個人経営のリサイクルショップの始め方・開業の流れや必要な資格
近年、SDGsの考え方が広まっており、リユース品の再利用など需要が増えています。
そこで今後の成長性が見込める事業として挙げられるのがリサイクルショップです。
この記事では、リサイクルショップを個人経営で開業した場合の費用や資格、メリットやデメリットといった点について詳しく解説します。
リサイクルショップの開業にともなう必要な許可や費用
まずはリサイクルショップの開業にあたり、どのような許可や費用が必要なのかといった点について解説します。
(1)古物商の許可申請
リサイクルショップ業の開業に対して欠かせないのが古物商許可です。
法人や個人が古物営業法で定められた古物の売買に関して古物許可を取得しなければ古物の売買ができません。
古物の売買は、修理しての販売や交換、レンタルとして古物を利用する際にも必要な許可です。
古物商の許可申請は、管轄警察署の生活安全課防犯係の管轄になります。
個人経営における古物商の許可申請において必要な書類は以下の通りです。
- 古物商許可申請書
- 住民票のコピー
- 略歴書
- 身分証明書
- 契約書
必要な書類に関しては、各自治体によって異なる場合がありますのでHPなどを事前にチェックしておきましょう。
(2)仕入れ先の確保
開業時には当然ですが一定数の商品を準備しておく必要があります。
開業後も買取のみで商品を補充していると商品の不足や偏りが生じてしまうかもしれません。
同じ古物商での販路を確保しておく必要があります。
仕入れ面はきちんと確保しておかなければ、せっかくお客様が来店されたとしても商品がないと知ると、もう来店してくれないかもしれません。
売上が安定し、商品の補充が多くなると、安い金額で卸してくれるケースも増えてきますので、利益率が高くなります。
逆に売上があまり上がらずに、補充する商品が少ないと仕入れ値も安くはできません。
来店客が増えて売上が上がると好循環な状態になりやすいビジネススタイルです。
(3)スタッフの募集
スタッフの募集が必要ですが、開業当初は、売上が安定せず人件費のコストが大きな負担となってしまいます。
開業当初は、自分ひとりで開業してなるべく経営が安定した後にスタッフが募集できると、開業当初の人件費負担が抑制できます。
しかし、買取や物品の搬送が頻繁にある場合は、店番としてスタッフが必要になりますので、売上とのバランスを考えて雇用する人数を調整しなければいけません。
(4)開業にかかる費用の目安
リサイクル業を個人経営で始める場合、どの程度の開業資金が必要になるかが気になる点です。
開業にかかる初期費用は、店舗の広さや場所によって大きく異なります。
あまり人通りの多くない立地でリサイクルショップを開業するとコストは安く済みますが、来店者数が多くないかもしれません。
逆に好立地だと家賃が高くなってしまうといった面に注意が必要でしょう。
その他にも、開業当初の商品仕入れ費や、内装外装工事なども発生します。
一般的なリサイクルショップの開業費用としては約350万円〜700万円程度を見込んでおくといいでしょう。
個人経営でリサイクルショップを開業するメリット
リサイクルショップを個人経営で開業する場合、どのようなメリットが考えられるでしょうか。
ここからは、リサイクルショップ開業におけるメリットについて詳しく解説します。
(1)需要が伸びている
需要が伸びている業種といった点が挙げられます。
年々、どんな商品でも昔と比較すると、品質が向上していますので、長く使用できるものが非常に増えています。
そのため、使えるのに使わなくなったものを廃棄してしまうのは非常にもったいないので、リサイクルショップなどが当たり前のように利用され始めているのが現状です。
さらにSDGsにより、なるべく長く商品を使用するのが環境にも良いといった概念が定着しています。
今後もリサイクルショップを利用する層は年々増加してくる可能性が高く、将来性の期待できる点が大きなメリットです。
(2)仕入れ費用が安価でできる
リサイクルショップが仕入れする商品は、中古品や使わなくなった商品などです。
一般的な新商品や新品を仕入れるよりも非常に安い金額で仕入れができます。
交渉次第では、さらに安く抑えることも可能です。
前述したように卸業者から仕入れる場合、取引実績によっては今後の安定したお付き合いのことを考えて、特別価格で卸してくれるケースも考えられます。
仕入れ値次第では、利益率の大幅な増加なども見込めますので、仕入れ価格が安くできる点も大きなメリットといえるでしょう。
(3)アフターフォローの必要性が少ない
アフターフォローの心配もあまりありません。
まず大前提として中古品ですので、補償などは一切ついていないケースが多く、自分の目で確認して購入した後の故障などはすべて自己責任となります。
購入してすぐの故障や、購入後、すぐに商品が機能を果たさなかった場合などは返品や修理などを受け付けるケースはあります。
しかし、新品の商品のように年単位でアフターフォローする必要はありません。
基本的にリサイクルショップの場合は、購入してしばらくたってからの返品などはありませんので、損金計上が少ない事業です。
アフターフォローに時間と労力をかける必要がない点もメリットといえるでしょう。
(4)個人経営だと手続きがあまりかからない
個人経営でリサイクルショップを開業する場合、法人などと比較すると手続きにあまり手間がかかりません。
個人で開業する場合古物商などの許可は必要ですが、それ以外は、税務署に開業届を出せば開業可能です。
会計処理や税務処理なども個人で処理ができますのでそう難しくはありません。
開業当初は所得もそこまで大きくはないので、所得税も個人経営の方が有利に働きます。
所得が増えてくれば、法人経営などを検討しなければいけませんが、開業当初は個人経営の方がメリットは多いといえるでしょう。
個人経営でリサイクルショップを開業するデメリット
では次に個人経営でリサイクルショップを経営するデメリットについて解説します。
(1)値付けや需要を見極めないといけない
値付けを間違ってしまうと、利益が出ないばかりか赤字になってしまう可能性もあります。
また適切な値付けだったとしても、需要がない商品を仕入れてしまうと、まったく売れません。
商品は生ものではないので、基本的には売れなくても悪くなるようなことはありませんが、商品を保管しなければいけませんので、保管費用が余計にかかる要因となります。
場合によっては、仕入れた商品を早く現金化するために赤字でも売却する必要がでてくるかもしれないでしょう。
判断ミスにより、なかなか売れない商品を仕入れてしまった場合、赤字になってしまう可能性がある点はデメリットのひとつとして挙げられます。
(2)不良品や偽物を仕入れてしまう
商品の仕入れは、卸業者からの仕入れだけではなく買取による仕入れもあります。
お客様の商品を査定する際に、不良品や偽物を仕入れてしまう可能性がある点がデメリットのひとつです。
また、盗品などが持ち込まれるケースもあります。
不良品を仕入れてしまった場合、修理しなければ販売ができません。
修理費用のコストがかかってしまいますが、販売価格に上乗せしてしまうと割高な商品となり、売れない可能性が高くなってしまうでしょう。
偽物に関しては、販売できないか、買取った金額よりも安い価格で販売しなければいけないかもしれません。
盗品を買取ってしまうと、販売ができません。
どれも赤字になってしまうケースが多くなるでしょう。
(3)経営すべてが自分の責任となる
個人経営となると、経営に関する責任はすべて自分自身が背負わなければいけません。
利益が全く上がらず赤字経営になり、負債を背負ったとしても責任はすべて自分に跳ね返ります。
精神的な負担も大きくなってしまいますので、経営の負担に耐え切れず、身体を壊してしまうケースも見受けられます。
自分の責任負担が大きくなってしまう点もデメリットといえるでしょう。
(4)在庫の保管が必要
リサイクルショップ経営における余計なコスト負担として挙げられるのが在庫の保管です。
仕入れた商品や買取った商品の値付けなどを間違ってしまうと、売却できずに倉庫に保管されたままになってしまうかもしれません。
在庫が増えてしまうと、倉庫がいっぱいになってしまい、赤字でも売却しなければいけないといったデメリットが考えられます。
在庫保管の維持管理費や、きれいな状態を保つ必要がある点もデメリットといえるでしょう。
リサイクルショップを開業する流れ
ここからはリサイクルショップを開業する流れについて詳しく解説します。
(1)古物商許可証の取得
開業に必要な許可として古物商許可を挙げました。
まずは、リサイクルショップを開業するにあたり、古物商の許可申請を行いましょう。
もし開業時に許可が下りていなかった場合、開業ができません。
万が一、もうすぐ許可が下りるからと、許可なしに開業してしまうと罰則の対象になります。
古物商の許可は事前の取得がオススメです。
(2)物件の取得
基本的にリサイクルショップは店舗を構えなければいけませんので、開業する店舗を決めましょう。
物件の取得に際し、求める広さや払えるコスト、立地面で集客の強さなどをしっかりと把握しなければいけません。
開業するリサイクルショップの規模などによっても求める広さは異なります。
あまり大きすぎる店舗だと、個人経営での開業だと目が届かないかもしれません。
店舗の取得前には、開業するリサイクルショップのコンセプトやターゲット層を明確に設定しておくと、自ずと開業する店舗のエリアや広さが決まるでしょう。
(3)仕入れ
店舗が決まると、次に必要なのが商品の仕入れです。
開業していませんので、お客様からの買取商品がありません。
つまり、卸業者から商品の仕入れが必要です。
まずは商品の品ぞろえを良くして開業に備えましょう。
(4)スタッフ募集
自分ひとりでの経営が難しい場合はスタッフを募集しましょう。
人材発掘が個人経営者にとっては非常に重要です。
自分の片腕となる存在を見出し、教育しなければいけません。
オススメの人材としては、この仕事が好きで、お店の方向性に共有してくれるような人材です。
開業における大きなポイントのひとつといえます。
(5)集客
集客は早ければ早いほど来店客の増加につながります。
開業までの苦労などをSNSにアップすると、SNSを見た方が親近感を覚え、開業と同時にお客様になってくれるかもしれません。
また、開業する店舗の商圏にチラシを配布するなどの対策も効果的です。
集客に関しては、開業前も開業後も定期的に続けなければいけません。
開業したと同時にある程度の来店が見込めるように、早めの集客を心がけましょう。
(6)開業
開業した後も売上の分析や、商品の新たな仕入れなどやることはたくさんあります。
効率的に行動し、早めの黒字化を目指しましょう。
まとめ
リサイクルショップ経営は、今後の成長性にも期待が持てる事業といえます。
しかし、メリットやデメリットもありますのでしっかりとした分析が必要です。
また、将来性を感じ未経験からの開業を検討する方も多いのではないでしょうか。
未経験からの開業ではフランチャイズへの加盟がオススメです。
本部のさまざまなサポートにより、提供されるノウハウも取得しやすく、何よりユーザーに屋号などが知られている点が大きなメリットといえます。
リサイクルショップ開業時にはフランチャイズも含め、自分に合った方法で開業しましょう。
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