坪程度でも月商600万円を超える売り上げの海鮮丼屋もあるので、少ない坪数でも十分な売り上げを挙げることが可能なのです。
(3)研修プログラムが充実している
研修プログラムが充実している点も大きなメリットです。
前述しましたが、フランチャイズ本部によっては開業前に2週間程度の研修期間があり、経営ノウハウを学ぶ時間が設けてあります。
2週間で学びきれなければ延長し、ノウハウが理解できるまでじっくりと研修を行うことができるのです。
初めての開業ともなれば不安も多く、自主独立の場合ノウハウもなくリスクを感じながらの経営となりますがみっちり研修することで、不安を大きく解消することができます
フランチャイズで海鮮丼を開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズ経営にはメリットばかりのようですが、当然ながら注意しなければいけない点などもありますのでしっかりと問題点を把握しておきましょう。
ここからは、フランチャイズ経営を行う場合の問題点などについて解説します。
(1)独自の戦略は難しい
海鮮丼屋に限ったことではありませんが、フランチャイズに加盟すると独自の戦略が取りにくくなる点がデメリットとして挙げられます。
基本的に営業ノウハウに沿った経営が求められますので、独自の経営を行ってしまうと、ほかのフランチャイズしている海鮮丼屋に影響を与えるケースがあるのです。
同じサービスを提供することがフランチャイズ企業の求めるところですので、オリジナルな経営は難しいでしょう。
どうしても独自の戦略を試したい場合は、一旦フランチャイズ本部に相談してみましょう。
最終的に売り上げが上がるような提案であれば、フランチャイズ本部も受け入れる可能性もあるかもしれません。
(2)ロイヤリティや加盟店料を複数の本部で比較する
ロイヤリティや加盟店料は各フランチャイズ企業で異なりまので、いくつかの企業を比較することが成功のポイントです。
海鮮丼屋のフランチャイズはロイヤリティが発生しない企業もありますが別途のれん代がかかる場合もあります。
また、加盟店料も各企業で異なりますので、複数の本部を比較検討して、選択しましょう。
(3)味の差別化は難しい
海鮮丼屋は火を使わない点がメリットとして挙げましたが、あまり手をかける必要がない分、味においての差別化が難しいといえるでしょう。
どこでも同じ味が出せるという点はメリットかもしれませんが、同じフランチャイズ店舗においては独自の味が出しにくいといえます。
味に関する独自の技術を持っているケースなどにおいては、フランチャイズにおいてはあまり生かせないかもしれません。
まとめ
海鮮丼は今後の成長性が期待できるビジネスで多くのフランチャイズが参加しています。
フランチャイズが増えると不利になると考える人も多いのですが、そうではありません。
フランチャイズ本部が一つだけだと海鮮丼をやりたいときに選択するのがそこしかないので条件が悪くなる可能性があります。
複数のフランチャイズが進出することで、各社が競争し質の高いサービスの提供に期待が持てるといえるでしょう。
大事なのは、複数のフランチャイズから比較検討して決定するということです。
自分の経営スタイルのあったフランチャイズ本部と提携し、安定経営を目指しましょう。