塾開業は失敗しやすい?経営に失敗しないためのポイントを解説
塾経営は比較的、開業しやすい業種といわれています。
しかし、安易に開業してしまうと失敗してしまう可能性も高まってしまいます。
この記事では塾開業は失敗しやすいビジネスなのかといった点や、塾開業を失敗しないポイントなどについて詳しく解説します。
目次
塾開業は失敗しやすいビジネスなのか?
塾開業を検討する方がまず気になるのは、塾経営は失敗しやすいビジネスなのかといった点です。
まずは塾開業におけるビジネスの特徴について解説します。
(1)塾の開業は多いが失敗も多い
塾は他のビジネスなどと比較すると、開業しやすいビジネスです。
開業しやすい理由として、初期投資があまりかからない点が挙げられます。
教室や教材、机といすなどがあればすぐにでも開業が可能です。
また、開業当初は自分一人で開業できますので人件費もかかりません。
しかし、失敗が多い点も挙げられます。
塾経営における年間の倒産件数は80件前後で推移しており、大手の塾も例外ではありません。
比較的開業しやすいので、あまり計画性がなく塾経営を思い立った方などは失敗してしまう可能性が非常に高くなるでしょう。
充分調査した上で開業しなければいけません。
(2)勝ちと負けがはっきり分かれやすい
うまく軌道に乗ると、紹介などにより自然と塾生が増えて安定した経営を行うこともできるでしょう。
しかし、開業当初に入塾した生徒の成績を伸ばすことができないと、開業当初からいい評判は立たず苦戦してしまうかもしれません。
さらに、現在は少子高齢化の動きが顕著なため、昔ほど子どもの総数が多くないので、市場規模が縮小する中での、生徒の取り合いとなってしまいます。
大手のフランチャイズや、資本力の高い塾などが知名度から、生徒数が多くなる傾向が強く、小規模での塾開業となると、大きな工夫をしなければ勝てません。
勝ちと負けがはっきりと分かれやすいのも塾開業の特徴です。
(3)参入しやすいので競合が多い
前述したように、塾は比較的開業しやすい業種です。
初期投資をあまりかけずに開業が可能ですので、独立を検討するときには塾開業を検討する方が多いといえます。
つまり、参入障壁が低いため、競合が多くなってしまい、ただでさえ減少している子供の数からの取り合いとなってしまうでしょう。
競合が多いと、どうしても収益性は悪くなってしまい、広告費などにあまりお金がかけられないといった悪循環に陥ってしまいます。
競合の多さも塾開業が厳しくなってしまう理由のひとつです。
塾開業が失敗しやすい理由
塾経営が失敗しやすい理由として、3つの失敗が挙げられます。
ここからは塾経営で失敗する3つの理由について詳しく解説しましょう。
(1)戦略面での失敗
まずは戦略面の失敗です。
塾の開業において失敗しやすいのが大手の塾と同じ戦略を取ってしまうケースでしょう。
大手は資本力が豊富なので広告戦略なども多彩です。
広く集客することが可能なので、多くの生徒が対象とした塾経営ができます。
しかし、独立して塾開業を検討する場合、大手のような広告戦略を打とうとしても、資金面で苦労してしまい、広く広告が打てないかもしれません。
また、どのような生徒にも対応できるのが大手の強みですが、人員が少ない小規模での塾経営では、対応できるものが限られてしまいます。
大手と同じような戦略をとってしまうと失敗する原因となってしまうでしょう。
(2)立地面での失敗
立地面での失敗も挙げられます。
立地が悪いと、いかにいいサービスを提供したとしても生徒が集まりません。
塾経営もある意味、箱モノビジネスの一種です。
いかにいい立地で塾を開業ができるかといった点が大きなポイントになります。
近年ではwebによる塾経営なども増えていますが、対面での授業を望む声も依然多く、生徒が通いやすい環境つくりが塾経営には重要です。
交通の便が悪い立地だったとしても駐車スペースが多い店舗を借りると、少々の立地の悪さがカバーできます。
生徒がなるべく通いやすく、治安が良い場所を選ぶと、親も安心して塾に通わせられます。
立地選びは十分に検討を重ねた上で、塾を構えないと失敗しやすくなってしまうでしょう。
(3)資本面での失敗
塾経営において、よくやってしまうのが低価格戦略です。
安い会費で生徒を集めようとする手法を取ってしまいます。
しかし、資本力がない独立したばかりでの塾開業は、低価格戦略により、収益性の悪化を引き起こしてしまいます。
大手の場合は、他の教室で赤字を埋めるといった方法も可能です。
独立したての方は、ひとつの塾しかありませんので収益性が悪くなると一気に経営難になってしまうでしょう。
小規模の塾開業だと、逆に高い会費で質の高いサービスを心がける必要があります。
十分な運転資金など資金面のケアがないと失敗してしまう要因となってしまうでしょう。
塾開業におけるフランチャイズがオススメの理由とは?
塾の開業方法としてオススメなのがフランチャイズに加盟して開業する方法です。
ここからは、フランチャイズがオススメの理由について解説します。
(1)知名度とブランド力
フランチャイズとは、大手塾の加盟店となって、大手塾の看板や経営方法を利用して経営するスタイルです。
独立開業した場合、当然のことながら名前も知られていませんので、生徒を集めて軌道に乗せるまで一定の期間を要します。
フランチャイズに加盟しての開業だと、塾の名前は既に知られていますので、知名度がある状態での開業が可能です。
集客もしやすく、塾に入塾させる保護者もブランド力がある名前のため、高い信頼を寄せるでしょう。
また、雇用の面においても塾の名前が知られていますので、講師やスタッフを採用しやすくなる点もフランチャイズの利点です。
(2)ノウハウが豊富である
フランチャイズ本部は、多数の指導実績と経験から効率的でわかりやすい指導ノウハウや経営体制を構築しています。
フランチャイズに加盟することにより、それらの指導ノウハウを使えますので、加盟店は使用する教材やカリキュラムなどを考える必要がありません。
指導する教材のポイントや進め方は、研修などにより具体的な指導方法を教えてくれますので、本部と同じような指導ができるようになります。
特に、塾開業の経験が浅い方や全く未経験からの塾開業となると、指導方法がまったくわからず、生徒の成績も上がらないといった事態が想定されます。
指導ノウハウが確立しているフランチャイズだと、未経験からの開業も安心です。
(3)サポートが適切
塾開業を成功させ、安定経営の基盤を構築するには、立地面に優れた店舗の取得や安定した集客が必要です。
フランチャイズ本部に加盟して開業ができると、本部から集客しやすい物件選びや、開業後のフォローなど、塾経営に関するさまざまなサポートを受けることができます。
特に未経験からの塾開業となると、生徒への指導方針での悩みや、雇用の面の悩みなど、さまざまな悩みに対してどう対処して良いのかがまったくわからないかもしれません。
加盟店に困った問題が発生した場合は、本部の担当者などが相談に乗り、豊富な実績や経験から適切なアドバイスが得られます。
サポート体制が構築されている点も、フランチャイズがオススメの理由です。
(4)効率的な経営システムの利用
大手の塾は、効率的な経営システムが整っており、無駄を避け収益性を高めるノウハウが豊富です。
独立しての塾開業となると、長い時間をかけて経営システムをつくり上げる必要があります。
経営方法がうまく構築されていなければ利益率も下がってしまい、効率的な塾経営ができません。
前述したように、本部の経営システムが利用できるので加盟店はシステムに沿った経営を行えば良く、最初から収益性の高い方式を身に着けての経営が可能です。
これもフランチャイズに加盟して開業する大きな利点といえるでしょう。
フランチャイズで塾開業するときの注意点
多くの大手塾がフランチャイズ本部として加盟店を募集しています。
それぞれに特徴がありますので、自分の目指す塾のスタイルと本部のスタイルが異なるとうまくいかない可能性も考えられます。
ここからは、フランチャイズで塾開業する場合の注意点について解説しましょう。
(1)加盟前にしっかりと調査、分析する
フランチャイズに加盟しての経営となると、基本的に本部の意向に沿った経営しかできません。
本部の経営方針やノウハウなどに共感したうえで加盟しなければ、のちのち不満が高まる要因となってしまいます。
自分たちがどのような塾を開業したいのか、自分たちのやりたい経営ができそうな本部はどこなのかといった調査が必要です。
(2)本部丸投げの経営はしない
いくらフランチャイズとはいえ、本部に丸投げの経営はいけません。
自主的な行動がなければ、いくらノウハウが構築されたフランチャイズでも失敗してしまう可能性が考えられます。
自分なりに売り上げ目標や生徒数など具体的な目標を掲げ、目標達成に向けて取り組みましょう。
塾開業を失敗しないポイントとは
ここからは塾開業を失敗しないポイントについて詳しく解説します。
(1)経営者としての意識を持ち、スキルを高める
講師として魅力のある授業で生徒数を増やすことだけではなく経営者としてのスキルを高めなければいけません。
塾の講師という立場と経営者ではやるべきことが大きく異なります。
資金調達や、経営戦略、マネジメントといったスキルを高めなければいくら講師として優秀だったとしても塾経営はうまくいかない可能性が高まってしまいます。
経営者目線での取り組みとスキルを高めましょう。
(2)差別化できる塾開業を目指す
前述したように、フランチャイズに加盟する以外は、知名度もない小資本からのスタートとなります。
少ない資本からスタートしますので大手の塾と同じようなスタイルで開業したとしても、大手の圧倒的な事業規模にはかないません。
他の塾がやっていないようなオリジナルのスタイルによって差別化できますので、他とは違うポイントを明確にアピールしながらの集客が効果的です。
(3)コストの意識を常に持つ
いくら売上ばかりよくてもコストがかかりすぎてしまうと経営状況はいつまでたってもよくはなりません。
塾開業当初には、どうしてもさまざまなコストがかかってしまいます。
必要以上に備品を購入してしまうこともあるでしょうし、不必要なものを揃えやすいのが開業時の注意点です。
いずれ必要になると思い買い揃えたとしても、余計な出費となり、いつまでも使用せず、維持費ばかりがかさむといったケースも考えられます。
開業時は気持ちが高ぶっていることもあり、必要以上に経費をかけ過ぎる傾向が見られます。
コストの意識を常に持ち、利益率の向上に努めましょう。
(4)常に生徒の身になって考える
塾開業は、生徒の成績向上や目標とする志望校への入学をサポートするのが大きな目的です。
生徒の実力向上が実感でき、志望校への合格実績が増えてくると口コミで評判が広がり、自然と集客アップにもつながります。
生徒の成績を上げるには、生徒の立場となり、生徒の気持ちが掴めるとうまくコミュニケーションが取れて、生徒も塾での成果を実感できるでしょう。
生徒は全員同じではなく、それぞれ考え方や、やる気になるポイントが異なります。
いかに生徒それぞれの身になって考えコミュニケーションを取り、真剣に授業に取り組んでくれるかを考えなければいけません。
まとめ
塾開業は、比較的誰もが参入しやすいため失敗する可能性も考えられる業種です。
小規模資本での開業となりますので大手との差別化を図った経営が必要ですが、大手のフランチャイズに加盟しての塾開業も効果的な経営手法といえます。
大手の知名度やノウハウ、サポートを受けながらの経営が可能となりますので、特に初心者の方にはオススメの開業方法といえるでしょう。
フランチャイズも含め、自分に合った塾開業を検討しましょう。